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2013年11月26日 (火)

片田珠美「他人を攻撃せずにはいられない人」(PHP新書)

 他人を攻撃する、ということは単に相手に暴力を振るったり、言葉で相手を非難罵倒するということだけではない。いかにもおためごかしでやさしく親切にみえても、その裏に相手を支配し屈服させようとしているものをも含む。著者によれば攻撃の目的は支配なのだ。

 支配しようとする攻撃者にその自覚があることもあるが、多くは無自覚ではないかと思う。そして攻撃を受けている側にもそれが自覚されずにいることも多い。この本では攻撃対象になりやすい人についても詳しくその性格の傾向が述べられている。

 この本では、そのようなあまりお近づきになりたくないような攻撃者の事例が繰り返し、しかも数多く挙げられ、その心のからくりが説明される。そして最後にそれに対する防御法が書かれているが、それがいかにも心許ないことを著者も認めている。

 つまり「他人を攻撃せずにはいられない人」に対して対処するのはほぼ不可能なのだ。なぜか。そのような人は自分が正しいという確信の元に行動しているので、それを否定するいかなる物言いも全て自分に対するいわれのない攻撃としてしか認知できないからだ(私が正義の味方が嫌いなのはその故である)。ある意味で自分の負の部分を認めることが出来ない弱い精神の持ち主とも言える。

 この本に興味を持ったのはこのような攻撃的な人の心理を知りたいと思ったことと対処法だったが、それ以上に、もしかして自分自身がその「他人を攻撃せずにはいられない人」かも知れない、という内心の不安があったからだ。しかし人は時に攻撃的になり、時に人の攻撃を受けるもので、常に「他人を攻撃せずにいられない人」というのはこの本であげられた極端な人を除いては少ないだろう。そしてそれはある相手との関係で生ずるものでもあるのだ。

 人の関係は不思議なもので、自分にはどうしても苦手な人が他の人には平気だったり、その逆があったりする。支配や攻撃も相手によるのかも知れないが、この本では煩雑になりすぎるからか一方的なものが主にあげられている。

 この本を読みながら人間関係だけではなく、国と国の関係もそんなものかと思ったりした。中国と日本との関係、韓国と日本との関係をこの本の見方になぞらえれば、その関係の修復はあまり望めず、敬して遠ざけるしかないことがあらためてよく分かった。

 この本を読んで身の回りを見直せば、いろいろ思い当たることだらけだろう。しかしあまりその見方にこだわると生きにくくなるかもしれない。まあ、何事もお互い様で、ある程度の忍耐も必要なのがこの世の中だ。中国や韓国に言ってみたいが相手にされないだろうなあ。

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