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2017年8月 2日 (水)

真保裕一『暗闇のアリア』(角川書店)

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 真保裕一といえばベストセラー作家で、あの映画『ホワイトアウト』の原作者だ。私は出版されてすぐに原作を読んでいたけれど、映画もそれなりに面白かった。あの極寒の中を超人的に危難を乗り越えていく主人公(映画は織田裕二が主演。そういえば同じ原作者の映画、『アマルフィ 天使の報酬』や『アンダルシア 天使の報復』も織田裕二が主演だった)の不屈の闘志に感動したものである。

 プロローグはいきなり紛争地帯のアフリカが舞台である。混乱の中でのエピソードが語られていくが、物語とどうこの話が関わるのか、それは中盤にならないと明らかにならない。

 中堅官僚の死体が発見される。死の前に、娘が本人からそれを伝える電話を受けていることから、自殺であると断定される。しかも彼に不審な振り込みがなされており、何らかの不正行為に関わったことが露見することを恐れたものと見做される。

 回りもみなそれで納得する状況なのに、雑誌記者である妻だけが頑として自殺を認めない。本人を最も知るものとして自殺などするはずがないと確信している。繰り返し警察に掛け合う中で、ある理由からほぼ干されている刑事に相手をするようお鉢が回ってくる。

 刑事の妻も過去自殺している。それを頼りに妻は捜査を要請するが、刑事は冷たいあしらいをする。絶望した妻は独力で調査を開始する。やがて彼女はわずかな手がかりを発見する。それを伝えたとき、眠っていた刑事のセンサーが起動する。

 やがて自殺を巧妙に偽装するカラクリの可能性が見えてくる。ついに警視庁はこの事件だけではなく、過去の自殺扱いの事件に共通するような事案がないか、特別チーム三人での調査命令がなされる。そして謎の鍵を握ると思われる男が浮上するのだが、すでにその男はアフリカで死んでいた。

 こうしてプロローグに物語はつながっていく。つぎつぎに明らかになっていく類似の事件、しかしトップからその捜査に対してブレーキが掛かり出す。そんななかあの雑誌記者の妻の独自の調査からまったく新しい展開が生み出される。彼女は単独でパリへ飛び、さらに他の国にと足を伸ばす。

 特別チームも新しい展開から遂に犯人と覚しき人物を絞り出すことに成功する。操作の輪は次第に絞り込まれるのだが・・・。

 このラストは不本意なところもあるけれど、これはもしかしたら続編につながるのかも知れない。

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