中国ウオッチ・レアアース①
希少鉱物資源、レアアースとレアメタルは中国がほとんど独占生産販売している。これはこの鉱物が中国に偏在しているわけではなく、生産コストが中国が最も低いために他の国で生産しても価格が合わないために、結果的に中国が独占しているかたちになっている。なぜか。この鉱物を生成する際に放射性物質を始め、たくさんの環境汚染物質が出るのだが、中国は環境汚染対策を無視した生産をしているために他の国では太刀打ちできないという背景がある。去年秋の尖閣諸島でのトラブルの時、レアアース、レアメタルを人質に日本にプレッシャーを掛けたことは記憶に新しい。このような出荷制限は明らかなWTO違反なのだが、環境問題も事実中国ではかなり深刻になっていることから日本以外の国、特にヨーロッパ向けにも出荷量を60%程度に落とし、価格も大幅に上げてきた。いろいろな分野で絶対必要なものなので、各国は中国以外の国での生産を検討し始めた。価格が急騰しているので採算が合うようになったことも大きい。さらにあまりに中国の一方的なやり方に各国が中国離れを考えたのだ。2009年、米国、EUとメキシコからの提訴に基づき、WTOが中国のやり方の是非を調べて、先般一部鉱物資源の輸出規制はWTO違反であるとの正式な判定が先般ついに下された(レアアース、レアメタルについてはまだ)。
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