中国ウオッチ・ホタテ大量死
河北省沿岸で養殖業者160戸が養殖しているホタテ貝などの海産物が先月20日以降、大量に死んだ。
これは6月に原油流出事故を起こした蓬莱油田が原因であると見られ、補償を求めることを計画しているが、専門家は訴えを起こしても因果関係を証明するのはむつかしいのではないか、と悲観的な見方をしている。蓬莱油田の流出事故については取り上げていなかったので、経緯をあらためて報告する。
蓬莱油田は汚染で悪名の高い渤海湾にある中国最大の海上油田で、中国海洋石油と米コノコフィリップスの共同開発で稼働している。
事故は当初隠蔽されていたが、インターネットで情報が漏れ、各方面からの問い合わせに対して、石油会社は半月ほどたった今月初めにようやく原油が流出したことを認めた。
中国の公的機関は石油会社の話として、原油の流失は約200平方メートル程度の軽微なもので、処理も済んでおり、海域の環境への影響はわずかである、と報じた。しかし別のメディアでは幅2~30m、長さ3Kmに渡って油が流れていると報じていた。
その後批判が相次いだ後、中国海洋局は原油の流出面積は約840平方キロに達しており、周辺海域に一定程度の汚染戦被害をもたらした、と発表した。200平方メートルと840平方キロでは420万倍も違う。どういう神経をしたらこんなでたらめが言えるのだろう。
その後終息宣言にもかかわらず12日以降も油の流れが見つかっており、再度油漏れが起きたのか、そもそも事故が収まっていなかったのではないかと疑われている。その後応急処置としてオイルフェンスの手当と油処理剤の散布などがおこなわれたが、汚染区域は拡大して汚染面積は4240平方キロに及んでいることが明らかになった。ほぼ富山県の面積に当たる。漏れだした油は遼寧省や河北省に及び、海水浴場などにも流れてきている。
国家海洋局は原油流出が収まるまでプラントの稼働を停止するよう命令を出した。
冒頭のホタテの被害は油または油処理剤の影響であると見られる。
蓬莱海上油田はここ数年で同様の事故をたびたび起こしていたのではないかと見られ、そのたびに事故を隠してきたのではないかといわれる。これでは渤海湾が汚れるわけである。しかもこの油はいつか日本海まで流れ出てくるのであり、人ごとではない。
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