澤田ふじ子著「遠い椿 公事宿事件書留帳17」(幻冬舎文庫)
澤田ふじ子の時代小説は京都が舞台のものが多い。このシリーズもその一つ。市井の人の京都言葉の会話から季節と街の出来事が目の前に浮かび上がってくる。そういう導入部のものが多い。ハッピーエンドのもの、悲劇的な結末に終わるものそれぞれに、人の哀しみ、業の深さ、世の中の不条理を越える人々のやさしさが胸を熱くさせる。
時代小説が苦手な人、少し我慢して読み進めてみてください。心の中で流す涙で何かが洗い流され、すっきりして生きる元気が湧いてきます。
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