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2013年11月25日 (月)

大沢在昌「ブラック・チェンバー」(角川文庫)

 昨年5月にハードカバーで出版されたものの文庫版だが、もしかして一度読んでいるのではないか、と内心心配したが初読だった。最近は自分の記憶に自信がないのだ。

 主人公の刑事・河合の風采は中年で「ずんぐりとして色の浅黒い男」だ。そしてそれ以上の描写はついに最後まで無い。だから新宿鮫の鮫島警視のような、よく見れば格好のいい男ではない。

 この河合がロシアマフィアらしき男を外人バーで張っているときに拉致されて殺されるところから物語が始まる。車に押し込まれ、密かに殺されて埋められるのが必至の状況から助け出したのが「ブラックチェンバー」という秘密組織だった。

 こうして彼を拉致した人間たち共々行方不明というかたちでこの世から消えた河合は、一年後その組織の一員として活動を開始する。台湾に潜伏して一年、訓練を受け、最初の使命でタイに渡り、自分の抹殺を計ったと思われるロシアマフィアの男の尾行を開始する。そしてその男が接触したヤクザと接触を図るのだが・・・。

 そのロシアマフィアが河合の目の前で殺され、事件は急転する。不可解な展開に翻弄されながら河合はタイから日本に戻ることになる。

 巨大組織になった日本のヤクザの山上連合とロシアマフィアとの関係を追求するうちに、その目的が次第に明らかになるにつれ、河合は自分がなぜブラックチェンバーにスカウトされたのかを知ることになる。

 河合のボディガードとして常に行動を共にする小柄な女性・チヒは元北朝鮮の凄腕の工作員だった。とりつく島の無いチヒとのやりとりの中で次第に心が通い出すところが切ない。

 いったい背後に何があるのか。謀略の全貌が明らかになるとともに、河合たちは絶体絶命の状況に追い込まれる。これ以上はネタ晴らしが過ぎるのでここまでとする。とにかく大沢在昌の小説は必ず楽しめて外れが無い。この本も読みだしたら一気に読める面白い小説だ。

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