大沢在昌著「絆回廊 新宿鮫Ⅹ」(光文社)
5年ぶりに新宿鮫が還ってきた。このシリーズは新宿が舞台なので中国に関係する登場人物が多い。当然新宿を根城にする組織暴力団も必ず登場する。犯罪は特定地域にとどまらなくなった。新宿という窓口から中国が、そして東南アジアがつながって見えてくる。新宿に22年ぶりに男が帰ってくる。殺人罪で服役していた大男だ。男はある警察官への復讐の念にとらわれており、なりふりを構わない。その男の出現に隠れていた犯罪グループが浮かび上がってくる。狙われている警察官(意外な人物だが、シリーズを読んでいる人なら途中で、もしかして、と思うかもしれない)を守るために動き出した新宿鮫は必然的にその犯罪グループと対峙せざるを得ない状況となる。今回は新宿鮫こと新宿署の鮫島が、つらい別れを経験する。
この後の鮫島はどうなるのだろうか。シリーズを読んでいる人なら必ず読むと思う(もう読んだかな)ので、読んだことのない人、是非読んでみてください。おもしろいことを補償します。多分シリーズの最初から読みたくなるはずです。
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