内田樹著「『おじさん』的思考」(晶文社)
日本の国はこつこつ働き、家庭を大事にし、正義を信じる「正しいおじさん」たちが支えてきた。今、そのおじさんたちを否定し、嘲弄する言説が世の中に蔓延しているとき、あえてそのおじさんを擁護するべく内田樹先生が立ち上がった。
「正しいおじさんの正義」は正しい。「正しいおじさん」こそ大人である。「正しいおじさんの常識」から現在の世相の問題点を見直し、危機的状況に対する考え方を提示する。
「大人」とは何か、「大人になること」について漱石の「虞美人草」や「こころ」などの文章から、大人になり得る人と大人になり得ない人を峻別する論理を展開する。
もちろん大人とはお金や物や情報をたくさん持っている人のことでは決してない。先生によれば自分以外の人や物に対するたたずまいのことだという。その意味は・・・この本を読んでほしい。
私は大人だろうか?・・・あなたは大人か?
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