« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »

2011年4月

2011年4月30日 (土)

本耶馬渓

本耶馬渓は国道212号線沿いにある。夕方になったが、天気がよくなってきた。このすぐ近くに青の洞門があるが、もう見に行く元気はなかった。

1 2 3 4

羅漢寺

古羅漢の山を下りて羅漢寺に向かう。羅漢寺はさらに山の上にあり、歩いて登ったら30分以上かかりそうだ。なんとリフトがある。リフトを降りて坂を登れば、羅漢寺の山門。羅漢さんがそこら中にある。おもしろそうなのを撮影。奥の院は断崖に食い込むように建てられている。道の横に鮮やかなツツジがあり、リフトのそばには桃の花が満開だった。リフトから眼下の山を撮る。

Photo_15 羅漢寺山門。

Photo_16 Photo_17 Photo_18 Photo_19 Photo_20 Photo_21 Photo_22 Photo_23 Photo_24 Photo_25

中国ウオッチ・刀削麺ロボット

小麦粉の生地の固まりを包丁で削ぎ切るようにして湯にくぐらせて麺にするものを刀削麺という。鮮やかな手つきで次々に切り出される技は見事なものだが、これを人間でなくロボットでやるものを開発したという。元々ショー的な要素の強い料理法であり、ロボットでやれば早く正確に同じものができるのは当たり前だが、人間がやるから均一に切り出そうとしても微妙に違いが出てくるところに味わいがあるものなのでロボット化することに何の意味があるのか首をかしげざるを得ない。名人芸の仕事を奪って職人を失職させるより、もっと省力化したい仕事があるのではないか。中国は人が余っているのだから、危険な仕事を肩代わりするようなものからやったらどうかと思ってしまう。どうもロボットを、人目をひくための用途に持ってくるという発想が、人の代わりを想定する日本と違うところかもしれない。ロボットを擬人化するのは日本人特有との意見もある。

古羅漢

本耶馬渓へ向かう前に、近くに羅漢寺があるとの標識を見て立ち寄ることにする。羅漢寺の山門の前に山があり、トンネルを抜けると羅漢寺に至る。その手前の山の姿がまた異様である。駐車場があって横手に古羅漢への登山口とあった。登ってみることにした。山の上腹部がえぐられて石仏がいくつも置かれていた。小さな山堂もある。そこから見下ろすと下界の風景が見えた。山堂の近くが中空になっており、山の裏側へ抜けられる。もとへ戻らず、羅漢寺へいけるようだが、絶壁に近い山道を、鎖を伝わって降りなければならない。でも戻るのは嫌いなので思い切って降りた。

Photo 古羅漢全景。左手上部のところまで登れる。

Photo_2 登り口にお地蔵さんがあった。

Photo_3 途中まで登って見上げた景色。

Photo_4 ここが一番上。石仏がいくつも並んでいた。

Photo_5 山堂の中の如来仏。

Photo_7  はしごはあったがとてもこの先にはいけない。

Photo_8 山堂の奥から振り返っての景色。

Photo_13  山の裏側へ抜けられる。

Photo_14 この急坂を下りました。 

2011年4月29日 (金)

裏耶馬溪

深耶馬溪から峠を越えて裏耶馬溪へ向かう。途中、屹立した三本の岩を見た。峠を下りると裏耶馬溪。温泉がメインで、奇岩と絶壁は何の飾りも無しに勝手に見るようになっている。こんなのもありか。

Photo_15 峠の途中の屹立する岩。

Photo_16 その遠景。

Photo_17 裏耶馬溪の全景。

Photo_18 ややアップ。

Photo_19 もう少しアップ。

Photo_20 端の方。

Photo_21 精一杯のアップ。ちょっと・・・

深耶馬溪

深夜から25日の早朝に中国自動車道を走り、九州に入った。中国自動車道は深い霧で、前がよく見えないので神経を使ったが、途中山中でまだサクラが咲き残っていたのを見ていやされた。関門海峡を渡った頃には霧も晴れた。まず耶馬溪に向かった。耶馬溪、というので渓谷が絶景なのかと思ったら奇岩絶壁の風景であった。耶馬溪には本耶馬渓、深耶馬溪、裏耶馬溪などが点在している。まず深耶馬溪を見た。小雨交じりの中、崖の巨石沿いをよじ登ったがあまり絵にならない。たぶんもっと高いところまで登ればいいのだろうが雨で滑って危険なのであきらめた。川沿いに遡上して「一目八景」という展望台に上がる。ぐるりに裏耶馬溪の奇岩が見えるが天気が悪いので写真も今ひとつです。

Photo 中国道の咲き残りのサクラ。霧の中。

Photo_2 深耶馬溪の奇岩。崖の途中から。

Photo_3 絶壁(見れば分かる)。

Photo_4 シャクナゲが雨に濡れていた。

Photo_5 一目八景からの景色。

Photo_6 アップにしてみました。

九州旅行

九州旅行に行ってきました。以前から国東半島に行きたいと思っていました。今回は耶馬溪、中津泊、国東半島、宇佐八幡宮、湯布院泊、阿蘇、南阿蘇泊、太宰府天満宮、と九州の北東部を主に回りました。一日は雨に遭いましたがこの時期としてはまあまあの天気で、おかげで写真もたくさん撮ることができましたので整理次第順次公開します。

2011年4月23日 (土)

旅に出ます。

いつもこのブログを見てくださってありがとうございます。明日から5~6日南の方へ旅に出ます。大変うれしいことに、この頃アクセスが少しずつ増えているので張り切って更新していましたが、ちょっと休みます。旅の写真など、帰り次第更新いたしますのでお待ちください。

幸田文著「崩れ」(講談社文庫)

向田邦子を読んで幸田文を思い出した。幸田文は父・幸田露伴の臨終について書いた文章を若いとき読んでいる。また、敬愛する山本夏彦がそのエッセー集「最後の人」で幸田文に言及している。あらためて一度一冊読もうと思ってこの本を手にした。その幸田文が72歳にしてこんな行動をしてこんな文章を残していたとは驚きであった。富士山の大沢崩れ、静岡県の大谷崩れ、富山県の鳶崩れ、桜島、ついには北海道の有珠岳に出かけていく。その行動力と崩れの描写力はやはり並ではない。なぜその年になってとりつかれたように崩れを見に行ったのか。文章の中にいくつか理由が見えるが、それとは別になにかもっと自然というものの表面だけではうかがい知れないエネルギーのようなもの、尋常でないものには人を引きつけるものがあるのだろう。すごいインパクトのある本で一気に読んだ。偶然の出会いでよい本に巡り会えたことがうれしい。

岡田尊司著「統合失調症」(PHP新書)

フランス革命以前は精神病は病気とは考えられず、患者は有名なバスチーユ監獄などに普通の犯罪者と一緒に檻に入れられていた。フランス革命で解放後、病気として治療の試みがなされるようになったが、その後精神病とひとくくりにされていたものが症状や予後からいくつかにわけられることが明らかになった。大きく分ければ、いま統合失調症と言われるものとうつ病の二つである。統合失調症は症状から当初3つの病気として分類されていたが、その後統一されている。病名も早発性痴呆症から、分裂病、そして現在は統合失調症にあらためられた。統合失調症は統計的に地域間格差はあるものの人類にあまねく存在する病気であり、人口のほぼ1%弱程度が発症する。長くその治療は困難を極めていたが、向精神薬が発見されて劇的に状況は改善されている。昔はその三分の一が最終的に廃人となるといわれ、精神病院に一生入ったままの患者が少なからずいたが、向精神薬が治療に使われ出してからそのような重度の患者はほとんどなくなった。双生児での発病一致率などから遺伝的要因が存在することは間違いないことが分かっているが、その一致率が一卵性双生児で50%、二卵性双生児で10%であり、遺伝要因以外の環境要因が大きいこと、また遺伝子の要因は少なくとも二つ以上あることがほぼ明らかになった。どうも統合失調症の遺伝要因は人類すべてに存在するが、いくつかが重なったとき、そしてさらに一定の環境要因が関わったときに発病するようである。つまりあなたや身内がこの病気になる可能性はゼロではない。この本では統合失調症の分類や治療の歴史を紹介し、今分かっている病理学的原因、そして環境による精神的要因について述べ、向精神薬がなぜ効果があるのか、その治療法などについて詳細に紹介されている。一般向けの統合失調症について書かれた本としてはかなり詳しく、最新の状況も含めて書かれており、一度は目を通しておくことは偏見からの脱却のためにおすすめしたい。この中で言及は少ないが、精神療法がこの病気にはほとんど効果がないこと、なまじ患者の心に踏み込むようなアプローチはかえって悪い結果となることが述べられている。そして重篤な患者が激減したにもかかわらず、完全に社会復帰できる人の割合が、後進国より、先進国の方が低いこと、また、都会の方が田舎より低いこと、治療の進んでいる地区の方が治癒率が低いことについて着目し、これが社会のストレス、生きにくさが原因ではないかと環境要因の面から推察している。慧眼と言うべきである。現代社会こそ治療が必要なのかもしれない。

中国ウオッチ・人口政策総括

人民日報が、一人っ子政策実施後30年の総括として、人口の爆発は抑制できたものの、先天性障害児の急増や、国民の素養の低さが新たな課題であると述べた。現在中国は年に800万人前後人口増加中で、そのうち先天性障害児が80~120万人生まれているという?(あまりにも多すぎる数字だが、少し前に出生児の10%が早産で1500g以下の新生児が激増しているという報道があった、数は合うがそれがすべて障害児でもあるまい)。また労働力の質も低い。農村の余剰労働力が、知識や技術がないため生かされていないというのだ。このままでは世界の工場といっても下働きに終わり、自らの技術力で発展することはできないとまとめている。しかし大学を出てもホワイトカラーとしての職場が足らなくて大学生が就職できないでいる状況と人民日報の言っていることとは矛盾する。また農村地区の学校に税金をほとんど回さず、教育をおろそかにして農民には教育の場を与えずにきたのは共産党ではないか。農村の学校は村営で、農民自身が多額の納税を強制された上に学校の運営費用も教師の給与も払わなければならないと聞いている。教育格差が経済格差につながり、階級差を生み、地方の不満につながっている。藻谷浩介氏の「デフレの正体」で明確に論じられているように人口バランスのひずみは深刻な経済的、社会的問題を引き起こす。中国は2025~2030年辺りまでに国として急ブレーキがかかるのではないだろうか。もうすでにそのきしみ音が聞こえるような気がする。

中国ウオッチ・漂着ゴミ

日本の沿岸にプラスチックゴミが大量に漂着してその片付けに地元で苦労していることはテレビで幾度も取り上げられている。同様に韓国でも漂着ゴミの問題で頭を痛めているそうだ。韓国に漂着しているゴミは中国で不法投棄されたものだと韓国の新聞が報道した。日本では韓国に対し、改善を要求し、改まらないなら費用を請求すべし、との声もあると聞いた韓国が、中国に漂着ゴミの費用を請求する準備を進めているそうだ。そして中国が支払わないなら日本にも払うべきでないと主張している。なぜなら日本に漂着しているゴミは中国からのゴミが韓国経由で流れていったものが大半だからだそうだ。でも漂着ゴミのドキュメントで見たし、実際に日本海の海岸でも見たけれどペットボトルなどはみんなハングル文字だった。また、韓国の船底や漁網消毒に、使ってはいけない有毒な薬品をこっそり使ってその空き容器を捨てていて、それが日本にみんな流れてきていた。中国に請求するならまず日本に払いなさい。日本に払ったんだから中国も払いなさい、といって請求すればいいだけではないですか。ところで福島原発で放射性物質をやむを得ずとはいえ海に流している日本としてはあまり偉そうなことはいえないか。

中国ウオッチ・生涯運転禁止

自動車運転事故の増加を受け、中国で飲酒運転などの処罰を強化した道路交通安全法改正案が審議されている。改正案では飲酒運転で重大事故を起こした場合、刑事責任を追及するとともに、運転免許の取り消し、さらに免許の再取得を生涯認めない、また、飲酒運転に対しては罰金の増額、免許停止処分期間の延長、ナンバープレートの不正使用に対しての罰則の強化が盛り込まれている。それだけ飲酒運転が多いということなのだろう。昔は車にはねられた方が悪い、というようなときもあったが、だいぶ変わってきた。ただ大都会はかなりよくなったものの、地方では今でも歩行者が平気で信号無視して道路を渡っており、自己責任の世界となっている。ナンバープレートの不正使用というのは、大都市ではインフラが追いつかない中で、自動車の取得にはナンバープレートの取得が必要で、今の相場は日本円で50万円くらいかかる。さらにあまり多いときには抽選となることもあり、当然不正をおこなおうとするものも出てくるわけである。

カフカ著(池内紀訳)「ノート1 万里の長城」(白水Uブックス)

カフカは「変身」しか読んだことがない。有名なものは他に「城」や「審判」があるが長いので今のところ読む気にならない。たまたま本屋で短編集の体裁のものがあり、しかも池内紀の訳なので試しに読んでみた。「ノート」とあるようにこれは画家が絵を描くためのデッサンのように、カフカがノートに書き留めた断片であった。プラハ生まれのカフカはわずか41歳で結核で死んだ。生きている内には全く知られることがなかった。作品を預けられた友人が、それを世に出して世界に知られることになった。作品集の内の小さなノートに書かれていたものを翻訳したこの本は断片集なので一つの断片の中にいくつものシチュエーションが試験的に盛り込まれていて万華鏡のようになっているものや、また一頁で物語が展開しないままのものなどいろいろある。あるまとまりを持った物語として読むことはできない。正直わけが分からないままに放り出されるが、カフカが生き続けていればそれなりの物語になっていたのだろう。日本の短編のように起承転結を基本とするものを読み慣れている人には何もオチがないのでおもしろくないだろう。ただ世界的にオチにこだわるのはO.ヘンリー以来のアメリカの短編と日本の短編くらいらしい。筒井康隆の受け売りだけど。

中国ウオッチ・満足

日本と韓国に留学している中国人留学生に、留学先の国について調査した結果が公表された。自分が留学している国に友達も留学するよう勧めるかどうかについて、勧めない、と答えた割合は韓国23.2%日本は8.5%だった。また大学、大学院の専門性に満足であるか尋ねると、韓国は57.5%が満足、日本は71.7%だった。さらに卒業後その国にとどまり就職したいかどうか尋ねると、就職したい、と答えたのは、韓国は17.8%で、日本は44.1%だった。この結果から、韓国政府に対し、留学環境の整備や、韓国での就職をもっとサポートするよう求めたそうだ。ちなみに韓国の輸出の30%が中国向けで最も多い。
また、東日本大地震で日本に滞在していた多くの中国人が日本を離れたが、続々と日本に戻りだしているようだ。中には空港まできて迷ったあげく、キャンセルする人もいるらしいが。日本行きのフライトは一時期大幅に減っていたが現在は震災前と変わらない便数に戻っている。

中国ウオッチ・青空の日

北京市の環境保護局は北京の空気をきれいにするため、2011~2015年大気汚染抑制措置を発表した。2015年には「青空の日」を年間80%以上にすることを目指す。大気汚染物質の削減数値目標を具体的に挙げている。また石炭の使用量も市内全域で2000万トン以下に減らし、代わりに天然ガスの割合を全エネルギーの20%にする。さらに排気ガスの排出の多い古い車両を40万台減らす。結構なことだが、同じ日、上海モーターショーは大盛況、今まで海外の主要自動車メーカーはこの20年間、このモーターショーに最先端のモデルは発表してこなかったが、今回は何社か世界で初めてここで発表するものが展示されている。中国側も2015年には中国国内で自動車保有台数は1億5000万台になると発表した。「青空の日」は大丈夫なの。

2011年4月22日 (金)

小山敬子著「なぜ『回想療法』は認知症に効くのか」(祥伝社新書)

身の回りで実際に認知症の人を見聞きすると、人ごととは思えない気持ちになる。介護する人の苦労はいかばかりかと思う。今認知症についてはその原因解明も進み出したところで、療法について確度は高くないものの成果が上がった例も報告されている。この本では今分かっている認知症のメカニズムについての説明と、薬理的なものと精神医学面からの療法などについて全体をわかりやすくまとめて紹介し、著者が実際に試行錯誤しながら現在かなり成果の上がっている「回想療法」を具体的に紹介している。題名の「なぜ効くのか」の答えはもちろんそんなに明快なものが出せてはいないが、かなり興味深い成果のように思われる。特に、西洋の精神医学由来の「回想療法」が、専門家がかなり高度の治験をもとにおこなわれることを前提としたものであるものを、著者は日本の風土と生活環境に適応させた考え方をもとにした手法で成果を上げていることは注目に値する。この考え方であれば家族や自分自身でも意識的に「回想療法」的時間を生活に組み込むことも可能だ。思い出の品を大事に保存して時に取り出して見直すこと、家族が昔話をすること、考えればすべて回想療法といえるかもしれない。
ところで精神医学と言えば、精神病者が起こした犯罪についてテレビなどで専門家と言われる先生が分かったような顔をしてコメントをする。またいわゆる刑法第39条の適用の是非などもよく問題となる。精神医学というのは砂上の楼閣なのではないのか、と一般の人は思いがちになってしまう。どうもマスコミも含め、勘違いしているのは心理学者が精神病理学の問題に安易にコメントすることから来ているのではないか。また精神医学者と言っても実際の患者に臨床的にかかわらず、西洋式の方法論を金科玉条として論文を書くだけの先生がのさばっている現状が誤解を招いているように思う。これはそもそも精神病ではない神経症の治療法としてのフロイトの精神分析の手法を精神病に適用して、ほとんど成果を上げていないアメリカ式の精神医学のまねの弊害だろう。実際の臨床では通用しないので科学とはいえないのだ。きりがないのでここまでとするが、興味があるので精神病についての簡単な本も読んでみてまた紹介します。

中国ウオッチ・孔子像

今年1月に天安門広場東側の中国国家博物館前に高さ9.5mの巨大な孔子像がお目見えした。孔子はかつて封建時代の象徴として毛沢東が批判し、全国の孔子廟も破壊の被害に遭っている。中国国家博物館は去年まで大がかりな工事をおこなって改修していたが、その落成と併せて孔子像のお披露目セレモニーがおこなわれており、中国の考え方に変化があったことをうかがわせていた。ところが突然その孔子像が姿を消した。天安門前の警備をしている警官によれば場所を移す予定らしい、ということだが、その後別の情報によれば修理のために移送したが、戻ってくるのかもう見られないか分からないとのこと。本当に分からない国だ。

中国ウオッチ・海外移転

東日本大地震で日本の企業の海外移転が加速しているが、中国を意図的に避けている、と中国のインターネットで報じられた。中国を避けて東南アジアや台湾への移転が進むと見ているようだ。例としてニコンが東南アジアでの増産を表明したことをあげており、特にハイテク分野が中国を避けていると見ている。最大の市場である中国をなぜ避けるのかについては、日本に深い戦略的考えがあることの表れであるという。高級品のイメージを維持するため、メイドインチャイナをつけたくないのだろう、というが、本当は技術の流出を恐れていることは承知なのではないか。市場は中国を狙いながら中国では生産したくないような状況があるのではないか。

中国ウオッチ・生活保護

53人の在日中国人が、虚偽の申請をしていたという理由で大阪入管局から定住資格を剥奪されたことを中国の新聞が報道した。そのうち48人は高齢の残留孤児の介護を理由として来日していた。彼らは入国後直ちに生活保護を申請したため問題になり、虚偽申請が明らかになったもの。大阪市ではすでにそのうち26人に生活保護費を支給していた。新聞を見た中国人の反応は、「中国ではよくあることだ」というものや「また福建省か」というものが多かった。福建省出身者が日本で問題を起こすことが多いことは中国でもよく知られていて、「これでまた中国が悪く言われる」「そんな奴らは帰ってくるな」と怒りの声も上がっている。こんな奴ら日本でもいらんわい。

中国ウオッチ・長江汚染

昨年、国際的環境保護団体のグリーンピースが、長江(揚子江)の各所で捕獲した魚から環境ホルモン(内分泌攪乱物質)や重金属を検出したとの発表に対し、中国の専門家が、「人体に明らかに影響が出るレベルではなく、危害が生ずることはあり得ない」と反論していた。ただし長江の水質が悪化していることは事実であり、監視と汚染抑制対策が必要であることは認めた。このたび江蘇省・南京市で長江汚染問題についての「長江フォーラム」が開催され、現状が報告された。長江流域全体の汚染流域は600Kmに及び、汚染物質の排出量は年間300億トン以上と状況は深刻である。長江の流域には46000のダム(桁は違っていません)があり、貯水量は2500億立方メートル、総水量の四分の一に当たる。このため特に水量の減り出す秋にはダムの下流で水位の低い状態が続き、水質汚染の状況がもっとも深刻になる。流域には4億以上の人口と、有力企業が集中しており、汚染排水が膨大な量となっているのだ。フォーラムは今後流域の環境保護の強化と、水の利用の再検討をすることをしていくことを提唱している。また中国・水利部長は今後2015年にかけて現在工業用水に掛けている増加税単位辺りの許可水量を30%削減、農業用の比率を若干上げていくことを発表した。実際に長江下流の水郷地帯と呼ばれるところは今でも水は豊かだが、その水の汚いことは恐るべきものがある。水の蘇州でも「蘇州夜曲」にうたわれているイメージとは異なり悪臭が漂っている。しかし長江はまだ水の絶対量があるだけ改善の可能性がある(三峡ダムの利用が開始されているのでかなり悲観的でもあるが)。黄河の水不足はもっと深刻だ。今後中国は深刻な水不足におそわれるだろう。水の浄化ビジネスの出番である。

内田樹著「日本辺境論」

帯にこの本は2010年の新書大賞とある。昨年店頭でタイトルを見たとき、単に地政学的なことを書いてある本だと思って手に取らなかった。著者については、養老孟司との対談の本「逆立ち日本論」を読んでノックアウトされたところだ。今までの世界観を見直しさせられた。いかに濁った目で見ていたのか思い知らされたのだ。もちろん気がついただけであるが、それでも知らなかったときよりはましになっているはずだ。その後「街場のアメリカ論」をよみ、大いに啓発を受けた。そこでどれくらいこの著者の本が出ているのか探してみた。あるある、思想哲学のコーナーに10冊を超える本が並んでいたので半分ほど購入。そしてこの「日本辺境論」が著者の本だと初めて気がついた。新書大賞とあるからにはたくさん売れたのだろう。でもこの本は結構歯ごたえがあるし、レトリックも駆使されているから、どこまでみんな読み切れたんだろう。著者はフランス哲学の専門家だからところどころ現代哲学の論を批判的に引用することがあり、読むのに苦労した。いや、そこのところは読み切れていないかもしれない。肝心の内容だが、日本は地政学的な辺境に長くなじんだ結果、辺境であることを生かした文化や考え方が定着した。そのことは外部からの思想、科学的知識などを受け入れるときに非常に有利に働いた面があるが、自らが中心となって世界に発信するようななにかを生み出すことができないような心性となった面がある。また、その特殊性により日本の文化や考え方が海外からは理解できない事態も生み出した。日本語は漢字と仮名をハイブリッドに使いこなすという世界でも希有な国民であり、識字率の高さもその故である。その他漫画文化についてなど、多岐にわたって論じられていて非常におもしろい。この人の話は飛躍しているようなときが一番言いたいことを述べているときでかなり詳しい「なぜそう思うか」が述べられているので丁寧に読めば納得できるようになっている。こんなに中身の濃いものが新書で手軽に買えるのはお得です。チャレンジしてみませんか。

中国ウオッチ・スラム街

中国の都市化率は昨年47.5%であった。都市部に定住しているのに定住の資格のない人は都市人口の10%。都市化は進んでいるものの、通常の公共サービスを受けている人は40%にとどまっている。都市部ではたらく出稼ぎ農民の社会保障をどうするかが今後の都市の問題である。ご承知のように中国では農民と市民とでは戸籍が違う。社会主義の国なのに歴然とした階級差があるのだ。これは農民を農地に固定化して食料生産を確保することが目的だが、過去中国の革命(王権交代)は農民の大移動がきっかけで起こることがほとんどであることから、毛沢東王朝が、それを防ぐ目的で定めた制度である。海外からの中国視察団の質問に、どうして中国にはスラム街がないのか、というのが多いようで、それに対し中国政府は農村人口の都市部への流入を制限しているからである、と胸を張っているそうだ。確かに東南アジア、ブラジル、インド、メキシコなどに見られるスラム街は中国の大都市にはあまり見られない。ただ、農村部も最低収入がかなり改善されているとはいえ、貧困は都市部ではなく、農村部に隠されているともいえる。

2011年4月21日 (木)

中国ウオッチ・愛人条例

台湾の金門県と福建省・厦門(あもい)は目と鼻の先で、フェリーで30分の距離である。2008年に「三通」(通称、通航、通郵)が解禁されたことに伴い、往来が便利になった。この地の利を生かして厦門に愛人を囲う台湾の男性公務員が急増して問題になっている。公務員の妻から県の役所に苦情が殺到したことから、男性公務員が厦門に行くには事前許可を必要とする条例が作成された。これを愛人条例と称する。すでに「三通」前の2006年頃から公務員のこのような行動は問題とされ、公務員の中国本土への渡航は年3回までと制限されていたが、全く守るものはおらず、公務員たちは毎週金曜日の仕事帰りに厦門行きのフェリーに飛び乗っていた。さて「愛人条例」でどこまで効果があるものだろうか。中国本土側の対応の情報は今のところない。

中国ウオッチ・ネット友達

中国では80年代生まれを「80後」90年代生まれを「90後」という。その80後と90後に対して、ネット友達はたくさんいるのに本当の友達がいないことを危惧するコラムが目に付いた。ネット友達はその実態がないバーチャルなものであり、いったん連絡がなくなればそれきりである。つづけて、彼らが同窓会などでたまたま集まると、互いが話し合うよりも携帯の画面を見ることが多い光景を見る、これは何なのだ、と嘆いている。いずこも同じか。日本の場合、ネット友達もあるがメル友が多いだろう。相手が具体的に認識できていることはできているが、会って相手の話す様子を見ながらの会話よりもメール交換にはるかに長い時間を費やしている様子ははたから見ていると異様だ。これが相手に切り込まないつきあい方、傷つけないつきあい方、彼らの言うやさしさなのだろうか。他人と自分の違いをふれあい(時にはぶつかり合い)の中で確認して自分を確立していくのが大人になることと思っていたが、そんなのは今通用しないのだろうか。そんな人間関係は乱暴すぎてやさしさがないというのか。

中国ウオッチ・食用犬

北京市内の高速道路上で、食用犬520頭を積んだトラックが、愛犬家団体に包囲された。警察がかけつけ確認したところ、トラックは正式の検疫輸送証明を受けており、問題ないことを確認した。しかし愛犬家団体は納得せず包囲を続行、15時間後に10万元(130万円)を支払いすべての犬を買い取ることで決着した。このことが大論争を巻き起こしている。高速道路をそんなに長時間占拠したことを問題視するもの、なぜ牛や豚ならよくて犬がいけないのか、という点を論じるものなど喧々囂々の有様となっている。そもそもこの520頭の来歴、野犬を捕まえたものか、ペットを盗んだのか、そもそも食用として育てられたものかを確認すべし、などと論点をずらした論評もおこなわれている。中国も机以外の四つ足は何でも食べる文化から少し変わりだしたのだろうか。ちなみにチャウチャウという大きな犬は食用に品種改良したものです。私は犬でも蛇でも、料理として出てきたら食べます。自分とは違う文化を食べると考えます。積極的に食べに行ったりはしませんが。

中国ウオッチ・毒もやし

またまた有毒食品の話で恐縮です。遼寧省瀋陽市で使用してはならない薬物を使用した大豆もやしが発見され、もやし25t以上を押収し、容疑者8人の身柄が拘束された。使われていたのは亜硝酸ナトリウム、尿素、合成抗菌剤のエンロフロキサシン、植物成長ホルモンの6-ベンジルアミノプリンなど。もやしは日本でも農作物と言うより今は工業製品のような作り方になっており、安価な分、大量生産しないと採算が合わない状態になっている食品である。作る方が人の口に入るものを作っているという自覚を失うとこういうことになるのだろうか。そんなことは百も承知で何とも感じていなかったのだろうか。どうも内部告発で発見されたようであり、そうでなければずっとこのまま作られ、売られ、食べられ続けたようだ。

中国ウオッチ・口パク少女

北京オリンピックの感動的な開会式のセレモニーで、特に子どもたちが中国の少数民族衣装を着けて集い、その中でひとりの少女がピアノに合わせて歌をうたったシーンを覚えているだろうか。後に民族衣装をつけていた子どもたちはその少数民族の子どもではなく、すべて漢民族の子どもだったこと、そして独唱したかわいい女の子は実は別人の歌声に合わせた口パクだったことが判明している。その口パク少女が実は今でも中国で大人気なのだ。現在CM出演20本以上、ドラマも10作以上に出演している。かなり高額のギャラを取っていると、やっかみ半分でとかくの噂だそうだ。

内田康夫著「幻香」(角川文庫)

この本で内田康夫の著作が一億冊を突破したという2007年に出版された浅見光彦シリーズの一冊だが、文庫化したものが出ていたので購入。この原作が完成するのに当たってかなり苦労したことが後書きで語られている。内田康夫は結末を決めずに書き出しているうちに物語がひとりでに展開して完結していく、と普段言っているのでめずらしいことだ。物語では調香師というめずらしい世界が語られる。その文章から香水の香りが香ってくれば本物だろう。突然浅見光彦宛に送られてきた差出人不明の手紙には強い香水の香りがした。その手紙に導かれて出かけた先で若い調香師が殺されていたことを知る。そしてさらにその10年前、天才調香師が殺害されていた事件が迷宮入りしていることが分かる。差出人は何の目的でなぜ浅見光彦にこの手紙を出したのか、手紙の中のメモにあった地名を手がかりに真相に迫っていく。内田康夫の文章は読みやすい。文体がしっかりしているのだ。読みやすいことで他の凡百の乱作作家と同列に見られることも多いが、レベルはかなり違う。テレビのミステリーの原作になることが多いが、テレビドラマは資金の制約があり、また配役の技量のせいもあって原作を大きく損なうことになっている。映画化された「天河伝説殺人事件」を見てほしい。榎木孝明の浅見光彦は絶品だった(もう年齢的に無理だけど)。きちんと作ればその原作のすばらしさが生きるのだ。内田康夫を読まず嫌いで読んでいない人は一度試しに読んでみませんか。

2011年4月20日 (水)

中国ウオッチ・3Dポルノ

世界初の3Dポルノ映画「3D肉蒲団」が香港で14日から封切られて話題になっていた。日本のAV女優二人が出演していることも注目を集めている。中国本土でも巨大なポスターが作られ、大々的なプロモーションがおこなわれていた。広東省では鑑賞ツアーが組まれ、応募が殺到。旅行会社では旅行産業、文化産業にプラスの効果があると胸を張っていた。公開初日の興行収入は「アバター」を越えたという。中国ではポルノの規制が厳しく、好奇心を駆り立てられたようだ。だが、鑑賞後の感想は「失望した」「期待はずれ」というものだった。原作の小説「肉蒲団」は中国の古典ともなっているもので、確かに性的描写のシーンもあるが、それだけの物語ではない。後半部分にはかなり激しい暴力シーンなどもあり、うきうき気分が萎えたようだ。日本のAVは中国当局の厳しい規制をくぐり抜けてかなり中国で出回っており、AV女優のファンがたくさんいる。それ以上を期待したのだろうが残念でした。

中国ウオッチ・妊婦窃盗団

中国浙江省で妊婦や授乳期であることの特権を利用して窃盗を繰り返していた女50人のグループが摘発された。妊娠中や授乳期の女性は軽犯罪を起こして逮捕されても説諭だけで釈放されることが多いことを悪用し、分かっているだけでも150件以上の窃盗をおこなっていたという。メンバーの多くは3~4人の子どもを生んでおり、妊娠するたびに「稼ぎのチャンス」とばかり、身重の身体で「仕事」をこなしていた。メンバーの夫たちはみな無職で、彼女らの収入で家庭を支えていた。夫も大事な仕事をしていたといえばいえるが、一人っ子政策の中、複数の子供を作ってもとがめられなかったのだろうか。

中国ウオッチ・公費乱用

人民日報は、中国政府が政権や社会の安定を目指すなら、官僚の腐敗や汚職をなくしていくだけではなく、公費の乱用や無駄遣いも減らさなければならないと訴えた。中国政府の財政収入は、この五年間に3兆1600億元(41兆800億円)から8兆3100億元(108兆300億円)と約2.6倍に増えた。政府も地方自治体も潤沢な資金で順調に発展しているように見える。しかしその分無駄な支出も増大している。政府の無駄遣いとしてとかく批判を浴びているものに「公用車の私物化」「公費による会食・接待」「公費での海外視察旅行」の三つがあり「三公」と呼ばれているが、これについては最近摘発されたり公開されることが多くなっている。しかしそれとは別にイメージ作りや点数稼ぎのために無用な「箱物」を作るという巨額の無駄使いが問題視されているのだ。ニュータウンを作ったが入居者がなくゴーストタウンになっているものや無意味に豪華な体育館や文化会館を作った例などが挙げられているが、大義名分をつけて巨額の箱物を作るやり方は全く日本と同じではないか。どうも公務員には公費を直接自分の懐に入れさえしなければどんな使い方をしようがかまわない、という考え方があるようだ。しかし人民日報は、こうした乱用や無駄遣いは汚職と同じかそれ以上に悪いことであるといっている。でもお役人にそんなこと理解できないと思うよ。

櫻井よしこ著「宰相の資格」(産経新聞出版)

近年歴代総理、小泉純一郎、安倍晋三、福田康夫、麻生太郎、鳩山由紀夫、菅直人のそれぞれについて在職していた時点での批判評価、そして現在から見てのその資質についての評価が、中国との外交姿勢を主体に語られている。著者の立ち位置は明確であり、その舌鋒は鋭いが、その評価にはおおむね共感する。これを読むといかに日本はお粗末なリーダーのもとに21世紀を過ごしてきたのか、なんたる不幸か、と嘆かざるを得ないが、このリーダーを最終的に選ぶ状況を作ったのは他でもない、私を含めての日本国民である。日本人が変わらずに優れた宰相だけ待っても下手をすると独裁者の資質を持った人間が出てきかねない。そうであれば、今はドングリの背比べの中から少しでもましな人間に変わってもらうこと、この震災を一つの契機に日本人自身が変わることを目指さなければならない。誰かになにかしてもらうのではなく、また何事も人のせいにして生きるのでもなく、自らが考え、自分の責任で行動するときなのだ。今回の東京電力の社長に象徴されるように責任を引き受けることもできないリーダーなど組織にとって悪でしかないのだ。ちなみにこの本とは関係なく、素養、見識、世界観、正義感、愛国心、廉恥心、責任感、統率力、カリスマ性など宰相として必要と思われる資質を自分なりにこの6人について評価してみた。悲しくなるほど低い評価になった。皆さんも自分で評価してみたらどうですか。

2011年4月19日 (火)

映画「マルタの鷹」(BSにて)

1941年のアメリカ映画、ハンフリー・ボガート主演。ダシール・ハメット原作のハードボイルドである。大好きな映画だが、もちろんスクリーンでは見ていない。ビデオを買って何度も見た。久しぶりに見たがさすがにWOWWOWだと画面がきれいだし、ボギーの声もクリアだ。ハードボイルドはダシール・ハメット、レイモンド・チャンドラーなど中学校くらいの時にむさぼるように読んだ。そして社会人になってからあらためて系統的に読んだ。そのままアメリカのミステリーが好きになった。日本のものは中身が薄い、というように思っていた。だがアメリカのミステリーはだんだんシリアル・キラーものが多くなっていった。嫌いではないがやや食傷しているところに日本でも北方謙三、大沢在昌、馳星周などの本格ハードボイルドが出てきて飛びついた。だからその原点はこの「マルタの鷹」なのだ。ハンフリー・ボガートはもちろん「カサブランカ」だが、「キー・ラーゴ」「ハイシェラ」など、画質の悪いビデオを我慢して何度も見た。今回ハンフリー・ボガート特集でそれも録画したので見るのが楽しみだ。この映画は好きすぎて冷静に感想が書けないのでこれまで。

中国ウオッチ・牛肉膏

豚肉をそれに漬け込むと90分で牛肉に変わるという、牛肉膏という謎の食品添加物が話題になっている。見た目も味も牛肉そっくりになるという。また羊肉や鴨肉のように変える添加物も販売されている。事情に詳しい市場関係者の間では公然の秘密だという。現在でも市場では公然と販売されている。表示されている成分はとりあえず問題のないものとなっているが、本当は何が含まれているのかかなり疑わしい。この添加物により、価格が倍以上になることが見込めるものらしい。当局の分析はまだおこなわれていないが、今後の動向が注目される。まさか日本では使われていないだろうな。

佐伯泰英著「紀伊の変」(双葉文庫)

居眠り磐音江戸双紙シリーズ第36巻。もう36巻。このシリーズは出るのを待ちかねて買って読む。この物語はNHKで放映されたので知っているひとは多いだろう。まだ続いているのです。このシリーズも坂崎磐音がおこんさんと結婚したとき、あるいは玲圓・佐々木道場の跡継ぎとなり、佐々木磐音に改名したときがシリーズ打ち止めかと思ったし、著者もそう考えなかったことはないと思うが、あまりに人気が高いので、再び坂崎磐音に還らざるを得ないような大きな場面転換を図って再生させたのだろう。田沼意次もそういつまでも命運は続かない。その失脚まで坂崎磐音の放浪は続くのだろうか。もしかして田沼失脚に磐音が関わったりして。

中国ウオッチ・モラル

温家宝首相が、相次ぐ食品の安全問題について、モラルの低下が非常に深刻である、と発言した。メラミン入りの粉ミルク、有毒添加剤入りの飼料、使用済みの油を再生した食用油、使用禁止添加物入りマントウなど問題食品の摘発が相次いでいることを指摘し、中国が世界の強国になるためにはモラルや文化を構築する必要があると語った。これは国民ひとりひとりが向上すべき事柄であり、それが達成できなければ真の強国になることは不可能と述べた。利益至上主義、詐欺行為、贈収賄を駆逐し、モラルを確立する、というが、それこそが中国五千年の伝統文化ではないのか。もう一度文化大革命でもやるのか。温家宝はまじめな人なので本気で言っていることは分かるが、実際には何の影響力もなく、国民の心を動かすこともできていないようだ。文明は外部の力で崩壊することはない、必ず内部から崩壊する、というのは歴史の厳然たる事実である。

中国ウオッチ・千年塔

中国浙江大学の教授が、中国各地で建てられている短命な建築物に対し、中国に資源の浪費と経済的損失をもたらしているとして警鐘を鳴らした。同教授によれば中国は世界で新規着工建築物の数が一番多くなっているが、その寿命が短命で、平均25~30年しかないという。英国が、132年、アメリカが74年と比べてはるかに短い。これは建築技術の問題と言うよりも利権を求めて各地方政府が計画性のない都市開発を進めている結果だそうだ。例として遼寧省瀋陽市のある体育館は、日本円で約32億円掛けて建てられたのにわずか18年で取り壊された。また海南省の海口市の千年塔は、建てられてわずか10年しか経たない昨年取り壊され、「短命塔」になった。中国は毎年世界の総消費量の40%のコンクリートと鉄鋼を消費して建設と取り壊しを繰り返している。いくら世界の金が集まってだぶついているとはいえ今にそのつけを払うことになる日が必ずくるだろう。

2011年4月18日 (月)

中国ウオッチ・惨劇

中国遼寧省鞍山市で妻と息子、従業員併せて十人を殺害したとして33歳の周という男が逮捕された。犯人は公衆浴場、洗車店を経営する男で、新たに家電の修理工場を開設しようとしているところだった。2008年に、以前所有していた工場が高速道路の予定地として売却できたことから事業拡張を進めていた矢先であった。犯行後周は逃亡していたが、翌日逮捕され、犯行を認めている。詳しい動機は判明していないが、事業に行き詰まった末の凶行と見られている。日本でも同様の事態になって家族を殺して無理心中することはあるが従業員も含めて10人も殺害し、自分は逃走するというのはどういう考え方なのだろう。上昇志向の末の挫折と言うことだろうが、人生の精算の仕方があまりにも凄惨だ。

中国ウオッチ・義援金

台湾の新聞が報道したことだが、皆さんは知っていましたか。東日本大地震から一ヶ月経った4月11日に、日本政府は米国、英国、フランス、中国、ロシア、韓国の新聞とヘラルドトリビューンの7紙に感謝の広告を掲載したことは日本でも報道されたからご承知の通り。当然であり、適切なことであると思った人がほとんどだろう。3月末時点で中国の義援金は3億4千万、韓国は16億円と自分の国のことのように一般の人がお金を出してくれたのだ。ところでこれも報道されたことだが台湾は最も早く義援金を集めてくれた。その金額は140億円。金額の多寡ではないが、その台湾に対し、新聞での感謝の広告がなかったのだ。それに気がついた日本の一部の人がネットで呼びかけて、日本政府がやらないなら自分たちが広告を出そう、と呼びかけていると言うことが台湾で好意を持って報道されたのだ。なぜ日本政府は台湾を無視したのか。そのとおり、中国を慮ったのだ。中国は、台湾は中国の一部であり、独立国ではない、という立場である。日本が中国と同等に台湾を扱えばクレームがくることが明らかだ、というわけで自主規制したのだ。日本政府はこうやって長年中国の顔色をうかがって行動してきた。全く恥ずべきことである。礼には礼を尽くすのが人であり、国である。そんな当たり前のこともできない国は独立国ではない。これはもちろん中国の話ではなく、日本の国の話であるけれどあなたはどう思いますか。

辛坊治郎、孔健著「中国、この腹立たしい隣人」実業之日本社

辛坊治郎が尖閣問題、日中関係、中国社会の問題、政治、経済について、報道されている事実をもとに意見を述べ、それに孔健が中国人の立場から見たコメントを返すかたちになっている。孔健は日本人の考え方をよく承知の上であえて100%中国側に立って回答しようとしているが、事実関係を正しく報道されていない中国人とは違うのでだんだん辛坊治郎に同調していくように見えるのがおもしろい。出だしでは沖縄は本来中国領であり、中国人はほぼ全員そういう認識である、とかなり刺激的なことをいっているが(台湾の次に沖縄接収は公然と中国の戦略で述べられている)、だんだんスタンスが変わって中国と日本の橋渡し役的な言い方に変わっていく。元々かなり日本にシンパシーのある人なのだ。時期国家主席と目される習近平について、江沢民に近い、どちらかと言えば反日的な人間と見られていたが、孔健はそれほど江沢民には近くない、反日ではないという。そうであってほしいところだが、はたしてそうか。中国の国家主席は軍部をどうコントロールするかが権力を確保するのに最も重要なポイントとなることがあらためて強調されている。この中で孔健が指摘する点として特に注目すべきは、今軍隊の中堅以下の若者は江沢民時代に徹底的に反日思想をたたき込まれて育ち、なおかつ軍隊に入っての仮想敵国はほぼ日本を想定して育てられている、という点だ。以前はロシアであり、アメリカが仮想敵国のトップだったが今は違うようだ。当然尖閣や日本近海での軍部の暴発の可能性は日本が思っているより高いと思わなければならないだろう。それが中国にとっていかに高いものに付くかを日本は論理的に中国のトップにアピールし続ける必要がある。土下座追随外交は中国に、そこまで折れてもらったらこちらも譲歩しましょう、という方向を期待しているがそういうわけには行かない。相手が一寸引いたなら一尺押し込める、と考える国なのだ。これは中国だけではなく国際社会の常識でもあるが、多くの日本人には理解できないし、戦後の教育も憲法も性善説で現実離れした想定でおこなわれてきたから発想を変えるのは難しいだろう。日本でも国際社会の冷徹なリアリズムを語る人が増えることを期待したい。

中国ウオッチ・赤十字

赤十字職員が上海の高級レストランで飲食した領収証が、ブログで暴露され、物議を醸している。額面はなんと9859元(12万5000円)。宛名は「上海市蘆湾区赤十字会」。ネットでは赤十字職員が義援金で飲み食いしているのではないか、ということで問題となっているのだ。当局は、まもなく調査を開始する、結果は必ず公表するが、時間がかかるかもしれない、といっている。中国は役割のあるところ権力があり、権力のあるところには必ず権利が生ずる。

佐伯泰英「新春歌会」(幻冬舎文庫)を読む

酔いどれ小藤次留書シリーズの最新刊。佐伯泰英の時代小説のシリーズはいくつもあり、どれもおもしろいのだが、佐伯泰英ばかり読んでいるわけにはいかないので、いまのところ欠かさず読むのはこの酔いどれ小藤次シリーズと居眠り磐音シリーズだけにしている。今回は小藤次あこがれのおりょう様の歌人デビューを軸に、もと長崎奉行の偽金作りや、浅草寺が舞台の寺社役人の悪事を暴いて悪を討つ。「酔いどれ」と付いているだけに赤目小藤次は酒にめっぽう強いのだ。大杯に一升など朝飯前。ときには二升でも三升でもいく。しかも50歳を過ぎて、小柄で、もくず蟹のような顔をしているのに市井のいろいろな人に愛されているのだ。キャラクターがいいので読んでいる方も大好きになってしまう。脇役が生き生きとしているのは佐伯泰英の本の一番いいところ。だからシリーズになるし、はまるとやめられない。おもしろいシリーズですよ。

2011年4月17日 (日)

中国ウオッチ・減速

先般中国の高速鉄道の運行スピードが、未曾有の時速400Kを見込んでいるらしいことについて安全性が懸念される、と伝えたが、このたび中国鉄道部の部長から、中国国内を走行する高速鉄道の最高スピードを現行の350Kから300Kに抑える、との発表があった。理由はその方が安全性が増し、結果的に運賃も安く抑えられるとのこと。7月1日からの新ダイヤでは300K運行の列車と200~250K運行の二種類とし、運賃も二段階とする予定。現在すでに運行している高速鉄道は値上げされて高すぎる、との声にも対応することになるのか。今まで上海-南京、上海-杭州関は最高時速350Kで運行し(私が上海-杭州間の線に乗ったときは瞬間的に360K出ていた)、繰り返すが6月には運行を開始する北京-上海は400Kで世界最速をアピールしていた矢先である。巨額の借金といい、安全性といい、今後にかなり不安があることを否応なく認めることになったようだ。

養老孟司著「希望とは自分が変わること」新潮社を読む

季刊雑誌「考える人」に創刊以来足かけ9年間連載したものをまとめて「養老孟司の大言論」全3冊としたものの第一巻。養老孟司の文章は論理展開に無駄がなく、あれよあれよという間に思ってもいない結論に導かれてしまうが、よく考えるとその通りだな、と納得してしまう。だからこの本を要約することは不可能です。日頃からいろいろな本で言っていたことをもっと凝縮したものが盛りだくさんに詰まっている本です。言っていることについて行くのも大変で、意味を考えていると結構時間を食うので一冊読み終わるのは結構骨でした。2月3月4月で各一冊出ます。第二巻まで出ています。頭を使うことを楽しめます。

中国ウオッチ・駐車料金

北京市は市内の交通渋滞緩和策として、4月から駐車料金を大幅値上げした。対象は13の商業地区で、自動車通勤しているあるサラリーマンは、駐車代が月に2000元もかかるようになった、ガソリン代も値上がりしており、生活を圧迫するようになったと嘆いている。自家用車で通勤するのはステイタスのあかしの面もあり、なかなか大変なようだ。ところがなかなか値上げが納得できないひとも多いようで、あちこちで料金のことでもめる事件が相次ぎ、料金の支払いでもめて駐車場の管理者が殴られるという暴行事件がすでに少なくとも30件以上報告されている。また駐車料金の徴収が困難で嫌気がさした、として管理者の30%がやめてしまったらしい。結構中国人は金に細かいし、こだわりだしたら引かないからしばらく大変だろうと思う。北京市内は地下鉄もかなり充実してきたので公共交通の利用が促進されていくものと思うが、そもそもが異常な都市中心部への人口集中が起きているので渋滞緩和そのものにどこまで効果があるのだろう。

2011年4月14日 (木)

中国ウオッチ・毒まんじゅう

毎度毎度中国の食品の危険なことばかり伝えて申し訳ないが、そういう事件の報道が実際にひっきりなしにあるのでしょうがない。今度は上海で「トウモロコシ入りマントウ」とか「黒米マントウ」と言う名前で普通のマントウ(蒸しまんじゅう)と差別化して有名スーパーなどで売り出されていたものが、ただの小麦粉に着色料や防腐剤を加えたものだったことが分かり、当局から摘発された。さらに調べたところ、賞味期限切れのものを回収、さらに添加剤を加えて再生し、賞味期限を改ざんして販売していたことも判明した。添加されていた着色剤や防腐剤は使用が禁止されていたものであることからマスコミは毒まんじゅう事件といって報道している。マントウは中国では主食の一つであり、ホテルのバイキングには必ずある。上海の消費者に動揺が広がっているという。
ところで、おかげさまで最近アクセスが増えてとてもうれしいです。ありがとうございます。そんなときに何ですが、所用で2日ほど更新ができないと思います。17日には再開予定です。

中国ウオッチ・留学生が母親を刺す

今月初めに日本から帰国した中国人の留学生が上海の虹橋空港で母親を刺した。母親は救急車で運ばれて危うく一命を取り留めた。この事件は中国では何度も取り上げられ、いろいろな論評がおこなわれている。事件発生の直後、血だらけの母親を助け起こして介護し、救急車を呼ぶようにと指示した人と、その救急車を実際に手配した人がともに中国人ではなく、外国人だったと言うことがまず話題となった。何度も刺されており、その迅速な手配がなければ母親は助からなかっただろうというのが救急隊員のことばであった。もちろんその場には大勢の中国人がいた。なぜ助けなかったか、というマスコミの質問に、万一助からなければ関わった人間の責任になるかもしれないから、という答えだった。これはこの場合だけでなく、こういう事件などでの中国での一般的な対処法である。このことが中国人としてよいのか、ということで物議を醸したわけである。ところでなぜ息子は母親を刺したのか。息子は日本にすでに5年間留学していた。その間、アルバイトもせず、母親の仕送りのみで生活していたという。母親の月収は約7000元(9万円くらい)、そこから3月には2万元(約26万円)を送っていた。ところが息子はその仕送り額が少ない、といい、母親と口論になった末の凶行という。それなのに一命を取り留めた母親は息子は日本に行ってからおかしくなってしまった、息子は悪くない、息子を刑務所に入れないでくれ、といっているという。中国の一人っ子政策の結果であり、中国式子育てがこういう事件を生んだというのが現在のマスコミの論調である。成績ばかり重視し、人格形成を軽視し、個人としての責任感や自立心を教えない教育にも問題があると言うに至ってはどこの国の話だ、と思い、その記事が強く目を引いた。

ボルヘス著「不死の人」(白水Uブックス)を読む

アルゼンチン生まれの作家で詩人・ボルヘスの本を一度読みたいと思っていた。一瞬の真実と永遠の時間、無限の空間と素粒子の中の迷宮が等価であることを、アジアの作家、特に日本の作家ならことばをそぎ落として、語らないことばで語るだろう。ボルヘスは永遠と無限を表すために、過剰ともいえる名前(時代と空間を飛び越えている)を繰り出す。どんな事件も過去に起こったことがあり、これからも起きることとして考えられている。全く新しいことなど存在しないのだ。その世界観や表現方法の違いに慣れるまで戸惑うが、語られる物語の濃密さにいつの間にか取りこまれてしまう。この本は260頁足らずの中に18の短編が収められている。物語世界にうまくはまり込めたものと、その世界が理解できずに不消化に終わったものとがあった。キリスト教の世界を主に、その他多くの宗教とアジア以外の世界の歴史について、ある程度の造詣がないと理解できないものがある。不勉強が身にしみた。「エンマ・ツンツ」はもっとも分かりやすいものだった。彼女の決意と容赦のない行動の物語は、復讐譚の単純さと残酷さを淡々と(だからこそ燃えるように熱い感情を)表現している。「神の書跡」はあまり分かりやすいものではないが、日頃神の永遠性とはなにか、無限の機会ではないか、と考えていたこともありシンクロできた。無限の機会のさらに向こうに神はいるようだった。読み慣れない世界観の本ではあったが、世界には全く及びも付かない物語を紡ぐ人がいるものだと感心させられた。

中国ウオッチ・バックミラー

今中国のネットで話題になっている商品に、卓上のパソコンに取り付けるバックミラーがある。ある人が検索したら、641件の関連商品が見つかったという。販売業者のキャッチコピーには「プライバシーの保護」、「ホワイトカラーの必需品」、「のぞき防止」、「セーフティミラー」などとある。用途が分かりますか?これは勤務中に業務以外の仕事をしているのを上司に見られることを防ぐためのもの。突然社長が後ろに立ってのぞき込んでいたときの驚愕は多くのひとの経験していることではないだろうか。正しく仕事をしていたってびっくりするのにもし業務以外であったら・・・というわけ。日本でもはやりそうだ。

映画「グリーンゾーン」(BSにて)を見る

イラク戦争をアメリカが強行した口実はイラクのフセインによって蓄えられているという大量破壊兵器にあったことはアメリカ自身が公言している。しかしその大量破壊兵器は未だにその存在が明らかではない。不確かな情報に基づいて戦争を強行したかたちになっているが、実は大量破壊兵器の存在はアメリカが捏造したものであったという、たぶん今では世界中がそうだろうと納得するような話がこの映画のストーリーである。主役のマット・デイモンは情報をもとに大量破壊兵器を探す部隊の隊長だが、あまりにその情報の不正確であることに疑念を持つ。そして独自にその真実に迫っていくが・・・。流された大量破壊兵器の情報がマスコミにリークされ、正義感からその情報の裏を十分にとらずに踊らされる女性記者の姿が今のマスコミの問題点を見せる。特に日本のマスコミは近頃特ダネをとろうとせず、警察やお役所、政府から情報を頂戴して横並びのニュースを報道しているが、意識して操作されたらいちころだろう。ストーリー展開にリアリティがあり、夢中で見ている内にあっという間に映画が終わってしまう。結論が分かっていてもおもしろい映画はおもしろい。マット・デイモンは「グッドウィル・ハンティング」でみて大好きになった。ハンサムと言うよりいかにもアメリカ人くさい顔をしているが、とても魅力的だ。隠された知性がやさしさにつながっている男の顔だ。

向田邦子著「夜中の薔薇」(講談社文庫)を読む

ごく当たり前のことに無意識でなく感性がはたらく人、そして気づけない人(鈍感な人)への違和感を静かに語る人、自分も鈍感なひとりであると言いながら決してそうではない人、些細なことに大きな意味を見いだすことができる人、向田邦子。神は細部に宿る、世界を見る目にピントが合っている人は人が見過ごすことの中から真実を発見する。大概の人はぼやけた世界しか見ていない。細部を提示されることで人生の意味、生きていることの意味に気づかされる。普段何も見ていないことに気がつく。ずいぶん海外へ行っている。亡くなる前にたくさんいろいろ世界が見られてよかったですね。もっともっといきたかったでしょうけれど。続けて「女の人差し指」(文春文庫)も読み直して向田邦子を偲んだ。

橋の端さんへ

橋の端さん、連絡をありがとうございます。つたないブログですが、今後ともよろしくお願いします。ところで先日伊勢神宮へ行ったとき、団体さんを引率したガイドが、橋の真ん中は神様の通り道、人間は橋の端を歩くもの、といっているのが聞こえました。言われても平気で真ん中を歩いている人もいましたが。神様が不快に思ったら、何のための参拝だか分かりませんね。

2011年4月13日 (水)

中国ウオッチ・高速鉄道

6月に開業予定の北京-上海間(上海-南京間はすでに操業)の高速鉄道について、巨額の負債を抱えての開業であり、今後それが大きな重荷になるだろうとのこと。30分間隔で11時間操業し、すべての車両が満席で操業しても利子を払うだけがやっととの試算もあるという。昨年操業を開始した上海-杭州間の高速鉄道に乗ったが、時速350K以上で飛ばして快適だった。ただ料金は開業して数ヶ月の間に3回くらい上がったとのことだった。北京-上海間について試験走行で時速486Kの新記録を出している。たぶん時速400K前後で運行するつもりではないだろうか。ただ、無理に無理を重ねている可能性も大いにあり、そんな限界に近い速度で走らせ続けることは危険であり、中国国内でも安全性が疑問視されている。また3月には高速鉄道を推進してきた鉄道省のトップとナンバー2が賄賂の疑いで更迭されており、工事に手抜きなど無かったか心配だ。しかし日本側がそういう疑問を表明すると「それは日本人のねたみだ」との反論が返された。

中国ウオッチ・追放

広東省深圳市の公安局報道官は今年1月からの100日間で約8万人を市街に追放したと発表した。深圳警察の警察官延べ28万人あまりを動員して治安を脅かす恐れのある「危険人物」を検挙して市外追放したもの。目的は8月に開催される夏季ユニバーシアードに備えるため。「危険人物」の定義は、市外から流入したもの、前科があるもの、まともな職業に就いていないもの、薬物使用の疑いのあるもの、偽の身分証を持って滞在しているもの、違法な収入源に頼って生活しているものなど。まるで江戸時代の「無宿人狩り」みたいだ。日本だったら人権問題で大騒ぎになるところだが、さすがに地元でも差別だ、と問題になっているらしい。

中国ウオッチ・痩肉精

痩肉精とは塩酸クレンブテロールという薬物で、これを添加した飼料を家畜に与えると赤身肉が増えることから各国で使用されていたが、人体に有害であることが分かってからは使用禁止になっている。実際、メキシコでは2007年にこうした食肉により、200人の中毒患者が出ている。ところが中国でこれを違法に使用している業者が多数いることが判明し、問題となっている。さらにこの痩肉精使用肉を食べるとドーピング検査で引っかかることが分かった。メキシコで6~7月にFIFA U-17ワールドカップが開催されるが、ドイツでは自国選手にメキシコで肉料理を食べないよう警告しているという。これから中国で開催される大会で競技をするアスリートは肉料理を食べない方がいいかもしれない。

中国ウオッチ・茶

中国では古くからお茶が飲まれてきたが、よいお茶を飲むために富裕層は金に糸目をつけなかった。よいお茶を手に入れ、おいしい水でおいしいお茶を飲むために各地の名水を探し求めたものだという(「陶庵夢憶」・岩波文庫)。今再び中国でお茶が富裕層のステイタスになりつつある。銘茶で有名な杭州の龍井(ロンジン)茶は高級なものは500gあたり4000元(52000円くらい)する。昨年より2割上がったそうだ。龍井茶はウーロン茶のように発酵させたお茶ではなく、日本茶と同じような生茶である。年二回摘むが一番最初の新芽だけを摘んだものが高い。容れるときは70~75℃くらい。味はピンからキリまであり、もちろん価格も同様。中国人はみんなウーロン茶を飲むと思っている人が多いが一番よく飲むのは日本と同様普通のお茶。ただ、よいお茶は高いので茎の入ったようなお茶で我慢する。たいていの人は魔法瓶のようなものに入れて持ち歩いている。タクシーの運転手なども必ず脇に置いている。生水の飲めないところなのでお茶は必需品なのだ。職場などでは大きなふた付きの陶器のグラスに茶葉とお湯を入れてふたで葉を押さえながら飲む。ところで先般雲南省にいった際、有名な普洱(プーアル)茶を購入したがこれも今値上がりしているといっていた。普洱茶は古ければ古いほどよいというお茶で、20年ものになると500gで10~20万円くらいする。飲むに耐えるものは5年もの以上だという。独特のにおいがあり、あまり日本人に好まれない。普洱茶は雲南省の山に生える高木のお茶の樹からとれ、普通塊になったものを欠き割って煮だして飲む。脂肪分をとってくれるというので今回無理をしてひとかたまり(毎日飲んで3ヶ月分くらい・円盤状をしている)購入した。他に桂花(キンモクセイ)、茉莉花(ジャスミン)、薔薇、茘枝などで香りをつけた紅茶も各地の名産で売られておりお茶の種類は多い。またお茶といっても普通のお茶の葉ではなく、漢方薬草のお茶もあり、苦いのや甘いのなど千差万別で、いつもお茶の店へ行って違いを味わってくる。かわいいおねえさんがたどたどしい日本語で説明しながらおいしく入れてくれるので楽しい。お茶は本当に薬理効果があるようでお茶を意識してよく飲むようにしてから、ほぼ正常値まで血糖値が下がり、医者が驚いていた。

2011年4月12日 (火)

宮脇淳子著「世界史の中の満州帝国」(PHP新書)を読む

読了するのにだいぶかかった。この本が悪いのではなく、集中力が続かなかったのだ。満州帝国についてはいろいろ本が出ているが、その成立過程の認識に予断があるものが多く、もう少し当時の時代背景から見たものがあればと思っていたが、この本はそれを意識して、かなり広範な書き込みがされている。著者の専門であるモンゴル史がほぼ全時代にわたって書き込まれ、中国という場所での、中国の存在を前提にしない歴史(これが肝心なのです)が同様に詳しく語られる。そしてロシアの成立から満州地区との関わりが述べられ、列強と中国との関係の中で、朝鮮を軸にロシアと日本がどのように満州地区で勢力争いに至ったのかが語られる。これでいいのだし、こうでなければならないのだが、詳細であることは理解に忍耐を要求する。新書だからそれほどの分量ではない。固着した世界観を少し組み替えなければならないのでやや歯ごたえを感じたのかもしれない。歴史を現代の価値観で善悪判断したりしないためにこういう本を読むことも必要なのだ。たぶん著者はもう少し踏み込んだ認識を伝えたいようだがここまでとする。

中国ウオッチ・日本

統計的な話ではないが、中国のネットで「中国が日本に勝っているものはなにか」という設問に対する回答におもしろいものがあったので報告する。①人口、国土面積、軍隊と武器の数とGDP②経済、軍隊、思想③中国の権威主義④ステルス機(アメリカが問題視して一時話題になりましたがその後情報はありません)⑤偽物作り(ただし日米安保条約にはかなわないとのコメント・皮肉が効いています)⑥民度(中国は最低でどこの国もかなわないだろう・よくわかってらっしゃる)⑦世界で最も多い愛国青年たち、それにもっとも多くの洗脳された人民(すごい)どうですか。中国人が好きになりませんか。

中国ウオッチ・酒井法子

酒井法子が中国で薬物乱用撲滅キャンペーンをおこなうため訪中したが、熱狂的なファンが北京の空港で出迎えていたニュースが日本でも報道された。日本のタレントが歓迎されているのはうれしくないこともない光景のはずだが、今回はいささか違和感があった。酒井法子をこのキャンペーンに起用することについて中国でも賛否両論となったようだ。「中国で薬物を乱用したタレントなら復帰などできたとは思えないのに」と批判する向きも多いようだ。中国の報道によれば、日本を発つ前に酒井法子は「中国を訪れるのは公益事業という名を借りて、正式に復帰の第一歩を踏み出すためです」とメディアに語ったとある。今回のキャンペーンに中国側から支払われる出演料は一億円だという。これはコンサートへの参加やメディアへのインタビューの料金すべてを含む。誰が仕掛けたのか知らないが、この時期に、どさくさ紛れに何をやっているのか、と感じるのは日本人ばかりではないのではないだろうか。

中国ウオッチ・赤字

2011年1-3月期の中国の貿易収支が10億2000万円の赤字だった。赤字になったのは7年ぶり。貿易総額は前年同期比29.5%増、輸出は26.5%増、輸入が32.6%増だった。原因として国内経済の成長の早さが止まらないこと、国際商品相場が高騰したことがあげられている。3月の統計によれば単月で1億4000万ドルの黒字であった。原油をはじめとする燃料や原料の値上がりが大きいのは世界的な傾向だが、不動産バブルを抑制するために投資としての不動産購入がやりにくくなりつつあり、だぶついたお金が消費に大きく回り出しているのではないか。

コメントをありがとう

「橋の端」さん、コメントをありがとうございます。アニメ「ブレイブストーリー」のシーンには、「もののけ姫」や、「天空の城ラピュタ」、「千と千尋の神隠し」に似たところが見られるように感じていました。あれだけ優れた作品は、そのあとに作られる作品に影響を与え続けるのでしょうね。これからもよろしくお願いします。ところで「橋の端」さんはブログを開いていますか。あったら拝見しようと思い、「橋の端」でちょっと検索したのですが、分かりませんでした。もし開いているなら教えてください。

2011年4月11日 (月)

伊勢神宮

本日、花曇りの中を伊勢神宮に参りました。震災復興のお願いと自分の家族の安寧をお願いしました。五十鈴川の土手の上はサクラが満開でした。花吹雪の中を久しぶりに神域を歩きました。伊勢神宮の参道の大きな古木は人智を越えた大きな深いものを感じさせます。散る桜のはかないものと人間の生をはるかに超える古木の生命が、浅はかな人間を黙って見下ろしていました。

Photo 五十鈴川沿いの無料駐車場はサクラが満開の川沿いにありました。ソメイヨシノは散り始め、しだれ桜は満開です。薄曇りの空でも赤が際だっていました。

Photo_2 おかげ横町のしたの川沿いを歩いて行きました。

Photo_3 ウィークデイでしたが団体もいて人が大勢いました。

Photo_4 この建物がお守りやお札をお願いするところです。交通安全のお守りを息子と娘と私の分、3つもらいました。巫女さんは「お預かりします」といっていました。渡したからにはちゃんとお願いを伝えておきますよ、というように聞こえました。

Photo_5 馬酔木でしょうか。植物に弱いので分かりません。神社などに行くとよく見ます。京都でもたびたび見ました。

Photo_7 参道の大きな木の下をそれぞれの思いを持って歩いて行きます。

Photo_8 神鶏です。動き回るので写真を撮るのは大変です。

Photo_9 おかげ横町の写真を忘れていました。伊勢うどんは最初まずいと思いましたが、おいしい店にであってそれからは普通に食べます。

Photo_10 最後に駐車場に戻って。見事なサクラでした。

中国ウオッチ・毒物投入

つい先日、中国甘粛省で牛乳を飲んだ幼児が3人死亡し、多くの入院患者がでたというニュースを伝えたが、原因と推定された亜硝酸銀塩が、故意に混入された疑いで容疑者が逮捕されたという。容疑者の詳細、動機などはまだ不明。中国は故意に入れなくても大気汚染、水の汚染、農薬過剰使用の野菜など、身体によくないものだらけだというのに、なぜさらに故意に毒物を入れようというのだろう。社会に恨みを持っているにしても、その報復の手立てが陰湿だ。

映画「花のあと」(BSにて)を見る

原作は藤沢周平。主演の北川景子はやや険のあるタイプで、どうかと思っていたら、見事にこの役をこなしていた。冷たい表情に、あのやや厚い唇がとても魅力的だ。その冷たさを、あの唇からこぼれるほほえみですべてを溶かす。映画は静謐。緊張感が最初から最後まで通っていてすばらしい。背景の月山が効果的だ。すべてがほぼ完璧なのに立ち上がりにちょっと傷がある。最初の花見のシーンで、短冊に歌か句を記している女性の手元が映る。すでに書かれた文字に紙から筆が浮いている。もう少し角度を変えれば防げたことだ。監督は気がつかなかったのだろうか。武士の歩く姿に刀の重さが感じられないのは仕方がないが、筆で字を書いた振りが見えてしまってはいくら何でもひどい。リアリティは細部で壊れる。でも全体としてはよい映画だと思う。甲本雅裕がいい役を外さずに演じてもうけ役だ。いい男ばかりがいい目を見るわけではないのだ。ナレーションの藤村志保が絶品。「たそがれ清兵衛」の岸恵子に匹敵する。自分を持って生きた女性が幸せだと誰でもうれしいのだ。

中国ウオッチ・読書

2009年度の中国人の読書量は年間5.6冊、1990年が5.2冊だったのでほとんど増えていない。これは日本、韓国の約9分の1とのこと。中国人は食事も豊かになり、衣服も好きなものが買えるようになったのになぜだろう。本屋がないわけではないし、本の値段も特に高いわけではない。ネットが普及したことと農村での図書販売網の未整備が理由としてあげられているがそれだけだろうか。日本では江戸時代でも一般庶民が読み書きできるのが当たり前だった。しかし中国では本を読むのは一部特権階級のみでかなり最近まで文盲率が高かった。その反動で今教育熱が極めて高い。それが読書量にまだ反映されていないのか。また、中国の簡体字が文化を断ち切ってしまっている面も影響していないだろうか。文字を大衆化するという考えが、漢字文化の喪失につながっていないだろうか。文化大革命の破壊した文化の残骸を見ると中国の文化の再興はまだ遠いような気がするのだが。毛沢東は自分だけが古代以来の中国の文化を身につけ、どうも一般大衆は何も知らしめないという世界を作ろうとしたのではないか。自分だけが知識人である、ということに優越感を感じていたのではないだろうか。大衆の毛沢東崇拝の背景にどうも大衆の文人に対するコンプレックスがありそうな気がする。

2011年4月10日 (日)

映画「不夜城」(BSにて)を見る

馳星周の傑作を映画にしたもので、1998年製作。これは傑作である。通しで見たのは3回目か。金城武、山本未来ともすばらしい。椎名桔平にもすごみがある。何も信じられないような過酷な人生を送った人間ほど人を本当は信じたい、という叫びのようなものが聞こえてくる。そしてひたすら人を裏切り続けた人間の、最後のよりどころとなる愛を自らの手で破壊するとき、人はどう変貌するのだろう。それはこの続編につながっている。永井豪の「バイオレンスジャック」に強烈な影響を受けた世代として、全く違う世界からの問いかけを聞いてほしい。何を言っているか分かりますか?わかんないだろうなあ。

中国ウオッチ・優生保護

中国の国家人口計画生育委員会は出生前の検査を普及させて、先天性障害児の出生を極力押さえていく方針を示した。その方針を受け、「先天性障害児診断・研究センター」が設立された。中国では先天性障害児の出生率が上昇しており、現在1000人に4人になっているという。国際的な数字がないので多いのか少ないのか分からないが、どうもナチスドイツでの優生保護の名のもとの人種選別を思い出してしまうのは考え過ぎか。現在31省(区・市も含む)220カ所で試験的に出生予防プロジェクトが始まった。240元で出生前の検査が受けられるという。独裁国家は独走する。現在中国は少数民族の居住地区に強制的に漢民族を入れて漢民族の比率を上げることに力を注いでいる。どう見ても漢民族至上主義の思想で動いているとしか思えないことが多い。このプロジェクトがおかしな役割に変化しなければよいが。

渡部昇一著「知的余生の方法」(新潮新書)を読む

本の帯に、あの名著「知的生活の方法」から34年、とある。方法、とあるが、こうしたら知的な生き方ができますよ、という本ではない。著者の考える知的余生とはどういう生き方なのか、その価値観の表明である。だから共感する人にとってはその通り、となるが、全く違う価値観を持つ人もあるだろう。著者は谷沢栄一と並んで、タカ派的な論陣を張っているので、肌合いが合わない人もいるだろう。ただ著者も谷沢栄一も膨大な読書をおこない、ただ読むだけでなく、自分をそこから再構築して、自分のことばでものを語っている。だから彼らは自分で歴史を解釈し直している。この点だけでも彼らの言説に学ぶべきものが期待できる。人は無明の世界を脱した人の力を借りて世界がなにかを知るのだ。それこそ知的余生の目的である。

中国ウオッチ・便乗商品

日本の原子力発電所事故に伴う放射能漏れについて、中国では過剰反応(過剰ではないのかもしれないが)しており、放射能よけ、あるいは放射能対策の商品が次々に便乗販売されている。ヨウ素、ヨウ素入り食塩についてはすでに報告したが、最近の新しいところでは、「放射性物質もシャットアウト」と書かれた微粒子用マスク、海藻由来のヨウ素入りサプリメント、放射性物質除去効果があり、放射能よけになる石けんや、外壁に放射能を防ぐ特殊コーティングを施した住宅だの、ある自動車ディーラーは納車時に放射能よけコーティングをサービスとうたって売り上げを上げているという。また、政府が放射能による汚染を防ぐためにゴキブリ撲滅活動を始めた、との触れ込みで各家庭をまわり、ゴキブリ駆除薬を売りつける輩も出てきているという。もうこうなるとコメントするより笑うしかない。

アニメ「ブレイブ・ストーリー」(BSにて)

アニメ「ブレイブ・ストーリー」(BSにて)
先入観無しに見た。とてもよかった。見終わって気がついた。原作が宮部みゆき(未読)である。おもしろく無いはずがない。声優が豪華メンバー揃いで、できが悪かったら監督のせいだ。テーマがしっかりしているし、世界観にも破綻がない。そうなのだ、人生にはいいこともあり、悪いこともある。人間にはいい人もいれば悪い人もいる。つらいことがあれば悲しい。だからよいことがあればうれしいのだ。つらいこと、いやなことを人のせいにしたり、運命を呪ったりしてもしょうがないのだ。打破できることには逃げずに立ち向かい、どうしようもないことは受け入れる強さが勇気なのだ。そんな当たり前のことを物語の中で気づかせてもらえる。アニメが苦手な人にはストーリーの中に入りにくいかもしれないが、アニメでしか表現できない世界を楽しめるのでチャレンジしてみたらどうですか。

中国ウオッチ・救援拒否

中国では日本政府が救援拒否をしているとの一部報道がある。中国からの救援部隊として日本で報道された人数は15人、中国側は80~100人の申し入れをしていたものを日本政府が15人に削減したという。また被災地への病院船の派遣申し入れに対しても拒否したという。原発の事故についてアメリカやフランスなどが当初より支援を申し入れていたのにそれを拒否して、放射性物質が拡散する事態になってから慌てて救援を受け入れた、と伝えた。救援に対する消極的な対応は日本の行政に問題があったとして認識されていたが、原発関連の不手際な対応は、なにか意図的に隠そうとしているに違いないという論調にまとまりつつある。元々政府を信用しない国である(アンケートを採るとほぼ100%が政府を信用していると答える国でもある)。このような疑いの目で見られていることをよく認識して、それを払拭して信用を取り戻すためにも一日も早く原発が安全宣言できることを祈る。

中国ウオッチ・肥満

中国の高血圧患者は約1億6000万人、糖尿病患者は約9000万人いるという。また標準体重を超えている人が全人口の22.8%の約2億人、肥満人口も7.1%約6000万人に達している。豊かになった分、生活習慣病もふえているようだ。中国のお茶には成人病によく効くものもあるのにどうしたことだろう。私も血糖値が高かったので中国へ行くたびに薬用の中国茶を購入し、どんどん飲むようにしたら医者が驚くほど改善し、ほぼ正常値になった。

2011年4月 9日 (土)

映画「ウオーカー」(BSにて)

デンゼル・ワシントン主演・2010年公開の映画を見た。状況設定は近未来で、「マッドマックス2」の描いた世界によく似ている。全世界の人類が戦争で(と思われるが、最終的にオゾンホールの紫外線で死んだと説明されている)ほぼ壊滅状態になって30年以上過ぎ、わずかに生き残った人びとが、わずかな食料や水を奪い合いながら無秩序に生きている。主人公のウオーカーはその中を一冊の本を抱えて西へと歩き続ける。文明の荒廃とともに字の読める人間はほとんどいない状態であり、しかも文明こそ戦争の原因だったとして、本は積極的に焼かれてほとんど残っていない。特に聖書はもっとも焚書されており、ウオーカーの持っているものだけらしいということがストーリーの中で分かってくる。その一冊の本を奪うべく、敵役のゲイリー・オールドマンが大勢の手下とともに襲いかかる。武器も人数も圧倒的な敵に対しどうなっていくのか、なぜ西へ向かうのか、その使命とは、というのが物語の肝である。アメリカが宗教の国、キリスト教の国であることはよく認識しておかなければならないところだが、この映画もその考えの極限を描いたものである。見終わった後の印象は良好。セピア調のカラーは非常にリアリティを高めている。

保坂隆編著「ひとり老後はこんなに楽しい」(ベスト新書)を読む

著者は東海大学医学部教授(精神医学)。わざわざこんな題の本を読まなくても誰よりも老後を楽しんでいるが、もしかしてもっとおもしろいことがあるのかもしれないと思ったから購入した。毎日が日曜日だからといってルーズに生きてはいけない、規則正しく明るい生活をしなければいけないということをあらためて確認した。年寄り臭くならないためには空元気より、今を幸せと考えてありのままに生きることがいいのだ。でもたぶんそうできる人はそうしているし、そう思えない人はこの本を読んでも自分を変えるのは難しいのではないかなとも思う。世界を変えることは不可能だが、自分を変えることはできるはずだ。世界が悪い、と言い張って苦虫をかんでいる人が多いのはかわいそうだと思うのだが。

中国ウオッチ・妊婦

ロサンゼルス当局は華人経営者が運営していた妊婦センターを閉鎖した。その妊婦センターにいた妊婦10人はすべて中国人で、みな中国から観光ビザで入国して滞在していたという。アメリカで生まれた子どもは自動的にアメリカ国籍を取得できる。それが目的で米国で出産する妊婦が後を絶たないという。ニューヨークには中国だけでなく、韓国、メキシコ、インドなどからの妊婦を預かる妊婦センターがあるとのこと。みな裕福な家庭の人なのでかなり収益も上がるようだ。米国当局は観光客を装った妊婦ビジネスが組織的におこなわれていると見て対策を講じるための調査に乗り出した。ちなみに昨年(2010年)米国でグリーンカードを取得した人数はメキシコがトップで第二位が中国だった。

中国ウオッチ・食中毒

中国・甘粛省で牛乳を飲んだ乳幼児が集団食中毒を起こし、3人が死亡、35人が入院した。症状に亜硝酸塩中毒の症状が見られたことから、牛乳に混入していたと疑われている。亜硝酸塩はハムやベーコンなどに微量を食品添加物として使用されることがあるが牛乳に添加することはない。患者はほとんど14歳以下。中国の食品でのトラブルはとどまることがなさそうだ。だから放射能汚染についても大丈夫だといっても過剰に反応する。政府の発表など信用できないと思っているのだ。

2011年4月 8日 (金)

映画「天国に一番近い島」

だいぶ前の映画ですが、BSで放送したものを録画して、初めて見ました。原田知世主演、監督は大林宣彦です。森村桂の原作を半年前くらい前に久しぶりに読み直して柄にもなくかなり胸が熱くなったところだったので期待したのですが、映画は大幅に原作とは変えられていて似ているけれど全く違う話になっていました。何せ主人公が高校生の設定です。ニューカレドニアが舞台ではありますが、俳優はほとんど日本人です。峰岸徹(私にとっては峰岸隆之介です・三田佳子と共演したデビュー映画を見ました)と赤座美代子の中年の男女が主人公のおかげで復縁するという話がサイドストーリーになっています。ニューカレドニアですから景色はすばらしい。でも残念ながら原田知世は線が細い。話の始めと終わりで少女が成長しているはずですが、ただ日焼けしただけに終わったみたいでした。ところでどうして当時の日本映画は音声がこもるのでしょう。非常に台詞が聞き取りにくいのが腹立たしいです。

中島博行著「この国が忘れていた正義」(文春新書)を読む

日本では刑事犯罪について、加害者の人権の方が被害者の人権より重んじられているという実感が一般の認識ではないかと思う。裁判員制度の拙速な実施も、背景には裁判のプロたちと一般国民の常識との乖離を少しでも埋めるポーズを打ち出さざるを得なくなったことによるのではないだろうか。この本では西洋の犯罪者の人権に対する考え方の由来を、絶対王政時代の権力者の一方的な刑罰適用から、フランス革命により、法律によって刑罰を適用するようになったという過程にあげている。フランス革命以前は、犯罪者の多くが冤罪や軽微な罪のものも数多く、一方的に処刑されるという事実があったのだ。だから犯罪者は救うべきものとして考えられて人権という概念が生まれたのだ。確かに今時大戦前に憲兵や警察が同様な絶対権力者として強権をふるった時代があった。しかし現代はその時代とは違う。犯罪者の人権を擁護することが過剰であってなおかつ被害者が救われない状態はあってはならない。また、アメリカでは精神病理学がそのカバー領域を肥大化させる中で、すべての犯罪は精神病に由来する、という物言いが流通してしまっている。よってすべての犯罪者は治療すれば直る可能性がある、という何の根拠もないことが前提となって犯罪者に対処することになった。アメリカはそれに基づいた治療モデル式の対処をおこなった結果、異常な再犯率の増加により、社会が大きく傷ついてしまった。犯罪者の治療に成功しなかったのだ。よって治療モデルから正義(ジャステス)モデルへの大きな転換が図られ、状況はやや改善しつつあるという。日本は今その治療モデルへ突き進んでいる。しかしアメリカ以上に危険なのは犯罪者に対応する精神科の医者がほとんどいないことだ。アメリカのように自信を持って事に当たっても成果が見られないのに専門家不在でどうなっていくのか。日本ではアメリカの強い要請により、弁護士を安直に急増させようとしている。日本弁護士会は歴史的背景をわきまえずに人権主義を標榜している。正義について国民みなが真剣に考え直すときだろう。

川嶋優著「子どもは若殿、姫君か?」(ディスカヴァー携書)を読む

著者は学習院名誉教授で、皇太子の恩師。副題は「現代教育批判」とあるように、戦後教育の問題点を明快に批判している。また子どもの育て方をアメリカの教育学者の言説に頼ったことの弊害についても語る。自ら考えず、なにかに頼って行動することを批判しているが、これは家庭が核家族化することで、母親が子育てのノウハウを上の世代から引き継ぐことができなかったことも大きな理由だろう。この前に読んだ内田樹の「街場のアメリカ論」で大きく納得したことに、欧米の子どもに対するスタンスが、日本と大きく異なり、子どもに冷たいこと、子どもより親の幸せを優先する思想が背景にあることがある。現代の欧米が、過剰に子どもの人権を尊重するのは、それに対する行き過ぎた反省によるものと考えられる。これは黒人に対しても、女性に対してもそう考えると理解できる。根底に差別があるから過剰に大事にする。日本は子どもを心からかわいがった。元々そういう文化なのに欧米の過剰な人権主義を取りこむことで「子どもの個性尊重」などという訳の分からない妄想にもとずく教育論が出てきてしまったのだ。子どもが大事だからきちんとしつける、きちんと教育する、という当たり前のことをわかりやすく丁寧に書いた本です。パンフレットみたいに薄い本で一気に読めます。

中国ウオッチ・登録規制

中国では新車販売台数の増加がやや鈍化しているものの、依然としてインフラの整備が状況に追いつかず、都市部の渋滞や大気汚染が深刻化している。そこで北京と上海では自動車新規登録台数についてナンバープレートの制限というかたちですでに規制が開始されている。ナンバープレートの代金はどんどん高くなり、現在は約50万円もする。中国政府は今後人口が1000万以上の大都市でもこの規制を実施する意向であることを高官からの情報として伝えている。あらたに対象となるのは、重慶、天津、成都、広州、深圳などと思われる。すでに都市によっては都心部への乗り入れをナンバーで曜日別に規制しているところもある。昆明ではタクシーに番号が振られており、月曜から金曜日は交代で中心部への乗り入れが規制されていた。各都市はその代わり地下鉄を急ピッチで敷設しつつある。私が実際に工事中だったのを見たのは西安、杭州、昆明。みな今年か来年には運行開始とのことだった。

2011年4月 7日 (木)

内田樹著「街場のアメリカ論」(NTT出版)を読む

なんと知的刺激に満ちた本だろう。学校教育、マスコミの言説によって形成された自分の世界観が揺さぶられる。先般、養老孟司との対談集を読んで一度じっくりその著書を読みたいと思っていた。著者は神戸女子学院大学の文学部教授でフランス現代思想専攻。この本だけでなく、どの本ももれなく頭にこびりついた錆落とし、垢落としの洗剤に最適だ。語られていることは全く奇矯ではないのに意想外の結論に導かれてしかもそれに納得させられる。読んでいておもしろくてわくわくする。是非試しにこの人の本をじっくり読んでみてください。養老孟司、橋本治と並べて知的冒険の楽しみに浸ってください。

中国ウオッチ・乳業界

メラミン混入につづき、皮革タンパクの混入が問題となった中国乳業界に対し、当局は乳製品製造業と赤ちゃん用粉ミルク製造業における生産許可証の再申請を3月末を期限に提出するよう命じた。審査後の現在、全国で生産許可がおりた業者は全業者の4分の3にとどまっており、問題のあった浙江省、雲南省、広東省などでは半数しか認められなかった。中国では日本の食品の放射能汚染に対して神経質だが、日本製の赤ちゃん用の粉ミルクについては震災の前のものは奪い合いで、品不足の上価格も高騰しているという。

中国ウオッチ・ディズニーランド

香港に続いて上海にディズニーランドが建設される。4月8日に着工式がおこなわれるが、約4平方キロメートルの面積で、総工費3130億円の見込み。上海は万博で地下鉄、高速道路がかなり整備され、アクセスがよくなっているので香港よりも入場者が見込めるのではないだろうか。5年後に完成予定で初年度の入場数見込みは730万人。

中国ウォッチ・仮設住宅

東日本大震災の報道が、中国でも連日報道されているが、日本の仮設住宅の詳しい報道に対して大きな反響が寄せられている。みな一様にそのすばらしさに感嘆しているようだ。明るくて清潔感があり、冷房まで完備していることに驚いている。中国の場合はあのような仮設住宅というのはなく、避難民はテント生活が普通だ。また、中国で感心していることの一つに学校や体育館が避難場所に当てられていることがある。四川大地震でも分かるように、学校や体育館はどの建物よりも被害を受けて倒壊するのが中国である。公共のものは手抜き工事が当たり前だからで、公共のものが頑丈で、なおかつそこが市民に提供されることに二重の驚きを感じるのだ。

中国ウオッチ再開

東日本大地震、中国旅行報告で中断していた中国ウオッチを再開します。

2011年4月 6日 (水)

中国版民族村

今回の中国旅行報告もこれが最後です。漓江下りの後、陽朔の近くに民族村があるというのでオプションを組んでもらって見学しました。全国から少数民族を集めて、それぞれの様子を見せるというコンセプトのようです。どこまで本当の少数民族の生活なのか分かりません。どう見ても見世物の感が否めません。役割を演じている少数民族もまじめにやっているものもいれば明らかに嫌々仕方なくやっているものもいて、「おもしろうて、やがて悲しき宴かな」というところです。舞台そのものはまわりの景色はよいし、大きな湖に水路を巡らして舟で見て回るもので悪くはありません。旅の最後で少し辛口になりすぎましたか。

Photo 陶淵明の桃源記のような村だと言っているようであります。そういえば陶淵明の胸像もありました。

Photo_2入り口で楽団の歓迎です。

Photo_3 ここで舟に乗って水路伝いに回ります。

Photo_4 水はきれいですし、景色もよく、言うことはありません。

Photo_5  前を行く舟。たいてい満載ですが、こちらは3人だけでゆったりとしていました。

Photo_6 前方の洞穴へ向かいます。

Photo_7 洞穴から出口が見えました。

Photo_9 こういう狭いところも通ります。でも川ではありません。

Photo_11  戦いの踊りらしいのですが、なにか見ている方が恥ずかしいような稚拙な踊りでした。

Photo_12 カメラを向けたら恥ずかしそうに小さく手を振ってくれました。

Photo_13 中央に柱のない不思議な建造物でした。

Photo_14 大きな飾りがぶら下がっていますが、その横に小さいのがたくさんぶら下がっています。これを時々上の女性が投げてくれます。みんなうばいあいです。 たまたま目があったら私めがけて投げてくれました。おかげでうまくキャッチできました。娘へのかけがえのない土産にしました。

Photo_15 中国、特に雲南省などでよく見かける屋根のある橋です。

Photo_16 湖の遠景です。

Photo_17 トイレの横にあった大きな樹です。名前は分かりません。これでおしまい。

島崎晋著「中国人も知らない中国の歴史」(ベスト新書)を読む

最初に読み出したときは「とんでも本」のたぐいかと思ったが、それなりに裏付けのあるものであり、解釈の違いでそうともいえるかな、ということで了解できた。歴史は必ず後世に記述されるので、何らかの歪曲は避けられない。もっともいけないのは現在の価値観で歴史の正悪を論ずるやからで、社民党のような原理主義的発想で歴史を断罪されてはかなわないが、この本はそのようなものではなかった。それぞれのエピソードを短くまとめてあり、読み物としてはおもしろい。ただ誤植と思われるところがいくつも見られた。もう少し校正を丁寧にやってほしい。

2011年4月 5日 (火)

大熔樹・陽朔

漓江下りの舟を下り、巨大熔樹(がじゅまる)を見物してから陽朔の観光街、西街を歩く。この大熔樹はわざわざ立ち寄ってみるだけの値打ちが・・・と思っていたら参りました、ありました。この~木何の木、気になる木みたいなこんもりした木が見え、その木の下まで行ってその大きさにびっくり。なんだこれは、と唸りました。この木一本で村が潤っているようです。少し眺めてから観光地の陽朔へ。陽朔は西洋人にも人気があると言われています。一年中歩行者天国になっている通りを歩きましたが、ここも中国人の観光客が増えてから俗化が進んで、西洋人が喜んだ瀟洒な洋風な建物もほとんど姿を消していました。

Photo 全体で一本の木です。まさにこの木何の木。

1 木で木を支えています。

Photo_2 枝の先がまた根を張って何が何だか分かりません。

Photo_3 木の前で民族衣装を着て、はいポーズ。

Photo_4 おばあさんも感心してみています。

Photo_5 博物館風の建物もありましたが誰も入る様子がありません。

Photo_6 この村はこの木一本で潤っているのではないでしょうか。

Photo_8 陽朔の観光街への入り口で漢方薬用の薬草を売っていました。雲南省とともにここもたくさん薬草が採れるところです。

Photo_9  陽朔・西街入り口から撮影。俗化しているものの雰囲気はいい。

Photo_11 あまり奥行きはありませんでした。Photo_12  すぐ向こうには桂林の山が遠望できます。

Photo_13 里芋です。でかい。

2011年4月 4日 (月)

漓江下り

桂林観光のハイライト・漓江下りです。長いコースだと船中泊までするコースもあるようですが、こちらは時間の都合で2時間だけ。船着き場は30分おきぐらいにあり、どこから乗ってもどこで降りても料金は同じらしいです。今回は写真一つ一つにはキャプションはつけません。今にも雨が降りそうな中、寒風が吹き付けて震えながらデッキで景色に見とれていました。天候のせいと写真の腕が悪いせいで本当のすばらしさが分かりませんが、是非興味があれば実際に見に行ってください。どちらを向いてもどこから見てもすべて絶景で、しかも見飽きません。

Photo_22 Photo_23 Photo_24 Photo_25 Photo_26 Photo_27 Photo_28 Photo_29 Photo_30 Photo_31 Photo_32 Photo_33 Photo_34 Photo_35 Photo_36 Photo_37

島内景二著「中島敦『山月記伝説』の真実」(文春新書)を読む

高校時代に国語の教科書の「山月記」を黒須重彦先生に半年掛けて徹底的に読まされた。そのときは黒須先生が中国文学者でしかも源氏物語研究で有名な先生とは知らなかった。大人になって先生が屈原の楚辞について書いている本を本屋で見つけてびっくりした。そのときの講義は一生の宝物になった。だから中島敦は何遍読み返したか分からない。特に山月記は暗記するほど読んだ。この本はその山月記に隠された中島敦の友情について徹底的に調べて分析して明らかにしたものだ。たぶんこの本に書かれていることは真実だろうと思う。しかし私の中島敦、私の山月記はそのこととしっくり来ない。私は私の中島敦と山月記を一生自分の原点として暖めていきたい。この本が悪いわけではない。評論としてすばらしすぎるのだ。作者が無意識の部分まで明らかにしてしまうことに抵抗を感じるのは私の精神が軟弱だからだろうか。

鍾乳洞

二人乗りモノレールでトンネルに突入、そこが鍾乳洞の入り口です。日本の鍾乳洞のように白いものではなく、ベージュ色をしていました。洞内には水が流れていますが、水がしたたっているということはありません。洞内はおおむね広く、いきなり店があるのにびっくり、舟で漆黒の洞内を行くのも探検気分でおもしろい。洞内を見たいときは備え付けのライトを自分で照らすようになっています。照明がさすが中国、といいたいようなサイケデリックなもので唖然とします。写真の通りの光景なのです。

Photo_10 上下を間違えているわけではありません。上へ伸びた石筍の化け物です。

Photo_11 ここが入り口の様子。

Photo_12 いきなり土産物売り場があります。

Photo_13 舟に乗り換えます。暗いのでぶれていますがご容赦ください。

Photo_14 漆黒の中を左右すれすれ、上部すれすれにいきます。いつも漕いでいるとはいえ船頭の櫂捌きは神業です。

Photo_15 本当にこんなライトアップなんです。真ん中に、上へ伸びる石筍があります。

Photo_16 スコップやツルハシまで売っていますが、自分で勝手に探検しろと言うのでしょうか。不思議な品揃えです。

Photo_19 電車に乗り換えます。

Photo_20  なんと酒屋があります。桂花酒という、蒸留酒に桂花(キンモクセイ)で香りをつけた酒です。この洞窟で寝かせているそうです。試飲しましたがとてもおいしかったです。桂林というのはキンモクセイの街、という意味です。桂花茶というのもあります。

Photo_21 出口に行くためのエレベーターです。階段を登らずにすみますので大変楽ちんです。

桂林から鍾乳洞へ

桂林の墨絵のような山々の景色は有名だ。普通、漓江を船でクルーズしながらその景色を楽しむ。この山々は地殻変動で隆起した石灰岩でできており、それが雨水などで浸食されて今の景色になった。当然鍾乳洞も数多く形成され、大小いくつも見学できる観光洞がある。今回は桂林からまず冠岩幽洞という大きな鍾乳洞を見学し、冠岩から船に乗り、興坪(こうへい)で下船。民族村を訪ねる。まず、桂林から鍾乳洞へ行く。鍾乳洞へ行くのに二人乗りのモノレールに乗る。運転は自分でする。レバーを引くとスピードが出て、押すと減速する。カーブもあるのでフルスロットルにすると揺れる。ガイドの周さんと二人乗りしようとしたら、私が大きいので周さんが一人ずつ乗るよう交渉。周さんの第一印象があまりよくないので二人乗りはこちらも敬遠したいが、周さんに運転してもらいながらこちらは写真を撮ろうと思ったので当てが外れた。だから写真は片手でレバーを操作し、片手で写真を撮ったもの。かなりリスキーでした。

Photo 昆明や麗江でも見ましたが、桂林郊外でもこの発動機むき出しの、のろのろ三輪車をよく見かけました。田舎道でこの三輪車が前を走っているととたんにスピードは20Kmくらいになり、追い越すのに苦労することがあります。たいてい石など重いものを満載しています。ディーゼルで、馬力だけはあるようで、峠道をヒイヒイ言いながらあえぎながら登っていきます。そこら中でおこなわれている道路工事の資材運搬に欠かせない戦力のようでした。

Photo_2 車から田舎の朝の市場の風景をスナップしました。

Photo_3 このような小さなモノレールです。前の席の人が運転します。ブレーキはなく、前後に両手で押したり引いたりするレバーだけで操作します。

Photo_4 片手で横の景色をスナップ。

Photo_5 ここはまだカーブは緩やか。

Photo_7  天気が悪くて今にも雨が降りそう、しかも寒い。

Photo_8 トンネルへ突入します。

Photo_9 そのまま鍾乳洞に入ります。この鍾乳洞内では舟、電車、エレベーターを乗り継ぐそうです。本当かいな。

2011年4月 3日 (日)

虎跳峡

今回の雲南省・麗江地区の旅行でもっとも絶景であり、印象に残ったのがこの虎跳峡でした。昔は香格里拉側しか見ることができず、駐車場を降りて500段のせまい階段を下りていかなければならないそうです。今でもそちら側から見る見方もありますが、降りることはできても帰りの登りはかなりつらいものだそうです。麗江側からは往復5Km以上の崖道を歩かなければなりませんが、最後のところを除いてほとんど平坦な石畳の道なので老人でも行くことが可能になりました。虎跳峡の名は長江(金沙江)の幅数百メートルの流れが、30m程度の幅に一気に狭まっているところの河の真ん中に大きな石があり、その石を足場に、猟師に追われた虎が向こう側へ跳んで渡ったという故事から来ています。景色もすごいが水の轟音もすごいです。吸い込まれるような迫力でした。

Photo_9 向かい側が香格里拉側。上に道が見えます。

Photo_10 右側が麗江側ですが、水面に近いのが観光用の道、中腹に筋状に見えるのが茶馬古道で昔の南のシルクロードです。今は使われていません。

Photo_11 この道は人力で開削されました。トンネルや崖は爆薬で開き、石畳は人間が運んで敷き詰めたそうです。

Photo_12 最初に作られたときはすべて崖の道でしたが落石が多すぎるため、特に危ないところはトンネルの迂回路があらためて作られました。

Photo_13 トンネルの出口の後ろに大きな落石が見えました。

Photo_14 いよいよ虎跳峡が間近です。

Photo_15 山の間から玉龍雪山が見えました。麗江側から見る山の裏側です。

Photo_17 右に虎が見えます。真ん中が飛び石です。

Photo_18 下に人がいるのが見えますか。私もそこまで降りました。

Photo_19 すごい轟音と水しぶきです。なんと雨期にはこの石が水没するそうです。たぶん河面は30m以上上がるのでしょう。今写真を撮っている場所も水没するそうです。向こう岸に見えるのが香格里拉側の展望台です。

Photo_20 水面の写真を10枚くらい撮りました。みんなすごい迫力です。記憶の轟音が聞こえるからでしょうか。

Photo_21  帰り道です。

Photo_22 こんな川で漁師でしょうか、漁をしていたようです。

池上彰著「知らないと恥をかく世界の大問題2」(角川新書)

2009年に出た本の続編となるが、よりわかりやすく整理されている。この本を読むと普段テレビのコメンテーターや、呼ばれた解説者というのがどれだけわかりにくく説明しているのか、自分がテレビに出ていることのみに神経がいっていて視聴者に理解してもらう、という原点を見失っているのか、または頭が悪くて問題の意味を本当には理解していないのではないか、と思えてしまう。著者も4月からは充電のためにテレビ出演は一切しない、ということで、残念だが、この人に倣ってもう少しまともな解説者が現れることを期待したい。この本は世界の現状と2012年という年に世界情勢が大きく変わる可能性があることを理由を含めてわかりやすく解説しているので、知っているひともあらためて整理のために読むことをおすすめする。

虎跳峡へ向かう

金沙江に沿って北上し、虎跳峡に向かう。対岸は香格里拉(シャングリラ)へ向かう香格里拉ロードが走っている。香格里拉は昔中甸(ちゅうでん)という地名だったが、イギリスの作家が訪れたとき、その絶景と村ののどかなたたずまいを見て、ここを舞台にした小説を書き、理想郷の意味であるシャングリラと仮称したことによる。ここまでくると香格里拉まで2~3時間でいけるらしいが残念ながら今回は行くことになっていない。虎跳峡への脇道までのしばらくの間、香格里拉ロードを走る。チベット様式の建物が時々目に入る。虎跳峡は昔は香格里拉側からしか行くことができなかった。今は麗江側から行くことができる。最後の橋を渡って虎跳峡への道に入る。その橋のたもとで食事をした。

Photo 虎跳峡への分かれ道の案内板。

Photo_2 向かい側が香格里拉。

Photo_3 橋の上から金沙江を覗く。

Photo_4 橋のたもとで果物を売るおばあさん。

Photo_5 レストランのトイレ。男子用ですが、女性用も同じだそうです。こういうところでは扉がある場合、たいてい有料(一元くらい)です。ここはむろん無料でした。しゃがんでいる人がいるとぎょっとします。ちなみにしゃがむときはこちら向きです。

Photo_7 対岸の菜の花畑。菜の花が終わるとトウモロコシです。トウモロコシはこの辺の人の主食の一つです。お米はとれません。

Photo_8 ついに虎跳峡が見えてきました。

2011年4月 2日 (土)

石鼓村

石鼓村は長江第一湾のすぐ近く、南のシルクロード・茶馬古道の中継地として賑わったところだが、現在は比較的静かな、昔のたたずまいを残した村として世界遺産に指定されている。静かな分、中国人の観光客は少なく、外国人の方が多いところ。それだけ俗化していない。「単騎、千里を走る」で高倉健が狭い坂道を登ったり降りたりして撮影したそうだ。たまたまその日は市が立っており、近隣から人が集まって物々交換のような商売をやっていた。

Photo_16 大好きな甍の波。

Photo_17 村の入り口の世界遺産の看板。

Photo_18 このあたりは菜種畑が多い。ここへ持ち込んで菜種油を絞っている。

Photo_19 両側に門のある吊り橋。5月からの雨期には水没してしまうため、ばらして収納される。

Photo_20 吊り橋の反対側から。昨年の洪水で向こう側の門の屋根が破損しているのが見える。

Photo_22  この高台の楼に登ってまわりの景色を見ました。一気に登ると息が切れてきつい。

Photo_23 上から吊り橋を見下ろす。

Photo_26 村と菜種畑。

Photo_27 この坂道を高倉健が上り下りしたという。

Photo_28 これが村の名前の由来の石鼓。音が鳴る?もちろん石ですからなりません。そもそも太鼓は戦のために使われることが多く、その戦を嫌うというアピールのためにわざわざならない石の太鼓を下げています。

金沙江

アジアの大河川である長江(揚子江)、瀾滄江(メコン川)、怒江(サルウィン川)は雲南省に源を発している。ともに3000Km以上の世界的な大河川である。そのうち長江はこのあたりでは金沙江と呼ばれる。砂金がとれたことに由来する。また他の河が南下して東南アジアへ下っていくのに、金沙江のみが南下の途中で大きく方向を変えて北上する。その屈曲地点は長江第一湾と呼ばれる。ここから南のシルクロードの中継点である石鼓村、さらに川沿いに北上して今回の旅のハイライトの虎跳峡へ向かう。

Photo_10 道路拡張のためかあちこちの街路樹が上部を切られて無残な姿になっている。横の窓はスモークが入っていてしかも開けられないので運転席越しに撮影。

Photo_11 本来はこのように美しい姿をしている。確かにこの道路幅ではトラックがすれ違うのは難しい。

Photo_12 峠の頂上から金沙江を見下ろす。峠の高度2700m、これから第一湾へ。第一湾の高度1800m、一気に900m降りる。

Photo_13 水はここで大きく湾曲。向こうから来て左から右に流れていく。

Photo_14 屈曲点で一番幅があるところ。昨年洪水で周辺の農家が水没したという。

Photo_15 正面向こうの方へ、北の方へ流れていく。ここで石鼓村に立ち寄ってから、北へ向かう。

諸田玲子著「其の一日」(講談社文庫)を読む

諸田玲子は「山流し、さればこそ」という本を以前読んでとてもおもしろく、読後感もさわやかだったのでそのほかの本を読んでみたいと思っていた女流時代小説作家である。この本も期待に背かなかった。4つの短編で構成されているが、表題の通り、主人公にとって人生で特に濃度の高い一日を緊張感のある文章で綴り、読者を引き込む。文章はいかにも女性作家というようなやわなものではなく、無駄が無く映像的で、心理描写、特に女性の登場人物の心理描写は詳細で繊細。すでにかなりの評価はされているが、さらに飛躍していく作家だろう。シリーズものも出ており、彼女の本を続けて読みたいと思う。

麗江古城・夜

麗江古城の夜の風景です。本当に賑やかになるのは夜八時を過ぎてからで、宿泊していた古城街の南地区から一番賑やかな四方街のある北地区まで歩いて30分ほどです。人混みの中を散策しました。

Photo この小さな橋を渡ると100歳まで生きられるという百歳橋です。夜の明かりに石畳が光って見えました。

Photo_2 何の鳥でしょうか、おいしそうでした。

Photo_3 子供はもう寝なさい。

Photo_4 河のそばのレストランも風情があります。こんなところできれいな中国娘とお酒を飲みたいものです。

Photo_5 お兄ちゃんとお店番。

Photo_7 ここは北と南の間の少し賑わいの少ないところ。

Photo_8  宿(右奥)のそばの喫茶店。

Photo_9 古城南の広場前の楼閣。料亭です。

土屋賢二著「人間は考えても無駄である」(講談社文庫)を読む

著者はお茶の水女子大の哲学科教授、難解な哲学を論じているとは全く思えないような軽妙洒脱な文章の中に、実は深遠な真理がちりばめられている・・・とはとても思えない掛け合い漫才のようなペースに、あっという間に読み終わってしまうような本をたくさん書いている。この本は心理学者や科学者、文学者、音楽家との対談集。著者が自分の好みで選んだ人との対談なのでいつも以上に軽い、ジャズのセッションのようなものになっている。著者は趣味でジャズピアノを弾いており、ライブもやっているのだ。読んだ後に人生に示唆を与えるようなものが残ればすばらしいのだが・・・。ああおもしろかった、でいつも終わってしまう。読んだことがなければこの人の本を一度読んでみることをおすすめする。時間の無駄だ、と腹を立てる人もいるだろうし、おもしろい、もっと読もう、と思う人もいるだろう。もっと読もう、と思ってくれるひとが私は好きだけど。

2011年4月 1日 (金)

麗江・玉泉公園

玉泉公園は麗江の市街の北、約1Kmのところにある、玉龍雪山の伏流水がわき出ている池を中心とした公園です。快晴の時のみ北側に玉龍雪山が見えるはずです。

Photo_22 大理石でできた五孔橋と三層の得月楼。

Photo_23 得月楼遠景。

Photo_24 この足下からものすごくきれいな泉がわき出ています。泉は池のあちこちにあります。

Photo_25 桜は半分散っていました。

Photo_26 ここで納西族(ナシ族)の楽隊が音楽を流していました。死者に送る音楽だそうですが、賑やかでした。

Photo_28 この背景に玉龍雪山が見えるはずですが、この日は雲の後ろ。残念。

Photo_29 ここから麗江の街へ清流が流れ下ります。

跡田直澄著「中国が笑う日本の資本主義」(ヴィレッジブックス)

日本の国が抱える1000兆円に迫る借金の意味を考え、なぜこんなに借金が貯まったのか理由を考察することで、日本の官僚が介入することでとられた方策がいかにその場限りのものであったのか、特に農水省と国交省をやり玉に挙げて問題点を指摘する。その淵源は田中角栄の時代にあり、今どうすればいいかの提言に至る。この中で再々日本が役人天国であること、中国や旧ソ連よりも社会主義国家であることが揶揄されている。マルクスが今の日本を見たら、自分が考えていた国家をいちばん忠実に実行しているのはこの国だと言うだろう、という著者の先生が言ったということばが現在の日本の実態を如実に表現している。社会主義はシステムとして最後はソ連のようにたぶん破綻するのだ。だから日本も破綻寸前になっているのだろう。であるなら何をなすべきか分かるのではないか。

加藤諦三著「どうしても『許せない』人」(ベスト新書)を読む

人生相談でおなじみの加藤諦三の本です。世の中には図々しい人、ずるい人、人の迷惑に鈍感な人が山のようにいます。そしてその人に対して言いたいこともいえずにひたすら我慢している人がいます。そしてついに我慢の限界を超えると・・・。この表題は、許すことができない、怒っている人でもあり、他人に対して理不尽な行いをする人そのものともとれます。双方を表しているのでしょうか。加藤諦三は我慢すべきでないことを我慢して許してしまう人の心理を詳しく解析します。許すべきではないことを許してしまい、許すしかない事態に許すことができなくなってしまう事態がなぜ起こり、どう対処したらいいか、について考えさせてくれます。だいたい夫婦や親子の間でも我慢していることが山のようにあるのが人間でしょう。ましてや他人との関係となれば。お互いの妥協点はたぶん互いがかなり譲歩したところにあります。自分が思う真ん中には決してありません。現代は自由や個人主義の名のもとにその感覚が壊れている時代なのかもしれません。この本に書いてある人に自分が当てはまらない人はたぶんいないでしょう。できればどうでもいいことは平然と許せる強い人間になりたいところです。

束河古鎮

束河古鎮も世界文化遺産に指定されている中国の古い村。南のシルクロードといわれる茶馬古道と呼ばれる道の中継地に当たり、山を越えてミャンマーからインドにつながっている。麗江、この翌日訪れる石鼓村とこの村は映画「単騎、千里を走る」の舞台の一つである。玉龍雪山からの清流が村の中を流れており、菜の花がきれいだった。中国式の瓦を乗せた家々の屋根の連なりが、是非とも見たい景色だったのでここでやっと堪能した。

Photo 束河古鎮の中心部、四方街。舞台になっている。

Photo_2 掛けられて600年以上の石橋。ここから村に入る。

Photo_3 あこがれの甍の波。

Photo_4 本当に透明なきれいな流れです。

Photo_5 三段に流れを利用します。左が飲み水用、真ん中が野菜や果物を洗う場所、右側が洗濯する場所です。

Photo_7 清流と博物館の看板。

Photo_8 昔大きな犬は食用だったそうです。

Photo_9 三月なのに藤の花が満開でした。

Photo_10 支配階級の宝物やトンパ文字の歴史が展示されていた博物館。

Photo_11 すばらしい遺品です。

Photo_12 学校を作る資金が必要なのでしかるべきひとでしかるべき値段なら譲ってもいい、ということでした。

Photo_13 残念ながらゆとりもないし、飾っておくところもありません。

« 2011年3月 | トップページ | 2011年5月 »

最近のトラックバック

カテゴリー

  • アニメ・コミック
  • ウェブログ・ココログ関連
  • グルメ・クッキング
  • スポーツ
  • ニュース
  • パソコン・インターネット
  • 心と体
  • 文化・芸術
  • 旅行・地域
  • 日記・コラム・つぶやき
  • 映画・テレビ
  • 書籍・雑誌
  • 経済・政治・国際
  • 芸能・アイドル
  • 趣味
  • 音楽
2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ