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2017年4月 3日 (月)

映画「アパッチ」1954年アメリカ映画

 監督ロバート・アルドリッチ、出演バート・ランカスター、ジーン・ピータース、ジョン・マッキンタイア他。

 ニコラス・ケイジ主演の同名の映画があるが、これは戦闘ヘリのパイロットの話で全くの別物。

 アメリカには加害者としてのトラウマがある(と思いたい)。新教徒たちはヨーロッパからアメリカ大陸に渡り、東海岸に上陸してひたすら西へ西へと進んだ。彼等は原住民を追い払い、抵抗する者は殺戮し、土地を略奪した。この映画でも原住民について「先住民」という言い方をしている。文字通り先に住んでいたのだ。

 アメリカ人が西へ西へと向かう性向は根強い。やがて海を越えてハワイを侵し、略奪し、日本に、そしてアジアに向かった。ただ日本に来てすぐに南北戦争が起こり、そこで頓挫した。その間に日本は侵略できない体制を整えることが出来た。中国にはすでに列強が進出していて割り込む余地がなく、アメリカにとっても中国にとっても互いをあこがれの地のままで置くことになった、などという話はこの映画については関係ない。

 そもそもアメリカ大陸には「先住民」がいたのである。すでに住んでいる者を追い払い、寄留地と称する地域に押し込めて隔離するというのは理不尽である。それがアメリカの正義なのである。そういえばアメリカのディストピア映画にはしばしばこの隔離ゾーンが登場する。そこには為政者にまつろわぬ者、悪人たちが閉じこめられている。アメリカのそれは一つの伝説的な手法らしく、それを繰り返しているらしい。日本と戦争中には日系の移民(すでにアメリカ国籍を有していた)を隔離ゾーンに閉じこめていた。

 この「アパッチ」という映画はアパッチ族と白人の闘いがほぼ終焉し、族長であるジェロニモが一族を率いて投降するシーンから始まる。これを潔しとせずに単身で闘いを挑む戦士マサイ(バート・ランカスター)の顛末がこの映画である。

 投降に反対したマサイもついに捕らえられ、一族の主立った者は列車でフロリダの寄留地に送られる。その長い列車の旅でチャンスをつかんだマサイは逃亡し、ふるさとへ向かう。途中目にしたアメリカの現実は彼の想像を超えていた。艱難辛苦してふるさとへ戻ったマサイは、そこで一族の者たちが白人の収奪にあっていることを知る。しかし一族の者たちはすでにそれを受け入れていた。

 ただ一人それが受け入れられないマサイは、単身で再び闘いを挑んでいく。

 古き良き時代の映画で、残虐シーンがほとんどない。実際はこんなものではなかっただろう。だからラストもとても甘い。しかしその甘さが古い映画の良さであり、アメリカの自己弁護なのであろう。

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コメント

おはようございます。
先日はわたしの拙い文章を見ていただきありがとうございます。
西部劇は日本の時代劇に通じるものがありますね。
しかし今となってはネイティブ・アメリカンへの差別がありありと感じられますが・・・。
ですが日本でも規模こそ違えアイヌ問題などネイティブへの問題があります。
やはりオーストラリアやNZで行なわれている「DONEをUNDONEする政策」つまり可能な限り元に戻すという政策がアメリカにも日本にも必要かと思います。
では、
shinzei拝

Shinzei様
中国がいままさにチベットやウィグルで同化政策を強硬に進めていますね。
これは過去の話ではなくて現在の話で、時代錯誤も甚だしいと思います。
中国は西洋人がアフリカやアジアで行ってきたことをただ模倣しているだけだと言うでしょう。
数年前に雲南省に行ったとき、少数民族のテーマパークを見ました。
そのときの少数民族の若者達の覇気のない投げやりな様子が忘れられません。

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