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2013年11月 9日 (土)

矢月秀作「もぐら 凱」(上)(下)(中公文庫)

 「モグラ」シリーズもこれで7作目。2作目まで読んだところでこれは長くなると思い、もう新しいのが出ても買わないことにしようと思っていたのに気がついたら全て読んでしまった。さいわいこの第7作でシリーズは完結したので悩まなくてすむ。

 格闘シーンなどがよく描かれていて面白いからどんどん読み進められる。だから昨日の夜から読み始めて半分徹夜で上下二冊を読み終わってしまった。

 それなのになぜ買うのに逡巡するようなことがあったのか。

 はっきり言って主人公たちが賢いのかアホなのかよく分からない。そして敵の目的もなんだか合理性を欠いているように思う。ただ凄まじい闘いを設定するためだけに全てが組み立てられているのだ。復讐に燃えるためには仲間が殺されなければならない。その仲間がどれほど大事でも無意味に殺されてしまう。そしてどう考えてもおかしい人物が実権を握ったりする。

 物語はそうしたものだ、と言ってしまえばそれまでなのだけれども、あまり無理があると嘘くさくなってしまう。そして登場人物たちの動きに歯がゆさを感じてしまう。

 警視庁の中に「モール」と呼ばれる極秘の部署がある。通常の犯罪ではなく、テロリストや重火器などの武装組織を調査し、その行動を阻止して逮捕するのが役目だ。モールというのは言うまでもないがモグラのことだ。

 極秘であるはずなのにそのモールのメンバーがターゲットにされ、襲われ、重傷を負う者、ついには死ぬ者も出てしまう。

 この時点で内部からその情報がリークされているのが明らかなのにそちらの徹底的な調査がなされないままだというのが信じられない。オトリ情報でも流してあぶり出せばいいのに、狙われていることが分かってもひたすら聞き込みなどをしている。

 主人公は前作で「モール」から離脱して沖縄で暮らしていた影野竜司。敵の最重要ターゲットであることが判明し、自らも襲撃されたことから「モール」に復帰してその超絶的な戦闘力を発揮する。

 そもそも一握りの人しか知らない竜司の居所がなぜ知られたのか、それをたどるだけでスパイが分かるし、読者には明らかにされている。こんなところを見逃しておいて仲間がさらに見殺しにされる事態を招いている。

 まあこんな悪口を書くのも死んで欲しくない者が死ぬからで、こちらが甘いのかもしれない。

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