中国ウオッチ・レアアース④
東京大学の研究チームが、太平洋中部および東南部の深海の泥の中にレアアース資源が含まれることを調査確認した。地上のレアアースの精錬には放射性物質を取り除くという難題があるが、この深海のものはほとんど放射性物質を含まず、回収が容易であると期待されている。回収が容易であればコストもそれだけかからない。しかもその量は膨大である。
中国の独占体制は一挙に崩れる可能性がある。
この情報は中国でも報道されたが、中国の反応がおもしろい。
「海底にレアアースが存在することは中国では以前から承知していた。とっくに知っている古いニュースだ。しかし海底のレアアースは使い物にならない。」というのが一つ。深海からの回収の困難さをいっているのだろう。
「今回のニュースは日本の脅しである。中国からのレアアースの入手を有利に進めるためである。そもそも公海上存在するものを日本が独占できるものではない。」というもの。自分だったら独占するから日本も独占すると決めつけている。
「海底のレアアースの量は、日本がいうほど多くない。わずかな量を困難な深海から回収するのはコストが合わない。」
実際まだ具体的な回収方法も考えられていない段階であるが、中国のいうことにも何か負け惜しみみたいなところがある。
中国のやり方に懸念を感じ、そして反発して、他のところで生産しようと世界中が動き出していること、多少のコストがかかろうと深海から安定的に回収しようとしているのである。中国が信用できて、安定供給が確保できるなら何もわざわざそんなことをしないのだ。世界は中国が信用できない、といっているのだ。分からないのかな。分からないだろうな。レアアースについては以上。
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