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2011年7月30日 (土)

共著「復興の精神」(新潮選書)

養老孟司「精神の復興需要が起きる」、茂木健一郎「変化への希望」、山内昌之「公欲のために私欲を捨てよう--「災後」の歴史認識」、南直哉「無力者の視線」、大井玄「プロメテウスのように」、橋本治「無用な不安はお捨てなさい」、瀬戸内寂聴「無常--どん底は続かない」、曾野綾子「いきてるといいね」、阿川弘之「大丈夫、必ず復興しますよ」の9編が寄せられている。震災直後に依頼され、4月中にそれぞれから寄せられたものである。それぞれに震災について熱い思いを語るが、それが優れているのは震災になる前の日常について確固とした思いがすでにあった人たちだから非常時である震災の意味が対比として正しくとらえられ、震災後に新たな日常はどうあるべきか、ビジョンを語ることができるのだ。
それぞれにそのメッセージは、読者である私に直接伝わる書き方になっている。酷評した石原慎太郎の本とは違うゆえんである。石原慎太郎の本は誰に向かって書いているのか全くわからない。闇夜に吠える野犬の遠吠えだった。
曾野綾子の「いきてるといいね」というのは最後に紹介されている被災者の子供の詩の一節である。この詩を素直に読むと胸が熱くなる。この詩を知っただけでもこの本を読んだ値打ちがあった。是非読んでみてください。

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