富樫倫太郎著「SROⅢ キラークィーン」(中公文庫)
前々作「SRO Ⅰ」の連続殺人犯が逮捕されて50数日、犯人すら知らない人物から救いの手が伸びる。まんまと官権の手を逃れた犯人は救い手の思惑など無視してやりたい放題の行動を開始する。その行動を推察し、SROは復讐から身を守りながら逮捕に腐心する。
作為のない快楽殺人者はかえって隙がない。瞬間瞬間での自分の研ぎ澄まされた感性にしたがうことで行動は意表を突いたものとなる。
物語は解決に至るのかと思いきや続編必至のかたちで終わる。
おもしろいことはおもしろいが、続編に食指が伸びるかどうか分からない。ところで美人で颯爽としているSRO副室長の芝原麗子の、人に隠しておきたいすさまじい生活が犯人のせいですっかり暴露されてしまう。どうなるのか心配していたが、明らかになったことで心からほっとした。本人もほっとしたに違いない。読んだら分かります。
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