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2011年7月28日 (木)

佐伯泰英著「一矢の秋 居眠り磐音 江戸双紙37」(双葉文庫)

刺客を避けて隠れ里に潜む坂崎磐音一行がついに敵の首魁との決戦を決意する。坂崎磐音がいない江戸でのいろいろなエピソードを絡めながら物語は決戦のクライマックスに向けて盛り上がっていく。この巻は逃避行から反撃への転換点になる巻のようだ。
こう書いてもこのシリーズを読んでいない人にとっては何のことやらわからないだろう。またNHKのシリーズを見ただけの人にもわかりにくいかもしれないが、磐音は田沼意次に狙われて苦労しているのだ。
この物語で佐野善左衛門が登場する。後に江戸城内で田沼意次の息子、田沼意知に斬り付けて討ち果たす人物だ。この事件をきっかけに田沼意次は力を失っていく。浅野は短慮の人物として描かれており、実際の記録でもそのような人物だったらしいが、浅野内匠頭みたいに吉良上野介に斬り付けたはいいが、額にうっすらと傷をつけただけという情けないのとは違う。少なくとも武士らしい。
このシリーズは出ると必ず読んで紹介しているので同じことをまた言うが、とにかくおもしろいシリーズなので読んでない人は読んでみてください。
もちろん第一巻からですよ。この第37巻まで一気に読んでしまうと思いますし、そして次がいつ出るのか待ち遠しくなることを請け合います。

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