中国ウオッチ・レアアース③
2011年下半期のレアアース輸出枠が近く公表される予定だが、この時期にいくつかの鉱物で初めて前月比で値下がりしているものが出てきた。これはレアアースの需給が均衡に向かっている、と一部で評価されている。レアアースの価格は今年に入って2倍以上に急騰していた。
数量が限定されているものを独占的に確保し、価格を意のままにする、という手法は過去、欧米の巨大資本がおこなってきた汚いやり方だが、中国は世界から湯水のように流れ込む資金を利用して欧米のやり方をまねしているに過ぎない。だからといって許されることではない。
欧米がそれ以外の世界に対して特権的におこなってきたことをまねして大やけどをしたのが日本だった。アジアやアフリカ、南米を植民地として支配し、それで豊かな生活を送った欧米だったが、植民地経営にはそれなりの負荷がかかること、限られたものの奪い合いは第一次世界大戦のような大変な犠牲をもたらすことを学んだ。世界がそのやり方を変えようとし始めたときに遅れてそれをまねたのが日本だった。
日本はなぜ同じことをしているのにとやかく言われるのか分からなかった。世界は変わりだしていたのだ。
中国はさらに世界に遅れて参加した。だから欧米や日本がやってきたことをやろうとしてなぜとやかく言われるのか理解できない。だから欧米の搾取である、といってはばからないのだ。
スペインやポルトガルが世界を収奪した。遅れてイギリス、フランスなどがそれに替わって収奪した。ドイツはさらに遅れたので収奪するものがない。そこでヨーロッパそのものを支配しようとした。さらに遅れたアメリカがヨーロッパに成り代わってまず北アメリカ大陸を、そしてアジアと南米を収奪しようとした。さらに遅れて日本が中国を収奪しようとした。日本だけが侵略者ではない。
もっとも遅れてきた中国は、世界の中心は中国であり、元々世界は中国のものであるという中華思想の持ち主である。チベットしかり、内モンゴルしかり、カシミール地方しかり尖閣諸島しかり、南沙諸島、西沙諸島しかり、すべて中国にとってはそれらはもともと中国のものである。
なぜそれが問題なのか中国には分からない。
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