1992年に初めて中国旅行に行った。1989年に父と行くつもりでいたのに天安門事件でキャンセルとなり、事情があってしばらく行くことが出来ず、やっと行くことになったが、父は痛風の発作などもあり、同行しなかった。今年5月に父は大往生をしたが、天安門事件がなければ父と行っていたはずで、悔やまれる。かえってから中国の様子を話すと、「西安はきれいな街だったろう」と目を細めていた。父は専門学校を卒業するとすぐに中国に渡り、中国で青春を送った(ほとんど軍隊にいる方が多かったようだが)。青春時代に西安に行ったことがあったのだろうか。戦争映画すら戦争を思い出すから大嫌いな父なので若いときの話はほとんどしない。だから中国時代の話はついに聞かずじまいとなった。1992年には西安の新しい空港が出来たばかりだった。バスで市内まで50分くらいだったと思う。突然畑の中に黒い煙をもくもくと出している建物が見えた。ガイドに聞いたら火力発電所だという。黄河の支流の渭河を渡って西安市内に入る。市内に入るあたりまで小雨交じりだったが、気がつくとやんでいた。
早朝ホテルから散歩に出かけた。プラタナスの街路樹に早朝の斜めのひかり、そして自転車がつぎからつぎに通り過ぎていく。この写真は自分が撮ったものの中で一番好きな写真。
火力発電所。実際にはもっと大きく見えている。
渭河。雨のあとなので水量が多い。黄河の支流。古来中国の歴史を見続けてきた河。
バスから見ているとそこら中の塀にプロパガンダが書かれていた。幸い何を書いているか全く分からない。
西安は横道も街路樹が豊富でほこりっぽいけど美しい。
小雁塔。昔は登れたらしいが今は登れない。もっと高かったが地震で丈夫か崩れ少し背が低くなっているという。
小雁塔遠景。13層(昔は15層)。
小雁塔のある薦福寺(せんぷくじ)の中の門。庭園が美しく静かで雰囲気の良いところだった。
同前。切り絵を展示して販売している。磨りガラスに映えて美しい。
同前。庭園。木陰をさわやかな風が渡る。こんなところで一日本でも読んだら最高だろう。
西安城郭の高楼。西安は城郭が欠けずに残っている。旧陝西省博物館の入り口から。
旧陝西省博物館入り口。樹が屋根を突き破っている。たいしたものは展示していなかった。今は大きな博物館に移転している。見るのに一日かかる。
碑林。西安に行くと必ず寄る。そして拓本を一つ買うことにしている。だんだん高価になっている。
ガイドはたどんと言っていたがどう見ても練炭だった。戦前、日本人が中国に教えたようだ。中国のは炭ではなく石炭のクズを固めたものらしい。毎年一酸化炭素中毒でたくさん死ぬらしい。
ホテルの窓からの景色。手前に蒲団を干している光景があり、遠景に城壁とその高楼が見える。
寂しそうに一人ぽつんと立っていた女の子。もう一人っ子政策は始まっていた。
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