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2011年7月

2011年7月30日 (土)

烏鎭・観光村に入る

中国の水郷地帯の観光地の一つ、烏鎭にいく。蘇州や周荘にいったことがあるが古い中国が見られてとてもよかった。烏鎭も期待大である。まず村に入るには渡し船に乗らなければならない。

Photo烏鎭の観光区に入るために切符を買う。車は入れない。

Photo_2これが渡し船。

Photo_3村内の渡し船の船着き場。

Photo_4村内の地図。説明するのはガイドの駱さん。

01村内を歩き出す。

02なかなかいい雰囲気でしょう?

03こういう橋が架かっています。流れているのは運河。

04この屋根瓦が大好きです。

Photo_5提灯屋。

Photo_6店の奥に下がっていた提灯。

Photo_7軒飾り。

































共著「復興の精神」(新潮選書)

養老孟司「精神の復興需要が起きる」、茂木健一郎「変化への希望」、山内昌之「公欲のために私欲を捨てよう--「災後」の歴史認識」、南直哉「無力者の視線」、大井玄「プロメテウスのように」、橋本治「無用な不安はお捨てなさい」、瀬戸内寂聴「無常--どん底は続かない」、曾野綾子「いきてるといいね」、阿川弘之「大丈夫、必ず復興しますよ」の9編が寄せられている。震災直後に依頼され、4月中にそれぞれから寄せられたものである。それぞれに震災について熱い思いを語るが、それが優れているのは震災になる前の日常について確固とした思いがすでにあった人たちだから非常時である震災の意味が対比として正しくとらえられ、震災後に新たな日常はどうあるべきか、ビジョンを語ることができるのだ。
それぞれにそのメッセージは、読者である私に直接伝わる書き方になっている。酷評した石原慎太郎の本とは違うゆえんである。石原慎太郎の本は誰に向かって書いているのか全くわからない。闇夜に吠える野犬の遠吠えだった。
曾野綾子の「いきてるといいね」というのは最後に紹介されている被災者の子供の詩の一節である。この詩を素直に読むと胸が熱くなる。この詩を知っただけでもこの本を読んだ値打ちがあった。是非読んでみてください。

石原慎太郎著「新・堕落論」(新潮新書)

こんなに読むのに苦痛を感じたのは久しぶりだ。いわんとすることには共感するはずなのに文章のひどさに一行ごとに引っかかってしまう。まさかこの文章を本当に石原慎太郎が書いたのだろうか。もしそうなら言葉は悪いがぼけかけているのではないか。人がこんな文章を書いたら酷評するはずだ。
教授が劣等生に代筆を頼んだみたいなものだ。絶対代筆者がいるはずだ、それもかなり低レベルの。所々引用されている小説や詩の部分が砂漠のオアシスみたいに感じる。この何年かで最低の文章だ。
内容は、繰り返すがたぶんいいことを書いていると思う。
だがほとんどその内容が頭に入る前に文章のひどさに怒りを覚えて先に進まない。読まなければよかった。
そんなに酷評するなら試しに読んでみようかというあまのじゃくな人は読んでみてください。

2011年7月29日 (金)

杭州・中国茶葉博物館

杭州市街から車で約30分、茶畑が広がる中に博物館があった。お茶の歴史やお茶の種類について簡単なレクチャーを受けた後、いろいろなお茶の試飲をした。こういうところで上手に入れたお茶は本当においしい。ついお茶を買い込んでしまう。今回は最初から土産にするつもりでいたので、龍井茶と中国紅茶と少し苦い薬草茶を購入した。その跡そのまま高速道路で次の訪問地、烏鎭へ向かう。

Photo_22駐車場前にあった貸し自転車。すぐ近くに電動自転車も二三台おいてあった。

Photo_23目の前には茶畑が広がっている。

Photo_24入り口近くにあった石碑。意味はわかりそうでいてあまりよくわからない。

Photo_25茶と書かれた大きな壁の前で記念写真を撮っていた。かわいい女の子だった。

Photo_26これはすべてお茶という意味の漢字だそうです。

Photo_27博物館の中の展示コーナー。

Photo_28高速のパーキングでトイレ休憩。

Photo_29向こうの売店に行けば粽(ちまき)が食べられるのにすぐいくといわれて食べられなかった。残念。もうすぐ烏鎭だ。

このつぎは烏鎭の夜景です。






















杭州西湖・曲院風荷

曲院風荷は西湖十景の一つ。曲院は南宋時代からここにあった酒の醸造所の名前で、風荷は蓮の美称。醸造酒をさらに蒸留して白酒を作っていた。今は別のところで作っている。試飲のコーナーがあり、一口いただいた。とろりとして絶品であった。もっと欲しかったがいっぱいだけと断られた。

Photo曲院風荷へ向かう。この街路樹の形がたまりません。

Photo_2曲院風荷の入り口。題字は茅盾・有名な中国の作家で浙江省烏鎭生まれ。

Photo_3庭園内をゆく。緑が美しい。

Photo_4湖畔風景。向こうは蘇堤。

Photo_5湖畔風景。橋がすてきです。

Photo_6名前の由来の蓮(枯れている)。

Photo_7樹間から湖を望む。

Photo_8酒造所跡の博物館にあった木彫りの酒仙。理想の境地です。

Photo_9展示品の一つ。子供の像。日本ではこの腹掛けを金太郎さんといいますが、中国でもよく見ます。着るのはこれだけ。下はすっぽんぽんです。このまま大小便ができます。



















中国ウオッチ・ゴミ問題

中国広州市のゴミ処理が限界を迎えつつある。現在広州市の発生ゴミ量は一日あたり9000t、ゴミ焼却場の処理能力は1000tにすぎない。残りは埋め立て処分場に持ち込まれているが、本来その受け入れ能力は2500tにすぎないのにすべて受け入れている。このままでは2012年には処分場は満杯になる。そこで突貫工事で焼却場の増設が進められており、2012年に稼働予定だがその処理能力は3000tである。広州周辺のゴミ廃棄可能な場所はすでにすべてゴミの山になっており、捨てる場所はもはやないという。
4月に上海、広州、深セン市、杭州市など主要都市は「生活ゴミ分類試験都市」に指定され、ゴミの分別収集が始められたが、市民の協力が得られず、有名無実の状態となっている。
再生可能な資源ゴミの回収を進めるだけでもかなりのゴミ減量につながると見られるが、日本のように一部の人間を除いてほとんどのが協力するという状態になるにはまだまだのようである。それともそもそも期待するのが無理なのだろうか。
中国は日本と違い国土が広いのでまだまだゴミの捨て場はあると思われているのだろうが、広い以上に人間も多いのだ。

2011年7月28日 (木)

佐伯泰英著「一矢の秋 居眠り磐音 江戸双紙37」(双葉文庫)

刺客を避けて隠れ里に潜む坂崎磐音一行がついに敵の首魁との決戦を決意する。坂崎磐音がいない江戸でのいろいろなエピソードを絡めながら物語は決戦のクライマックスに向けて盛り上がっていく。この巻は逃避行から反撃への転換点になる巻のようだ。
こう書いてもこのシリーズを読んでいない人にとっては何のことやらわからないだろう。またNHKのシリーズを見ただけの人にもわかりにくいかもしれないが、磐音は田沼意次に狙われて苦労しているのだ。
この物語で佐野善左衛門が登場する。後に江戸城内で田沼意次の息子、田沼意知に斬り付けて討ち果たす人物だ。この事件をきっかけに田沼意次は力を失っていく。浅野は短慮の人物として描かれており、実際の記録でもそのような人物だったらしいが、浅野内匠頭みたいに吉良上野介に斬り付けたはいいが、額にうっすらと傷をつけただけという情けないのとは違う。少なくとも武士らしい。
このシリーズは出ると必ず読んで紹介しているので同じことをまた言うが、とにかくおもしろいシリーズなので読んでない人は読んでみてください。
もちろん第一巻からですよ。この第37巻まで一気に読んでしまうと思いますし、そして次がいつ出るのか待ち遠しくなることを請け合います。

木内一裕著「アウト&アウト」(講談社文庫)

こんな主人公、見たことがない。現実ではこんな人間とはお近づきになりたくないが、物語の中で出会うぶんには痛快きわまりない。
ハードボイルドの要諦はこれなのかもしれない。自分が殴られたり斬られたり撃たれたりしたら痛いどころではないが、小説や映画の中なら感情移入しながらいくらでも我慢できる。主人公が親しみの持てるキャラクターでは傷つけられたりしたら不快感もいささかであるが伴ってしまう。ヤクザ出身の探偵なら暴力にも強いだろうと得心してしまう。
だが物語の進展とともにその主人公に気持ちが入ってしまう。気持ちの移動する幅が大きい分、痛快さも大きくなるのだ。
サブキャラクターの小学二年生の女の子、栞がとてもかわいい。この子の存在が物語の値打ちを上げている。
とにかくテンポよく読めてしかもすばらしくおもしろかった。
この作品は前作の「水の中の犬」から続いているという。読もうと思いながら買いそびれていた本だ。探して読もう。

木内一裕著「アウト&アウト」(講談社文庫)

こんな主人公、見たことがない。現実ではこんな人間とはお近づきになりたくないが、物語の中で出会うぶんには痛快きわまりない。
ハードボイルドの要諦はこれなのかもしれない。自分が殴られたり斬られたり撃たれたりしたら痛いどころではないが、小説や映画の中なら感情移入しながらいくらでも我慢できる。主人公が親しみの持てるキャラクターでは傷つけられたりしたら不快感もいささかであるが伴ってしまう。ヤクザ出身の探偵なら暴力にも強いだろうと得心してしまう。
だが物語の進展とともにその主人公に気持ちが入ってしまう。気持ちの移動する幅が大きい分、痛快さも大きくなるのだ。
サブキャラクターの小学二年生の女の子、栞がとてもかわいい。この子の存在が物語の値打ちを上げている。
とにかくテンポよく読めてしかもすばらしくおもしろかった。
この作品は前作の「水の中の犬」から続いているという。読もうと思いながら買いそびれていた本だ。探して読もう。

中国ウオッチ・高速鉄道事故まとめ

今回の温州の鉄道事故について、中国当局(鉄道関係者)はまず事故そのものを隠蔽しようとした。しかしそれが不可能なことを知ると事故をなるべく小さなものだったように工作しようとした。事故被害は報じられているよりも大きかった可能性があるが、あまり極端な隠蔽はできないだろう。
あの慌てたような事故車両の処理の仕方や被害者の捜索の中途半端な打ち切りが隠蔽体質を表している。
中国政府はかねてから鉄道局の独走に対して制御を試みていたが、江沢民などのグループの資金源でもあり、なかなか思い切った手を打てずにいた。。江沢民が健康上に問題を抱えて力を失い出すと鉄道局トップとナンバー2が相次いで汚職を理由に更迭された。
今回の鉄道事故や上海-北京間高速鉄道の新規開業以来のトラブル続発に対する中国国民の批判を放置しているのは、鉄道局の力を弱めることを狙っているものといわれている。
しかし問題はもっと本質的なものではないだろうか。
エスカレーターやエレベーターでの相次ぐ事故、橋や道路、建物の崩壊事故、食品への異常な量の添加物の蔓延、農薬汚染の拡大、企業による環境汚染、海上油田の油流出事故の放置と隠蔽など、安全を軽視する中国自身の体質が問われているといえるのではないだろうか。
問題が起こっても批判につながることを恐れて隠蔽を続けたことで、問題点が明らかにされることがなく、同じことが繰り返し起こってしまう。
問題があってもなかったことにするという手法はもはや限界に来ている。
問題が解決できなければ信用を失うだけである。
中国は安価を売り物に世界の製造工場として急拡大した。しかし金が貯まれば国民は分配を要求する。賃金の上昇は安価での生産を維持できなくした。「安かろう、悪かろう」、から「安かろう高かろう」ではものは売れない。
安価品の生産を主に行ってきた珠海デルタ地帯の中小企業の2~3割が採算割れで倒産ないし倒産寸前といわれている。
打開策は日本や韓国がたどってきたように高付加価値品の生産への移行であるが、ここでは最も「信用」が大事なのである。自動車や家電製品がすぐ故障するようでは誰も買うはずがない。
その信用を中国は国全体で失っている。信用回復にはかなりの努力が必要だが、問題点に気がついているのは中国の一部の人間だけのようだ。国民全体が問題点に気がつくにはまだまだ時間がかかりそうである。
今回の事故はささやかなきっかけにはなりそうだが、批判が体制にまで及ぶ事態
に対し、政府がとる対策によっては、きっかけも握りつぶされるだけに終わるだろう。

杭州・霊隠寺

霊隠寺に参拝する。中国人の団体さんがたくさんいる。お堂がとにかく大きい。東大寺の大仏殿みたいなのが3つくらい並んでいる。古いのは一つだけで後は最近建てられたものだそうだ。本尊はきんきらきんの布袋様みたいな仏像だった。裏側に回ってびっくりした。とにかく写真を見てもらえばわかります。

Photo入り口。団体さんが通る。

Photo_2入り口横に立っていた経塔。これが最古のものとのこと。

Photo_3境内の風景。正面の本堂は見た目より大きい。

Photo_4本尊。布袋様みたいなにこやかな仏様。

Photo_5入り口に立つ僧侶。

Photo_6高さ20mほどのところに無数の仏様がいる。気持ち悪い。

Photo_7飾り窓。芸術的。

Photo_8飾り窓の大きさがわかります。

Photo_9境内にあった経塔。石造りですが見事なものです。

Photo_11元々の本堂らしい。こちらの方が風情がある。



























2011年7月27日 (水)

中国ウオッチ・またまた高速鉄道事故

今回の事故で追突された方の運転手が、事故直後乗客に、停車した列車を動かせるようになったので運行したい、と司令部に申し入れたが、運行指令担当から停止しているように指示されたと話していたことがわかった。

また追突した列車の自動停止装置が機能していなかったらしいことがわかった。

これは運転士が機能を停止させていたのか、故障していたのかは不明。どう見てもこの事故は人災の可能性が高いようだ。

なお7月から運行を開始した上海-北京間の高速鉄道は相変わらず頻繁に電気系統の不具合などで停車を繰り返しているようだ。乗客がかなりエキサイトして乗務員にくってかかる場面が見られるという。

杭州・霊隠寺・飛来峰

この地方で最古の寺が霊隠寺である。326年、インドの僧、慧理により創建された中国禅宗十刹の一つ。霊隠寺にお参りする前に参道の途中にある飛来峰を見る。この一帯だけが石灰岩の土質でできており、その岩にたくさんの仏像が彫られている。全部で338体あるそうだが見事なものばかりだ。霊隠寺へいったら飛来峰は必ず見るべし。

Photo_21霊隠寺山門。額は日本の大嫌いな江沢民が書いたもの。

Photo_22飛来峰入り口。

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Photo_31右が三蔵法師で左が孫悟空や猪八戒だが、顔が壊されている。文化大革命の時に手の届くところの仏像を壊したもの。そのときには歴史的な文物を破壊するのが正義だったのだろう。ことほど左様に正義は時にうさんくさい。

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杭州・河坊街②

河坊街をさらに歩きます。歩き疲れるほどうろうろしました。

Photo 何となくマネキンが雑な感じで立っています。髪の毛のないのは今はやりでしょうか。一人だけ帽子がないのが寂しそうでした。

Photo_2 この横町はネパールの店となっています。後で気がつきました。

Photo_3 蚕美人?多分絹製品を売っているのでしょう。

Photo_4 ここにも岳飛がいました。

Photo_5 ここは東南アジアの骨董屋さん?

Photo_6 赤ん坊が泣きわめいているのにおばあさんは高笑い。赤ん坊はあきらめたようです。

Photo_7 これは西洋風な横町。洒落たブティックなどが並んでいます。

Photo_8 小吃店。食べ物屋さんです。

Photo_9 ここはレトロな土産物屋。

Photo_10 もう一本別の西洋風横町。ここはきれいな水が流れていました。ベンチで休めます。

Photo_11 冬虫夏草。漢方薬です。

Photo_12 朝鮮人参。年数が下に書いてあります。もちろん年数の古い方が高いようです。

Photo_13 粘土細工。有名な偉人や俳優の顔がありました。リアルです。

Photo_14 町の反対側の屋台街。

Photo_16 子ども向けのおもちゃやスリッパが売られていました。

Photo_17 ここで売っているのは何でしょう。

Photo_19 万花筒って何でしょう。そう、万華鏡です。結構大きい。

Photo_20 Lisaさん、はんこ屋さんです。印石を売っています。買うと名前を彫ってくれます。ここは高そうだった。趣味で印石を買う。名前は彫ってもらわない。いつか自分で彫りたいと思っているのです。河坊街はこれで終わり。

2011年7月26日 (火)

雑喉潤著「『史記』の人間学」(講談社現代新書)

「史記」を歴史としてではなく、人間の行動とその気持ちに重点を置いて読み解く。そもそも司馬遷は歴史を記述しながら自分自身の思いをその言葉の裏に熱く語っていると見る見方から、主要なシーンを読み直していく。「史記」を読み始めたばかりの人には参考になるだろう。これを読んでもう少し突っ込んだ読み方をしたくなると思う。ただ、このような読み方はすでにいろいろなかたちで行われており、目新しさには欠ける。まず中島敦の「李陵」を読もう。そして武田泰淳の「司馬遷」を読もう。そして司馬遷の「任少卿(じんしょうけい)(任安)に報ずるの書」を読もう。司馬遷がどういう気持ちで「史記」を書いたのか、また李陵の弁護をしたのかが心にしみて分かった上で「史記」を読もう。中国の歴史が本当におもしろいことがわかる。

杭州・河坊街①

河坊街は南宋時代の繁華街だったエリア。最近再開発され、歴史文化街として観光客で賑わっている。

Photo_17 河坊街入り口の門。

Photo_18 河坊街。石畳の道の両側におもしろそうな店が並び、真ん中には屋台が出ている。

Photo_19 布袋様の寝姿の銅像。中国では布袋様は福の神として人気がある。

Photo_20 お茶やお菓子を売っていた。

Photo_21 建物は二階建てでレトロな感じに作られている。

Photo_22 民族衣装の店。モンゴル風。

Photo_23 太極拳の演舞に使う模擬刀剣を売っている店。

Photo_24 切り絵の店。買いたかったが今ひとつぴんと来たのがなかった。

Photo_25 竹簡を売っている。有名な漢詩が彫ってあるのは高い。ただ墨で書いてあるのは安い。でもかさばるのでほしいけど買わない。

Photo_26 横道に民宿や食堂があってネオンがキラキラしていた。

Photo_27 シャボン玉を吹いている銅像と一緒に女性たちが写真を撮っている。

Photo_28 木に彫り物をしてある。飾りに良いかもしれない。

Photo_29 似顔絵描きの店。いくつかあったがそれぞれ個性的な描き方でかなりうまい。たいてい人だかりがしている。

Photo_30 これは麦わら細工の店。見事な細工でした。

Photo_31 びっくりハウス。火薬を使いますと書いてある。ちょっとやばそうな店。

Photo_32 四つ辻にあった薬草店。

Photo_34 見たとおりひょうたんを売っている。この写真を今私の壁紙にしている。

Photo_35 人混みの間から撮ったのでわかりにくいが、ガラス細工の店。バーナーでガラスを熱して細工している。

杭州・西湖湖畔風景

浙江省博物館は蘇堤と白堤の堤でつながってはいるが島である。ここから白堤を歩き、断橋を渡る。緑茶で有名な龍井茶(ろんじんちゃ)の茶店がある。湖畔を眺めながら飲むお茶は料金は高いが格別うまい。今回はパス。湖畔のいろいろな景色や人々を写真に撮りながら歩く。そろそろ夕方で逆光の湖は何とも言えない風情である。

Photo 少し風が出てきた。

Photo_2 波頭が立っている。向こうに見えるのが茶亭。

Photo_3 貸衣装を着て恋人たちが戯れている。写真を撮ってもらうのだ。

Photo_4 卓上にはクルミや木の実の殻がたくさん散らばっている。食べ疲れたのか。

Photo_5 蓮が枯れ残っている。この辺は蓮根料理も名物だそうだ。

Photo_6 すべて女の子。女同士で仲良し。同じことを中国では男どおしでもやっている。手をつないでいるのをよく見る。でも別におかしな間がらということではではない。

Photo_7 日が傾いてきた。

Photo_8 これは普通の男と女。風があるけど寒くない。

Photo_9 白堤。白楽天=白居易が作った堤。

Photo_10 白堤のアップ。向こう側ももちろん西湖。

Photo_11 白堤を歩く。

Photo_12 柳の枝の密度が日本のものと違う。

Photo_13 この柳から5月頃柳絮(りゅうじょ)が雪のようにとびます。

Photo_14 西湖暮色。

Photo_15 向こうに見えるのが断橋。

Photo_16 ホテルへ帰る車の中から一枚。

中国ウオッチ・高速鉄道事故さらに続報

今回の事故での死者は、今朝のテレビでは40人と発表されていたが、修正されで現在39人とのこと。死者が増えたり減ったりするのも奇怪なことである。ただノルウェーのテロ事件の死者も今日76人に修正されていた。
ただ中国の発表は常にウソが混じっていることがあり得るので被害者数は実際の数字と違うような気もする。定員一車両100人の車両が事故で4両橋から転落し、1両が宙吊りになった。死者と負傷者が合わせて200数十人、それ以外の乗客が無傷だということなら奇跡としか思えない。被害者の数が、責任者の処罰の重さにつながるので数字の操作をおこなうのは中国の常識である。多分被害者遺族を丁寧に数えたら、死者は39人より多いと思う。現在遺族はそれぞればらばらのホテルに分宿させられて互いに会うことを禁じられている。抗議行動がまとまることを恐れているようだが、一緒になると死者数の実数も分かってしまうしね。
結局証拠隠滅を疑う世論に動かされて事故車両の検証をおこなうことになったようで、今日になって橋の下の事故車両の搬出が始まった。しかし埋めてしまった車両(先頭車両・もっとも事故原因解明に必要な車両)は重機で打ち砕いて解体してあり、これも掘り出すのかどうか不明。
当局のコメントに、「世界中に事故が知れ渡っているのにいまさら隠蔽などあり得ない。」というのがあったが、その意味を理解していますか。
彼は事故原因を隠蔽しようとしている、との指摘に対し、事故そのものを隠蔽しようとしても出来ることではない、と答えたのである。
出来れば事故そのものを隠蔽したかったのであって事故原因は多分闇の中になることであろう。

中国ウオッチ・ホタテ大量死

河北省沿岸で養殖業者160戸が養殖しているホタテ貝などの海産物が先月20日以降、大量に死んだ。
これは6月に原油流出事故を起こした蓬莱油田が原因であると見られ、補償を求めることを計画しているが、専門家は訴えを起こしても因果関係を証明するのはむつかしいのではないか、と悲観的な見方をしている。蓬莱油田の流出事故については取り上げていなかったので、経緯をあらためて報告する。
蓬莱油田は汚染で悪名の高い渤海湾にある中国最大の海上油田で、中国海洋石油と米コノコフィリップスの共同開発で稼働している。
事故は当初隠蔽されていたが、インターネットで情報が漏れ、各方面からの問い合わせに対して、石油会社は半月ほどたった今月初めにようやく原油が流出したことを認めた。
中国の公的機関は石油会社の話として、原油の流失は約200平方メートル程度の軽微なもので、処理も済んでおり、海域の環境への影響はわずかである、と報じた。しかし別のメディアでは幅2~30m、長さ3Kmに渡って油が流れていると報じていた。
その後批判が相次いだ後、中国海洋局は原油の流出面積は約840平方キロに達しており、周辺海域に一定程度の汚染戦被害をもたらした、と発表した。200平方メートルと840平方キロでは420万倍も違う。どういう神経をしたらこんなでたらめが言えるのだろう。
その後終息宣言にもかかわらず12日以降も油の流れが見つかっており、再度油漏れが起きたのか、そもそも事故が収まっていなかったのではないかと疑われている。その後応急処置としてオイルフェンスの手当と油処理剤の散布などがおこなわれたが、汚染区域は拡大して汚染面積は4240平方キロに及んでいることが明らかになった。ほぼ富山県の面積に当たる。漏れだした油は遼寧省や河北省に及び、海水浴場などにも流れてきている。
国家海洋局は原油流出が収まるまでプラントの稼働を停止するよう命令を出した。
冒頭のホタテの被害は油または油処理剤の影響であると見られる。

蓬莱海上油田はここ数年で同様の事故をたびたび起こしていたのではないかと見られ、そのたびに事故を隠してきたのではないかといわれる。これでは渤海湾が汚れるわけである。しかもこの油はいつか日本海まで流れ出てくるのであり、人ごとではない。

2011年7月25日 (月)

中国ウオッチ・高速鉄道事故続々報

死者38人を出した高速鉄道事故からわずか38時間後に通常通りの運行が再開されたそうだ。迅速な処理である。
専門家によれば、中国の高速鉄道は数キロの区間に一本しか走ることが出来ないシステムになっており、複数の列車が同一区間に入りそうになると後続車両に警告信号が出る。さらに走ろうとすると自動停止する仕組みになっている・・・はずだそうだ。
追突した車両の運転手は運転用のスロットルに胸を貫かれて死んでいたが、回収されたブラックボックスによれば、衝突の瞬間まで逃げ出さずにブレーキ操作を続けており、事故の被害をいささかでも少なくしたのではないかと見られる。
この路線の安全運行システムを供給している世紀瑞爾という会社は中国市場のトップシェアを誇っているが、今回の事故に大打撃があると思われる。システムが作動しなかったのであれば信用を失うのは当然である。
ところでその運転席のある先頭車両は粉々に砕かれ、穴に埋められた。目撃者によれば重機が運転席の計器類を壊していたという。テレビの映像でも重機が車両を解体しているところや穴が掘られているところが写されていた。
中国のネットでは証拠隠滅だ、と非難が大量に寄せられている。ただその非難に政治的な色合い、つまり体制批判の文言が着いているものは即座に削除されているという。
今回の事故についての記者会見で政府報道官が深々と頭を下げていた。日本みたいだと思ってびっくりしたが、これは中国では異例なことである。中国人は通常謝罪で頭を下げることは決してしない。よほど参っているのだろう。だが車両を埋めていることについては「断じて証拠隠滅ではない」と断言。記者からの追求に対して明確な回答はなく、調査中の一点張りに終始して逃げ去った。
調査しようにも事故車両を砕いて埋めておいて何を調べようというのだろうか。
ネットの悪口の中に穴を掘って埋めているのは事故車両だけではなくで死んだ被害者も埋めている、というのがあった。事故死者数を少なくするためだそうだ。まさかね。日本批判の常連はこの事故が悔しくてしようがないらしい。日本に負けたと感じているのだろう、やけくそで日本の陰謀だ、というのもあった。

浙江省博物館

杭州は浙江省の省都である。西湖のほとりに浙江省博物館がある。本館は工事中で脇の建物に展示品が展示されていた。気に入ったのを写真に撮ったので紹介する。点数が多いがこういうのが好きなので申し訳ない。

Photo_3 浙江省博物館正面。真ん中が本館。内装改装中だった。右手に展示室が作られていた。

Photo_4 博物館の看板。向こうに見えるのが展示室。

Photo_5 博物館の向かいの西湖の景色

てんじひんをならべます。キャプション無しです。

Photo_16 Photo_17 Photo_19 Photo_20 Photo_21 Photo_22 Photo_23 Photo_24 Photo_25 Photo_26 Photo_27    Photo_7 Photo_8 Photo_9 Photo_10 Photo_11 Photo_12 Photo_13 Photo_14

Photo_28 一息入れに庭に出たら大砲が展示してありました。これはおまけ。

中国ウオッチ・高速鉄道事故続報

23日の中国高速鉄道事故の死者は35人となった。そもそも現在の鉄道では前方に停車している車両があれば自動停止するのが普通であり、中国の高速鉄道が追突したのはあり得ない事故と言える。何らかの故障で停止装置が働かなかったのか、まさかそもそも自動停止装置がついていなかったのか。
追突した列車の運転手は衝突までブレーキをかけ続けていたという。運転手は死亡した。

現在ほぼ事故車両の撤去が完了し、今日中には通常運行が開始されるという。事故車両が次々に橋の下に落とされているのがテレビに映っていた。そしてなんと落とした車両を大まかに解体して穴を掘って埋めているという。特に追突した側の運転席のある先頭車両が真っ先に埋められたらしい。これも他の国では考えられないことだ。事故の検証には運転席の計器などを詳しく調べるのが当然だが、それを慌てて埋めるというのは何かを隠そうとしていると疑われても仕方がない。
中国はこの事故がなかったことにしたいようだ。
ところで事故の時に、もう一つ別の車両が落雷による電気系統の不具合で立ち往生していたという。その後復旧して乗客約1000人は無事終着駅の温州駅に到着したという。運命は紙一重だ。

中国ウオッチ・内モンゴルで再び暴動

中国内モンゴル自治区で、放牧地の売買に不正があるとしてモンゴル族の牧畜民約1000人が地元政府への抗議行動をおこない、警官隊と衝突して20人以上が負傷した。
牧畜民たちは、地元政府の当局者が実業家と結託して放牧地を不正に取得したと主張している。同自治区では、石炭を運搬するトラックが牧畜民をひき逃げしたことをきっかけに5月にも暴動が起こっている。
ひき逃げされたのは環境問題から石炭の採掘に抗議活動をおこなっていた人物で、故意のひき逃げが疑われていたが、中国政府は暴動を収束するため、運転手を逮捕してすぐに処刑してしまい、事実は闇の中である。また中国政府は石炭の採掘などにも環境を配慮するよう大幅に規制することを決めている。
中国は土地は国家のものであり、所有者は借地権を持っているに過ぎない。そのため、地元政府が強引に土地を収奪して企業などに売却し、私腹を肥やしているケースが無数に存在する。
北京に問題解決のための陳情にやってくる人達の多くが土地問題であり、中国政府もよく承知しているものの、時々極端な処分を突発的におこなうだけで本質的な改善は進んでいない。今回の暴動は前回の暴動の火種が残っていたことと土地問題の両方が関係しているものと思われる。

2011年7月24日 (日)

映画「エアベンダー」BS録画を見る

2010年アメリカ映画。M.ナイト・シャラマン監督。アメリカで人気のTVアニメを実写映画化したものらしい。火と水と土と気の四つの国からなる架空の世界の、戦乱で乱れた秩序を取り戻す役割を与えられた主人公の少年の成長とその戦いを描いている・・・のだが、特撮による映像がすばらしいのに物語はかったるい。登場人物がみな類型的で、ウソくさいのだ。役者がへたくそと言い切るほどひどくはないので、アメリカのアニメの原作の、登場人物の性格付けがウソくさいのだろう。だからはらはらドキドキしないし、主人公にも感情移入しない。
これはあくまで私の感想。ものすごくおもしろいと思う人がいるかもしれない。物語は終わらない。明らかに続編がある終わり方だ。でも申し訳ないが、私は見たいと思わない。

杭州・岳飛廟

岳飛は南宋時代に金との戦いに幾度となく勝利を収めながら時の宰相・秦檜(非戦派で金と妥協して生き延びる政策をとっていた)に謀殺された悲劇の英雄。中国人にとって日本の義経のような存在だろうか。結局金に攻め立てられた南宋は力を弱めていき、その後台頭した元に金もろとも滅ぼされてしまう。

Photo 岳飛廟へ向かう。街路樹が何とも言えず良い。

Photo_2 岳飛廟正門。

Photo_3 岳飛廟の向かいは「印象西湖」。この奥は西湖。ここでチャンイーモウ(有名な映画監督で、北京五輪のプロデュースをした)のショーが毎晩おこなわれる。私は見に行かなかったが、見た人は感激していた。よかったらしい。

Photo_4 男二人がぼんやりしている。中国にはヒマそうなひとが多い。

Photo_5 入り口の立て屏風。壮士は激烈な志を懐に抱いている、という意味だろうか。

Photo_6 岳飛の像。色つきでかなり大きい。

Photo_7 岳飛の母が岳飛の背中に入れ墨しているところ。「尽忠報国」の四文字が彫られていたようだ。

Photo_8 岳飛の銅像。等身大。バックの文字がカッコ良い。読めませんけど。

Photo_9 かたき役の秦檜(しんかい)とその妻王氏。中国人は何百年もこの像につばを吐きかけてきた。今は禁止されている。しかし中国人の恨みの時間スケールは日本人には信じられない。800年以上恨まれ続けるなんて秦檜夫婦に同情したくなってしまう。

Photo_10 岳飛とその一族の墓所の門。

Photo_11 岳飛の墓。

Photo_12 墓所の門の屋根。

Photo_13 おまけ。近くの公園の木陰。若い連中がじゃれ合っていた。

江國滋著「落語手帖」(旺文社文庫)

円生の落語を聞いていたら江國滋の落語のエッセイを久しぶりに読みたくなった。この本の最初に「『火事息子』における親子像」と題して、名作落語の心理描写について語られている。私はこの「火事息子」が大好きだ。そしてもちろん江國滋ほどではないが、この話での父親、母親、息子の気持ちがお互いの一言一言ごとにどう動いていくのか、かなりじっくり考えたことがある。だからいきなりこのエッセイにはまってしまった。何せあの辰野隆が自ら序文を買って出たくらいだ。この序文は震えるほどの名文だ。今時こんな序文が書ける人がいるだろうか。
江國滋は1997年にがんで死んだ。多才な人で、素人芸を越えていたものに将棋、奇術、そして俳句がある。俳号「酔滋郎」としての辞世「おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒」は有名。
ちなみに直木賞作家の江國香織は彼の娘。

中国ウオッチ・中国高速鉄道で大事故

昨晩午後8時54分、杭州発福州行きの高速鉄道で大事故が発生した。先行する列車が落雷による電気系統のトラブルで立ち往生しているところへ後続列車が追突し脱線転覆、死傷者は少なくとも200人を超えている模様。現場は橋の上で少なくとも2両が川に転落し、一両が橋から宙づりの状態。最新のニュースでは死者は32人と報道されているが、さらに増える可能性もある。
開業以来1ヶ月足らずで落雷による停車などのトラブルが続いていたが、いきなりこんな大惨事になるとは。

2011年7月23日 (土)

西湖遊覧

杭州第一の観光地、西湖を船で遊覧した。西湖は周囲15Kmの中国としては小さな湖だが、町中にあり、緑が豊かで美しいところである。上海からも日帰りで来られるので観光客が多い。以前来たときは水がかなり汚くて少しにおっていたが、季節が冬のせいもあるが、かなりきれいになっていた。ガイドの駱さんによれば、最近は年に二回、銭塘江の水を引いて水の入れ替えをしているのだそうだ。よく水面を見ると小さな魚がたくさん泳いでいる。

Photo_14 遊覧船を待つ間、木陰で休んだ。

Photo_15 蘇堤などを遊覧する乗合自動車。

Photo_16 蘇堤の看板。蘇堤は有名な詩人、蘇東坡が作った。蘇東坡は役人でもあったのだ。東坡肉(とんぽーろー)でも有名。

Photo_17 別の遊覧船とすれ違った。満載。

Photo_18 左は白堤。右の塔は道教の寺院の塔。

Photo_19 杭州市街。目の前です。

Photo_20 西湖にはいくつか島がある。すべて人工の島。ここは建物もあり、上陸できる。

Photo_21 月見の名所、三潭印月。これだけでは申し訳ないが、なんだか分かりません。

Photo_22 なかなか風情のある遊覧船です。逆光に映えていました。

Photo_23 こんな小さな遊覧船もあります。

Photo_24 これが蘇堤です。この柳の土手の向こう側もまた西湖です。

映画「レニングラード 900日の大包囲戦」BS録画を見る

2009年、イギリスとロシアの合作映画。第二次世界大戦でのナチスドイツによるレニングラード(現サンクトペテルブルク)包囲に耐え抜いた市民の史実を元にしている。取材で訪れていたイギリス人女性記者が空襲にあって取り残されるが、彼女と彼女を助ける人達の姿を通して市民たちの惨状が明らかにされる。物資の供給が途絶え、食料もなくなっていく。一日300g配給されていた食糧が、ついには125gまでに制限される。飢えとの戦いの中、ナチス空軍による空爆が続く。絶望の中で生き延びるのは奇跡であった。戦後、奇跡的に生き延びた子どもたちが再会する中で、彼女たちの思い出が語られる。思わず泣いてしまった。これば実話だそうだ。
大好きなガブリエル・バーンが出ているのもうれしい。「ユージュアルサスペクツ」や「ミラーズ・クロッシング」は何遍見ても楽しめる。
この映画は物語の性質上戦闘シーンは戦争映画としては少ない。だが全編を通して緊張感が張り詰めている。硬質な映画で、抑えた色合いが物語のローキートーンとマッチして映像的にもすばらしい。
戦争映画としてはユーゴスラビアのパルチザンの戦いを描いた「ネレトバの戦い」が一押しだが、なかなかBSでやってくれない。この映画に出ていたシルバ・コシナはすばらしかった。チトーというカリスマ指導者が多民族国家のユーゴスラビアをまとめていたのだ。だからチトーが死んでユーゴスラビアはばらばらになった。この映画は映画館で3回見た。雰囲気が似ていないこともない。でもどちらかといえば「ドクトル・ジバコ」かな。

中国ウオッチ・乗用車市場

中国の乗用車市場は急成長してきたが、専門調査会社の予測では今後5年間の年間伸び率は10%程度に下がると見られる。2001年から2007年までは平均35%の成長を続け、2008年は世界的金融危機により、停滞したがその後の政府の刺激策により急回復し、2009年は50%、2010年は30%の伸び率だった。しかし自動車購入支援策は今年終了し、都市部での駐車料金の高騰やガソリンの値上がり、大都市の交通渋滞緩和策としての運行制限など、乗用車の購入意欲は大幅に低下すると見られ、今後5年は10%程度になると推定している。
ただ自動車の普及率は日本や欧米と較べてまだかなり低いため、潜在需要はかなりあると見られる。
中国は都市の人口集中が凄まじい。1000万人を超える大都市がいくつもある。いくらインフラを整備してもそれだけの人口が車で移動すると渋滞を回避するのは困難である。多分都市部の乗用車数をこれ以上増やすことはいくら需要があってもむつかしいのではないだろうか。
日本やアメリカのような人口あたりの保有台数になるとしたら、世界的なエネルギー問題に直結してくることが明らかだ。だから中国はハイブリッド車と電気自動車の開発と製造に全力を傾注している。
そうしてエネルギー問題は原子力発電につながり、そして東シナ海や南沙諸島の領土問題、ひいては地下資源の争奪につながるわけである。中国は中近東、アフリカなどに対してもなりふり構わずパイプを作っている。中国以外の国はうまく共同歩調をとらないと自分の必要分の確保が出来なくなってしまいかねない。これは杞憂でなくて現実だ。

杭州西湖・花港観魚

Photo_2 花港観魚の鯉。

中国十大風景名所の一つ、杭州の西湖には10カ所の名所があり、「西湖十景」といわれる。そのいくつかを見に行った。最初に訪れたのが、「花港観魚」だ。見所は牡丹の花と鯉。12月だったので牡丹はない。春が見頃で観光客も多いらしい。

Photo_3 花港観魚は大きな公園である。西湖のほとりの入り口ではなく、昼食を食べた瀟洒なレストラン側の入り口から入った。

Photo_4 小道を抜けてゆく。泰山木が多い。

Photo_5 途中に孔雀園がある。

Photo_6 めずらしい白孔雀。みすぼらしい。

Photo_7 孔雀園の外の藪の中から突然現れた孔雀。孔雀園の中の孔雀より数段美しい。

Photo_8 西湖のほとりに出る。遊歩道がずっと続く。

Photo_10 牡丹亭。この周辺に牡丹が1000本以上植えられている。手入れ中だった。

Photo_11 小さいけれど鯉です。金魚ではありません。すごい数です。

Photo_12 赤い服の老人が歩き疲れたのか座ってため息をついていた。

Photo_13 これが本来の入り口。

中国ウオッチ・激突

21日、湖北省武漢市で二階建てバスが、高さ制限を示す標識のバーに激突し、二階部分に乗っていた乗客が負傷した。同バスは路線バスで、スピードを全く緩めることなくぶつかった。運転手は新人だったという。
しかし路線内に突然そんな高さ制限のバーが出現したのだろうか。元々制限を無視してすり抜けるとおりかたがあったのか、または決められた路線を無視して走っていたのか、記事には報じられていない。

それにしても運転手は前を見ていたはずで、自分の車の高さを認識していなかったのだろうか。ありそうで考えられない話だ。

2011年7月22日 (金)

中国ウオッチ・減便

中国高速鉄道が開業から一ヶ月足らずで一部減便することになった。当局は認めていないが空席率が高くて減便するらしい。
開業早々に雷雨による停電、立ち往生などトラブルが続いているが、鉄道局は「まだ慣らし運転の段階なのだからガタガタ言うな、日本の新幹線だってトラブルを起こすことがある」とのコメントを出している。中国共産党は「三峡ダムの時も批判が多かったが現在は安定して問題なく稼働している、文化大革命時代などは批判が出来ない体制だったが、現在は批判を許している。しかし批判が前進にマイナスになるようではいけない。」といっている。つまり、あまりうるさくいうと取り締まるよ、ということだ。
ところで汚職や不正の調査報道で頑張っていた中国経済時報の調査報道チームが今月中旬に解散していたことが判明した。メンバーは別の部門に異動済み。同紙は「通常の内部機構の統廃合と人員調整」といっているが、政府批判につながる報道に対する政府の圧力があったと見られる。インターネットの規制も早晩強化されるのではないだろうか。

中国ウオッチ・まだ住める

21日、黒竜江省ハルビン市で6階建ての集合住宅の一部が崩壊した。建物の端が縦に四分の一崩れ落ちたのだ。夜中に壁に亀裂が発生しているのを住人が発見し、他の住人に呼びかけて避難したので死傷者はなかった。崩れ落ちた部分の上部の屋根だけがつきだしたまま残っており、危険なので撤去作業がおこなわれたが作業員ひとりが作業中に落下して重傷を負った。命綱をつけていたが切れたという。うーむ、切れる命綱とは何だ。
ところで原因調査のため専門家チームが被害調査に訪れたが、現場を調査後「残った部分には亀裂が生じていないし、構造も安定しているようなので今後とも安心して住んでもかまわない。」と述べた。
そう言われて住み続ける人はいるのだろうか。
調査チームの人間は自分が住むことを考えてなんかいないのだろう。

六和塔・おまけ

六和塔の大きさの参考の写真。次回は杭州市内の西湖へ戻ります。

Photo_13 見上げる人達の様子からその大きさを見てください。ほとんど1000年前のそのままです。

曾野綾子著「悪と不純の楽しみ」(PHP文庫)

世の中にはびこる正義の大合唱に対して、うさんくさい感じを持つのは理性ある人なら当然のことだろう。声高に権力者や資本家を糾弾するシュプレヒコールを叫ぶリーダーを先頭に、それに唱和しながらぞろぞろと歩くデモというのがどうにも耐えられなかった。いわゆる団塊の世代の端っこに属する身としてはそのような政治行動を全くしなかったわけではないが、様子が分かったとたんにそういう活動からエスケープした。マスコミの言葉狩りの嘘くささは耐えられない。弱者の立場を擁護することがエスカレートして、弱者がまるで一つの権力者のように祭り上げられて、結果的に弱者が生きにくくなるような社会にしているのは誰だ。いや、これはこの本に書いてあることではなく、私がただ普段感じていたことをこの本で励起されただけのことである。
曾野綾子はただ自分が取材やいろいろな活動で実際に世界を歩いて、そこで経験したこと、感じたことを原点に、マスコミや世間の物言いを批判しているだけである。世界には物事を単純に正義と悪の二つに振り分ける原理など存在しない。人が日々新聞やテレビですり込まれた価値観に対して、世界はそう単純ではないよ、といろいろな見方を見せてくれる。少し前(1994年)に書かれた本だが、書かれている内容は全く古びておらず、今まさに通用する内容である。

中国ウオッチ・魚の大量死

21日、天津市の海河河口付近で大量の魚が死んで浮かび上がった。
原因は雨が降り続いたので土壌に大量にたまっていた汚染物質が流れ込んだためと見られる。浮かび上がったのは汽水域に棲む魚で淡水に棲む魚より汚染に弱い。
海河は渤海湾に注いでいる。渤海湾は世界一汚染された海といわれており、エチゼンクラゲのふるさとはここではないかと見られている。

杭州・六和塔

杭州の銭塘江の河岸に建つ六和塔を見に行く。この塔は10世紀の北宋時代に建てられた。外観は八角13層、中は7階、高さ約60m。登れば銭塘江が眼下に見下ろせる。階段はきついが絶対に上まで登る、と心に決めて上がった。途中一回だけ休憩したが何とか最上階にたどり着いた。風が心地よかった。銭塘江はもやにかすみ、対岸の新市街がうっすらと見えた。

Photo ガイドの駱さん。仲間由紀恵に似た美人。静かでとてもやさしい。中国の女性ではめずらしい。

Photo_2 六和塔への入り口。ここから坂を登る。門の額には六和聴濤とあります。六和塔で銭塘江の波音を聞くという意味です。

Photo_3 駐車場前の広場。街路樹は美しいし、お店の雰囲気も良い。右側に道路がありその向こうは銭塘江。

Photo_4 坂を登り切ると六和塔が見えてきました。でかい。

Photo_5 六和塔全景。

Photo_6 途中階のアップです。

Photo_7 塔の入り口の額。

Photo_8 塔の由来を書いた石碑。ガラスで覆われている。反射して塔の外が見えています。カメラを構えたシルエットになった私が写っています。

Photo_9 左下は石碑。天井とライトが良い感じだったので撮影。

Photo_10 途中階で見つけた壁画。壁画はいくつもあるが保存のよくないものが多く、暗くてよく見えない。ここはたまたま光が入っていた。一応撮影禁止。ただしストロボをたかなければ問題ないと判断。

Photo_11 銭塘江と銭塘江大橋。この橋は二段になっていて上が自動車、下は列車が通る。

Photo_12 銭塘江と新市街。対岸は再開発された新市街で、杭州国際空港は新市街にある。羽田からは直行便が飛んでいるはず。銭塘江は東洋のポロロッカで有名。ポロロッカというのはアマゾン川の大潮の時に川が遙か上流まで大波を立てて逆流する現象をいうが、この銭塘江も年に一度大逆流が起きる。見物人もたくさん出るが死人もたくさん出るので有名。右手が下流海まで遠くない。逆流が見られるのはもっとずっと下流。河口がぐっと狭まるところ。

中国ウオッチ・産業構造変革

昨日、中国を牽引してきた労働集約型製造業が苦戦していることを伝えたが、中国のブログで今後の進むべき方向についての提案があった。
中国は過去30年間驚くべき成長を遂げ、ついに世界第二位の経済大国になったが、これまでの成長モデルのままでは行き詰まる状況となっている。これに対して内需の拡大、特に消費拡大を目指すのは正しい政策だが、中間所得層を増やしていく政策が不十分である。この層が増えなければ消費もふえない。
中国の所得配分はますます政府や企業に有利なものになっている。消費の主体である国民への配分が少ないために国民は貯蓄や投資に励んでしまうのだ。
また産業構造は第二次産業の割合が高く、第三次産業の割合がまだ低い。以上の問題点を解決するには戦後から1980年頃までの日本を参考にすべきである。国民の多くが中流意識を持ち、消費に励んだ。
日本がそのときとった方策は
①基礎技術と基礎産業の強化、中小企業支援。
②人材、技術などの無形資産を大事にする。
③戦略性のある産業への重点的支援。
④国民が安心できる社会インフラの整備。
といったものだった。その結果、国民の70%以上が中流意識を持つに至った。この層が増えれば社会も安定するはずである、と結んでいる。
冷静で正論である。
ところで中国の識者にモデルにせよと言われた日本が今どうなっているのか。日本がとったといわれる①~④の方策がどこでいびつになったのか。我々も足下を見直すときだ。この状況を打破する政策を打ち出す政治家を選んでいかなければいけない。幸い日本は中国と違って自ら政治家を選挙で選ぶことが出来るのだから。

2011年7月21日 (木)

中国ウオッチ・労働集約型製造業苦戦

中国の海外向け製造業のうち、労働集約型の企業が苦戦している。欧州の財政危機が長期化、深刻化し、アメリカの失業率が高止まりして安価品の購買層の購買力が低下していることから、出荷量が低下している。さらに中国労働者の賃金が最近は年率20%も上がっていることから製品の価格競争でも東南アジアやインド、パキスタン、バングラデシュに勝てなくなってシェアを奪われつつある。
最近の若者は賃金が高くても製造業を嫌う傾向にあり、広東省では中小企業の倒産が激増しているという報告もあった。
中国は世界の工場を自負してきた。しかしその技術や生産管理のノウハウはほとんど自ら築き上げたものではない。人件費の安い国にシェアを奪われたら、より高品位のものの生産に振り替えていかなければならないが、今すぐ体質を変えて製品の品質と信用を獲得するのはムリである。
経験の蓄積が足りないのだ。過剰な資産は技術や設備に向かわずに不動産などの投資に向けられてきた。
バブルがはじけるかどうかは分からない。しかしどうも中国はターニングポイントに入ったようだ。中国共産党は深刻な格差問題、民族問題、環境問題、資源問題などをうまくコントロールしてきたかに見えたが、最近の頻発する暴動のニュースなどを見るとそのコントロールにも限界が来ているようだ。
みんなが貧しいときには自分の貧しさは怒りのエネルギーとはならない。今は中国国内ばかりではなく、世界の人々がどんな暮らしをしているのか、中国国民は知ってしまった。知ってしまえば知らなかった昔には戻れない。
中国は莫大な外貨を稼いだ。しかし13億の人間が使い出せばあっという間に使い尽くすだろう。中国人みんなが豊かになるのは多分ムリだ。中国人がみんな豊かになろうとすれば世界のどこかで悲鳴を上げるひとたちが出る。遅れて豊かになるひとたちが出てくれば今まで豊かだったひとはかなりの我慢をせざるを得ないのは当然なのだ。今の日本が、そして欧米が苦しくなっているのは誰のせいでもない。世界全体で見ればあたりまえのことなのだ。

杭州・市場の中

市場の中を歩く。さすが中国、食材が豊富。カメラを持ってうろうろしていると白い目で見られる。確かに邪魔だしね。

Photo_9 でかいまな板とでかい包丁で肉をばさばさ切ります。

Photo_10 いくつも店が並んでいる。買う数量もダイナミックだ。

Photo_11 腿は腿のまんま売ってる。

Photo_12 杭州は海も近いので太刀魚やエビやイカなどいろいろ売っていた。

Photo_13 これは大きなウナギ。左のかごにはカエルが入っていた。

Photo_14 葉物の種類も多い。

Photo_15 おなじみの野菜。

Photo_16 まだお客が少ないので暇そう。

Photo_17 12月なのにタケノコを売っていました

Photo_18 果物のコーナー。冬でも種類が豊富。

Photo_19 餅や麺類を売っていた。

映画「プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂」BS録画

2010年アメリカ映画。元々アメリカ製の「プリンス・オブ・ペルシャ」という初期の頃のアクションゲームがベースになっている。日本でもブームになるほどはやった。
時間をさかのぼることが出来たら・・・という夢が物語の中でかなう。ペルシャの王様と三人の息子、その3番目の息子は養子で元々孤児だった。主人公はこの3番目の息子である。画面はきれいだし、戦闘シーンのアクションはスピーディーだしロマンスはあるしで飽きさせない。ラストもなるほどこういう結末になるのか、と感心する結末でエンターテインメントとしては悪くないのじゃないか。特に若干テンションの低いときなどはややこしい話よりこんなのが良いかもしれない。

杭州・市場①

杭州で泊まったホテルの近くに地元の人達の市場があると聞いたので見に行った。市場大好き。台北でもソウルでもホーチミンでもハノイでも見に行った。今回は市場の外観と食べ物屋。

Photo_2 市場の外観。朝早くなのでまだ薄暗い。

Photo_3 市場の地図。これによると野菜のコーナーが広い。肉と副食品(餅や麺類、干物など)、そして魚介類のコーナーがあるようだ。

Photo_4 市場の向かいには服飾品や雑貨の店がある。

Photo_5 これは市場の遠景。

Photo_6 市場の人や買い物の人が簡単に食事するところ。蒸し物などが多いようです。

Photo_7 揚げパン屋さん。ホットケーキを揚げたようなほんのりした甘さがある。揚げたてなら脂っこくない。安いし大好き。

Photo_8 これも市場の外の店。いろいろな餅類だと思う。味付けしてあるものが多い。揚げたり蒸したりして食べるようだ。

中国ウオッチ・使い捨て箸再生

湖北省武漢市で、使用済みの使い捨て箸を回収して工業用過酸化水素水で「消毒」した後再販売していた業者が摘発され、証拠として37万膳が押収された。
市民からの通報で郊外の住宅地の現場に踏み込むと、加工済みの箸が大量に置かれており、別の部屋には回収された使用済みの箸が山積みにされて悪臭を放っていたという。
回収された箸は中庭で鍋に入れて洗浄して乾燥された後、工業用オキシフル液で消毒されていた。
専門家は工業用オキシフルには強い漂白作用があるが、残留して消化器官に対する発がんの可能性もあるといっている。
使い捨てといっても割り箸ではないようだ。今アメリカの割り箸が中国にたくさん売れているというニュースを見たことがある。さすがに割り箸の再生はないだろう。中国では割り箸を見ることは少なかったが、こんなニュースが報じられるとますますアメリカの割り箸が売れるだろう。

これなんでしょう?

Photo 杭州の市場の野菜売り場の外で見ました。これなんでしょう?食べ物です。デザートで食べます。竹そのものですが、堅い外側の皮だけ少しむいて冷たくして一口大にして食べます。がりがりかじると甘い汁が出てきます。サトウキビみたいなものですが、かなり堅い。歯が丈夫でないといけません。もちろんかみ砕いて汁をすすったら後ははき出します。パンダになった気分が味わえます。江南地方などの農家の庭先に植えてあるのを時々見ることが出来ます。

中国ウオッチ・ガラス壁爆裂

19日、上海市の地下鉄駅ホームは電車との接触や転落を防止するためにガラスで壁が作られており、電車が入線するとホームドアが開いて乗り降りするようになっているが、そのガラス壁が突然爆発的に裂けて飛び散った。実は別の駅でも14日にガラス壁が爆発的に砕け散ったという。
現在建設した業者とガラス壁の製造業者が原因を調査中であるという。けが人の有無についての報道はない。
大きなガラスほど製造はむつかしいらしいが、どうなのだろう。手抜き工事とは考えにくいが石でも跳ねたのか。地下鉄でまさかね。電車の風圧か。それなら強度不足だ。

中国ウオッチ・プールで感電死

14日、天津市河北区のプールに、近くの高圧送電線が切れて落下、泳いでいた児童らが感電死した。突風で架線が切れたと見られる。
目撃者による凄まじい証言によれば、鍋の中の水餃子のように一斉に児童が浮き上がったという。
死者は夏休みを迎えたばかりの児童とその保護者でその数は数十人に上る。現地の政府関係者から箝口令が敷かれており、それ以上の詳細は現在報道されていない。
コメントのしようがない恐ろしい話だが、なぜ箝口令を敷くのであろうか。

2011年7月20日 (水)

池田清彦著「科学とオカルト」(PHP新書)

科学史の村上陽一郎の著書などに詳しく説明されているが、科学は元々キリスト教という宗教とオカルトを両親として出発している。ギリシャ哲学に現代科学の萌芽のようなものがあるが、いわゆるヨーロッパルネッサンスの中から生まれた現代の科学はギリシャ哲学とは断絶している。この辺は易しく解説した科学史の本がたくさんあるので探して読んで欲しい。特に村上陽一郎の本なら間違いない。ただしやさしいものとむつかしいものがあるので中を確認して選ぶこと。オカルトが秘術であったものが「再現性」と「客観性」という二つの公共性を持つことで科学が生まれた。この本はそこまでを簡単に概説して、その科学がどんどん細分化し、難解になって一般の人の理解を超えてしまった現代の状況を原点に据えて、あなたにとっての科学とオカルトの意味をあらためて問う。
とてもおもしろい本で、なぜオウム真理教のような新興宗教に科学者である人たちが吸い込まれたのかがよく分かる。知的刺激にも満ちているのだが、ちょっと読み手の私が集中力を欠いた読み方をしたため、この本の値打ちを半分しかつかめなかったような気がする。これはこの本のせいでなく、全て読み手の責任である。科学という一つの宗教をさらに高い次元から見直すことが出来る良書である。
「かけがえのない私」、「一つだけの花」を探す人の多い現代の陥穽の危うさを認識するにはこのようなアプローチもあるのです。

杭州②

杭州は南宋時代に都だったところ。古代中国の戦国時代には呉越の戦いの舞台であった。有名な中国のポロロッカの見られる銭塘江沿いに町が発展、周辺の村落を吸収して今は600万の人口を有する大都会であるが、たたずまいに何となくゆとりがあり、北京や上海とはまるで違う。緑あふれる町で西湖という湖を市内に擁する中国人憧れの町であり、私も大好きな町である。仕事も含めると、この旅行が3回目になるが、ゆっくり観光地を回るのは初めてだ。上海から約150Km、高速鉄道では虹橋駅から杭州駅までなんと45分で行く。そのときの最高速度は360Kmだった。今は300Kmに制限されているらしい。西湖のほとりのレストランで食事をしてホテルに入る。ホテルからの夜景と早朝の写真を窓から撮る。窓が汚い。翌朝朝食をとってすぐにホテル周辺を散策する。プラタナスの街路樹の下を出勤のひとたちが行く。

Photo_7 杭州夜景。ホテルの窓から。

Photo_8 同じところを早朝撮影。

Photo_9 ホテルの前。自転車と電動自転車が結構多い。

Photo_10 出勤する人達。結構表情が硬い。やはり仕事に行くときはやや不機嫌になるのだろうか。

Photo_11 プラタナスの街路樹の間からうっすらと朝日が射していた。

Photo_12 もっと拡大するとマンションの窓辺に洗濯物が見えるのですが。

Photo_13 一応上海とその周辺の町は交通法規を遵守する方なのですが、それでも交差点はぐじゃぐじゃです。

Photo_14 酒屋さん。まだあいていません。マオタイ酒の看板です。マオタイ酒は白酒の一種でおいしいけど度数が高くてきついです。看板の色合いが洒落ています。

中国ウオッチ・橋

中国ではこの9日間だけで橋の事故が4件も発生した。11日には1997年に完成した江蘇省塩城市の橋が崩落、トラック二台が川に転落した。12日には武漢市で完成間近の高架道路で亀裂が見つかり、路面に大きな亀裂が出来ているのが見つかった。14日には福建省武夷市で完成後わずか12年の武夷山公館大橋が崩れ落ち、大型観光バスが転落して死者が出た。この橋は地元のランドマークとして有名なもの。
そして15日杭州市で杭州銭江三橋の路面の一部が突然崩落、鉄板を満載した大型トラックが転落して運転手が重傷を負った。19日から崩落部分の撤去工事が開始されている。
さらに19日には北京市郊外の白川橋で超過積載のトラックが走行中に路肩が傾く事故が発生した。
それぞれの橋の設計者は設計時には「想定外」の通行量と過積載車両、そして悪天候が原因であると説明している。しかしどの橋も作られてからそれほど経過しておらず、通常の橋の寿命、50年にはもちろんまだなっていないことから手抜き工事が主な原因だろうと見られている。
想定外の通行量と想定外の過積載トラックは、中国で普通に高速道路を走っていればいつでも見られる光景で、全く想定外ではない。それを想定していなければ設計ミスだし、想定していても起きた事故なら手抜き工事が当然疑われる。
これからは橋を渡るたびにドキドキしないといけない。

杭州

昨年12月、杭州と烏鎮を歩いた。上海の浦東空港へ降りたが、上海は素通りして虹橋駅へ。虹橋駅から10月に開通したばかりの上海-杭州間の高速鉄道に乗って杭州へ行く。今回はできたばかりの虹橋駅の風景。虹橋駅は元々上海の空港であった虹橋空港の隣に新設された。虹橋空港は浦東空港が国際空港として整備されると国内空港として使われていたが、市内からは虹橋が近いこともあって現在は国際空港としても使われ出した。第一、第二、第三ポートと巨大な空港になりつつある。日本からは羽田からの直行便が飛んでいるはずだ。ところで虹橋駅は空港みたいなたたずまいだ。とにかく大きい、そして広い。

Photo 虹橋駅待合室。とにかく広い。左右の光っているところがゲート。待合室は二階になっていてゲートを降りると列車のホーム。写真を撮っているのは三階から。

Photo_2 三階から虹橋駅周辺を撮影。まだ整備中の感じ。これから賑やかになることだろう。

Photo_3 大きな電光掲示板を見て自分の乗る列車の番を待ちます。

Photo_4 上が電光掲示板。ゲート前で待つ人。並び方はいい加減ですが、一応中国でも並びます。

Photo_5 これがゲートです。ゲートを抜けるとエスカレーターで下のホームに降ります。

Photo_6 これは乗車券の自動販売機。ものすごく頑丈に出来ているように見えます。

2011年7月19日 (火)

富樫倫太郎著「SROⅢ キラークィーン」(中公文庫)

前々作「SRO Ⅰ」の連続殺人犯が逮捕されて50数日、犯人すら知らない人物から救いの手が伸びる。まんまと官権の手を逃れた犯人は救い手の思惑など無視してやりたい放題の行動を開始する。その行動を推察し、SROは復讐から身を守りながら逮捕に腐心する。
作為のない快楽殺人者はかえって隙がない。瞬間瞬間での自分の研ぎ澄まされた感性にしたがうことで行動は意表を突いたものとなる。
物語は解決に至るのかと思いきや続編必至のかたちで終わる。
おもしろいことはおもしろいが、続編に食指が伸びるかどうか分からない。ところで美人で颯爽としているSRO副室長の芝原麗子の、人に隠しておきたいすさまじい生活が犯人のせいですっかり暴露されてしまう。どうなるのか心配していたが、明らかになったことで心からほっとした。本人もほっとしたに違いない。読んだら分かります。

モバイルルーター

わはは・・・ついに新しいノートパソコンが手元に着いた。WINDOWS 7だ。DELLだ。朝、宅急便が着いたのでいろいろ設定していじっていた。ノートを買ったのは、出かけた先でもブログをやりたいから。だけどブルーレイドライブをつけて、出かけた先でも映画が見たいと思って画面を17インチにしたら・・・げっ、入れる鞄がない。でかすぎる。おまけにとても重い。でも車が運ぶから良いか。肝心の無線LANをするためにモバイルルーターを買いに行った。ビックカメラでキャンペーンをやっていたのでイーモバイルのGP01というかわいいのを買った。本当は17000円以上するらしいが、1円だった。ただし2年契約。早速契約した。帰ってつないだら簡単につながった。無線LANは今まで何かが間違っているらしくて、うまくいくまでに苦労したものだった(たいてい誰かに設定してもらっていた)。便利になったものだ。だが都市部は良いけど田舎はつながらないらしい。だから温泉などに行ったら多分つながらないことの方が多いかもしれない。今に改善されると思うけれど。このページは新しいパソコンで書き込んでいます。データをこれから引っ越しさせよう。大好きな大戦略ゲームは残念ながらそのままではムリみたい。やり方はあるらしい。後で調べよう。でも元のデスクトップも今のところあえぎながらも生きているのでなるべく寿命を全うするまで使ってあげよう。案外まだまだ長生きするかもしれない。

首藤瓜於著「脳男Ⅱ 指し手の顔 上・下」(講談社文庫)

前作「脳男」(乱歩賞受賞作)で特異なキャラクターを創造した作者が7年ぶりにその続編を出した。前作は評判になったので読んだ人が多いと思うが、これを読むなら前作を先に読むことをおすすめする。先にこちらを読んでも前作が必ず読みたくなるだろうけれど、前作から引き続いて登場する人物が多いので前作から読む方が世界観に入りやすい。
精神科に入院歴のある人物による無差別殺人が起こる。犯人の断片的な思念が事件の経緯とともに語られていく。理解不能な強迫観念がフラッシュバックのようにつづられていく。犯人は最後には自滅的な死を迎えるが、目的は皆目分からない。精神疾患の患者を治療も出来ずに放置したとして病院は激しい非難を受ける。調べていくと犯人はそれほどひどい疾患ではなかったこと、治療の効果も上がって確かに問題なくなっていたはずであることが分かるが、世間やマスコミは納得しない。
最近精神科の治療を受けた人間による不思議な事件が何件かあったことも分かってくる。そこに突然フィクサーであり財産家であるが、人前に全く姿を現さない老人が惨殺される事件が起こる。そして事件現場に残された血液から犯人は「脳男」こと「鈴木一郎」であることが判明する。一連の事件とこの「脳男」との関係は何か。事件を追及していた刑事が殺されるが、現場に据えられた監視カメラに写っていた美貌の女性は何者か。
物語の性質上、視点は犯人であったり、警察であったり、精神科医であったりする。というか、いわゆる神の目での視点である。読者は著者の提供する、断片的であるが俯瞰的な視点から事件全体を見ることになる。事件の目的、真犯人の特殊な生い立ちなどについて違和感を感じる人もいるかもしれないが、物語として一気に読めばおもしろさを損なうものではない。私は一気に読めました。
「脳男」の生い立ち(これはいってもかまわないと思うが、脳男が真犯人ではもちろんない)が少し明らかにされる。そして「脳男」は事件に大きく関わりながら最後は静かに退場する。続編がいつか作られることは明らかだ。さらに「脳男」についていろいろなことが分かると思われる「脳男 Ⅲ」が出たら絶対買うぞ。

2011年7月13日 (水)

ノートパソコンを買います。

DELLのノートパソコンを手配した。カスタマイズしたので手に入るのは来週になる。そうしたらモバイルルーターを買って、出かけた先でもブログが出来るようになる。WINDOWSもXPから7に昇格だ。楽しみだなあ。わずかな年金しか収入がないのにこんな買い物して良いのだろうか。いいのだ。
ブログを書くのは大変だけど楽しい。アクセス数が増えるのがうれしい(やっと7000を越えたところ、この調子だと夢の10000越えは9月だろうか)。定年で退職して一年があっという間に過ぎたけれどやりたいことだらけで毎日が楽しくてしようがない。退屈だなんて思ったことがない。つらいのは糖尿病のために毎日お酒を飲むというわけにい
かないことだ。そして痛風の発作には参った。今回のはひどかった。足全体が腫れ上がって靴を履くだけで激痛に襲われた。だいぶ経つけど完全には治っていない。ずっとこんなだったらつらいなあ。夏はなんといってもビールだ。ジョッキをぐいっと傾ける喜びは何物にも代え難い・・・のに。痛風にビールはよくない。最悪なのは焼き肉にビールだと医者に言われた。これこそ天下無敵のうまいものの組み合わせなのに。
今晩これからまた母親の相手をするために実家に行く(父か5月に死んでからちょっと調子が悪い)。多分次回の書き込みは18日頃になる予定。しばらく休みます。

中国ウオッチ・高速鉄道

中国高速鉄道は、日本の新幹線とドイツ高速鉄道の技術が母体になっていることは世界の常識だが、中国は独自技術であると主張し、アメリカを始め各国に特許出願をする構えである。日本の高速鉄道にも技術支援したいと大まじめで申し入れしてきているらしい。その独自性の根拠は速度である。実験走行ではなんと時速480Km以上を記録している。営業走行でも350Km以上を豪語していたが、実際には安全性と経済性を考慮して300Kmで走行することになった。
7月から営業運転を開始した北京と上海間の高速鉄道では今のところ大きな事故は起きていない(まだ半月も経っていないからあたりまえか)が、トラブルが頻発している。 まず7月4日に走行中突然減速。これは全車両禁煙なのにトイレで乗客がたばこを吸ったため、センサーが働いたもの。
10日には天候不良によりダイヤが大幅に乱れた。山東省内で2時間にわたり立ち往生した車両があった。これは落雷により送電がストップしたためだった。車両は密閉性が高く、停電のため空調が効かずに車内は蒸し風呂のようだったという。
南京駅では開業わずか一週間なのに駅構内のタイルが剥がされ、張り直された。構造上何か問題があったのではないかと噂されていた。その南京駅で12日に大雨により、駅構内への浸水、地盤沈下が確認された。駅当局は隠していたようだが乗客が気がついてネットで報告して明らかになった。
同じく12日、突然車内の照明が消えるとともに列車が停車。車内はサウナ状態になったが、乗客が乗務員に理由を尋ねても「調査中」との答えしかなかった。まもなく発車したもののしばらくして再び停車してしまったという。乗客は電気系統が焼き切れた、自分の目で火花を見た、停車した列車の下に電気ケーブルのようなものが落ちていた、と話していたという。
中国共産党系機関誌は、日本の拓殖大学に在籍する中国人学者の王曙光教授の談話として「突発事故に遭遇した高速鉄道が無事に停車したことこそ安全の証明である。」を発表した。これに対してネットでは「我が国の専門家は何に対しても言いくるめる理論を持っている。敬服すべき理論能力だ。」とのコメントが寄せられた。「これからは雷雨のたびに安全に高速鉄道は停車するということらしい。」「専門家の面の皮は万里の長城の壁もかなわない。」と好意的な意見が多かった。わははは。

中国ウオッチ・無農薬農法

山東省の100ヘクタールの農地を借りて、日系企業が無農薬農場を展開している。中国の、高くても安全なものを購入するハイエンド市場へのシェア拡大を目指しているという。乳牛の飼育、トウモロコシ、小麦、イチゴを生産、完全無農薬、循環型農業をおこなっている。この農地を20年契約で借りてすでに5年になるが、残念ながら5年とも赤字だという。
近所の農家は、日本の会社が中国に食糧基地を作る、と危機感を持ってみていたが、作られた作物が相場よりも高いのに赤字になっていることを知ると「わざわざ土地を借りて何をしているやら」と冷笑しているという。
このニュースが中国メディアに流れたところ、「馬鹿にしている場合ではない」との評論が寄せられた。「中国はかつて日本をお手本にして肥料を盛んに用いるようになった。また害虫に対して農薬が効果があることを学び、農薬も使用するようになった。日本は今肥料や農薬の過剰使用の害を知り、有機農法をおこなっている。今中国の土壌は過剰な肥料と農薬で汚染されてしまった。なぜ過去のように日本に学ばないのか。」分かっている人は分かっているのだ。日本は自ら学び、農薬の規制をおこなうようになった。中国が自ら学ぶようになるのはいつからなのだろうか。
もちろん日本でも学ばない人の方が多い。そして学ばない方が自分に都合が良いから、学ばせないようにしている組織がある。馬鹿がいる方が都合が良い組織は退場してほしいものだが、馬鹿を栄養にしてその組織は肥え太っていくのだろう。

富樫倫太郎著「SRO Ⅰ」「SRO Ⅱ」(中公文庫)

SROとは警視庁広域捜査専任特別調査室のこと。FBI帰りの主人公の要請に応えて首相(イメージは小泉首相)の鶴の一声で設置された。警察のセクト主義の弊害を越えた、FBIのような活動を考えたものだが、警視庁からも警察庁からも横紙破りとして協力が得られない。集められた人員はたった7名。優秀だが問題を抱えた人物ばかりである。彼らが捜査した事件がすさまじい。「SRO Ⅰ」では治療痕があったと思われる歯がすべて抜き取られ、指先が切断された白骨死体(見つかったものだけで5体、それも偶然見つかったものであり、埋もれたままのものはその何倍もあると思われる)が手がかりである。この犯人はきわめて異様な人物で「ドクター」と呼ばれ、実は「Ⅲ」(これから読む予定)で再び登場する。「SRO Ⅱ」では「死の天使」の副題で、二百数十人が殺された疑いが浮上する。物語はどちらかといえば劇画的で、リアリティはあまりない。ただその分文章が映像的なので劇画を読んでいる感覚で一気に読める。続けて二冊読んだ。多分これはシリーズでどんどん出てくるような気がする。「Ⅲ」まで買ったので後で読むつもりだが、とりあえずそこまでで打ち止めにしておこうと思う。

中国ウオッチ・丸焼け

遼寧省瀋陽市の高さんはゴキブリに悩まされていた。スプレー式の殺虫剤で退治してもつぎからつぎに湧いて出てきりがないのだ。そこで思いついた。殺虫剤を燃やしたらもっと効くのではないだろうか。
そこで殺虫剤を紙にたっぷりと吹き付けたあと、その紙に火をつけたのである。たちまち紙は燃え上がり、すさまじいにおいと共にゴキブリは死亡。ところがその火の勢いが思った以上で、まわりの家具にも燃え移ってしまった。消防車が駆けつけて直ちに消火した。幸い高さんにけがはなく、高さんの部屋が燃えただけで済んだという。
殺虫剤は可燃性で火気厳禁が常識である。高さん、多分燻蒸式の殺虫剤をイメージしたのだろうが、殺虫剤が爆発したりしなくてよかった。

2011年7月12日 (火)

中国ウオッチ・麗江古城の火事

12日未明、中国雲南省の古都、麗江の麗江古城で火事があり、ひとりが焼死して古い建物のいくつかに被害があったと報じられた。火事があったのは北門街とのことなので一番賑やかなところだと思う。麗江は古い町並みが残っていたが、1990年頃の雲南大地震の際、火事が発生して壊滅的な被害を受けた。観光街としてようやく復興し、観光客がたくさん押しかけているが、はっきり言って土産物屋ばかりでやや風情に欠ける。実は私も3月に行ってきたところである。天気がよければバックに玉龍雪山(5700m)がそびえて絵になる町である。火事の被害はそれほどでもなかった模様で不幸中の幸いである。

中国ウオッチ・レアアース④

東京大学の研究チームが、太平洋中部および東南部の深海の泥の中にレアアース資源が含まれることを調査確認した。地上のレアアースの精錬には放射性物質を取り除くという難題があるが、この深海のものはほとんど放射性物質を含まず、回収が容易であると期待されている。回収が容易であればコストもそれだけかからない。しかもその量は膨大である。
中国の独占体制は一挙に崩れる可能性がある。
この情報は中国でも報道されたが、中国の反応がおもしろい。
「海底にレアアースが存在することは中国では以前から承知していた。とっくに知っている古いニュースだ。しかし海底のレアアースは使い物にならない。」というのが一つ。深海からの回収の困難さをいっているのだろう。
「今回のニュースは日本の脅しである。中国からのレアアースの入手を有利に進めるためである。そもそも公海上存在するものを日本が独占できるものではない。」というもの。自分だったら独占するから日本も独占すると決めつけている。
「海底のレアアースの量は、日本がいうほど多くない。わずかな量を困難な深海から回収するのはコストが合わない。」
実際まだ具体的な回収方法も考えられていない段階であるが、中国のいうことにも何か負け惜しみみたいなところがある。
中国のやり方に懸念を感じ、そして反発して、他のところで生産しようと世界中が動き出していること、多少のコストがかかろうと深海から安定的に回収しようとしているのである。中国が信用できて、安定供給が確保できるなら何もわざわざそんなことをしないのだ。世界は中国が信用できない、といっているのだ。分からないのかな。分からないだろうな。レアアースについては以上。

中国ウオッチ・レアアース③

2011年下半期のレアアース輸出枠が近く公表される予定だが、この時期にいくつかの鉱物で初めて前月比で値下がりしているものが出てきた。これはレアアースの需給が均衡に向かっている、と一部で評価されている。レアアースの価格は今年に入って2倍以上に急騰していた。
数量が限定されているものを独占的に確保し、価格を意のままにする、という手法は過去、欧米の巨大資本がおこなってきた汚いやり方だが、中国は世界から湯水のように流れ込む資金を利用して欧米のやり方をまねしているに過ぎない。だからといって許されることではない。
欧米がそれ以外の世界に対して特権的におこなってきたことをまねして大やけどをしたのが日本だった。アジアやアフリカ、南米を植民地として支配し、それで豊かな生活を送った欧米だったが、植民地経営にはそれなりの負荷がかかること、限られたものの奪い合いは第一次世界大戦のような大変な犠牲をもたらすことを学んだ。世界がそのやり方を変えようとし始めたときに遅れてそれをまねたのが日本だった。
日本はなぜ同じことをしているのにとやかく言われるのか分からなかった。世界は変わりだしていたのだ。
中国はさらに世界に遅れて参加した。だから欧米や日本がやってきたことをやろうとしてなぜとやかく言われるのか理解できない。だから欧米の搾取である、といってはばからないのだ。
スペインやポルトガルが世界を収奪した。遅れてイギリス、フランスなどがそれに替わって収奪した。ドイツはさらに遅れたので収奪するものがない。そこでヨーロッパそのものを支配しようとした。さらに遅れたアメリカがヨーロッパに成り代わってまず北アメリカ大陸を、そしてアジアと南米を収奪しようとした。さらに遅れて日本が中国を収奪しようとした。日本だけが侵略者ではない。
もっとも遅れてきた中国は、
世界の中心は中国であり、元々世界は中国のものであるという中華思想の持ち主である。チベットしかり、内モンゴルしかり、カシミール地方しかり尖閣諸島しかり、南沙諸島、西沙諸島しかり、すべて中国にとってはそれらはもともと中国のものである。
なぜそれが問題なのか中国には分からない。

中国ウオッチ・レアアース②

中国が一部鉱物資源を輸出規制している点について、WTO協定違反であるとの裁定がだされた。裁定の下された鉱物は、ボーキサイト、コークス、蛍石、マグネシウム、マンガン、シリコン・カーバイト、シリコン、黄リン、亜鉛の九種類。いずれも中国が、他の国での生産では採算割れで対抗できない状況を作り出し、寡占体制を作り出して独占的に供給しているもので、この数年、輸出規制としか言えない出荷制限をおこなって価格が暴騰しているものである。WTOの裁定の根拠には、中国は環境保全を理由にしているが、他国に対しては輸出制限をおこないながら自国の業者に対しては一切規制を掛けておらず不公平であることもあげられている。各国のメディアは「中国は世界の貿易秩序を破壊する悪人である」と報じているが、レアアース、レアメタルについてもほぼ状況は同様である。
今回の裁定について中国は、「輸出の公平性を口実にした欧米諸国の搾取である」と反論している。そしてつぎのターゲットとしてレアアースが狙われている、これは中国の原材料輸出政策に対する挑戦であり、危機であると報じている。

中国ウオッチ・レアアース①

希少鉱物資源、レアアースとレアメタルは中国がほとんど独占生産販売している。これはこの鉱物が中国に偏在しているわけではなく、生産コストが中国が最も低いために他の国で生産しても価格が合わないために、結果的に中国が独占しているかたちになっている。なぜか。この鉱物を生成する際に放射性物質を始め、たくさんの環境汚染物質が出るのだが、中国は環境汚染対策を無視した生産をしているために他の国では太刀打ちできないという背景がある。去年秋の尖閣諸島でのトラブルの時、レアアース、レアメタルを人質に日本にプレッシャーを掛けたことは記憶に新しい。このような出荷制限は明らかなWTO違反なのだが、環境問題も事実中国ではかなり深刻になっていることから日本以外の国、特にヨーロッパ向けにも出荷量を60%程度に落とし、価格も大幅に上げてきた。いろいろな分野で絶対必要なものなので、各国は中国以外の国での生産を検討し始めた。価格が急騰しているので採算が合うようになったことも大きい。さらにあまりに中国の一方的なやり方に各国が中国離れを考えたのだ。2009年、米国、EUとメキシコからの提訴に基づき、WTOが中国のやり方の是非を調べて、先般一部鉱物資源の輸出規制はWTO違反であるとの正式な判定が先般ついに下された(レアアース、レアメタルについてはまだ)。

2011年7月11日 (月)

中国ウオッチ・地に落ちた中国赤十字

シンガポール華字紙が「中国ネットユーザーが、赤十字社に『金返せ』と大合唱」との記事を掲載した。これはある女性が豪華な家、無数のブランド品、高級車を持つゴージャスな暮らしをしているセレブと紹介された際、プロフィールに中国赤十字会商会総経理とあったため、寄付金を横領しているのではないか、と疑われたことが発端となっている。その後も男性関係の暴露報道などもつづいているという。
中国ではNGOの設立が制限されているので、寄付の窓口が限られている。認められている組織はいずれも政府の関与の強い組織で大きな利権が絡んでいる。
横領については事実かどうか明らかにされていないが、今回の件で中国赤十字の信用は地に落ちた。
どこかの国の赤十字は巨額の寄付金を抱え込んだまままだ配布が一部しか進んでいないという。どこかに融資でもしているのか、または利子でも稼いでいるのだろうか。組織が大きくなって利権が生じるとおかしくなるのはどこも同じか。疑われたくなかったらやるべきことをてきぱきしたらどうか。

中国ウオッチ・出入国管理官

中国地方紙が、ドイツの新聞記者のコラム「出入国管理官の皆さん、笑ってください」を取り上げた。
記事によれば、中国は巨額を投じて国家イメージ向上の広告などを製作しているにもかかわらず、外国人がまず中国に足を踏み入れた空港で愛想のない顔に出会うことになる。先日、北京空港に到着したところ、出入国管理の窓口は、中国人向けは9カ所あいているのに外国人向けは3カ所しかあいておらず、長蛇の列が出来ていた。中国人向けの窓口はがらがらで担当者はボーッとしていた、とある。
確かに中国の空港、私の経験では特に北京空港がひどいが、窓口を早めに開けることはまずなく、長蛇の列が出来てから手続きを始める、係員どおしで無駄口をきいていて業務はおざなり、下手をすると便に乗り遅れることもある、という目にたいていの人はあっているはずだ。
中国の役人根性というのは根深いものがあるようだ。中国のあちこちで起きている暴動などの騒動はほとんどそれに対する中国一般民の反発から起きているのだろうと思う。

椎名誠著「水惑星の旅」(新潮選書)

この本で引用されているが、永井智哉著「地球がもし100cmの球だったら」によれば、「地球の表面は全部で2畳ほどの広さで、そのうち海は1.5畳。海の平均の深さは0.3mm。海水は全部で660cc、ビール瓶一本分しかない。また、淡水はわずか17cc、そのうち12ccは氷河などになって氷結しており、飲み水として使用可能な淡水は5ccしかない。スプーン一杯である。」このわずかな水が人間にとって必要不可欠のものであり、それが汚染され、枯渇しかねない状況であることが、人類にとって大問題になっている。だが日本人は幸いにも豊かな水に恵まれているためにその危機感がない。そのために中国人が日本の水源の山林を密かに購入して水を奪おうとしていることにも気づかずにいる。
今世界で淡水がいかに重要なものであるのかが、この本には詳しく語られている。椎名誠が各地を尋ねて水の状況を肌で感じていたので、書かれていることは統計の数字ではなく実感としてよく分かるようになっている。海水の淡水化、汚染水の清浄の技術について日本が進んだ技術を提供して貢献していることが述べられている。だが問題はいつも中国である。いくら水問題を解決するために世界中が努力しようともそれ以上のペースで水をスポイルしたら追いつくものではない。やはりすべては人口問題に収斂するのだろうか。中国のモラルの改善こそ世界の環境問題の鍵だと思うのだが、期待は薄い。

中国ウオッチ・馬英九

馬英九(台湾総統)が好きになった。馬英九は国防大学の「抗日戦史シンポジウム」で中国と台湾の歴史教育の違いを指摘し、「中国共産党は歴史をありのままに話すべきだ。」と述べたという。これは中国が「歴史の事実をありのままに話す」という原則と方針を主張していることに沿っている。「中国も台湾も凄惨な内戦を経て現在がある。しかし歴史認識が全く異なっている。現代の中国の若者は抗日戦争は中国共産党が戦ったものだ、と間違って教えられている。」と指摘した。
どうです。日本の若者、もしかして日本人のほとんどが中国共産党が日本軍と戦ったと思っているでしょう。実際に戦っていたのは国民党軍だったことは歴史の事実です。しかし今まさに中国共産党90周年記念行事をおこなっている中国に向かってこんなことが言える政治家は偉いと思います。日本のマスコミは決して取り上げないでしょうし日本の政治家にはそんな勇気はありません。もしかしてそんな歴史的事実すら知らないバカばかりなのかもしれませんが。
また、現在の北朝鮮建国の祖といわれている金日成は当時のソビエトが、特殊教育をおこなった上で傀儡として第二次世界大戦後に送り込んだ人物です。これはすでに歴史的に定まった事実と言って良いものですが、金日成が日本軍と英雄的に戦い、奇跡的な勝利を繰り返した、という伝説が作られて(もちろんそんなのはでっち上げのようです)ついに世襲王国を作るに至りました。彼が天才であるのは、彼を操るソビエトの連中との糸を巧妙に断ち切ったことにあります。これは朝鮮戦争の前後におこなわれ、代わりに頼ったのが中国でした。領土問題もあり、ソビエトと距離を置きたかった中国の思惑と合致したのです。中国は朝鮮戦争で莫大な犠牲を払いました。引っ込みがつかなくなった関係が今も続いているというわけです。また中国東北部にはたくさんの朝鮮族の人達がいます。北朝鮮が崩壊したとき、彼らを頼って多くの難民がなだれ込む心配があります。現在の北朝鮮を生かさず殺さずの方針はこれらとの関係の中で選択されているものでしょう。きりがないのでこの辺で。

2011年7月10日 (日)

宮沢賢治「どんぐりと山猫」について

別役実の「イーハトーボ行きの軽便鉄道」という本で劇作家の別役実が宮沢賢治の小話をひとつづつとりあげて、その世界観を別役流に解釈している。本全体を読んで感想を書くよりも取り上げられた話、ひとつずつについて別役流も参考にしつつ、感じたことを書きながら考えてみたい。
ある土曜日、一郎のところに不思議なはがきが届く。明日の日曜に面倒な裁判があるので来てほしい、という山猫からの要請である。一郎は喜んで行くことにする。山をどんどんどんどん行く。ついにここだと思うところで山猫の馬車別当(別当の意味には馬丁という意味があるので多分御者のようなものだろう)だと名乗るものに出会う。風体から山羊であろうかと思う。この馬車別当が山猫の代わりにはがきを書いたようであり、そのはがきの評価を気にする。本当は稚拙な文面だったが、一郎が「なかなか文章がうまかった」というと馬車別当は胸を張る。そこへ山猫が登場する。山猫は一郎に挨拶したあと早速裁判を始めたい、という。裁判とはどんぐりの誰が偉いか、と言うものだった。互いに自分が大きいことや丸いこと、頭がとがっていることなどを偉いことの根拠として主張し合って収拾がつかない。三日もこれで争っているという。ここで一郎の判断が表明され、どんぐりの騒ぎは一挙に収束する。山猫は一郎の機知に感心したように、また来てほしい、という。快諾したのだが、山猫の招待の文言の提案について、一郎が、「さあ、なんだか変ですね。そいつだけはやめた方が良いでしょう。」という。そしてたくさんのどんぐりをお土産に家まで送られるのだが、それから後、二度と招待のはがきが来ることはなかった。一郎は山猫の文言を否定しなければよかったと思う。ということで終わり。
別役実は「来なかったはがきの謎」ということで、馬車別当の書いたはがきについての山猫のこだわりと、それを肯定した一郎、そして山猫を否定した一郎について注目する。また、機知で裁判を納めた一郎について山猫が疑問を持ったと考える。山猫の提案とは「用事これありに付き、明日出頭すべしというはがきの文言にしたい」というものである。
多分山猫は最初のはがきもそのような文言にしたかった。しかし馬車別当に押し切られて稚拙な招待状になったことを不満に思っている。ところが一郎は馬車別当に気を遣ってその文言で良しとした。一郎は馬車別当の稚拙な招待状だからこそわくわくして出かけたのかもしれない。だから山猫の提案を否定したのだ。
山猫は社会のシステムを維持する大人の世界の住人なのではないか。その世界で解決つかないことを一郎に頼んで見事に解決したけれど、それは大人の世界の解決法ではなく、普遍性も持ち得ないものだと山猫は考えたのかもしれない。そして大人としての挨拶に基づく招待の提案に対する一郎の返事を聞いてやはり住む世界が違うのだということに山猫も気がついたのだろう。馬車別当は二つの世界をつなぐ存在だが、山猫にとっては使用人に過ぎない格下の存在なのだろう。一郎もそのことに気がついたのだと思う。一郎にとって山猫も馬車別当もどんぐりたちも自分の側の世界だと思っていたが、やはり彼らは別世界の存在だったのだ。短い話だが、別役実の読み方を参考にするだけでずいぶん考えを深めることが出来て楽しかった。いくつも取り上げられているのでこれからもぼちぼち楽しんでみたい。

読売新聞中国取材団著「メガチャイナ」(中公新書)

読売新聞社が総力を挙げておこなった取材をもとに、日本から見える中国、世界から見える中国、中国から見える日本、中国から見える世界、中国から見た中国を明らかにする。我々はいろいろ入手できる情報から中国を知り、それを元に中国を理解をしている。今必要なのは同時に中国は我々をどう理解しているのか、という視点だろう。中国人は国の体制により、限られた情報しか得ることが出来ない。その彼らと接点が生じたとき、何らかの共通認識を獲得するにはそれが絶対不可欠の前提となるだろう。この本は特定のイデオロギーに偏することなく、今入手できる情報が分かりやすく網羅されている本と言って良い。中国が好きであれ、嫌いであれ、今中国と無関係に生きることは絶対出来ない状況である。というよりかなりのことが中国に関連して動いている。だとすればささやかながら中国とはなんなのかについて知識を得ることは大事なのではないだろうか。そういう意味でこの本をおすすめする。

高山と金沢

高山には何度も行った。また、金沢には足かけ5年ほど住んでいた。ちょうど4年前の今頃(7月中旬)に高山と金沢の写真を撮っているので公開します。台風が通過した直後で、高山は快晴でした。金沢はまだ低気圧が残ってどんよりしています。

Photo 高山の朝市を道路の向かい側から撮りました。この朝市も観光客相手のものが多くなって少し風情が損なわれつつあります。輪島の朝市も同様です。

Photo_2 高山・上三之町。前日は台風でJRは不通でした。

Photo_3 それでもこれだけ人通りがあるのは泊まっていた人が多かったのでしょう。

Photo_4 酒屋のシンボル、杉玉です。新酒を仕込む初春に新しいものに換えますが、夏なのでこんな色になっています。

Photo_5 木地製品を売っている店です。買っても多分使わないのに蕎麦やうどんをこねる道具がほしくなりました。高山は飛騨匠の里です。

Photo_6 朝顔が良い感じに這わせてあります。

Photo_7 朝顔のアップ。涼しげです。

Photo_8 ガクアジサイでしょうか。側溝にはきれいな水が流れています。

Photo_9 ゴージャスなデザインの百合でした。店ののれんととてもマッチしています。

Photo_10 お味噌屋さんです。お客がたくさんいました。一緒に行った友人も買っていました。

Photo_11 高山市内を流れる中川を橋の上から撮りました。前日の大雨で水量が多いです。柳が見事です。

Photo_13 こんなモダンなアンティークの店もあります。古布でいろんな小物を作って売っています。

Photo_14 高山駅です。不通なので閑散としています。抜けるような青空でした。

Photo_15 蕎麦の花が咲いていました。写真を撮った荘川は蕎麦が有名で蕎麦の店が大小いくつもあります。

Photo_16 金沢駅の大屋根です。初めて見るとびっくりします。金沢は良いところです。観光客のリピートが多いことがそれを証明しています。

Photo_17 金沢城の三十間長屋とお堀。

Photo_18 金沢城五十間長屋。瓦は鉛です。戦争になったら銃弾に使用します。

Photo_19 菱櫓には入場できます(金沢城は入場無料ですが、そこだけ有料)。そこからお堀を見下ろしました。向こうに金沢の町がちらりと見えます。

Photo_20 同じく菱櫓からの景色です。菱櫓とは柱の断面が菱形に作られていることから名付けられました。再現には大変な苦労があったようで、櫓の中に説明のミニチュアがあります。金沢へ行ったら是非見てください。

Photo_21 金沢城庭園の花々。金沢城の庭園は手入れが行き届いていて、式それぞれにたくさんの花が見られます。これでおしまい。金沢は何遍も写真を撮りましたのでまた公開します。

内田康夫著「十三の冥府」(光文社文庫)

大和朝廷成立の時追われた一族が、東北・津軽地方に落ち延びて王国を形成していたという史実を記録した「都賀留(つがる)三郡史」という書物の真贋を巡り、不可解な死が相次ぐ。浅見光彦は「都賀留三郡史」について調べる過程でその事件に関わっていく。浅見光彦シリーズは社会的な事件が背景になることが多いが、この話はどちらかといえば伝奇的様相を帯びている。シリーズの中では命を失う人が多いものとなった。表題の「十三の冥府」の意味が最後に判明する。全く思ってもいなかった結末となるが、こういう事件の場合はこんな結末しかないのかもしれない。津軽や下北に足を運んだことのある人ならあの風景とひとびとのたたずまいを思い出すことだろう。

2011年7月 9日 (土)

映画「海の底」BSにて

1931年アメリカ映画。ジョン・フォード1930年代特集の一つ。第一次世界大戦の時のアメリカの偽装船とドイツ軍のUボートの戦いを描く。戦いの舞台は1918年のスペイン沖、ジブラルタル海峡だが、実際の海戦よりもその前のスペインの港での虚々実々の駆け引きに時間が割かれている。駆け引きの際には当然女性が絡むが、女優はトーキー時代を彷彿とさせる顔と化粧で、オーバーな情感表現がかえって新鮮だ。古い映画なので画質は悪く、ストーリーも単純だが、筋が通っていて変にひねっていないだけすなおに楽しめた。

中国ウオッチ・留学生の補助金

中国メディアの報道に寄れば日本に留学している台湾の女子留学生が大学から、日本政府が支給している大震災の補助金を拒否されたという。この大学には震災後の補助金が支給されることになっており、各国の学生には12万円の補助金が支給された。大学側は「台湾は国家ではないので、台湾からの留学生には補助金を受け取る資格がない。」といっているという。
これは大学担当者の個人的意見なのであろうか。それとも日本政府の統一見解として台湾留学生に払わないことになっているのであろうか。どちらにしても「留学生」として受け入れている事実があるのであれば他の国の留学生と差別するのは異常である。大学の担当者が妄想をした結果、このような判断をしたものと思う(もし日本政府がそういう判断をしているのであれば驚くべきことで恥ずべきことである)。即刻訂正して支払うべきだ。中国政府だってそういうと思う。
栃木県の宇都宮の学校らしい。台湾の外交部が学校と日本交流協会に連絡を取っているところだという。

中国ウオッチ・江沢民死亡報道騒動

中国共産党建国90周年の式典に江沢民が参列していなかったことから憶測を呼び、香港メディアが先走って死亡報道を流すに及び、死亡説が世界中を駆け巡った。しかも香港メディアが流しても中国当局は否定も肯定もおこなわない。ただ、インターネットで江沢民について関連ワード(江沢民、心筋梗塞、総書記など)を検索しても削除されていてアクセスできない状態になっていた。
江沢民については今年初めから体調不良との情報もあり、入院しているとの話も伝わっていた。今回の式典には参加できないだろうとの話は以前からあった。ただ江沢民に関することについての言論統制が強力におこなわれたことは何か意味があるのかもしれない。
その後当局は江沢民の死亡を全面否定。ある高官は、江沢民は広西地区を旅行中、蚊に刺されてから微熱が続いており地元の上海で療養していたが、はかばかしくないので北京の病院に入院している、状態は安定していると述べたという。ただ、その病院の警護が急に強化されたり、人の出入りが慌ただしくなったりしているとのうわさもある。現在中国の大手メディアは死亡説を否定するのみで何の情報も流していないのでネットで乱れ飛ぶ噂以外、一般市民は何も知らない状態である。その噂も出るとすぐ削除されているという。
今回の騒ぎは一部メディア(香港メディア)の勇み足であることは間違いなさそうであるが、上海閥の巨魁である江沢民の力により、現国家主席である胡錦濤の押していた李克強をさしおいて、次期国家主席が習近平になることが確定しており、その影響力は失われていないと見られる。多分江沢民の容態はあまりよくないのだろう。84歳という年齢からも死亡報道は再度流れるに違いない。若者に反日教育をおこなうという、日中に大きな禍根を残した政治家として彼は記憶されるだろう。

中国ウオッチ・ミネラルウオーター

北京当局がウオーターサーバー用のボトル入り飲料水の品質検査をしたところ、31種類の製品の細菌数が基準を超えていた。中には基準の9000倍などというとんでもないものもあったという。生産設備の清掃や消毒が不備であることが原因と考えられている。そもそも業者が清掃や消毒が必要であるという認識そのものを持っているのかどうか疑わしいところがある。もちろん基準をクリアできなかった業者には発売禁止の処分が下された。
また、配達用のガロンボトルでミネラルウオーターを購入している人が、どうも水が濁っているし、ボトルから水が漏れることを不審に思い、調べたところただの水道水をボトルに詰めたものであることが分かった。元々配達用のミネラルウオーターのメーカーはまだ配送システムが確立しておらず、勝手に代理店がメーカー品を名乗って配送しているものがかなりあるらしい。現在「放心水店」として優良な販売店10店が指定店になっている。放心とは気を遣わなくていい、つまり安心ということ。噂では通常のペットボトルでも怪しいものがあるという。キャップが緩んでいたり締まりの怪しいものは買わないように注意が必要です。中国では自己責任でものを選ぶのが常識なのです。

再開・中国ウオッチ・猛暑

中国ウオッチを休んでいたらアクセス数が激減しました。もちろん父親の葬儀やそのあとの法事、母親が不調なので面倒を見に行ったりと結構ブログの更新をまとめて休んだことも原因だと思いますが。今度ノートパソコンを購入する予定(今のデスクトップも丸7年を過ぎて重くなっている・時々機嫌が悪い)なので出先でも書き込みが出来るようになる予定です。
日本でも早々と梅雨が明け、あちこちで猛暑日を記録していますが、元々大陸性気候で暑い中国では日本以上の猛暑が始まっています。特に北京では7月に入り38度を記録する日もあり、今後が思いやられます。8月の北京に一度行きましたが、その暑さは大陸性なのに夜も涼しくならず尋常ではありませんでした(典型的なヒートアイランド現象でしょう)。中国は原発問題と関係無しに電力不足(水不足はそれ以上)が慢性的であり、さすがにホテルはエアコンで涼しいですが、外を歩くときは熱中症に注意が必要です。水分補給に生水が飲めないのでペットボトルの飲み物が絶対必要ですが、そのペットボトルの飲み物が信用できないという恐ろしい話があります。その件は次回。

大沢在昌著「絆回廊 新宿鮫Ⅹ」(光文社)

5年ぶりに新宿鮫が還ってきた。このシリーズは新宿が舞台なので中国に関係する登場人物が多い。当然新宿を根城にする組織暴力団も必ず登場する。犯罪は特定地域にとどまらなくなった。新宿という窓口から中国が、そして東南アジアがつながって見えてくる。新宿に22年ぶりに男が帰ってくる。殺人罪で服役していた大男だ。男はある警察官への復讐の念にとらわれており、なりふりを構わない。その男の出現に隠れていた犯罪グループが浮かび上がってくる。狙われている警察官(意外な人物だが、シリーズを読んでいる人なら途中で、もしかして、と思うかもしれない)を守るために動き出した新宿鮫は必然的にその犯罪グループと対峙せざるを得ない状況となる。今回は新宿鮫こと新宿署の鮫島が、つらい別れを経験する。
この後の鮫島はどうなるのだろうか。シリーズを読んでいる人なら必ず読むと思う(もう読んだかな)ので、読んだことのない人、是非読んでみてください。おもしろいことを補償します。多分シリーズの最初から読みたくなるはずです。

2011年7月 8日 (金)

梁過著「現代中国『解体』新書」(講談社現代新書)

63のキーワードで現代中国の世相がよく分かるようになっている(帯にそう書いている)。著者は大連生まれの中国人。中国の新聞、雑誌、ネットなどから現代中国の特に若者たちの行動や考え方、価値観を表す言葉を選んで意味と背景を解説する。1980年以降に生まれた中国の若者たちは一人っ子政策の申し子であり、昔の中国を全く知らない。小学校、中学校、高校と、教えられた歴史しか知らない。儒教的な価値観もない。世界を損得の価値観でしかとらえることが出来ない。しかし中国の社会の不条理についてはあきらめよりはまだ憤りのこころを持っている。彼らの結婚には我慢の部分がないから離婚が急増する。大学生の就職率は中国政府が発表しているものより遙かに低い。当然結婚できない男たちが急増している。女たちは日本と同様男に三高を望むがそんな男は一握りしかいない。結婚する人が減り、結婚年齢が上がり、離婚率が上がってかなり危機的な状況になりつつあるようだ。貧富の差も拡大している。中国の不満のエネルギーはかなりたまっているようだ。
たとえば「月光族」「房奴」「急嫁族」「整形経済」「蟻族」「富二代」「錯峰」「低炭」「山寨」「人肉」など、想像通りのものもあるし、意外な意味のものもあります。ちなみに「房奴」の意味は、「房子」が家のことなので住宅ローンの重圧に追われる人のことです。奴とは奴隷の意味です。今中国はやや治まりつつあるとはいえ不動産投資のブームのせいで不動産価格が暴騰し一般の人には高嶺の花になっています。ムリして手に入れてもローンの支払いで生活はとても苦しいのです。多分日本よりも住宅を入手するのが大変になっています。どうです、興味があるでしょう。是非読んでみてください。中国暴動のニュースの意味などが少しは分かります。

大沢在昌著「氷の森」(講談社文庫)

「新宿鮫」シリーズの爆発的なヒット以来、メジャーとなった大沢在昌もそれまでは書いても書いても売れない作家だった。そして全精力を傾注してこれでもか、と世に問うたのがこの本だった。一部に好意的な評価をする評論家もいたが、ほとんど黙殺された。絶望に追い込まれながら不屈の闘志の元に再度挑戦したのが「新宿鮫」だった。メジャーになってからこの「氷の森」を評価する評論家がいたらしい。読者の方が何がおもしろいか知っているのだ。この作品はほとんど「新宿鮫」をこえている。日本のハードボイルドの頂点といってもよい作品だ。得意なキャラクターとして造形されている敵役の冷血漢はなかなか姿を現さない。彼に操られている人間の言動を通してしかその男の姿が見えない。最後の瞬間の異様な出会い方をするまで読者はぐいぐい引きずられていく。読み終わったとき、思わず入っていた肩の力をようやく抜くことが出来る。
日本のハードボイルドは、本当にレベルが高い。北方謙三、大沢在昌、馳星周の三人を特にトップとしてあげたい。この三人の作品に外れはない。

映画「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」BSにて

ジョニー・トー監督、2009年香港・フランス合作映画。いわゆる香港ノワール映画だが、不思議なストーリー展開を見せる。これがフランス色なのだろうか。マカオで娘婿と孫二人が殺され、娘は辛くも助かるものの半身不随にされる。娘の父親(フランス人)が、娘からの復讐の依頼を引き受けて犯人を追う。言葉も地理も全く分からない中で父親はどうしたか。たまたま出会った3人の暗殺のプロに全財産を提供することと引き替えに犯人捜しと復讐を依頼するのだ。それを引き受けた三人は実行犯を見つけるが彼らもプロの暗殺者たちだった。三人は引き返すことの出来ない破滅への道を承知の上で突き進んでいく。この破滅の美学がノワール映画の魅力なのだ。最後だけやや冗漫だが、全体としてはテンポよく飽きさせない。

映画「エレクション 死の報復」BSにて

ジョニー・トー監督、2006年香港映画。2005年の「エレクション(原題・黒社会)」の続編。香港裏社会を仕切っている組織(いくつもある)のひとつは二年ごとに長老たちが選挙でリーダーを選ぶ。前回会長に選ばれたロクの任期もそろそろ終わりとなるが、ロクは再選を画策する。掟では再選は不可。長老たちはダーティではないジミーを選ぼうとする。ジミーは中国本土との事業を進めており、本音では事業がうまくいけば足を洗いたい。だから会長に立候補するつもりはなかった。しかしあるいきさつからどうしても会長にならざるを得ない羽目に陥る。権力を手放そうとしないものと奪おうとするものとのすさまじい抗争が始まる。前回以上に目を背けたくなるような凄惨なシーンがある。権力の魔、暴力の魔が人をゆがめていく。ラストのジミーの虚無的な目が印象に残る。

2011年7月 7日 (木)

澤田ふじ子著「遠い椿 公事宿事件書留帳17」(幻冬舎文庫)

澤田ふじ子の時代小説は京都が舞台のものが多い。このシリーズもその一つ。市井の人の京都言葉の会話から季節と街の出来事が目の前に浮かび上がってくる。そういう導入部のものが多い。ハッピーエンドのもの、悲劇的な結末に終わるものそれぞれに、人の哀しみ、業の深さ、世の中の不条理を越える人々のやさしさが胸を熱くさせる。
時代小説が苦手な人、少し我慢して読み進めてみてください。心の中で流す涙で何かが洗い流され、すっきりして生きる元気が湧いてきます。

足助4

足助の町を散策した。古い、ユニークな店がいくつも目についた。日盛りを興味に任せて歩いたので帰り道が遠かった。足助はこれでおしまい。

Photo_15 これ本屋です。古本屋ではなく普通の本屋です。

Photo_16 たばこ屋さん。

Photo_17 牛乳の看板の掛かった雑貨屋さん。

Photo_18 古い洋食屋とおぼしき建物。今はやっていないようでした。

Photo_19 お米屋さん。商い中の札はかかっているのですが、入りにくそうな入り口です。

Photo_20 郵便局。とても変わって見えたのですが、写真にしたらなんてことないです。

Photo_21 料亭です。いずかめと読むようです。

Photo_22 和菓子屋。有名らしいです。

Photo_23 裏通りに洒落た洋食屋がありました。残念ながら近くでそばを食べたばかりです。

Photo_24 額には善光寺、とありました。

Photo_25 お稲荷さんの狐。

Photo_26 巻物をくわえたもう一匹の狐。結構迫力があります。

Photo_27 足助川。こんな川ですが鮎がいるそうです。左手の川沿いが塩を運んだ街道だとのこと。馬が通った道です。

Photo_28 区民館という文字に味があります。

Photo_29 材木屋さん。檜の香りがしました。これでおしまい。

池上彰・佐藤賢一「日本の1/2革命」(集英社文庫)

佐藤賢一は小説・フランス革命を執筆中(全12巻予定)。フランス革命は二段階の革命だったという。第一段階が立憲君主制を指向していた段階(ここで自由・平等・友愛の人権宣言がうたわれる)、第二段階は国王をギロチンに送り、共和制に至る過程である。第一段階の推進者は下級貴族やプチブル、第二段階は庶民そのものだった。第二段階では多くの血が流されることになった。振り返って日本を見れば、明治維新は第一段階だけの革命だった。推進者は下級武士であり、将軍は殺されず、立憲君主制に移行したところで収束した。乱暴にくくると歴史上民主主義に移行した国は第一段階で収束している。そして共産主義の国は血の粛清を伴う第二段階まで至る。1/2革命というのは特に第一段階に終わる日本の体質を指す。ところで日本は長期安定政権だった自民党をついに見放し、民主党を選択した。ささやかながらこれも革命と言って良いような出来事だった。しかしその結果はこのていたらくである。
この本はフランス革命について池上彰が問い、佐藤賢一が詳細に答える形をとっており、西洋史の苦手な私でも興味を持って読むことが出来た。フランス革命を一つの鏡として日本を、そして日本人を写してみれば日本のありよう、日本人の性質が自ずから浮かび上がってくる。日本人は誰かに革命をしてもらう、英雄待望論に終始し、自ら立ち上がって世の中を変えることをしない。投票すらしない人、投票もマスコミの論調のみに振り回されておこなうという人が多くては永久に世の中は良い方へ変わらないだろうということがよく分かる。
日本人に第二段階の革命がなじまないことはある面でよいことなのだが、その不徹底さが政治システムの腐敗と老朽化を招いたことを自分の責任として日本人すべてが引き受けなければならないだろう。

足助3

足助屋敷を見たあと高台にある香積寺と、そこから街に戻って山側にある馬頭観音を見にいく。

Photo_4 足助屋敷の横から香積寺へ上る階段。

Photo_5 階段から足助屋敷を見下ろす。

Photo_6 香積寺。

Photo_7 香積寺から山門を見下ろす。

Photo_8 香積寺の石垣。

Photo_9 庭園。木漏れ日に苔が美しい。

Photo_10 巴川沿いに戻る。

Photo_11 道ばたで野仏たちが会合していた。

Photo_12 馬頭観音。昔、塩を運ぶ馬を供養するために建てられたという。

Photo_13 馬頭観音の横に馬の水飲み場がある。

Photo_14 馬頭観音のすぐ近くに大きなムクノキがあった。ここから足助の町に戻る。

足助に行ったときよく目についた花です。花の名前が分かりません。芙蓉みたいな花ですが木ではありません。

Photo Photo_2 Photo_3

2011年7月 6日 (水)

足助2

香嵐渓を少し歩いて足助屋敷に行く。足助屋敷は昔の足助地方の農村を再現したもの。あまり広くはないが、実際に生活している様子を見ることが出来るのでおもしろい。ちょうど中に入ったときが昼休みだったので残念ながらどの建物も人がいなかった。

Photo_11 足助屋敷入り口の門。

Photo_12 門の横。色合いの良い景色でした。

Photo_13 これは足助屋敷へ行く途中の景色。右手が巴川。紅葉が多い。

Photo_14 木地師小屋。桶などを作るところ。

Photo_15 入り口のところにメダカが飼われていた。

Photo_16 子牛。耳にタグがついている。越前ガニみたいだ。黄色だから三国産か。

Photo_17 親牛。やたらにモウモウと啼いてうるさい。

Photo_18 見ての通り水車。回っていた。

Photo_19 水車を横から。

Photo_20 竹細工を作っているところ。昔この縁側で息子が竹とんぼを作ってもらった。

Photo_21 竹細工の工房の中。案外きれいでしょ。

Photo_22 木地用の木を乾燥させている。

Photo_23 母屋の縁側に七夕飾りがしてあった。明日は七夕。

Photo_25 大きなうまそうなスイカが見えますか。

Photo_26 ここが母屋の入り口。

足助1

内田康夫の小説「還らざる道」に触発されて三河の足助に行ってきた。梅雨の合間の晴れで炎天下は暑かったが、湿度が低いのか、木立の下に入ると案外さわやかだった。足助は巴川沿いの香嵐渓(紅葉で有名)と足助川沿いの足助の町並みが見所だが、共に水辺なので、炎暑ながら耐えられないほどではない。ようやく痛みも治まった痛風の足を引きずるように二時間あまり歩きまわって写真を撮った。足助は元々三河の海岸で作られた塩を、信州に運ぶ街道の宿場町として栄えた。子どもが小さいときは、夏に香嵐渓そばの巴川の水辺に連れてきて水遊びをさせた。今回も水辺で簡易キャンプをしている人が見られた。まだ学校は休みではないので子どもの姿はない。公営駐車場(500円)に車を入れて、まずすぐそばの足助八幡宮に行く。ここには足助神社も併設している。ひき返して巴川沿いに香嵐渓を行く。待月橋をわたり足助屋敷に向かう。足助屋敷は次回。

Photo 駐車場の脇に咲いていた紫陽花が見事だった。

Photo_2 普通この時期になると花が衰えるものだが、ここのは元気いっぱいだった。

Photo_3 道路を渡れば足助八幡宮。立派な鳥居と見事な樹々。

Photo_4 足助八幡宮の境内。

Photo_5 足助八幡宮本殿。

Photo_6 足助八幡宮のすぐ横に足助神社がある。参道と鳥居は別である。

Photo_7 香嵐渓へ向かう土産物屋の並ぶ道。平日なので閑散としている。紅葉の時期は人でごった返す。

Photo_8 香嵐渓の紅葉と待月橋。

Photo_9 巴川。

Photo_10 同じく巴川。鮎釣りをしている。

内田康夫著「還らざる道」(祥伝社文庫)

浅見光彦シリーズの一冊。功なり名遂げた大手インテリア会社の会長である老人が、高級ホテルで浜名湖の夕日を愛でたあと愛知県と岐阜県の境の山間の湖で死体で発見される。死体の様子から他殺と判明するが、彼がなぜ、そしてどこに向かおうとしていたのか、誰にも分からない。そしてその死後一週間して死者からその孫娘に小包が届く。彼女と浅見光彦はわずかな手がかりからその死の真相を解いていき、やがて50年前の事件に行き当たる。なぜそんな昔の事件が今頃になってよみがえったのか。心ある人は自ら封印した過去から逃れることは出来ない。その痛切な思いとその志を死者から引き受けた光彦のとった解決策とは。
いつもながらたいへんおもしろかった。シリーズの中でもよくできている物語だと思う。映画化してもよいのではないか。久しぶりに足助に行ってみたくなった。

名越康文著「心がフッと軽くなる『瞬間の心理学』」(角川SSC新書)

心の持ちようで生き方は楽になる。時代の閉塞感から人は絶望感にとらわれてしまう。そのこころのこわばりのようなものを解きほぐすテクニックをアドバイスしてくれる。心がとらわれて頑張るエネルギーのない人に『頑張れ!』といっても頑張れないことにさらに絶望してしまう。そのような激励の書ではない。全く違うわずかなことで心の切り替えスイッチの入れる方法を教えてくれる。
最近まわりにうつ傾向だったりマイナス思考にとらわれている人を見かけることが多くなった。激励しても救われない感じだ。どのようにその堂々巡りの世界から抜け出すのかアドバイスしたいと思ってこの本を読んだ。人はなかなか自分を相対化してみることが出来ないもののようだ。自分を自分の外側から見ること、瞬間でもそれが出来るようになるとずいぶん救われるのだろうが、それが出来れば絶望はしないか。むつかしいものだ。とらわれているものとの間に隙間を作り出すこと、瞬間の訓練が自分を楽にする道なのか。

2011年7月 5日 (火)

安野光雅編集「中野好夫エッセイ集 悪人礼賛」(ちくま文庫)

中野好夫は1953年に東大教授を辞任してから評論家、平和運動家として在野で活動。1985年没。戦後すぐの1946年から1950年代のものを主体に1970年代までの文章を安野光雅が編集した。柔軟性のある硬派と言おうか、自分の信念は信念として、他人の意見も切り捨てずに静聴する懐の深い姿勢が大人を感じさせる。ともすると日和見に見られてしまうのは相手を尊重するからであるが、読みが浅いと旗幟を鮮明にしていないように見えてしまうのかもしれない。画家である安野光雅がここまで敬愛するのはその大人の生き方の故なのだろう。じっくりとした文章は、戦後すぐの、戦争に対する反省、日本が自衛隊を発足させたこと、日米単独で講和条約を結んだこと、安保について、めまぐるしく状況が変わる中で、その時々に戦争終了直後を振り返りながら自分の考えを述べていく。戦後昭和史を復習するためにもよい勉強になる。今、憲法改正についてどう考えるのか、この本は大きな指針を示してくれている。中身が濃いので読むのに時間が必要だが、今のマスコミの軽すぎる論調に毒されたあたまをもう一度リセットするのによい本だ。

ジョー・ゴアズ著「ガラスの暗殺者」(扶桑社文庫)

新大統領就任の日、暗殺をほのめかす手紙が届く。新大統領にもその側近にも思い当たる人物があった。プロ中のプロであるその人物の行動を予測し対策をとるため、側近のひとりでFBIの長官を狙う特別捜査官は、多くの人物の中からその容疑者に対抗できると思われる人物を選び出す。元CIAの暗殺者で、妻と子を失ったあと引退し、現在はアフリカに移住して、野生動物の密猟者の監視員をしている主人公だ。彼を任務に就けるため、FBIは彼を罠に掛け、アメリカに引き戻す。不本意ながら協力を余儀されなくされた彼は、容疑者のプロフィールを知れば知るほど自分によく似ていることに驚く。そして容疑者の行動をトレースしていくことで思ってもいなかった事実が明らかになっていく。そして突然彼はその役割からのけ者にされる。主人公はもちろん独自に調査を続けていく。読み出したら途中でやめられなくなった。容疑者コーウィンと主人公のソーンがついに最悪のかたちで遭遇するあたりから山場だらけとなる。著者の巨匠ゴアズは今年の1月、なくなったという。残念だ。この本はとにかくおもしろいので夜に読み出したら徹夜覚悟が必要です。

吉村昭著「三陸海岸大津波」(文春文庫)

これは昭和45年(なんと40年も前)に、過去何度も三陸海岸を襲った大津波についての記録と証言を詳細に調査して報告したもの。田野浜、田老、宮古、山田、大槌、釜石、女川、と今回の大震災で大被害を受けた地名がこの本に頻出する。まるで今回の震災についてまとめられた記録を読んでいるようである。はたして今回の震災についてこれだけ臨場感とリアリティのあるものをまとめられる人があるのだろうか。吉村昭が今はないことが惜しまれる。今回の震災の全貌はこれからまとめられることだろう。日本人はそれを見る前にまずこの本を読んで三陸海岸の津波について予備知識を持ってほしい。テレビの映像よりも間違いなくその実像が実感されるだろう。200ページ足らずの文庫本であり、読むのにそれほど時間はかからない。繰り返すが、テレビで見ることで事実を見ているつもりになっているが、この記録を読む方がはるかに自分の問題として現実感があることに今更ながら驚かされる。

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