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2019年8月20日 (火)

映画寸評(7)

 先週末に民放で『千と千尋の神隠し』を観た。たまたま見たら止められなくなったもので、見たのは後半だけであるが、このアニメが傑作であることをあたらめて実感した。半年ほどしたら、もう一度頭から見直したいと思う。今回千尋の母親の声が沢口靖子であることをはじめて知った。トンネルが異界との通路であることはさまざまな物語で表現されてきたが、それは私にとっては空想ではなく、すでに真実の記憶でもある。

 

 ひきこもっているので映画鑑賞と読書にかなり時間を割くことが出来ている。今回はアニメ映画二作品について。

 

『ペンギン・ハイウエイ』2018年・日本
監督・石田祐康 (不思議な)お姉さんの声が、聞いたことがあるなあと思ったら蒼井優であった。

 

 アニメ大好きなどん姫はこの映画を観ていて、「面白かったけれどよく分からなかった」と言っていた。
 突然街中にペンギンが出没する。それも一頭だけではなく次々に現れる。そのペンギンはどこから来たのか。
  
 主人公の少年、アオヤマ君は賢い。そして自分が賢いことを自覚している。何ごとにも動じず、見たことを信じてその原因、理由を解明しようとする。生意気そのもののアオヤマ君が次第に魅力的なキャラクターに見えていく。ここでも異界との通路としてトンネルもどきの境界が登場する。ペンギンの出現する必然性が語られないから、「よく分からない」ことになるが、この原因となる「海」という特異点について受け入れて物語りについて行けるかどうかがこのアニメ映画を愉しむための条件だろう。こういうものはアニメだからこそ描けたのだろうと思う。私は大変愉しめた。

 

『ももへの手紙』2012年・日本
監督・沖浦啓之

 

 小学校六年生の宮浦ももは父親が事故死したので、東京から母親の故郷である瀬戸内海の島に越してくる。母親は夫の死の痛みからまだ回復しきっていない。そしてももも父の事故死の前に口げんかをしたままであったことにこだわっている。

 

 そのももが古い家のなかで出会った妖怪たちとの交流のなかで成長し、他の人たちの心を思いやる心を身につけ、母親の哀しみを感じることができるようになっていく。子どもから少女の変身がやさしく語られていく。

 

 父親からは「ももへ」とだけ書かれた手紙が残されていた。そのあとに父親はなにを書きたかったのか。なにをももに伝えたかったのか。妖怪たちの助けを借りて、ももはついに父のメッセージを受け取る。ラストに感動する。日本のアニメはいいなあ。
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