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2014年3月

2014年3月31日 (月)

映像三昧

 能登から帰ってから数日、録画していた映像や、ブルーレイに収録していたドラマや映画を集中的に見ている。

 まず録りためていたNHKBSの「コズミックフロント」のシリーズを見た。宇宙好きにはたまらないシリーズだ。今度ホーキングの特集(これは再放送のようだ)があるらしいので極力録画するつもりだ。

 次にWOWOWで放映していたフランスの警察ドラマ、あのジャン・レノ主演の「刑事ジョー パリ犯罪捜査班」のシリーズを一気に見た。ジャン・レノ主演だからおもしろくないはずがない。全8話、それぞれの事件にパリの名所が関わっているので、ちょっとした観光案内にもなっている。残念ながら第5話が未収録。最近再放送されたので収録予約していたのにブルー・レイの不調で再び収録することに失敗。あきらめて飛ばして見た。

 調べたら回線の接続が外れかけたことによるものらしいと判明。テレビとブルーレイドライブとAVアンプ、それにAVヘッドフォン(映画やドラマはこれで聞くことが多い。これなら近所に気兼ねなく大音量で聞くことが出来る)、スピーカー(センター、メイン、リアの5本)へつなぐ数多くの配線でごちゃごちゃになっている。チェックするのは本当に大変。嫌いではないけれど。

 次にWOWOWドラマ「LINK」全5話を見た。これもとてもおもしろかった。最初無関係と思われた多くの人々が、次第にすべてある事件に関わっていくというパズルみたいなドラマだ。大森南朋が主演だが、特に武田鉄矢の演じた政治家がすばらしかった。この人、益々俳優として味が出てきた。物語全体に無関係のように登場するSOSネットワークというものを立ち上げようとしている綾野剛が、最後にこの物語全体の語り手であること、そして重要な役柄であることが明らかになる。この締め方は絶妙。そして見ているほうは何となく救われた思いがする。

 やはりWOWOWで放映された「私立探偵ヴァルグ」の第4シリーズ全2話を見た。デンマークのドラマだ。北欧のドラマは映像の色調がダークで私の好みだ。内容もかなりダーク。このドラマはベッドシーンが多い。デンマークは唯一ヨーロッパで私の行きたい国。キルケゴールとアンデルセンを生んだ国だ。このシリーズはかなり痛い番組で、主人公は武器など持たずに無鉄砲に相手に突っ込んでいく。しかも犯罪を暴いていくと云うよりも、ヴァルクの行くところに死人やけが人が発生することのほうが多い。生き延びるのが不思議だが、人間、身を捨てるほうがかえって助かると云うことなのかもしれない。

 最後に東映映画「人生劇場 飛車角」を見た。「人生劇場 続飛車角」、「人生劇場 新飛車角」、「人生劇場 飛車角と吉良常」の四部作になっている。これについては別に取り上げる。

2014年3月30日 (日)

梨木香歩「西の魔女が死んだ」(新潮文庫)

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 この著者の、いままで読んできた本よりもこの本の題名はファンタジーっぽいのに、この物語には不思議な話はほとんど出てこない。

 「裏庭」もそうだったけれど、女の子が思春期に入り、大人の女に脱皮していくその過程が繊細に描かれている。

 男の子が少年から男になる時の通過儀礼と同じように、女の子にもそのようなものがあるようだ。というよりも、女の子のほうが実はその変化が具体的で、もっと重要かもしれない。

 その変身は自立を強要する。いや、自立するためには変身が必要なのだ。早く大人になりたい気持ちと裏腹に、いつまでも子供でいたいという思いが葛藤となり、それを乗り越えなければ本当の自立した大人になれない。

 そのイニシエーションを支えるのは誰なのか。この本の場合は、主人公の13歳の少女「まい」の祖母、「西の魔女」である。

 余談だが、内田樹先生によれば、男の子の場合の理想は母方の叔父らしい。

 少女まいは祖母と暮らした日々から二年後、祖母つまり「西の魔女」から約束通り魔女の衣鉢を継ぐ。ラストの、西の魔女からの伝言に気がつく場面では思わずジンとしてしまった。

 いまこうして何かを伝えられ、自立することの出来た大人の女のひとはどれほどいるのだろう。実はたくさんいるけれど、男には分からないのかもしれない。それなら喜ばしいことなのだけれど。

梨木香歩「裏庭」(新潮文庫)

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 日本にこんなすごいファンタジー小説があったとは知らなかった(巻末の解説で河合隼雄も絶賛していた。ただしこの解説は本文を読む前に読んではいけない。物語の意味を解析しているので、本文を読む時にそれに影響されてしまう。本文を読んでからその解釈を読んでなるほど、と感じる方が絶対良い)。

 内容も長さもボリュームたっぷりで、しかもそのイマジネーションの豊穣さは半端ではない。ダン・シモンズの「ハイペリオン」シリーズに匹敵する。河合隼雄はバーネットの「秘密の花園」を引き合いに出しているが、残念ながら「秘密の花園」は読んでいない(余談ながら、バーネットの作品は子供の時、親に買ってもらった「小公子」を繰り返し読んだ。仕舞いには本がばらばらになった。「小公女」はテレビアニメの「小公女セーラ」を涙を流しながら見た)。

 小学校の低学年ではまだ作品理解は無理だろうけれど、それ以上なら大人も含めてたのしめる。ただし、物語の世界に入り込むために、心を開く必要があるけれど。

 この作品の映像化はずいぶん難しいだろうけれど、是非作ってもらいたいものだ。ただし原作とはずいぶん違うものになることは仕方がないと思うが。本ではイメージ化するのが苦手な人にも映像化すればそのすばらしさが分かるだろう。

 娘のドン姫にこの本の話をしたら、読んでいないけれど知っていた。さすがわが娘。先日読んだ「家守奇譚」を貸してあげた。こういう本が好きなはずだ。

奥能登塩田村

奥能登には塩田がある。揚浜式という方法で海塩を作っている。塩田、そして塩に関しての博物館をメインにした道の駅がある。

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潮を汲むおけ。「山椒大夫」で姉の安寿がこの潮汲みをさせられていたのを思い出す。日本人形にこの潮汲みの姿を模したものがあるが、あんな可愛いものではなく、過酷な作業だったろうと思う。

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揚浜式塩田のミニチュア。

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実際の塩田。あいにくの雨のため、ビニールシートで覆われ、作業は休み。

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ポーランドの岩塩。

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ドイツの岩塩。ただの岩石にしか見えない。大きい。

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アメリカの岩塩。これはもっと大きい。若いお兄ちゃんがこれをなでてから舐めて「しょっぱい!」と連れの女の子に云っていた。こちらもやってみたかったけれど、いろんな人が触っているわけだし、実際に舐めたひともいるような気がしたのでやめておいた。

長々と能登の話を書いてきたけれど、これでおしまい。

2014年3月29日 (土)

時国家

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曽々木には時国村がある。ここは鎌倉時代にここに配流された平時忠の息子、平時国が開いた村。時国家はその時代から続いており、いまは時国家と、上時国家の二カ所の屋敷が残されていて中を見学できる。

前回は上時国家を見たので今回は時国家を拝見した。

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一番身分が高い人のための部屋。大納言の間と呼ばれる。中納言以下の人は入れない。天井が高く、造りがこっている。

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端正な床の間。

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庭園がすばらしい。この木戸も風情がある。

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土間には駕籠がつるされている。梁も太い。

こういう屋敷は夏は涼しいけれど、冬は寒いし暗いだろう。

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釣り灯籠というのが何となく好き。

千枚田

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輪島を過ぎてまもなくの所に千枚田がある。海岸に面している千枚田というのはめずらしいのではないだろうか。小雨が降り、何となく薄暗い。まだ冬の田んぼの姿だ。

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他の畦の手入れなど、大変な手間がかかっているに違いない。

しかし潮風を受けたお米は美味いという。たしかに能登や佐渡のお米は美味しい。

能登集古館・南惣(6)

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能登集古館・南惣。右側が母屋で左手が蔵。この蔵の中が展示室。屋敷はさらに右手にも続くのでずいぶん大きな家だ。

輪島からさらに海岸沿いに走ると有名な千枚田があり、その先に曽々木という町がある。曽々木の町に入る手前を右へ入るとこの南惣がある。昔は分かりにくかったが、いまは大きな看板が掛かっているので分かりやすい。

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左手が展示室の蔵。

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庭園。ここは春がまだ遅いようで、冬枯れの景色。

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一回りしたら母屋の玄関に腰掛けてお茶とお菓子の接待を受ける。屋敷の婦人が相手をしてくれる。とても美味しいお茶が飲める。

土産物が置いてある。前回は輪島の塗り箸を買った。今回はゆずを丸ごと使ったゆずようかんを購入した。これが茶菓子に供されてとても香りが良く、美味しかったのだ。

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母屋。真ん中の小さい階段を上がる。手前が駐車場。

ここには人なつこくて(育ちがいいのだろう)姿のいい猫がいるはずなのだが、天気が悪いせいか見当たらなかった。雨がだんだん強くなってきた。

能登集古館・南惣(5)

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展示物では最も大きいものだが、他のものとの違和感がある。何か個人的な曰くがあるのかもしれない。

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南洲と揮毫されている。もちろん西郷南洲、つまり西郷隆盛。

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これは希典(まれすけ)。つまり乃木希典。

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東郷平八郎。

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これはなんと佐久間象山。

このほかに仏像など優れたものがいろいろあるが切りがないのでこの辺にする。

点数としてはそれほど多いと言えないけれど、個人コレクションでこれだけ見応えのあるものは少ないのではないだろうか(あまりたくさんこういう所を知っているわけではない)。

気に入ったものを何度も見に来ていると益々好きになってくる。

2014年3月28日 (金)

能登集古館・南惣(4)

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有名な絵の一部分なのだが、誰の絵だったか失念した。虎なのだけれど猫に見える。

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左端まで入れようとするとガラスが反射してしまう。

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英一蝶。シンプルなのに華やかな絵。

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長谷川等伯。もっといい絵もあったけれど、何とか反射を最小限で撮れたのはこの一枚だけ。

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こんな絵もあった。群盲巨象をなでる、ではないけれど、いまなら差別を理由に非難されるだろう。そういえば座頭市シリーズの中にあんま(盲人)の団体が出てくる。

能登集古館・南惣(3)

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あのなんでも鑑定団の中島誠之助氏が絶賛したという古九谷の皿。実際はもっとくすんで黄色っぽい。30センチ以上の大きなものである。

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私がここの焼き物の中で一番好きなのがこの青磁の鉢。実物はもう少しグリーンがかかった深い色合いをしている。これを見て青磁が好きになった。いま最も好きで日本酒を飲む時に一番よく使うのが韓国で買ってきた青磁の盃である。

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三十六歌仙の屏風。とても美しい。石山切れではないと思うが。

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印籠やそれにつけられた根付けの見事さにはいつも感心する。暗いところで撮ったのでシャッター速度が稼げず、やや手ぶれ気味なのは勘弁していただきたい。

昨晩は娘のドン姫が来た。今回の旅の土産とも言えないほどのものを渡したくて声をかけたのだが、やってきたのが夜中の2時過ぎだったので、それからささやかな酒盛りをして、寝たのが朝方になった。

今度はもうちょっと早く来てね。

 

2014年3月27日 (木)

能登集古館・南惣(2)

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 雪舟。

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これも雪舟。

ガラス越しの撮影なので、画面にライトが映り込まないように極力努力したがなかなか難しい。

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仁清。

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九谷の茶入れ。とても姿がいい。

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朝鮮の焼き物はすばらしい。

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柿右衛門。現代的な感じがする(幼稚な見立てで申し訳ない)。

この南惣のありがたいところは写真が自由に撮れることだ。ただし、常識としてストロボを炊くことは厳禁だ。保存があまり完全とは言いがたいので、強い光で損なう恐れがある。

能登集古館・南惣(1)

今回の能登への旅の最大の目的はこの南惣を訪ねること。ここの収蔵品は、点数は多くないが、逸品が多い。

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唐の時代の陶器。小品だがすばらしい。

南惣へ来るのは三回目か、もしかして四回目だ。展示されているものは大きく変わることはないが、それぞれが優れたものなので何度見ても見飽きない。

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ここの展示物で一番好きな蕪村の俳画。

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芭蕉の直筆。

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これは沢庵禅師の直筆。

今回はカメラの感度設定をかなり高感度にした(安いけれど新しいカメラなので高感度で撮れる)のでようやく満足する写真が撮れた。

主なものをたくさん撮影したので何回かに分けて紹介しよう。

夕食

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昨日の夕食は大変満足するものだった。このほかに揚げ出し豆腐と天ぷらがつく。

酒は宗玄の生原酒を頼んだ。宗玄はこの近く、軍艦島(見附島)の先の恋路海岸にある能登の造り酒屋だ。以前試飲に訪れたことがある。まことにうまい。買って帰ろうかな。

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部屋から軍艦島が見える。オーシャンビューなのだ。斜めに見ているので軍艦らしくないけれど・・・。

風呂(温泉)からも同じように軍艦島が一望できる。こんな所だから潮騒が聞こえるのだ。

今回はちょっと贅沢をしている。

夢千代を想う

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 3月26日。夜になり、風雨が強くなる。窓ガラスに雨が当たる音がする。

 夜半、雨はやんだがまだ風の音がする。風の音よりも強く潮騒の音が聞こえる。

 突然、夢千代のことを想った。彼女が急に母親の跡を継いで芸者の置屋の女将になったいきさつを思い出した。

 夢千代は(もちろんそのときは芸者ではないから夢千代とは云わない)大きな旅館の跡取り息子U(岡田祐介)と恋仲だった。Uの母親に結婚を強く反対されて、Uは駆け落ちすることを夢千代に持ちかける。

 しかし駆け落ちの待ち合わせ場所に夢千代は現れない。やむなくUは独り旅立つ。そのときに夢千代は芸者になことを決心したのだ。

 「夢千代日記」ではこのことは回想の中で断片的に語られるだけなので、私の記憶違いがあるかもしれないが、私にとっての夢千代はそういう背景を持つ女性である。

 夢千代が主に仕事をもらうのがこの旅館である。この旅館の女将がUの母親(加藤治子)であるから、夢千代の心にわだかまりがないとは云えないだろう。

 Uは再び旅館に現れ、母親の反対を押し切ってこの旅館をホテルにしようと画策する。 

 ここに母親に結婚を反対されたことに対する反発があるのは明らかだ。しかしUにはなぜ夢千代が駆け落ちの場に現れなかったのか、その気持ちが理解できていない。

 母親が反対したのは、夢千代の母が被爆者で白血病で死んだこと、そして夢千代も被爆二世であることが理由である。そのことはUも承知している。それでも愛を貫こうとした自分の気持ちがなぜ裏切られたのか、と思っている。

 Uはいまでも夢千代を想ってはいるが、夢千代はもうUを見てもそれほど心が動かない。

 話が長くなったけれど、なぜ夢千代が駆け落ちの待ち合わせ場所に現れなかったのか、なぜ自ら芸者になったのか、潮騒の音を聞いていて突然分かった。もちろんそんな簡単なことはドラマの中で分かっているのだけれど、夢千代の気持ちが本当に感じられた気がした。

 そうして眠れなくなってしまってこれを書いている。

 何故かって?そんなこと自分で考えてください。

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吉永小百合の手形。意外と小さい。

舞台の湯村温泉は海からだいぶ離れているのだが、風向きによって潮騒が聞こえるという。

2014年3月26日 (水)

能登・巌門

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巌門は能登の名所の一つ。巌門洞窟、と書かれた穴をくぐるとこのような場所に出る。

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先ほどの写真の左手の奥はこうなっている。

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離れたところから見るとこんな感じ。右手は私がくぐってきた穴。

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海側から見るための遊覧船がある。絶景らしいが、今度天気がいい時に乗ることにしよう。

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波が荒い。

梨木香歩「家守奇譚」(新潮社)

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 先日この作家の「冬虫夏草」を読んだ。その本の前作があることを知り、本屋で探して購入したのがこの本だ。

 梨木香歩の本は新潮社の文庫に10冊くらい収められていることを知ったので、ついでにとりあえず三冊ほど購入した。

 あの「西の魔女が死んだ」がこの人の作品であることを知った。今回購入した本の中にこの本も入っている。

 梨木香歩の物語は「こんなことがあるわけがない」と思っているとつるりと滑り去って見失ってしまう。「こんなこともあるかもしれない」と心に柔らかさと隙間を持って接すればその物語世界にたゆたうことが出来る。

 目に見えるものだけが世界ではない。世界は、実はあるのに見えないものに満ちている。そんなこと分かっていたのに忘れていた。本当にわくわくしながら読むことが出来た自分がうれしい。

 いま続けて「裏庭」という作品を読んでいるところだ。

トトロ?

本日は能登を走った。午前中は何とか傘なしでもしのげる程度の雨だったが、午後は本格的な雨降り。そういうわけで早めに宿に入った。

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海岸にトトロがいた。うまく見立てたものだ。味なことをする。

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横顔。

相倉集落

五箇山から富山県の庄川へ北上する国道156号線を走ると途中で金沢方面に峠越えをする304号線に出会う。相倉集落はその304号線の峠の途中を少し入ったところにある。

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村の駐車場の横手にかまくらがいくつか作られていた。ここは豪雪地帯なのだ。

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相倉の代表的な家の一つ。白川郷の合掌造りのように大きなものもいくつかあるが、一回り小さいものが多い。

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ちょうど昼時なので天ぷらそばを食べる。天ぷらは別盛り。天つゆはなし。天ぷらに塩味がつけてある。天ぷらは美味しかったけれど、そばは残念ながらいまいち。

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店の横を、除雪した雪を運ぶトラックが頻繁に通る。

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峠を越えて展望台から見下ろす。城端(じょうはな)の町だ。

ここを過ぎれば金沢は遠くない。

今朝起きたらウサギの目をしていた。若い友人たちといい調子で飲んだ証だ。とても美味しい料理だったし美味い酒だった。ありがとう。ちょっと遅くなってごめんね。

2014年3月25日 (火)

歴史は自分で学べ

 (私から見て)若い人たちと金沢で楽しく飲んだ。それぞれの家庭があり、仕事の後であるのにつきあってくれるのは誠にありがたい。

 こちらとしては何かでお返しをしたいところであるが、はて、何も差し出すものがない。

 彼らから「クリミヤ問題」について質問があった。なぜ日本がそれに反対を表明しないとならないのか?

 クリミヤという所の歴史的な背景、ロシア帝国時代からのロシアとクリミヤとの関係、ソビエト時代になぜクリミヤがウクライナに帰属したのか、それを推進したフルシチョフというのはどういう人であったのか、そして日本と中国との関係、それらがすべてつながっているのだ、と説明した。

 こちらも半可通であるが、彼らはそれ以上に知らない。いま歴史は自力で学ばなければならない。そのための本はいくらでもある。

 社会人として日本人は歴史を学ばなければならない。それは自分で本を読んで学ぶと云うことで、誰かに教えてもらうと云うことではない。

 そんなことを吠え立てて、酩酊状態に陥った。本音だからしょうがない。

 日本では残念ながら近現代史は自分で学ぶしかないのだ。ではそれがどれほど幸せなことか、それは学べばよく分かる。

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菅沼合掌集落

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合掌集落は白川郷が有名だが、富山県側にも菅沼集落と相倉(あいのくら)集落が観光に供している。どちらも皆住人が普通に暮らしている。まず菅沼集落を少し高いところから見下ろす。こぢんまりしている。

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村内を一回りして、この店で甘酒と五平餅を戴く。ここへ来ると必ずこの店へ寄る。本当は地酒が戴きたいのだが、ドライブ中ではそれは無理だ。

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ちょっと手元の危なっかしいおじさんが五平餅を焼く。

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ここの甘酒は少し癖がある。田舎の味だ。

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土産はこののれん。遊び部屋に谷川岳ののれんが掛かっているが、かなり汚れてきたのでこれに交換することにする。

このあと10キロあまり先に相倉集落があるのでそこへ向かう。

 

出かける

 リースのスタッドレスを交換に金沢に行く。途中、五箇山の合掌集落を立ち寄るつもり。夜は金沢の友人を訪ねる。

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 金沢は足かけ六年過ごした街なのでなつかしい。金沢城が近かったので良く写真を撮りに出かけた。

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 明日は能登を一回りする。久しぶりのドライブを楽しもうと思っている。能登では南惣の集古館に立ち寄ろうと思う。ここにある展示物は隠れた一品が多い。何回行っても楽しめる。

 さあ支度をしよう。

2014年3月24日 (月)

残念な訃報

 イラストレーターの安西水丸が脳出血で急死した。

 WOWOWの「W座からの招待状」は、小山薫堂の文章と、安西水丸の味のあるイラストで、ちまたの評判とは別の、ちょっと好い映画を紹介する番組だ。しゃれていて、とても好きな番組である。

 これが見られなくなってしまうのか。とても残念だ。冥福を祈る。

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そんなはずはない

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 先日テレビをぼんやり見ていたら、鬱病になりやすい生活習慣や生活態度について精神科の医者がしゃべっていた。

 15ほどの項目でイエスかノーかを答える形式になっていて、8つ以上○だと少し心配、13以上当てはまるとかなり心配だという。

 私は独り暮らしだから寂しい時もあるけれど、おおむね平気である。完璧主義とは全く違い、かなりいい加減でもある。人が自分をどう評価しようとあまり気にしない。無視されることが嫌いなだけでマイナス評価でも評価してくれるほうがうれしいほうだ。

 だから鬱病傾向であるはずがない。

 ところがこの質問に対して私は13~14の項目でイエスである。もちろんどちらかといえば、というものが多いけれど。

 そんなはずはない。それとも私は自分で思っているよりも鬱の気質を持っているのだろうか。

 この質問が鬱の判定としておかしいとしか思えないのだが・・・。

 そういえば新型鬱病などと云う、どう見てもただの怠け者でしかないものを病気と見る診断がされるようになっている。精神科はすべての人間を患者として取り込もうと画策しているとしか思えない。

 私は断じて鬱病傾向などではない・・・はずだ。

さあ出かけよう

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 happymaronさん、コメントをありがとうございます。おっしゃるとおり、話し相手は大事だと思います。料理するのを楽しむほうなので食事の心配はありませんが、どうしても作りすぎてしまい、何度も同じものを食べることになります。誰かに食べさせるために作るのはうれしいものです。

 ただ、独りに慣れてしまうと、ずっと誰かがそばにいるのも煩わしいだろうと思ったりします。

 時々誰かに会いに行き、会食して楽しく会話し、あとは独りで気ままに暮らす、というのが性に合っているようです。つまりわがままなのです。だから生活がだらしなくならないように自分で気をつけるしかないので、自戒の意味であのような文章を書きました。

 気分転換はなんといっても出かけること。まず嫌いな床屋にでも行くことにしましょうか。そして桜の開花の様子でも見に行くことにしますか。

ひとり暮らしは危険である

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 ひとり暮らしは危険である。

 ひとり暮らしは狙われやすい、などという意味ではない。別に狙われるほどの蓄えもない。

 ひとり暮らしは生活が乱れやすい。うかうかしているとたちまち身の回りが乱雑になり、薄汚くなる。本がそこら中に散らばり、トイレや風呂の掃除も面倒になり、掃除の間隔が長くなり、自分の周辺だけしかかたづけなくなり、出かけるのがおっくうになり、運動不足になり、間食が増え、体重が増える。

 幸い風呂に入ることが好きだし、洗濯も嫌いではないから不潔にはならずにいる。床屋に行くのが面倒で(もともと床屋嫌い)いつの間にか残り少ない髪が伸び放題となる。

 内田百閒の「続百鬼園随筆」のなかの「撫箏図」みたいな姿になってしまうのだ。

 どこかでスイッチを入れないと収拾がつかなくなる恐れがある、そろそろその潮時か、と思いながらぼんやりしている。

2014年3月23日 (日)

渡部昇一「国家とエネルギーと戦争」(祥伝社新書)

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 原子力というものを存在悪と考える人がいる。核爆弾というのが絶対悪であることについては広島、長崎を見れば当然だろう。ただし、原子力の平和利用というものについて、原爆と同じように存在悪だと決めつけることについては意見の分かれるところだ。

 この本はそのような原子力について嫌悪する人から見ればとんでもない本かもしれない。日本中で福島原発の事故以来原発の危険性が喧伝されて久しいが、これほど公然と原子力発電の必要性と安全性を主張するものを読んだのは初めてだ。ある意味でとても勇気がある。

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 この本の前半部は太平洋戦争についての著者独自の歴史観が披瀝されている。ここで国家にとってエネルギーというものがいかに重要であるのか、ということが語られている。

 かくいう私も、親から日本がアメリカとの戦争を余儀なくされたのは、アメリカが石油を日本に輸出しないという措置を執ったからだ、と聞かされて育った。アメリカがそのような措置を執った理由はどうあれ、日本を追い詰めたことは歴史的な事実である。

 福島原発事故の直接的な原因は津波による電源喪失であり、それが原子炉の冷却を不能にしたことによる、というのが今のところのすべての公的調査の結論である。

 つまり電源を喪失しなければ他の原発同様問題は発生しなかった。

 だから原発は安全であり、日本にとって原発は絶対に必要なものなのだ、というのが著者の論理である。

 実は私も今回の事故は、原発の危険性による事故というよりもその危険性に対する対策の不備によるものであり、しかも電源喪失後の処理の不手際によるものである、と考えている。つまりほとんど人災だと思っている。

 電源喪失を想定した対策を不要、と断定した責任者がその責任を何ら追及されていないことに怒りを覚えている。震災のあとの福島第一原発の緊急事態に対して、適合するバッテリーがない、などという信じられない事態、そして切迫した状態なのに指揮系統が混乱し、責任をとる気がない人間が口を出していたずらに時間を空費した。

 避難についてもスピードという放射能拡散のシミュレーションデータがあるにもかかわらずそれを隠蔽し、避難民を被爆させた。あのとき岸輩の質問に対して政府はなんといったのかはっきり覚えている。停電でスピードのデータがない、と答えたのだ。そしてほとぼりが冷めた頃、実はスピードは機能していてデータがあることが明らかになると、なんといったのか。データを公表するといたずらに混乱を招くから、といったのだ。

 この感性が民主党菅政権の体質だった。尖閣で中国漁船が海上保安庁の船に体当たりしたビデオを公開させなかったのは民主党政権だった。

 その御本人が原発即時反対の旗頭というのだからその鉄面皮ぶりには開いた口がふさがらない。

 本の内容から離れすぎた。

 もし電源喪失しなければ事故にはならず、さらに冷却が可能であればやはり炉心溶融にならなかったかもしれない。そうすれば日本の原発は安全であるとして今頃は全く違う世界が展開していただろう。

 いま原発が停止して年間3兆4000億円エネルギー調達費用が増額している。この本でもしきりに言及されているがいま日本は一日100億円ずつ余分な金を払っているのだ。

 原発事故の責任者はどれほどの損失を日本に与えたのか。その自覚はあるのだろうか。

結論は急ぐな!

 ある研究のために、蚤に芸を仕込んだ学者がいた。苦心の末、「跳べ!」と命令するとその言葉通り跳ぶようになった。

 学者はこの蚤の前足を取り去って命令した。「跳べ!」。蚤は命令通り跳んだ。次に真ん中の足をもいで再び命令した。「跳べ!」。蚤は苦労しながらもけなげに命令に従い跳んだ。

 さらに学者は無慈悲にも残った後ろ足をもいで命令した。「跳べ!」。蚤はもちろん跳ぶことが出来なかった。

 学者はこの結果を見て喜んで叫んだ。「ついに蚤の耳は後ろ足にあることを発見したぞ!」。


 韓国のある教授が中国で統計調査を行ったところ「韓流ドラマが好きな中国人は、低学歴、低収入の傾向がある」という結果だったことを発表した。

 これに対して韓国内で激しいバッシングが浴びせられ、この教授が謝罪を要求されたというニュースが報じられていた。

 この調査結果に対しては韓国の朝鮮日報が抗議文を掲載し、賛同者が多数いたようで、教授も謝罪に応じる姿勢を示しているが「誰かをおとしめる意図は別になかったのだが・・」とつぶやいているらしい。

 統計結果をただ発表しただけで、韓流ドラマを見る人間は低学歴で低収入の人だ、と結論づけたわけではないのだけれど。

 低学歴の人は就職難で暇だから、韓流ドラマでも見るしかないのかもしれない。そんな風にしていれば低収入になるのは当然だろう。

 日本の韓流ドラマファンを調査したらどうなのだろう。

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2014年3月22日 (土)

映画「ヤコブへの手紙」2009年フィンランド

 監督クラウス・ハロ、出演カーリナ・ハザード、ヘイッキ・ノウシアイネン。

 佳品。登場人物は少なく、舞台も限られている。

 終身刑で服役していたレイラ(カーリナ・ハザード)は恩赦で出所する。彼女は外部との一切の関係を断っていたが、その彼女にヤコブという牧師から身を寄せるよう要請する手紙が渡される。

 他に行くところもない彼女は、田舎に住むその牧師を訪ねるのだが、牧師は盲目であった。身の回りの世話など出来ない、と冷たく言う彼女に牧師は自分の代わりに手紙を読んで返事を書くことだけして欲しい、と頼む。

 こうして二人の生活が始まる。

 手紙は牧師に対する人生相談であり、自分のために祈って欲しい、と云うものばかりだ。レイラは無表情で手紙を読む。彼女の閉ざされたこころは全く開く気配がないように見える。

 淡々とした日常にも多少の波風も起こる。やがて手紙が全く届かなくなる。ヤコブは自分が必要とされない人間になってしまった、と歎く。そしてそれはそのまま自分が神からも必要ではないと宣告されたように感じてしまう。

 ヤコブの衰えを目の当たりにしてレイラは牧師の家を去ろうとするのだが・・・。

 最後にレイラがどのような罪を犯したのか、なぜ恩赦があったのかが分かる。その瞬間レイラとともにこちらも熱いものがこみ上げてくる。

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消費税を上げると戦争になる

 風が吹けば桶屋が儲かる、という。ではどうして消費税が上がると戦争になるのか。

 極端な反日のコメントをすることで人気のある中国人民解放軍の少将が、「日本では4月1日に消費税が上がる。これに国民が強く反発する。安倍政権は国民の目をそらすために憲法改正を進め、ついには捨て鉢な行動をとって尖閣諸島で軍事行動を行うであろう」として、中国はそれに備えるべきだ、と述べた。

 この人、南京虐殺記念館の前に日本のA級戦犯14人がひざまずく像を設置せよ、と主張して一部から喝采を浴びている。これは国際的な正義の力による邪悪な力に対する制裁、なのだそうだ。

Dsc_0234 ひざまずく秦檜夫婦

 妄想患者みたいなこの人について「少将は軍人であり、学者だ。北朝鮮核問題に関する見解はすばらしい。彼の提案は情に合い、理にかなっている。テレビでの軍事評論も、最も視聴者に歓迎されている」とツイッターには大絶賛する書き込みがあったそうだ。

 ところがこれがご本人自身が書き込んだらしいと云うことで非難と嘲笑が殺到しているのだそうだ。

 あまりにも見え見えだったので、実は誰かがご本人のアカウントを使っていたずらで書き込んだのかもしれないとも云われているが、人民解放軍は軍備拡張を正当化するために宣伝にいそしんでいるようだ。

墜ちない方がいい

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 少し前のニュースだが、中国陝西省の渭南市で攻撃ヘリコプターが墜落した。乗員二名は周辺から駆けつけた住民に救助され、病院に搬送されたという。

 環球時報は「墜落したヘリは燃えなかった」「燃料漏れや有毒ガスの発生もなかった」とした上で、「中国の新型ヘリコプターの墜落時の耐久性、安全性が明らかになった」と報じた。

 墜ちても安全なヘリコプターというのはすばらしいが、墜ちない方がいい。

2014年3月21日 (金)

一斉に訪中

 民主党の面々が一斉に中国を訪問することを中国の一部メディアが取り上げていた。

 中川正春、渡部周幹事長代行、細野豪志前幹事長、岡田克也元代表など、さらに野田佳彦前首相まで中国を訪問する。大畠章宏幹事長も訪問の予定だったが、国会の日程もあり、今回は行けなかったという。

 その目的は日中関係改善らしい。しかし尖閣問題など、日中関係をここまでこじらせたのは間違いなく民主党政権時代のことだった。

 中国や韓国から日平関係の齟齬、それにより日本が弱体化したと思われ、言いたい放題やりたい放題しても大丈夫、と思われた、つまりなめられることになったことの責任は民主党政権にある。

 いま安倍政権が強い反発を両国から受けているのは、与しやすし、と思っていた日本が、再び毅然とした態度に出たからである。

 そのことを自覚しての訪中行動ならば良いが、中国と口をそろえて安倍政権批判などをしゃべらされるのではないかと心配だ。

 特に野田佳彦氏が訪中する、ということに腹が立つ。尖閣問題の処理を最悪の形で行い、中国の権力闘争に影響を与え、あの反日暴動に火をつけたという自覚がないのだろうか。まさか謝罪に訪れるつもりではないだろうなあ。

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損害

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 韓国貿易協会の下部機関、韓国貿易研究院が発表した年度報告によれば、2013年の韓国の対日輸出額が10.6%減使用したという。二けた減少は初めてのことだそうだ。もちろんこれは円安ウオン高によるもので、日本の量的緩和が影響している。

 韓国貿易協会が、韓国企業300社あまりにアンケートしたところ、日本の「量的緩和」により95%の企業が対日貿易で損害を被った、と答えた。輸出交渉、契約が不利になった、輸出額が低下したなどと回答したという。

 言葉尻を捉えて申し訳ないが、「損害」という言葉が気になった。岩波国語辞典で調べたら「事件などにより受ける不利益。」とある。広辞苑では「損ない傷つけること。不利益を受けること。損失。」 とある。「損失」を見ると、「損ない失うこと。利益を失うこと。損害。」とある。

 ニュアンスから行くとこの場合は「損害」ではなく「損失」とするのが妥当に思う。「損害」では、ある相手にその責任を求めるもののような感じがする。「損害賠償」と云うが「損失賠償」とは云わないことからも違いが分かるではないか。

 このニュースの元は「Record China」であり、それを「人民網の日本語版」が伝えているので、元々がどうであったのか分からない。しかし日本のせいで損をした、という気持ちが表れているように思うのは考えすぎだろうか。そんな気持ちなら損失補填を要求する心も当然胚胎するだろう。

 でもそれを云うなら(政策的に)ウオン安を続けたことで、日本が韓国から甚大な「損害」を被ったことをどう説明するのだ。

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水郷

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 幸奈さん、コメントをありがとうございます。

 長江(揚子江)の下流に当たる地域は数多くの湖とそれをつなぐ運河が四通八達しています。一帯を水郷と云い、蘇州をはじめ、水運で栄えて数多くの富豪を輩出した街もあります。

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 蘇州と云えば「蘇州夜曲」が有名ですし、張継の「風橋夜泊」は日本人によく知られ愛された、蘇州を詠った漢詩です。

 「蘇州夜曲」に歌われたイメージとは異なり、水は濁りやや異臭のすることは残念ですが、運河に柳、丸瓦の家々、行き来する小舟の景色は一見の価値ありです。

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2014年3月20日 (木)

絵を飾る

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 母の介護をしているついでに本棚を整理した。ほとんどの本は私が持ち込んだものだ。本棚に置いておくべきではないものをまとめて片付け、本の系統をある程度統一したらすっきりした。

 そうしたら、以前蘇州で土産に渡した絵が箱に入ったままになって突っこまれているのを見つけた。絵と言っても蘇州シルクの刺繍画だ。色鮮やかなものばかりの中から、あえて単色のものが気に入ったのでそれを選んだ。実はシンプルな分少しだけ安かったからでもある。

 これから掛けて楽しむこともなさそうなので黙って持って帰ってきた。

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 もう一枚、これも確か上海かどこかで買って、以前縁のあった人にプレゼントした小さな絵だが、今個室に飾ってある。個室も個室、用を足す部屋だ。これもせっかくあげたのに、何年もしまったままになっていたので腹を立てて持って帰ってきたものだ。それが理由というわけではないけれど、それからずっと会っていない。

 たまたま両方中国のアーチ型の小橋がモチーフだ。自分で気に入って買ったものは自分で飾るのが好いらしい。

 今朝まで娘のドン姫が帰っていた。話をする機会が増えたら感性が似ていることに気が付いてうれしくなった。親子だから当たり前だけど。 


 今夕は兄貴分の人たちと四人で名古屋で飲む。連休前なのでどこの店も混んでいるらしい。一応予約は入れたけれど、次の予約があって二時間くらいしか余裕がないらしい。東京方面に帰る人もいるのでちょうど良い。今ちょっと待ち遠しい気持ち。

不可抗力

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 世の中には自分の力だけではどうしようもないことがある。天変地異ももちろんそうだし、不治の病にかかることや戦争や事故、犯罪に巻き込まれるという不運もある。

 今現在がとりあえず無事であること、一息つけること、が実はしあわせなことなのかも知れない。

 生きている人間は必ず死ぬ。今まで死ななかった人はいなかった。人はそのようなものとして生まれた、と云うのも不可抗力かも知れない。

 老母の介護をしていてそんな事を思う。

 だから全てあきらめろ、と云うことではないけれど、過剰な医療らしきものを見ていると無駄なあがきに感じる。

 医療は延命に過剰なエネルギーを注ぐより、老後を快適にするための方策を充実していくことに努力してくれると大変有難い。さいわい世の中の風潮はその方向にあるように思う。

 マスメディアはその啓蒙に寄与して欲しいものだ。マスメディアは世の中の風潮に迎合しながらその意見を変化させていくから、常に現実より一歩遅れる。もう少し先を読む力をつけて欲しいものだ。

2014年3月19日 (水)

ソメイヨシノの原産国

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 桜が大好きだった。今も好きだけれど「大」はつかない程度になった。お酒付きの花見は大好きだし、ただ花を見るだけでも何だかワクワクする。上野の桜、千葉の桜、熊谷の桜、新潟の桜、福島の桜、弘前の桜、最後は札幌の桜と行脚したこともある。

 記憶に残るベストは高遠の桜。次いで弘前城の桜だ。樹の下から満開の桜の花越しに空を見るのも好いし、遠景にぼんやり霞む桜も好い。暖かな春の日の下、花見のさざめきをかすかに聞きながらぼんやりする、なんて言うのは最高だ。山道を走っていて、桜の大木が一本だけ満開に咲いているのに出会ったりしたら、夢の中にいるみたいな気がする。

 韓国のスポーツ紙が、日本で愛されている桜、ソメイヨシノは韓国の済州島が原産地である、と報じた。

 そう言えば数年前に済州島へ行った時、ガイドがとくとくと「ソメイヨシノは済州島が起源」と言っていたのを思いだした。そんなはずがないから否定したけれど、そう思い込んでいる様子がただならなかったので、まあいいや、とそれ以上反論しなかった。

 
 ソメイヨシノは江戸時代に日本で交配によって作られた桜である。エドヒガンという種類とオオシマザクラと云う種類を掛け合わせたものだ。そうして作られた一本を、次々に接ぎ木や挿し木をして増やしていった。だから全て同じDNAを持つ。ソメイヨシノはサクランボにならない。つまり種が出来ないのだ。

 済州島にはエドヒガンが自生している。ただしオオシマザクラは自生していない。エドヒガンがソメイヨシノの親であることは確かだけれど、そのエドヒガンが自生するからソメイヨシノが済州島の原産地である、と云うのは如何にも無理筋だ。

 その説にはそれなりの理由があるらしいけれども、科学的には間違っている。ソメイヨシノは自生はしないのだ。

 今に韓国がソメイヨシノを韓国起源として世界遺産登録しようとするかも知れない。しかしそれは恥をかくだけに終わるから止めた方が良い。

信じられない

 民主党の沖縄県連代表で元参議院議員の嘉納氏が11月に予定されている沖縄県知事選に鳩山元首相を擁立する考えを示した、と云うニュースを見て仰天した。

 鳩山氏の周辺によると出馬はあり得ない、と否定しているらしいが、この人のことだからいざとなったら分からない。

 もともとこの鳩山氏の「最低でも県外」の発言から沖縄情勢がおかしくなったいきさつがあるのは、日本国民の多くが強く記憶に残っているところだ。

 信じられないことだが、沖縄の人々の受け止め方は違うのだろうか。信じられないこと、と云うのは、言うまでもないことだが、出馬の是非ではなく、鳩山氏に出馬を要請するその神経のことなのだけれど。

 「トラスト・ミー」と行って裏切った人であり、基地の県外移設を約束しながら簡単に裏切った人であることを沖縄の人々はどう受け止めているのだろう。

 この人が沖縄県知事になったらその約束を守る可能性がある、と信じる人がいるのだろうか。

 民主党沖縄県連がおかしいのか、嘉納氏がおかしいのか。この感性が民主党そのものなら、こんな党はこのまま泡沫党として消滅した方が良い。

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2014年3月18日 (火)

移住

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 昔ソビエト時代にクリミヤをはじめ、ウクライナにロシア人を大量に移住させたという。いまウクライナにいるロシア系の住民の多くは、つまり自分はウクライナ人ではなく、ロシア人という認識なのだろう。

 それならクリミヤで行われた住民投票がロシアに編入されることを選択するのは当然だ。ロシア人ならロシアに帰属することこそ自然だからだ。そして当然だけれど不当だ、というウクライナ人たちの主張も当然だ。

 ソビエトも中国もそれ以外の大国もこうして無理矢理民族を移住させたり入植したりしてそれが争いの火種になっている。日本の満州国建設もそのようなものだったとも言える。

 それを今更正当化することなど出来ないけれど、その禍根はこのように流血を伴う事態につながる。これはチベットしかり、新疆ウイグル自治区しかり。

 どちらかだけに正義がある、という話ではないだけに世界の不条理を強く感じる。

核兵器保有国

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 アメリカは日本が保有している高濃度プルトニウムを返還するように要請している。これは日本が核兵器を保有する国になることを恐れての要請だと云われる。

 香港のあるメディアは軍国主義復活を目指す日本に、断じて核兵器を保有させるべきではない、と論陣を張った。

 同時にある軍事専門家の、日本は平和利用を隠れ蓑に、密かに核兵器の開発を進め、すでに2~3発分の核兵器を生産済みであり、さらに製造中だ、という推定を報じている。

 世界中はその気になれば日本は明日にでも核兵器を生産できる能力があると思っている。日本人が知らないだけで実は・・・。

 これ(あるかもしれない、と思われること)が抑止力になってくれれば、それはそれで有意義だ。無理に完全否定する必要もない。

廉価良品

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 中国製品は安かろう悪かろう、といわれているけれど、そんなことはないらしい。

 中国メディアは、ロシア極東地区では服飾・電子製品市場で中国製品が80~90%のシェアであることを伝え、「良質かつ廉価な中国製品が現地消費者の信頼を勝ち取ったからである」と報じた。

 たしかに中国政府は最近、商品の品質検査規格をきちんと定め、その検査機関も整備されてきており、ものによっては日本よりも規格は厳しく、しかも検査のレベルも高い(日本の検査機関の実務者は非正規雇用のおばちゃんであることが多くなった。中国は大卒の雇用確保のためにしっかりした技術者が検査している、という実態を現地で目の当たりにしたことがある。いまは日本より検査機関の検査精度は中国のほうが高いことがしばしばある)。

 平均的な水準は過去よりも向上しているのは間違いないのだが、それならなぜ中国製品が「安かろう悪かろう」というイメージを払拭できないのか。

 それはやはり不良率の問題なのだろう。全体の品質が上がっても、1000個に一個の不良と10個に一個の不良を比べれば他がすべてすばらしくても、不良率の高いほうが全体の信頼が損なわれるのは自明だ。

 その不良品が検査をすり抜けて市場に流通してしまう現在の中国の体制の不備が、信頼回復を妨げているのだろう。

 品質を上げるためにコストをかけるより、検査をすり抜けるために当局に袖の裏を使ってお目こぼしを願うほうがコストがかからない、などと云うことがまだ一部で通用している間はなかなかイメージの変更は出来ないだろう。

 何よりも中国人自身が中国製品を最も信頼していない。だから局所的なシェアの高さを、製品への信頼としてメディアがアピールせざるを得ないようだ。

2014年3月17日 (月)

南北統一

10 イムジンガンを挟んで向こうは北朝鮮。

 韓国の朴槿恵大統領は南北統一を推進する、と公約している。韓国政府は今年を「南北統一時代の幕開け」として派手にあおっており、マスコミや有識者などは南北統一後の朝鮮半島の未来をシュミレーションして見せる。

 韓国のムードは大変明るくなったと云うことだ。

 それに対して祝砲をあげたのだろうか。北朝鮮は昨日16日に合計25発のロケット弾を日本海に向けて発射した。

 北朝鮮も韓国も南北統一が夢であるから叶わないはずがない。ただし北朝鮮が描く統一朝鮮がどんな国家なのか想像したくないが。

 韓国のシュミレーションでは、韓国の株式市場が大きく成長する、韓国社会の高齢化を15年遅らせることが出来る、年間一億人の中国人が観光にやってくることが期待できる、2~4兆ドルといわれる北朝鮮の地下資源が確保できる、とバラ色だ。

 韓国は人口が中途半端であることが輸出に頼らなければならない理由だと考えている。しかも少子高齢化は日本よりも中国よりも早く進んでしまっている。それが北朝鮮と統一することで解消する、と考えているのだ。

 ところで統一にかかる経費は当然莫大なものだ。見通しでは4兆円以上というのだが、そのうち少なくとも三分の一は日本が拠出することに決まっているそうだ。もちろんそんなことは日本政府も日本国民も知らない話だけれど、韓国政府はそう考えているらしい。

 なるほど、日韓の条約はなかったことにするためのストーリーをいままで創作してきたわけだ。戦後補償は済んだ、という条約そのものが無効である、ということにするため、企業に賠償を求めたり、慰安婦問題に補償を求めたりしているというわけだ。そうして条約そのものを無効とし、あらためて日本に賠償金を出させて経費に充てようという算段らしい。

 ところで韓国の思うような南北統一を北朝鮮が受け入れるのだろうか。案外金正恩はあっさりと受け入れて、金正恩と朴槿恵は二人揃ってノーベル平和賞をもらうことになるかもしれない。日本の金を使って。

 大変めでたい。・・・今日は四月一日か。

梨木香歩「冬虫夏草」(新潮社)

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 この本を昨年の秋に本屋の棚で見つけてから何度も買おうかどうしようか迷った。本が呼んでいるのに、たまたま他に欲しい本があって買いそびれていた。先日漸く購入して、早速読んで、もっと早く買えば良かったと思った。

 本のたたずまいがいい。つまり装丁が好いのだ。これで表紙が布張りなら完璧だ。その分高くなるけれど。

 不思議なことが、何の不思議なことでもないことのように淡々と語られている。語られた世界に這入るには、こちらにシンクロする意志がないと何も見えないかもしれない。

 実はちょっとせわしない状況の時に読め始めて、その異界への入り口を見つけることが出来なかった。この本に期待したはずなのに間違っていたか、などと思ったりした。

 そんなはずはない、と思ってもう一度最初から集中して読み始めたら、いつの間にか物語の世界にいた。 

 いまは、よくぞ呼んでくださった、という気持ちだ。

「繊細と強靱と。いや、その両方が互いを必要とする種類のものだったのかもしれない。それが往還を繰り返させた。凡人は繊細に拘れば強靱が遠ざかり、強靱を貫けば繊細が擦りとられてゆく。そして結局、繊細でもなく強靱でもない、鈍感粗野にして脆弱、という器に成り果てて行くのだ。」

 すごい!

 日本の自然がどれほどすばらしいものであり、それを我々はどれほど破壊してきたのか。

 人間と自然が融合していた時代、人間が自然の存在であった時代の雰囲気がこんなにわかりやすく語られた物語を他に知らない。植物の色、におい、空気の湿り気が見える。そして美しい水の色が・・・。

 その時代はわずかいまから百年ほど前のことだ。

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映画「ソルジャー・ストーリー」1984年・アメリカ

 監督ノーマン・ジュイスン、出演ハワード・E・ロリンズ・ジュニア(名前が長すぎる!)、アドルフ・シーザー、デンゼル・ワシントン(若い)。

 第二次世界大戦末期の陸軍基地が舞台。そこで黒人の軍曹が射殺死体で発見される。この事件の真相を明らかにするためにワシントンから派遣されたのが、当時めずらしかった黒人将校のダヴェンポート大尉(ハワード・E・ロリンズ・ジュニア)。

 事件は取るに足らない黒人の死、という扱いで基地のMPの捜査はおざなりであった。それを地道に調査していくダヴェンポートに基地の人々は非協力的である。黒人差別が当たり前の社会のなかで、彼は権限を主張し、強引に捜査していくうちに次第に事実が明らかになっていく。

 彼の部隊の兵士たちの証言から、殺された軍曹の実像が浮かび上がる。白人と黒人との対立ばかりではなく、白人に迎合する黒人と反発する黒人、そしてそんな対立など存在しないかのように生きる者。

 そうしてダヴェンポートはある兵士の自殺に殺された軍曹が関わっていたことを突き止める。

 最後に明かされる真実は基地のすべての人にとって意外なものだったのだが、それはダヴェンポートにとっても苦い記憶として残される。

 差別される側の問題というものを考えさせられた。もちろんその問題は差別があるから起こる問題なのだが。

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居候

 弟の嫁さんは働き者である。

 母の介護の手伝いということで弟の家に居候している。しかし下の世話をはじめ、たいていのことは弟の嫁さんがする。私はぼんやりそばで見ているだけのことが多い。

 母の話し相手でも出来れば一番いいのだが、発語障害のために会話が出来ないから残念ながらそれもかなわない。

 この発語障害はいくら検査しても原因が分からない。結局心因性のものではないか、ということになった。

 つまり本人はそのつもりがなくても、無意識に会話を拒否しているのかもしれない。

 年齢相応の知的能力の衰えはあるようだが、いろいろな反応からこちらの話はおおむね理解しているらしいことは察することができる。

 全く役立たずと云うことではないけれど、本来の怠け者である私は、出来ることを積極的に手伝うでもなく、そのくせ何となく居心地の悪い思いをしたりしている。

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2014年3月16日 (日)

陳舜臣「英雄ありて」(たちばな出版)

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 帯には「劇的な中国史を駆け抜ける英雄たちの人間ドラマ」とあるけれど、章立ては「史記の旅」「三国志の旅」「唐詩の旅」「西遊記の旅」「水滸伝の旅」となっており、中国史の英雄が描かれているのは「史記の旅」と「三国志の旅」だけである。そういう意味では看板に偽りありか。

 この本が出版されたのは2005年だけれど、陳舜臣にしては若書きだと思ってよく見たら、1983年に講談社から出版されたものの再版であった。

 内容的には中国について初心者向けにとてもわかりやすく書かれている。だから読みやすい。しかしこのたぐいの本を読み慣れている人にはもの足らないかもしれない。

 史実にある人物も架空の人物も取り混ぜて話題にしながらその活躍した時代と場所が説明されている。この本にも雷峰塔が取り上げられている。さらに六和塔についての記述もある。ここで花和尚魯智深が死んだとされている。実際に登った塔なので、何となくうれしい。久しぶりに読み直して、行きたいところがまた増えた。

小泉武夫「不味い!」(新潮社)

 食通とは何を食べても美味しい!と言い、しかもその美味しさの違いを分かる人のことを云うのだと思っている。

 その意味では、小泉武夫はたぶんこの世の食材と料理のありとあらゆるものを食べてきた食通中の食通だろう。大概の人が敬遠するようなものも躊躇なく食べてきた。とても自分では食べる気にならないものを彼が食べた話は、なんだか冒険談を読んでいるようにスリリングでどきどきする。

 その小泉武夫が「不味い!」と云うのだ。よほどのことだろう。しかし彼のすばらしいところは、それでも大概の料理は飲み込み、食べ尽くすことだ(ついにギブアップした話もいくつかある。それはそれですさまじい)。

 私も人が食べられるものならたいてい食べる。蜂の子(父が蜂の巣から幼虫を捕りだしてフライパンでから煎りしたもの)でもサソリの唐揚げ(中国の料理で出た・川エビの唐揚げみたいで香ばしい)でも逡巡したりしない。フナ寿司などのなれ寿司も美味しいと思う。

 この本を読んで思い出した不味いもの。

 生のドジョウ。小ぶりのものをだし醤油に泳がせて飲み込むのだが、のどへ向かうものと口元に出てくるものがある。仕方がないからかみ砕くとさすがに泥臭く、生臭く、酒は醒め、気持ちが悪くなった。寄生虫の心配もある。馬鹿なことをしたものだ。居酒屋のメニューにあった。

 莢をつまむとグチャリとする枝豆。ゆでて売れ残りを冷凍し、解凍して、と言うのを繰り返したものらしい。豆が出ずにつぶれてしまう。とても安い居酒屋だったけれど二度と行く気にならなかった。

 水加減を間違えたご飯。これはすくいようがない。誰でも経験しているだろう。年寄りが、歯が悪いから柔らかめに炊いています、と言う家で食事をしたことがある。ご飯の美味しさが全くない絶望的な味だった。どうしてきちんと炊いたものでおかゆを作ってあげないのだろう。ついでに電気釜の保温を長時間したままのご飯。色が少し黄ばんで臭くなる。それなら冷まして冷蔵し、電子レンジで温め直す方がはるかにうまいのに。

 古くなったピーナッツ。ピーナッツの油は酸敗する。いかにも身体に悪い感じのする味になる。ピーナッツの本場の千葉県生まれなので鮮度のいいものを食べて育った。古いピーナッツほど不味いものはない。平気で食べている人を見ると変に感心する。

 アンモニア臭のする黒ビール。普通のビールではあまり経験しないけれど、たまに黒ビールが飲みたくて注文すると変なにおいのすることがある。たぶんあまり黒ビールの回転が良くないのでサーバーや配管の中で雑菌が発生しているものと思われる。一緒に飲んだ連中はたいてい気づかない。指摘するとそんな味のものだと思っていた、などという。

 スーパーの揚げ物。しばしば買うのだけれど、どうしてこんなに油がべたべたなのかと思うものが多い。揚げる温度が低いのだろうか。ほとんど油が切れていない。若い時と違ってだんだん苦痛になってきた。

 保存の悪いワイン。ワゴンで安売りしているワインの中には掘り出し物の美味しいものに出会えることがある。ところが日当たりの良いところに置いておいたのではないかと思うような味の著しく変わったワインに出会うことがある。いくら安売りでも腹が立つ。不味い。

 不味い日本酒。どうしたらこれほど不味く作れるのだろうと思うような、甘い上に防腐剤臭のする日本酒がある。昔はたくさんあった。海外に輸出する時には防腐剤をさらに添加したという。だから海外でむかし日本酒を飲んだ人はあまりのひどさに日本酒に偏見を持ったことだろう。女性向けに味をやたらにいじりたおしてアルコール度数を下げた日本酒も不味い。それが売れたという話は聞いたことがない。

 思い出すと切りがない。でも小泉武夫も云っているように、不味いものがあって美味いものがあるのだ。

無駄なこと

 2022年の冬季オリンピックに北京が名乗りを上げている。海外記者から「北京の冬季五輪招致は環境汚染から無理ではないか」と質問された北京の副市長は「国家基準に照らした環境対策に取り組んでおり、招致には自信がある」と答えた。

 北京と云っても実際は北京市内から車で3時間ほどの張家口周辺地区が会場になる。現在高速道路を建設中で、完成すれば一時間以内で行ける場所だ。

 中国のネットでは賛同するものも多いが、やはり「2022年までに北京の大気汚染が解消するはずがない。どうせ当選する可能性がない。エントリーするのは無駄なことだから止めろ!」と言う意見が代表的なもののようだ。

 逆に世界が北京の大気汚染を改善するために、前例のないアジアでの連続開催(2018年は韓国の平昌で開催)を決める、と言うのもありではないか。オリンピックを控えた国なら日本に対して強引な武力行使などしにくいから抑止力になるかもしれない。そしてその頃には中国の経済も縮小均衡に入っているだろうから、オリンピックにかかる費用が軍備費を減らすことにつながる。世界平和貢献になるぞ。

 IOCは世界の平和のために北京オリンピック開催を決めるべし。決して無駄なことではない。

2014年3月15日 (土)

ちょっと多弁に

 実家・つまり弟夫婦と母が住んでいて、私が介護の手伝いで滞在している家に、弟の息子夫婦とその子供たちがやってきた。

 つまり甥っ子だが、彼は農業機械関係の会社で働いている。TPPも気になるし、今後の農業の行く末も心配である。当事者としての情報もあり、実情についていろいろ興味深い話も聞くことが出来た。

 伯父さんとしては、日本の農業について日頃思っていることをひとくさり、そしてTPPについての現在の交渉の状況をひとくさり、さらに食料状況についてもご託宣を垂れさせてもらった。

 例によって酒を飲みながらの講釈であるから、多弁である。あまり素直でない甥っ子も、いつもに似ず案外真剣に聞いていた。それだけ将来について思うところがあるのであろう。

 甥っ子が語る話の中に、心ある若者の話がいくつかあった。そういう若者たちが日本の農業の持続と再生に貢献してくれることを切に願う。

 彼らは間に合うのだろうか。

佐々木譲「警官の条件」(新潮文庫)

 800ページ近いボリュームなのに一気に読んでしまう。それほどおもしろい。そしてラストのクライマックスでは胸が熱くなる。

 巻末の解説の最後で、池澤夏樹が「映画ならばこのエンディングに拍手しない観客がいるだろうか」と書いている。これ以上言葉を足す必要がない。

 警察小説が嫌いでない人なら絶対読むべし!

歩調を合わせよ!

 中国の全人代で9月3日を「抗日戦争勝利記念日」、12月13日を「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」と指定するとの連絡を、韓国が中国からの書面で受けたという。

 これを韓国メディアが取り上げ、「抗日が中国の外交方針であるから、韓国も歩調を合わせよ!」という記事を掲載した。

 韓国は日本に対しての戦勝国となりたいのであろう。もしかして韓国は戦勝国と信じ込んでいるか、または思い込みたいのかもしれない。中国と共同歩調を取ることで戦勝国の一員になることを目指しているのだろう。同時に中国の朝貢国の地位にまた戻るつもりらしい。

 こうして韓国は新しい歴史を創造(妄想)する。

 中国経済は減速が見えて、世界の株価がそれによりダメージを受けているけれど、韓国と中国との貿易額は急増している。韓国はすべてを中国にゆだねようとしているように見えるけれども大丈夫なのだろうか。人ごとながら心配する。

 遠からずその結果が現れてくるだろう。

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養老孟司「運のつき」(マガジンハウス)

 養老孟司の死生観や科学観、宗教観、社会観が語られている。終戦という経験、大学紛争という経験が彼にどれほどの影響を与えたのか。そこで自ら立てた問いに半生をかけて考え続けたことが語られている。

 彼は何かの問いに即答する人間ではないのだ、と云い、ひたすら考え抜いたと云う。その結果の言葉であるから思考の脈絡が時に見えにくい。

 これは考えたことの量が多すぎて、言葉に代えるのが追いつかないためだろう。本当に理解するにはかれと同じくらい同じ問題を考える必要がある。

 養老孟司は「人は同じだ」と云う。私は「人は違う」と思う。そして云っていることは同じことである。人と人が同じはずがない。自分自身ですら一年前の自分といまの自分は違うのだ。でも全く違ったら互いに意思など通じない。同じだから思いを伝えることが可能なのだ。しかし同じだから通じると思えば、時に全く伝わらない。

 このことひとつでも、よくよく考え続けると言葉にするのが難しい。

 私も六十歳を過ぎて、死ぬことについて少し身近に考えられるようになった気がする。そして身近になっただけ死に対する恐怖が薄らいだようだ。養老孟司は解剖を仕事としてきたから死については誰よりも深く考えたことだろう。そして「死とは永遠の眠りだ」と達観する。死んでから先は考えても仕方のないことだと云う。その通りなのだけれど、それを考え抜いて達したものと、何となくそう思う、と云うのとは同じようでその境地がまるで違う。

 いつものようにとても読みやすいけれど、一つ一つの言葉の意味を考えると恐ろしいほど奥が深い。時間をかけて考える、その重みは考えたことのない人には分かるまい。かくいう私もこの歳になって漸く考えることの意味がかすかに分かるようになってきたというところだ。

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2014年3月14日 (金)

訪問入浴

 訪問入浴というのがあることは知っていたけれど、実際に初めて目にした。

 専用の車両でやってくるのだけれど、実際に入浴するのは座敷である。組み立て式の浴槽を防水マットの上に置き、お湯は車両から供給され、排水は下水に流す。ホテルの浴槽のように長いもので、ハンモックのようなシートの上に寝かせられてハンドルで上げ下げするようになっている。

 力仕事をする男性ひとりと、ヘルパーの女性、そして看護士の女性の三人で、半ば寝たきりの老母を手際よく入浴させてくれる。

 今回は散髪も依頼した。寝たきりなので髪が長いと、もつれてくしゃくしゃになる。本人の了解を取って少し短めにカットしてもらった。次回は顔や襟足も剃ってもらうことにした。

 やってきて設営し、入浴後最後の片付けを終わるまで30分程度。今回は散髪があったので少々長めになったと云うことだ。ベッドカバーやパジャマなど一式もすべて交換、そのクリーニングもしてくれる。バルーン(導尿カテーテル)のチェックも看護士がする。至れり尽くせりなのだ。褥瘡(床ずれ)は幸いかなり良くなっている。

 髪もさっぱりし、全身を洗い上げてつやつやになった。とても気持ちよさそうで見ているほうも気分が良い。こういうシステムが利用できるというのは誠にありがたい。多少の出費に代えがたいことだ。これも介護保険が使えるからでもあるけれど。

福井雄三「歴史小説の罠」(総和社)

 日本人の近代史は司馬史観に「呪縛」されている、と著者は断言する。

 その司馬史観に「呪縛」されているらしい私にとって著者の視点は目新しいものであった。しかし「呪縛」されているので違和感のほうが強かったことを告白しなければならない。なかなか「呪縛」が強いようである。

 司馬遼太郎が最も書きたかったものはノモンハン事件であると著者は云う。その前提でこの本は書かれている。しかし司馬遼太郎はついにノモンハンについての小説は書いていない。ノモンハンを書きたい、と表明はしたけれど、最も書きたいものであったかどうかも今となっては定かではない。

 著者の福井雄三氏は辻政信の親類か関係者なのであろうか。この本で主張したいことは日本陸軍は世界最強であった、太平洋戦争は海軍が負けた戦いだった、ノモンハンは日本の大勝利だった、旅順攻撃の乃木希典の攻撃は必然的なものであった、等々である。

 そう主張するのは別にかまわない。それなりの理由をそれぞれ挙げている。確かに著者の云うとおり、司馬遼太郎の意見に問題を指摘するひともいるし、どうかと思う部分も当然ある。

 しかしそれだから全否定に近い酷評を繰り返し、「罠」などと断罪するのはいささか過剰な反論ではないか。

 司馬史観に「呪縛」されている人間の迷妄を晴らそうと云うことならばもう少し冷静に、かつ言葉を選んだほうが良くはないか、と思われる。

 ノモンハン事件については今年1月10日にブログで紹介した、森山康平「はじめてのノモンハン事件」(PHP新書)が詳細なデータを元に詳しく書かれていて、なおかつ読みやすいのでお勧めする。福井雄三氏の云うノモンハンの真実としてあげている数字が確かに報告されている。ただし辻政信を弁護するような事実は一切あげられていない。

 辻政信が本来の指揮系統の人物ではなく、オブザーバーの立場で派遣されながら勝手に命令を出していた事実も詳しく書かれている。中国との戦いに暴走した陸軍の体質の権化であることは明らかで、この人物を擁護する、と言う一点のみだけでも「呪縛」されている私としては著者の見解に賛同しにくい。

 本文中に一部の関東軍が終戦時にロシア軍と戦って戦果を上げたことが記されているが、軍隊として当然のことで、ほとんどの関東軍が満州の日本人たちを見殺しにして真っ先に逃げだした厳然たる事実をなぜ書かないのだろうか。

 戦わずに逃げた軍隊を世界最強と云いながら、江戸城を無血開城した勝海舟を、武士としてあるまじきものと批判するのはいかがなものか。もし戦いで江戸の人々に犠牲が出ても戦うべきだった、と云うところにこの著者の本音が見えた気がした。

理由が分かりにくい

 浦和レッズのサポーターが掲げた横断幕が差別的だということでJリーグは今までになかったような厳しい処分を下した。

 処分が迅速であったことは大変良かったと思えるが、なぜこのことがそれほど問題なのか何となく分かりにくい。

 思い出すのは韓国のサポーターがしばしば反日につながる垂れ幕や横断幕を掲げていたことだ。

 今回の横断幕はたぶん韓国のサポーターのこのような行為に対する報復としてなされたものと推察される。そしてそのような行為が他のサポー他の喝采を浴びると考えていたのだろう。だから(彼らにとって)意外な結果に戸惑っていることだろう。

 だからといって同情に値するようなものではなく、韓国の行う愚かな行為の尻馬に乗る、と言う愚かさの上塗りみたいな行為に怒りを覚える人がほとんどだろう。馬鹿の上を行く馬鹿なことをして、世界中の物笑いとなり、浦和レッズを、そしてJリーグを、さらに日本をおとしめた、ということに対しての厳しい処分なのだ。

 この事件のあとどこも報道しないので私の勘違いかもしれないが、浦和レッズだかどこかに韓国の選手が新しく入団したことに対して、いわれのない非難がなされていたようだ。どこの国の選手でもチームに入れば応援するのがサポーターだろう。特定の国の選手に対してのこのような排斥的な反応は虫酸が走る卑劣なものだ。

 今回の横断幕にはもちろんその意図がある、と私は感じているのだが。

 ところでいまこの件に関して最も注目しているのは韓国の反応である。この事件を大々的に取り上げるのか、それともそれに対する迅速な日本の処分を報道するのか。処分に対して韓国自身が自らを見直すところまで行けばすばらしいが、どうだろうか。

長谷川慶太郎「日本はこう激変する」(徳間書店)

 昨年秋に出版された「2014長谷川慶太郎の大局を読む」以降に新たな事態がいくつも発生したので緊急出版したそうだ。だから副題は「2014-15長谷川慶太郎の大局を読む」となっている。

 相変わらずの景太郎節が炸裂する。ご託宣の数々が独自の情報を元に下される。「こうなる!」と断言されるから「ははーっ、さようでございますか」と承ることにしている。そのほうが気持ちがいい。

 断定の根拠は意外な情報であり、普段私がお目にかかるニュースからは得ることが出来ものことが多い。そして意外と大筋では当たっていることが多い。ただ、予言が過剰で希望的であることを割り引く必要があるが。

 とにかく日本もアメリカも大丈夫らしい。

 

2014年3月13日 (木)

鳥インフルエンザ

 2月に中国本土でH7N9型鳥インフルエンザに新たに感染した人は99人、その月の死亡者は41人だった。

 なんだか収束しないでじわりと増えているような気がする。この数字は本当なのだろうか。もっと多いということはないだろうか。そして、世界の中で最近はどうして中国ばかり感染者が出るのだろうか。

核開発リスク

 アメリカ国防総省の高官が、「国防予算の大幅削減により、東アジアからアメリカ軍が撤退するという印象が広まれば、日本による核開発リスクが高まる」との見方を示したそうだ。

 日本は核兵器を開発する能力がある、と世界の多くの国が考えている。しかしアメリカが日米安保条約で日本との同盟関係によるサポートをしているからその必要がないが、アメリカが軍事費の支出を減らし、東アジアから引く姿勢を見せれば、日本は必然的に核開発をするだろう、と予言しているのだ。

 日本人もびっくりするような予言だが、中国が青天井で軍事費を増大させている背景から見れば、もしかして、とアメリカでは受け取られる可能性があるのだろう。

 アメリカにとっては日本が軍事強国になることは何より怖い。あの太平洋戦争は日本にとってもそうだが、アメリカにとっても悪夢だったのだ。

 これがアメリカ軍関係者の、軍事費削減阻止のための言葉であることは明らかだが、これを日本のブラフに使うためにも、全否定しないで、含みを持たせた反応をするのも一つの手ではないか。

 アメリカ・オバマ政権の腰の定まらない外交に、少しは日本からも刺激を与えた方がいい。

映画「ファーゴ」1996年アメリカ

 監督ジョエル・コーエン、製作イーサン・コーエン、脚本ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン、出演フランシス・マクドーマンド、ウィリアム・H・メイシー、スティーブ・ブシェミ、ピーター・ストーメア他。

 コーエン兄弟制作の映画だ。おもしろくないわけがない。無能な人間が追い詰められて、それを糊塗しようと思いついた犯罪が次第に凄惨な事件に発展していく。映画の冒頭に「これは実際に起きた事件である」とクレジットされるが、フィクションだそうだ。それはそうだろう。

 妻の父が経営する自動車セールス会社のセールスマン、ジェリー・ランディガード(ウィリアム・H・メイシー)は多額の借金を解消するために自分の妻を誘拐させ、その身代金を金持ちの義理の父親に払わせ、得た金を犯人と分け合う、という計画を立てる。

 ジェリー・ランディカードという男は誰が見ても好きになれない外観としゃべり方で造形されている。見え見えの嘘つきで小心者なのだが、見栄だけは一人前、自分自身が招いたことでがんじがらめになっていることが、観客の同情を誘うと言うより嫌悪を催させるように設定されているのだ。

 そしてこのジェリーに誘拐を依頼された犯人たちがまた中途半端な悪人なのだ。手際が悪いので次々に齟齬が起き、それを何とかしようとするたびにさらに犯罪を犯すことになってしまう。この辺は映画を見ているとどんどん不快感が増すように仕組まれている。

 こんな馬鹿ではないし、こんな犯罪なんか自分はしない、と観客に思わせればこの映画は大成功である。

 映画は途中からこの事件を追う田舎の女警察署長の捜査がメインとなる。彼女のささやかで幸せな家庭生活、大まじめだけれど何となくこんな風で大丈夫なのか、と思わせる捜査がややコミカルに描かれる。

 もちろん最後に事件は解決するのだが、映画のはじめに思ったような解決とはだいぶ違うものとなる。

 この映画はむかしレーザーディスクまで購入していたのにいままで見ることがなかったものだ。もちろん見たかった映画だし、大いに期待していたが、それは裏切られなかった。

津上俊哉「中国停滞の核心」(文春新書)

 著者は経済面からの中国の研究家。元通算官僚で中国の日本大使館にも勤務していた。

 中国が大きく変動する、と言う説がまことしやかに唱えられている。中には中国崩壊、などと予告するものもある。それに対してこの本は「もう少し冷静になろうよ」と呼びかける。

 中国が右肩上がりの経済成長を続け、このままでは遠からずGDPがアメリカを抜いて世界一になる、と自他共に信じられているようだが、それが本当かどうか、著者は冷静に検討してみせる。

 そこから著者は中国がアメリカを経済的に抜く日は来ないだろう、と予測する。それについての統計的な資料は詳細にわたるもので、十分裏付けとして信用できるように思われる。

 著者の中国についての本は「中国台頭」2003年、「岐路に立つ中国」2011年、「中国台頭の終焉」2013年、と出版されてきたが、今回はいつもより政治情勢(尖閣問題や安倍総理の靖国参拝も含む)に言及が多くなっている。以前よりも経済面ばかりでは中国が語れないようになったからだ。

 いま、中国の国民も日本の国民も、アンケートに対して互いの国に対して「好ましくない」と答える。これは大変不幸なことで、こうなってしまった原因にはいろいろな理由があるけれど、今更そうなってしまった前には戻せない。著者は最後に試論として尖閣を含めた中国との問題に対する提案を行っている。いままで見たものの中では一番妥当なところのような気がする(ただし両国政府、国民が簡単に受け入れるとは思えないが)。

 著者の予測では、中国が経済的に本当に失速するのは2020年以降、たぶんこれから10年後頃だ。それまでに習近平政権は必死でソフトランディングをこころみるだろう。その間には日本と中国の間の緊張状態が続き、一触即発の事態も起きかねない。それをどう乗り切るか、そのための方策を最優先に考えていくことが必要だ、と述べている。全く同感だ。

 10年経ったあと何が待っているのか。そんな先のことは分かるわけがない。

2014年3月11日 (火)

映画「ジャックと天空の巨人」2013年アメリカ

 監督ブライアン・シンガー、出演ニコラス・ホルト、エレノア・トムリンソン、ユアン・マクレガー他。

 「ジャックと豆の木」の童話は誰でも知っている話だが、民話に「巨人退治のジャック」という話があり、その二つを組み合わせて創作された映画だそうだ。

 百聞は一見に如かず、で実際に映画を見ないとその面白さは分からない。ジャック役のニコラス・ホルトが体格が少々良いけれど、何となくスローモーで頼りない感じがする。しかしCGを駆使した映像は迫力満点で映画はけっこう楽しめる。 

 実家では我が家のように大画面とサラウンドで映画を見ることができない。明日からまたしばらく老母の介護に行くのでこの数日はひたすら映画を見ている。映画って本当に面白い。

 実家に行ったら今度はひたすら本を読むつもりだ。

映画「ジャッジ・ドレッド」2012年イギリス・南アフリカ

 監督ピート・トラヴィス、出演カール・アーバン、オリヴィア・サールビー、レナ・へディ他。

 シルヴェスタ・スタローン主演の同名の映画を、世界観と物語の一部を残してほとんど新しいストーリーに書き換えた映画だ。こう云うのはリメイクと云わず、リブート映画というのだそうだ。

 絶対的正義などない。あるのは相対的な正義だ。この映画で描かれている、人を裁き、法を執行する権限を持たされているジャッジ・ドレッドには、描かれている世界に限っての正義が存在する。これを現在の現実世界を基準で考えても仕方がないことだ。

 とはいえ、ずいぶん乱暴な世界だ。こうした乱暴な法の執行が許されないと秩序が崩壊してしまう(ほとんど崩壊しているけれど)、と云う近未来の世界の姿は凄まじい。SFではこのような悲観的な殺伐とした近未来を描いた作品がたくさんある。極限状況での人間が描かれる。例えばメル・ギブソン主演の「マッドマックス」シリーズで描かれる世界だ。

 シルヴェスタ・スタローンの主演した過去のものは、よりSF的な味付けがしてあったが、はっきり云ってあまり出来が良いとは思えなかった。今回のほうはひたすらバイオレンスに徹して(徹しすぎだけれど)かえってシンプルでスカッとする。人の命など塵芥の如し。それほど人があふれかえって飽和しているという世界なのだ。

 超高層ビル(地上200階)、「ピーチツリー」を支配する「ママ」と呼ばれる女が敵役だ。このビルに住む75000人を人質にして彼女はジャッジ・ドレッドを抹殺しようとする。ジャッジ・ドレッドの味方は相棒の見習い女性ジャッジのカサンドラ一人。ただ、彼女には特殊な能力があった。

 外部と完全に遮断されたピーチツリーの中で殺し合いが始まる。

 「ママ」役のレナ・へディの怪演が素晴らしい。ここまで血も涙もない悪に徹した人物だとかえって嫌悪感が湧かない。破壊の女王だ。彼女の存在がこの映画を面白くしている。

 主役のジャッジ・ドレッドはほとんど顔面の上半分を覆うヘルメットをつけているので顔が分からない。その代わり乾いたその声の魅力が生きている。期待していなかったけれど予想外に面白かった。

ちょっとオーバーでしたか?

 高橋真梨子のライヴを見ていたら、華やかな舞台で熱唱されている歌の歌詞が孤独を歌っている。その歌われている世界が眼前にまざまざと浮かんでしまった。華やかさと孤独とのギャップが突然胸に強く感じられてしまったのだ。

 孤独は嫌いではない。嫌いなのは寂しいことで、意に染まない人間関係の中にいるよりもひとりでいることの方が好きだ。誰かと映画を見たり歌を聞くより、独りで見たり聞いたりする方が感じるものが多いような気がしている。

 ただ、そこで感じたものを誰かに伝えたいような気がする。感じただけでは流れに浮かぶうたかたみたいに消え去っていく。それがもったいないと思う。それが寂しい、と云うことかと思う。だから自分の感じたことをブログに書き残したり、人に見てもらったりしているのだ。時には人に会いに行き、感じたことを伝えたりする。それで今のところ満足している。

 酔っ払っていると感性が鋭くなったような気がする。心の表面が酒に溶けてしまって、いろんなことが少し深いところへ届いているような気がする。たぶんアルコールによる錯覚なのだろうけれど。

 こんなことを「哀しみを感じた」という云い方をした。泣き上戸、というのは少しオーバーだった。本当に泣いたわけではない。しんみりした程度だ。

 かんちゃん、だから別に心配要りません。私はいまのところ元気で前向きです。ところで貴君は何時に起きるのですか。

2014年3月10日 (月)

酔っ払いが感じたライヴの哀しさ

 夕方少し早めに酒を飲み始めた。コレクションしていたものの中から「カーペンターズ」と「高橋真梨子のライヴ」を続けて大画面にAVアンプを(ちよっと)音量を上げて見た。

 カレン・カーペンターズはなぜ摂食障害で死んでしまったのだろうか。

 カーペンターズがメジャーになり、その中で意に染まない仕事に溺れて兄のリチャーズが薬物障害になって治療に入ったとき、すでにカレンは病の中にあった。

 原因について、私なりに勝手なストーリーを感じているけれど、今回の10年以上前のこの映像にはそれを否定するものはなかった。

 カレンが結婚して一年で離婚していることを初めて知った。それは彼女にとって良いことだったのか。彼女はメジャーになることよりも、しあわせな結婚をして子供を産み育てることに夢を描いていたような気がする。

 「高橋真梨子のライヴ」は素晴らしかった。これは2009年のものらしい。そのあとの年のライヴの録画を先日娘のドン姫と見たとき、ちょっとがっかりしたけれど、今日見たものは素晴らしかった。

 華やかな舞台、ファッショナブルな衣装、華麗な音楽、全てがマッチして心が舞いあがる。それなのに一番感動したのが「涙もろいペギー」だった。

 哀しいのはペギーだけれど、同時に高橋真梨子であり、それを見ている私だった。どうしてこんなに哀しいのか分からない。ただの泣き上戸の酔っ払いだからだろうか。

撃墜命令

 中国指導部が、民間航空機が中国の中南海(国家指導者の執務する場所、最重要地区)や人民大会堂に近づこうとしたら撃墜するよう緊急命令を出した、と云う。真偽は分からない。まさか試すわけにも行かないし。

 あのマレーシア航空の消息不明については、不審な人物が登場していたらしいことが明らかになっている。判明している二人以外にも他人のパスポートで登場した人物が複数いるらしいとも云われる。

 この不審者たちはこの飛行機を乗っ取り、北京に向かう予定だった、と云う情報があり、中国指導部がそれに備えるように支持したというのだ。計画は何らかの理由により失敗し、墜落したのではないかという。

 すごいストーリーだ。

 私ならさらに一ひねりして、その計画が中国政府に洩れたため、それを阻止するために中国の戦闘機が撃ち落としたのだ、と云うのはどうだろうか。

 これで中国の領空から離れた場所での撃墜の理由が分かった。

 中国だけが撃ち落とした場所を知っているからいち早く艦船が現場に到着し、今、証拠隠しを必死で作業している・・・なんてね。これならいつまで経っても現場は見つからないのも道理だ。

 もちろんたわごとですが。

映画「コールド・バレッツ 裏切りの陰謀」2012年アメリカ

 監督アイザック・フロレンティーン、出演クリスチャン・スレイター、ドナルド・サザーランド、エリカ・ポートノイ他。

 主演がクリスチャン・スレイターと云うことから、アクションの多いエスピオナージ(つまりスパイ)映画かと思ってしまう。ドナルド・サザーランドが出るし・・・。

 舞台はブルガリアの首都ソフィア。あらためて地図を見ると、ブルガリアという国が黒海にもエーゲ海にも面している国で、世界の火薬庫であるバルカン半島の一部でもあり、東南側はトルコに接していることに気が付く。

 女性が三人登場する。その女性たちが実は物語の主人公であり、クリスチャンスレイターが扮するロバートという男は狂言回しである。ロバートは元腕利きのFBI捜査官であり、数年前に妻が殺されてFBIを退職し、今はブルガリアのアメリカ大使館に勤務している。

 そのロバートが大使(ドナルド・サザーランド)から特命を受けてある人物を調査することになる。その人物というのは、各国が必死で追い求めてもなかなか捕まえることの出来ないテロリストを、ソフィアで次々に暗殺し続けている犯人である。

 そもそもターゲットの情報をどうして入手出来たのかが分からない。調査は遅々として進まない。そのロバートが色々なかたちで関わる女性三人(その内の一人とは肉体関係まで進む)がじつは・・・。

 これ以上詳しく書くとネタバレになってこれからこの映画を見るひとに迷惑をかけるので止めておく。この映画を見ながら感じる宙ぶらりんな感じはこの映画の狙いでもあるので、それを損なっては台無しである。

 単純なエンターテインメントではないので、評価が分かれる映画かも知れないが、私は面白く見た。

映画「魔女と呼ばれた少女」2012年カナダ

 題名から想像されるものとはまるで違う物語である。テーマは現在も存在するアフリカ諸国の少年兵の物語だ。舞台の説明は特にないがコンゴらしい。

 川辺にやぐらを建てて暮らす小さな村が反政府ゲリラ兵に襲われる。ほとんどの村民は虐殺され、一部の少年少女だけが兵士として教育されるために連れ去られる。その少年少女たちは自分の身内をみずから殺すことを強要され、その命令に従ったものだけが活かされる。

 主人公はその時点で12歳だった少女・コモナだ。彼女も両親を射殺することを強要される。彼女はこうしてゲリラ兵の一員として教育され、ジャングルの中をひたすら行軍し、戦いに明け暮れる日々を送る。

 ある樹木の樹液に幻覚作用がある。恐怖心を打ち消し、行軍のつらさを打ち消すためにその樹液を飲まされたコモナは森の中に亡霊を見る。その亡霊は両親だったり、見知らぬ人々だったりする。

 そして亡霊はときに彼女に警告を発する。その警告のあるときには必ず近くに敵がいる。いつしか彼女は敵の居所を察知する魔力を持った魔女としてゲリラ兵の中で有名になる。

 彼女が体験する凄まじい日々が淡々と描かれる。ある日ついに彼女は仲間のマジシャンと呼ばれるアルビノの若者と二人でゲリラ軍から脱走、そしてマジシャンから求愛される。マジシャンは彼女が出した結婚を受け入れる条件を不思議な経緯から達成し、二人は結ばれる。マジシャンの叔父にかくまわれた二人はしあわせな日々を送るのだが、それは長く続かなかった。

 ラストで彼女がどんな希望を見いだすのか。これが映画のクライマックスとなる。

 話には聞いていたけれど、想像を絶する事実の前にこちらは沈黙を余儀なくされる。これ以上の不条理はあり得ないのにそれは現実の話であり、その状況は今でも世界のあちこちで見ることができるという。曽野綾子が語る言葉はこれらの事実を原点にしていることをあらためて知る。人間というのはそもそも欠陥生物なのではないか、と思わされる。

2014年3月 9日 (日)

映画「菖蒲」2009年ポーランド

 監督アンジェイ・ワイダ、出演クリスティナ・ヤング、パヴェウ・シャイダ他。

 冒頭、主演女優のクリスティナ・ヤングが寝室のベッドから立ち上がり、煙草に火をつけたあと延々と独白する。

 この「菖蒲」という映画の話を監督のアンジェイ・ワイダからオファーされたとき断ろうと思ったのだが・・・と話し出したあと、なぜそう思ったのか語る。彼女の夫が重い病で、回復の見込みがない、と宣告されたばかりだったからだ。しかし結局引き受けた。そして引き受けたことについての思いが語られていく。

 部屋は暗く、女優の顔はあまりよく見えない。印象的なのはベッドから立ち上がって歩き回る彼女がハイヒールを履いていることだ。

 そしていきなり「菖蒲」という小説にもとづく映画が始まる。ここで女優の役は医師の妻であり、本人は知らないけれど、余命が数ヶ月という診断が下されている。その彼女が自分の生命の最後の輝きを求めて若い男・ボグシとふれあい、そして思いがけない事件が起こる。

 さらに映画の途中で、突然女優が撮影中のロケ現場から逃げ出す様子などもそのまま撮影されている。

 この映画から現実の女優の夫の死、そしてドラマの中の生と死が複層的に語られ、描かれていくことで、死ぬことについて正面から突きつけられるとともに、生きることの意味を考えさせられる。

 菖蒲という植物が、そして川が生と死の象徴として効果的に使われている。不思議な映画で、説明が難しいのだが、これを最後まで見せる力量はさすがにアンジェイ・ワイダだ。ちょっと記憶に残る映画だが、エンターテインメントではない。

平岩弓枝「はやぶさ新八御用旅 紅花染め秘帳」(講談社)

 「はやぶさ新八」シリーズは「はやぶさ新八御用帳」が10冊、そして「はやぶさ新八御用旅」が今回読んだこの新刊を入れて6冊が出版されている。気が付いたらけっこうな冊数が出ている。

 平岩弓枝は「御宿かわせみ」のシリーズが外せないが、この「はやぶさ新八」シリーズも登場人物が馴染みになるとともに楽しみなシリーズになっている。

 ところでこの本だが、南町奉行の内与力である隼新八郎が奉行の根岸肥前守の内命を受けて奥州・白川へ探索の旅に出る、と云う物語だ。山形の紅花についての調査が目的だが、その意外な真相が明らかにされる。

 ただし、残念ながら物語の内容は上下二冊にするべきほど盛りだくさんなのに、それを200ページ足らずに収めているので、話の筋が飛びすぎてうっかり読み進むと何が何だか分からなくなってしまう。もう少し話を長く詳しく書くか、内容をすこしそぎ落とした方が有難かった。

 そのために敵役というか、事件の犯人のキャラクターが今ひとつ鮮明にならないので、面白さが半分になってしまった。

 私は山形の大学で、紅花の色素の研究をしていた講座に在籍していた。だから紅花については多少の知識(ただし私自身は教授から違うテーマを与えられていたのでので、横目での知識だが)がある。色素抽出のために大量の紅花を購入し、すりつぶし、紅花餅を作り、溶剤で抽出を繰り返していたものだ。ピリジンでの抽出が多かったから、研究室に入ると口の中が苦く感じられるほどのピリジンの混ざった空気の中で暮らしていたものだ(今だったらあり得ない)。

 だから紅花が話題になると興味が高まる。

 それが今ひとつ消化不良の物語のために期待外れに終わった気がするのが残念であった。それと新八郎とお鯉の心の交流がこの頃あまり書き込まれていないのもちょっともの足らない。次に期待しよう。

たわごとですが

 マレーシア航空機の行方不明はどうも事故であった公算が大きい。私は中国が南シナ海に防空識別圏を設定したばかりでもあり、大韓航空機がロシア(当時はソビエト)に撃墜されたように、中国の戦闘機に撃墜されたのではないか、と思った。消息を絶った場所がだいぶ南なので、違うらしいけれど、中国が大型の救助船を急行させている、などと聞くと、証拠隠しに行ったのではないか、などと考えてしまう。

 中国の軍事予算の急増について、世界中が懸念を示しているが、中国は平然としている。アメリカと対抗出来るレベルになることを目指す、と公言しているから当分は停まらない。韓国の学者が「中国は領土主権の防衛など、核心的利益を護るために必要な、国力相応の軍備を目指しているだけだ」として中国を擁護した発言をしたことが報じられていた。

 これは誰に対する迎合なのだろう。韓国こそもっとも中国の脅威にさらされている国だと思うけれど、ここまで脳天気だとは。まさにぬるま湯の中の蛙だ。それとも、ただ脅威なんてない、と思いたいだけなのか。そう唱えれば脅威は消えてなくなるらしい。社民党か。

 中国の大手ネットショッピングモールで、日本製のプラスチック容器が万病を治す魔法の容器として販売されているそうだ。なんとこの容器、日本ではゴミを入れる容器として売られている蓋付き、取って付きのプラスチックのペール缶だという。

 この容器が「心臓病、糖尿病、脳血栓、高血圧やガンに効果がある」といううたい文句で、日本の三倍の値段で売れているらしい。鰯の頭も信心から、というけれど、信じる人がいるのだ。これを逆輸入すると日本でも買う人がきっといるぞ。

2014年3月 8日 (土)

日本は中国に学ぶべきか

 ネットのニュースを見ていたら、日本人留学生が「中国の反汚職に日本も学ぶべきだ」と語ったという記事を見た。

 日本にも汚職がある。思った以上にあるらしい。だから反汚職を進めることについて異論はない。しかしそれをキャンペーンとして安倍政権が進めなければならないものだ、などと考える日本人はあまりいないのではないか。

 習近平政権が、今までとはずいぶんちがう、強い姿勢で汚職撲滅を行っていることは再三報じられている。ところがその習近平が清廉潔白かと言えば、とんでもない。

 中国の共産党幹部や国有企業の幹部、その他の金持ちたちが、巨額の資産を海外移転している。ほとんどが不正に蓄財されたものだ。習近平がそれを止めようとしたが出来ない。なぜなら自分自身が海外に資産を持ちだしていることをみな知っているからだ。習近平の姪を通して、香港のオフィスビルに投資する、と云う名目で資産を持ち出していると云うのは公然たる秘密なのだ。

 薄煕来を排除したり、周永康を告発したりしているのは汚職撲滅を名目にした権力闘争の要素の方が大きい事を中国人はうすうす分かっている。

 記事になった日本人留学生はそれを分かっているけれど、中国に迎合して「日本は中国に学ぶべきだ」と言ったのだろうか。

 しかしこのコメントのあとに「夢は中国でお嫁さんを見つけること」という言葉が続いたのを見るとどうも実際のことを何にもわかっていない人らしい。

 こんな人では中国で生きていくのも中国人の嫁さんをもらうのも難しいだろうし、もし本当に中国の女性と結婚したら徹底的に尻に敷かれることだろう。ただし普通の日本女性よりも控えめで心やさしい中国女性もいることは私も承知している。日本以上にめったにいないけど。

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美しく、清楚でやさしく物静かで素敵な駱さん。

時期尚早?

 北京の大気汚染が深刻で、人が住むには適さない、と云うレポートが報告された。あの濃厚なスモッグの映像を見れば、そうだろうな、と思う。あれがただの霧ではないことが分かっているのだから、誰でもそう思うだろう。

 ところがそう思わない人もいるらしい。

 「このレポートには根拠がなく、結論づけるのは時期尚早だ」と呼吸器疾患の専門家として知られる人物がクレームをつけた。この人物は全人代の代表(日本の国会議員のようなもの)を務めているという。

 実際に呼吸器疾患患者が急増しているのは事実であるし、実際にあの大気汚染の中で深呼吸してみれば、自分の体でその健康への影響を実感出来ることは間違いないだろう。

 「根拠がない」というこの人物の「根拠」とは何か。まだバタバタと人が死ぬほどのことがないから大丈夫だというのだろうか。「実際に北京市民は生きているではないか」とでも云うのだろうか。

 このような人が呼吸器疾患の専門家として平然とこのようなことを言うところを見ると、この大気汚染を改善するのはなかなか難しいらしい。

 問題を問題として見ることが出来ないか、問題として見ようとしないその姿に唖然とする。何に迎合しているのだろう。

映画「沈黙の監獄」2012年アメリカ

 監督キオニ・ワックスマン、出演スティーヴン・セガール、スティーヴ・オースティン、マイケル・パレ他。

 スティーヴン・セガールの主演する初期の映画が大好きだった。ビデオではなく、たいてい映画館で見た。シンプルで深みはないけれど、その強さは痛快そのもので、映画館を出てくるときはセガールみたいな歩き方になっていたのではないか。最近はワンパターンでマンネリ化したように思っている。だから見逃したものもある。 

 この映画は久しぶりに面白かった。最後まで飽きずに見た。ましてや共演がスティーヴ・オースティンである。これでは敵は勝てるわけがない。結果は明らかで、はらはらどきどきしにくいところだが、仕掛けがある。

 監獄での戦い、と云うことでダンジョンゲームのような味わいになっているのだ。この映画を見ていると、ダンジョンゲームに人気があるのはなぜか分かるような気がする。シチュエーションが時々刻々と変わり、何が潜んでいるのか分からない。この緊張感の持続が面白いのだ。

 もう一度見たくなるというような映画ではないが、けっこう楽しめた。

2014年3月 7日 (金)

映画「ダイナソー・プロジェクト」2012年イギリス

 監督・脚本シド・ベネット、出演マット・ケイン、リチャード・ディレイン、ピーター・ブルック他

 未確認生物の調査隊がアフリカのジャングルで行方不明になり、発見されたザックから、残された映像を編集したもの、と云う設定で何があったのかが語られていく。

 題名通り、恐竜時代の生物がそこに映っているのだが、ドキュメンタリーらしく、手ぶれしまくりの画面は、リアリティと見にくさによる煩わしさの境目にあり、どちらかと云えば煩わしさが勝っている。

 この手法は低予算映画で最近よく見られるものだが、特に思いだしたのは「クローバー・フィールド/HAKAISHA」だ。こちらは大都会を巨大怪獣が襲うという設定で、逃げ惑う人々が、何が起こったのか分からないまま撮った映像を繋ぐことで事実が次第に見えてくる、と云うものだった。評価は分かれたが、私はとても面白く見た。

 この映画は、ストーリーは全く異なるものの、ほとんど二番煎じの上に脚本が陳腐、かつ登場人物たちがあまりにも低レベル(俳優が、ではなく、キャラクターが、だ)で全く感情移入出来ない。特に自分勝手な若者(少年)が出てくるのは勘弁して欲しいところだ。

 作り方でもう少しよい作品に出来そうなのに全く救いのないものになっていた。「ゲートウェイ」という恐竜世界と現実世界を繋ぐ洞窟が暗示されている。この設定は私の好みなのに残念。お勧め出来ない。

長谷川慶太郎「破綻する中国、繁栄する日本」(実業之日本社)

 経済面から世界情勢、特に中国に関連したものを中心に書かれた本なのだが、読んでいるとワクワクどきどきして気持ちが高揚する。

 長谷川慶太郎の本は時々こう云うことがあるので楽しめる。ただし生ものなので時期を外すとその味わいはやや落ちる。しばらく経ってから書かれた予想がどれほど外れているか検証するのも楽しみ方の一つではあるが。

 経済予測についてそれに意味があるかどうか首をかしげることがある。大きな経済的事件が起きたときにそれを言い当てる人がいないではないけれど、続けて言い当てる人はまずいない。当たるも八卦あたらぬも八卦である。

 経済学とは、起こった経済現象をあとで理屈づけする学問ではないか、などと思っているから、私は経済学から未来予測など出来るわけがないと見切った方がいいような気がしている。

 この本は経済について書いた本なのにとても痛快で楽しめる。そういうことは珍しいので、ぜひ手に取ることをお勧めしたい。ただし生ものなので読むのは早いほうがいい。

 内容をここに書くのはその楽しみを損なうので止めておこう。

 この本には直接書かれていないけれど、中国、韓国、さらにアメリカまで安倍首相嫌いらしく見える理由が分かった気がする。極端な円高から円安へ舵を切ることに成功したアベノミクスがそれらの国にとっては不愉快なのだ。中国は日本が経済的に息を吹き返したことが不愉快、韓国は円安ウオン高による自国の経済力低下が不愉快、アメリカは日本が独自路線で円安に行くことが許せないのにアメリカ国債を大量に追加購入しているから日本に文句をつけられないことが不愉快なのだ。

 中国も韓国も表向きは「歴史認識」などときれい事を言っているけれど、それは自国民向けの言い訳に過ぎない。ただしそれによって反日感情が高まり、身動きがとれなくなっているのは自業自得と言うところか。だから日本は何も心配する必要がないらしい。

本当のところは分からないが

 長谷川慶太郎の本を読んでいたら、北朝鮮の張成沢の粛清は中国の習近平政権の指導によるものだとある。

 中国の指導者は人民解放軍をコントロール出来るかどうかでその手腕が問われる。軍隊は常に政権のコントロールを越えるものを目指すものだ。特に人民解放軍の中の瀋陽軍区は大きな力を持ち、独自の行動を行ってきた。その行動のひとつが北朝鮮支配であった。そしてその北朝鮮側の窓口が張成沢だったという。

 習近平政権は北朝鮮の暴走をコントロールすることと瀋陽軍区をコントロールするために張成沢を排除したのだ。

 それを瀋陽軍区が認めざるを得なかった理由がある。以前言及したように、中国の大きな問題点としてシャドーバンキングという存在がある。このシャドーバンキングの背後に人民解放軍が存在するのは公然たる秘密だ。

 瀋陽軍区はシャドーバンキングの破綻の危機に追い込まれている。そのシャドーバンキングに対して、公的銀行支援を餌に習近平政権が瀋陽軍区を支配下に置いたのだ。

 長谷川慶太郎の言う上記のことが事実かどうか、明らかになることはない。だから本当のことは分からないが、それなりに「なるほど」と思わせられる。

 韓国はそのような見方について、認識があるのだろうか。韓国軍部は北朝鮮の脅威をことさら大声で叫び、反対にマスコミや野党は北朝鮮との融和を目指す。それが中国の手のひらの上で踊らされているものかも知れない、と少しは感じているのだろうか。

 韓国はひたすら中国志向を強めている。それは米日韓の分断を企む中国の思うつぼなのだろう。それなのにアメリカのオバマ大統領はそれが見えていないらしく、日本に関係改善を求めるつもりらしいが、何をしろというのだろうか。日本も韓国のように中国にすり寄れ、とアドバイスしたいのだろうか。

2014年3月 6日 (木)

共産主義って何?

 中国社会科学院世界社会主義研究センターが発表した報告によると、世界の共産党の数は130あまり(わが日本の共産党も含まれていることだろう)で党員は約1億人だそうだ。

 そのうち中国が8500万人、北朝鮮400万人、ベトナム300万人と言うからほとんど中国と云っていい。

 ところで共産主義ってどんな主義だったっけ。貧富の差をなくすためになるべく万人が平等な配分に預かれるシステムを目指すものだったように思っていたがちがうのだろうか。

 そのシステム維持のために一部特権階級が生ずるのは必要悪として仕方がない、としても、今の中国が貧富の差をなくすためのシステムを目指しているとはとても思えない。アメリカは別にして、日本やヨーロッパよりも格差が大きいし、昔の全て貧しかったときよりも遥かにその格差が拡大しているが、中国はそれでも共産主義と強弁しているだけのように見える。

 その点で言えば一部特権階級を除いてほとんどの国民が平等に貧しい北朝鮮は、もっとも共産主義に成功していると言うことか。

 だったら昔の、王様がいてその取り巻き以外は全て貧しかったときとどう違うというのだろうか。

 そもそも「空想から科学へ」と唱えて共産党員たちは科学的な共産主義を推し進めてきたらしいけれど、ここで言う科学的、とは何なのだろう。どこが科学なのだろう。この空気頭の爺さん(私です)には思想や主義が科学だということ自体がいまだによく解らない。分からないのは自分のせいだけれど、その解らない頭にはみんな空論にしか感じられない。もう少し勉強するんだった。どうせ解らないけど。

 何となく思っているのは、結果の平等を求める社会は人間の本姓に馴染まないらしく、かえって不平等が感じられるらしいということだ。

牛刀

 柏の通り魔殺人事件の容疑者(犯人とはまだ言ってはいけないらしい)が早々に逮捕されてよかった。テレビでは、逮捕前の容疑者が目撃者として記者とやりとりした様子が繰り返し映し出されていた。

 その中で容疑者が「牛刀で」とか「牛刀みたいな少し湾曲した長めの刃物で」とか云うのを聞いた。

 この通り魔殺人事件の一報を聞いたとき、あの中国雲南省昆明の事件にスイッチが入った異常者の犯行ではないか、と思ったのだけれど、金品を奪ったりしているのでちがうのかも知れないと考えた。

 しかしこの「牛刀」という言葉を聞いたり、犯人の様子を見ていると、明らかにまともな精神の持ち主ではなく、スイッチの入りやすい人間らしく感じられる。

 雲南省の事件のあとで、使われた凶器の牛刀がテレビで映されていた。あのまがまがしい凶器が、柏の容疑者の頭に刷り込まれたのではないか。

 世の中にはごく稀にこのような影響を受けてしまう者がいる。秋葉原の事件のあと、類似の犯行が続いているのはその影響があることが否定出来ない。明らかに変な奴、と云うのは周りを見回すと必ずいるけれど、事件を起こすまでは誰にどんなスイッチが入ったか解らないから事前に対策などとりようがない。事件に遭遇するのは不運としか言いようがないから災難に遭わないよう神に祈ることしか出来ない。

 近所の人の証言によれば、今回の容疑者は、ゴミを自分の住むマンションのゴミ置き場ではなく、わざわざ隣のマンションのゴミ置き場に捨てていたという。しかもゴミ袋の口は開いたまま、そして資源ゴミも生ゴミも一緒くたにしてある上自分の名前が明らかに分かるようなダイレクトメールなどが一番上に覗いていたそうだ。

 ここから解るのはゴミの分別も出来ないような人間が、おかしなスイッチの入る人間らしいと言うことだ。些細なことのように見える社会性の欠如というのは意外と大きな人間的欠陥なのかと勝手に頷いているところだ。

 そう思うと危ない人というのが分かりやすくなるのではないか。

このままいくと

 中国の全人代に提出された予算計画によると、2014年の国防予算は日本円にして13兆4000億円だという。但しこの予算に含まれていないものがあり、実際はこれよりずっと多くて倍くらいではないかとも云われている。対前年では12.2%増にあたる。2010年を除いて10年以上二桁の伸びである。さらに少なくとも今後5年間は二桁増を続けるとしている。

 さらにGDPの目標も公表され、対前年7.5%の増加だという。

 単純に考えれば、GDPの伸びよりさらに5%近く高い増加率で軍事予算が増えていると云う事になるわけである。このままいくと軍事予算はこれから中国にとって大きな負担になると思うが、最優先事項らしく、問題にはなっていないようだ。

 ところで治安維持のための予算は実はその軍事予算よりも大きい。近年、反政府活動事件がしばしば報道されているが、隠しようのないものだけが伝えられていて、実際はもっと数多く頻発しているという。巨額の軍事予算よりもさらに巨額の治安維持のための予算が必要だということは、中国の体制の無理があるらしいということではないか。

 巨大国家というのは、そもそも国をまとめるためにその規模以上のコストがかかるのかも知れない。そのコストが原因で中国が分裂する、と云う予想はしばしば聞かれる。あながち空論ではないようだ。

2014年3月 5日 (水)

訪ねる

 池波正太郎の「鬼平犯科帳」を読んでいると、鬼の平蔵こと長谷川平蔵は火盗改めの御用で忙しいのにもかかわらず、世話になった人や友人、そして身内の元をよく訪ねている。そうするのが当然のようなその行動は人生の上でとても参考になる。

 昨日は兄貴分の人と落ち合って飲んだ。飲むとよくしゃべる。しゃべるのは私だ。たぶん同じ事を毎回繰り返し話しているような気がするが、相手も似たようなものだからそれで良いのだ。

 その落ち合う場所から遠くないところに母と一番仲の良い叔父が住んでいる。思い立って友人と会う前に叔父の家を訪ねた。叔父と会うのは父の葬式の時以来だから三年ぶりだ。会うときはたいてい他の親類もいるからそれほどたくさん話すことがない。

 母の状態を特に知らせていなかったので、それを伝えに行くつもりもあった。二時間足らずの訪問だったが、話し出したらお互いに話したいことが次から次にあって、あっという間に時間が過ぎてしまった。

 叔父は早速近々母の様子を見に行くと約束してくれた。母もたぶん喜ぶことだろう。人を訪ねることは気持ちの良いことだ。

2014年3月 4日 (火)

当たり前のことが出来ないとつらい

 上高地のそばの、岐阜県と長野県をつなぐ安房トンネルが開通する少し前のことだから、やや昔の話。会社のグループで、松本から上高地へ行き、そのあと安房峠を越えて、奥飛騨温泉に泊まろうと計画した。

 連休でもあり道路の混む中を、松本から上高地へ向かう途中から突然車の流れが止まってしまった。いったん止まると30~40分全く動かない。なぜ動かないのか、いつになったら流れ出すのか分からない。数多いトンネルの中でもたびたび止まる。

 結局安房峠を越えて岐阜県側の奥飛騨温泉に着くまでに6~7時間かかってしまった。この渋滞は、連休なのに強行した(と感じられた)トンネル工事で30分ごとの片側通行をしていたことが大きな理由らしかった。

 それで困ったのがトイレである。男は何とかなるからいい。レンタルしたワゴン車には女性が三人ほど乗っている。彼女らが悲痛な状態であるのが見るに堪えない。何とか木陰か藪の中でしてこい、と言ったけれど、首を振り、必死でこらえるばかりであった。

 結局上高地はあきらめざるを得なかったのだけれど、何とか温泉には予定を二時間ほど遅れて無事到着することが出来た。

 翌年もう一度上高地に行こう、リベンジだ、と男たちが声をかけた時、彼女たちの答えは「ゼッタイ行かない。死んでも行かない」であった。それほどつらい記憶になったようだ。

 母は先々週から導尿カテーテル(通称バルーン)を入れている。ほぼ一日1.5リットル前後の量が容器にたまる。それが夜見たらほとんどたまっていない(朝900ミリリットルたまったのを捨てているので、少なくとも500~600ミリリットルはたまっているはずなのだ)。そして腹が痛いらしい仕草をして顔をしかめている。しかも導尿管の尿が青紫みたいな色をしている。

 慌てて病院に連絡した。すぐ連れてきなさい、と言うことで弟夫婦とかついで連れて行った。

 管がどこかで詰まっていたらしく、膀胱にたまっていた尿が800ミリリットル。限界を超えていたが幸い腎臓に逆流するには至っていない模様。つらかったことだろう。変な色の尿は細菌による尿の着色で、普通害のないものだという。ねんのため詳しい検査をしてくれる。

 帰ってきたのは夜中の12時前。母は楽になったのかすぐ気持ちよさそうに寝てしまった。

 そんなことがあったので、安房峠での彼女たちのつらさがいかばかりであったろうとあらためて思い出した次第である。

2014年3月 3日 (月)

見つめる

 こちらの目を見つめられると私は照れくさくて目をそらす。恋人どおしが互いに見つめ合うなどと言うが、私には出来ない。そんな機会もあまりなかったけれど。

 老母が腰の骨の圧迫骨折をして半分寝たきりになっている。発語障害で言葉が話せないために意思の疎通が困難だ。用事がある時は鈴を鳴らすようになっている。鈴が鳴ると何の用かと顔をのぞき込むのだが、何をして欲しいのかあまりよく分からない。そうしてこちらの顔をほとんど瞬きもせずにじっと見つめるのだ。

 自分の親と見つめ合うなどと言うことは赤ん坊のとき以来した記憶がない(赤ん坊の時はもちろん記憶がない)。だからどうしていいか分からない。

 人の気持ちに対する斟酌が失われるほど精神が衰えたのだろうか。それを見つめ返せないこちらにやさしさが足らないのだろうか。

予想通り

 予想通り、中国政府は中国雲南省昆明の大量殺傷事件の犯人はウイグルの関係者だと断定した。しかし犯人の氏名やその根拠は全く明らかにしていない。

 こんな予想は誰にでも出来るから、予想通り、などと胸を張るほどのことではないが、あまりにも中国政府の発表は予想通りだ。

 事実はたぶん最後まで明らかにされないだろう。中国政府にとって事実とは自分の発表したものであって、真実とは関係ない。

 歴史についても全く同様だ。中国共産党が、これが歴史的事実だ、と言ったことだけが事実とされる。それに基づく歴史認識を日本や世界に求めているのだから、日本がそれに異を唱えることなど許されることではないと考える。

 日本の一部メディアにその中国の言う事実を、戦時中の大本営発表をそのまま報じたとおりに裏付けもとれずに(とらずに、とは言うまい。とれずに、としておこう)そのまま事実として報道し続けているところもある。

 宗主国の中国をそのまままねて半島のある国も同様に歴史を作った上でそれを事実として主張する。体制はどうあれ、小型のコピーのように見える。

 こうして作られた歴史が一人歩きしていく。

 すべてが作られたものだ、などと言うつもりはない。ただ歴史をプロパガンダとして利用する意図の明白なものには歪曲が加えられている、と言うことを理解した上で、歴史を認識すべきだろうと思うだけである。

2014年3月 2日 (日)

テロ

テロ
 雲南省の省都・昆明の昆明駅前で、黒服を着た男たちが次々にあたりにいた人々に刃物で切りつけた。

 当初死者2名、負傷者18人と伝えられたが、それが3人の死者、100人を超える負傷者に増え、ついに死者27人乃至28人、負傷者109人乃至113人と凄惨な大事件であることが明らかになってきた。

 犯人の数も数人から10人までといろいろ伝えられていて、そのうち少なくとも6人が警官たちに射殺されたという。

 現場は多数の警官隊に包囲されたと言うから、犯人に逃れたものは居ないはずだ。この黒服の男たちの生き残りが居れば逮捕されて居るだろうが、全員射殺されていると事件の背景が分からなくなる恐れがある。

 中国では5日の全人代を控えて厳戒態勢に入っていた中での事件であり、衝撃が大きいと中国のメディアは伝えている。

 雲南省は少数民族の多い省である。昆明の駅前では漢民族とは違う出で立ちの人が数多く列車を待っている姿を見ることが出来る。駅前には巨大な猛牛(雄・りっぱな一物がある)の像(金ピカ)がデンと据えられている。その周囲が血で染まったという。

 日本の無差別殺人は単独犯で、明らかに妄想患者としか思えない犯人ばかりだが、この事件は集団であり、何かの社会的アピールであるらしく思われる。

 中国政府はこれをまたイスラム主義者のテロと断定するのだろうか。どちらにしても習近平の締め付けがさらに強烈になることだろう。国民の不満と不安のエネルギーの高まりを感じるけれど、それをそらすためにさらに反日を加速させるだろうか。

2014年3月 1日 (土)

イヤなやつ

 母のベッドの脇で藤沢周平の本を連日読み続けているが、ちょっと口直しに谷沢永一の「モノの道理」(講談社インターナショナル)という本を読んでいる。

 そのなかに河盛好蔵(フランス文学者)の「イヤなやつ」と題した文章の一部が引用されている。なんだか自分のことみたいでいたく感心したのでさらにその一部を孫引きする。

「私自身(河盛好蔵・引用者注)のことを考えてみると、私はまず人に快感を与える容貌の持ち主ではない。性質についていえば、他人の幸福よりも不幸を喜ぶ根性の悪さがある。自分は出来るだけ怠けて、人を働かせ、その功を自分だけでひとり占めしたいというズルさと、欲の深さがある。権力者にはなるべく逆らわないで、時としては進んで権力に媚びようとするいやしさがある。絶えず世の中の動きを眺めていて、出来るだけバスに乗り遅れまいとする、こすっからいところがある。他人には厳しくて、自分には寛大な、エゴイストの部分が非常に多い。ケチで、勘定高くて、他人の不幸には素知らぬ顔をし、自分の不幸は十倍ぐらい誇張して、いつも不平不満でいる。考えてみると「イヤなやつ」の条件をことごとく備えている。」

 このあとの文章で、人は多かれ少なかれ「イヤなやつ」なのだと言い、このイヤな部分のおかげで反発したり親しんだりする、と述べる。そして人間の長所美点は不思議なことにその短所欠点と結びついているものだと言う。そうして、どこから見ても非の打ち所のない人間などというものは、人間として見るとほとんど魅力がない、そういう人間はある意味でそれこそ「イヤなやつ」とも言える、と看破する。

 そして谷沢永一は「どこから見ても非の打ち所のない意見を吐く人間」こそその「イヤなやつ」だと断じ、朝日新聞の「天声人語」以下のコラムニストたちをこき下ろす。

 相変わらず毒舌たっぷりで痛快この上ない。

束縛と騒音

 中国や東南アジアに行くと、その喧噪に圧倒される。しかししばらく居るとそれに慣れてしまう。そこで感じるのは人々のエネルギーだ。生命力にあふれている感じがする。

 人民日報が「東京に地下鉄で大声で話す声を三度聞いたが、いずれも日本語ではなく中国語だった」と報じ、海外ではマナーに気をつけるように促した。

 この記事が中国で賛否を呼んでいるが、いずれにしても中国人が大声でやかましいことを前提にしたものばかりだ。それでかまわない、と思うかどうかと言うことだろう。

 「中国の方がいい、日本人は束縛されすぎだ」という意見など中国人の本音かもしれない。

 しかし日本人があの中国人たちみたいに周りに斟酌せず、大声で会話するようになったらさぞやかましいことだろうし、勘弁して欲しい。日本は狭いのだ。

 時々高校生などが幼稚園生みたいに大声で会話しているのを聞くけれど、あれは鼻ピアスと一緒で、会話の相手に対してではなく、周囲の人間に対するアピールらしいから、中国人の大声とは全く違うものだろう。

こう見える

 韓国は自国の言い分をすべて日本が認めなければ日本とは関係改善のための首脳会談を行わないという。日本側は言い分をすべて認めるわけにはいかないけれど、関係改善のための話し合いはいつでもする用意があると言っている。

 こうして両国の関係はほとんど政治的に凍結状態になっている。

 韓国は声高に、日本に向かってではなく、アメリカをはじめとして世界中に日韓関係が改善されないのは100%日本が悪いからで、責任はすべて日本にある、と言い張っている(世の中に一方だけがすべて悪いことなどあり得ないのは常識のあるひとなら分かることなのに)。

 韓国国民は朴槿恵大統領のその姿勢に喝采をし(本当だろうか)、日本国民はうんざりしている。

 折り合いをつける用意がなければ交渉ごとは成り立たないのはTPPを見ていればよく分かる。韓国は北朝鮮の口癖に似て、一ミリの妥協もしない姿勢のように見える。それを言い続けてきたから、いま妥協すれば国民から罵倒非難されるのが避けられないところへ自らを追い込んでしまった。

 4月にオバマ大統領が来て日韓関係の改善を促すと言うけれど、アメリカからの外圧を言い訳に韓国が妥協しなければ何も現状は変わらないだろう。そもそもオバマ大統領が外交で成果を上げたのを見たことがないような気がする。期待は薄い。

 そもそも今となっては日本人は韓国と何とか関係改善したいとあまり切望していない。関係改善しなければ困るのはアメリカだ。そして長期的に見ればそれ以上に韓国も困るだろう。しかし韓国はかたくなだ。そうなれば妥協の可能性のありそうな日本にアメリカは妥協を迫ることになるだろう。

 出来ない妥協をアメリカに強いられ続けてきた日本が、またアメリカから妥協を求められることだろうが、出来ない妥協をすることに日本はもううんざりしている。その必然性がいま何も見当たらないからだ。

 オバマはそこを無理押しして失敗すれば自国に帰って立場を失う。そして韓国ではなく日本を恨むだろう。心配なのはそのオバマの立場をおもんぱかって、日本が仕方なく出来ない妥協をすることだ。そうすれば多くの日本人は安倍政権に失望するだろう。

 なんだか考えていると悲観的な可能性ばかりが見えてくる。

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