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2013年11月 4日 (月)

中野美代子「なぜ孫悟空のあたまには輪っかがあるのか?」(岩波ジュニア新書)

 岩波ジュニア新書はジュニア向けという建前なのだろうが、シニアが読んでも面白そうな本が並んでいてそのうちの何冊かを読んだことがある。

 著者の中野美代子は1933年生まれと言うから御年80歳のはずだが、西遊記に隠された数字パズルを絵解きして見せるその頭脳のさえはこちらがついて行けないくらい鋭い。あやかりたいものだ。

 中野美代子は岩波文庫で「西遊記」全10冊を翻訳している。この「なぜ孫悟空のあたまには輪っかがあるのか?」という本では、その岩波文庫を脇に置いて読むように勧めている。細かいコラム形式に西遊記を分析していくときの引用がこの訳本だからだ。

 誰でも知っている「西遊記」だが原文を訳したものを通しで読んでいる人は少ないだろう。そしてこの物語の本当のおもしろさはストーリー全体の流れよりも100回に別れている小さな物語の連続の中の細部にあるのだ。

 物語全体の構成をその細部が矛盾なく強固に支えていることを著者は明らかにしていく。考えすぎであり、こじつけだろう、と最初は思うけれども、次々にそれを裏付ける事実が提示され、ついには納得させられる。これはジュニアには荷が重いしもったいない本だ、と思うけれどもやはりジュニアの柔らかい頭にこそふさわしいのかもしれない。

 「カプレカルのループ」などという数学がひょいひょいと飛び出すあたり、この中野美代子という人、なかなかすごい。脱帽して楽しませてもらった。岩波文庫版「西遊記」、揃えてみようかな。

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