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2011年8月 6日 (土)

落合淳思著「古代中国の虚像と実像」(講談社現代新書)

著者は立命館大学文学部助教授。最新の中国古代研究の成果をもとに史記をはじめ多くの文書の誤謬を正す。
三国志と三国志演義とはかたや歴史書、かたや物語、と大きく違うもので、書かれた時代も1000年近く違う。しかし三国志演義に書かれたことが歴史的事実のように思い込んでいるひとも多い。
歴史書は特にその前の王朝までを主体に、書いた人間にとっての現代までしか記すことができない。そして現在の王朝を正当化するために直前の王朝を悪く書くのが通例である。
これを常識としていても、それをある程度意識しながら史書をひもとけば古代中国に思いをはせることが出来る・・・と思っていたらそんな程度の割り引きかたでは全く史実と違うというのだ。
この本に書かれていることはかなり正確であろう。だから中国の古代史は修正をするべきものが多分にあることは認める。
しかしこの本の通りに修正を加えるとロマンがないなあ。
文章は簡潔で、ひとつの話題も短くまとめられていて読みやすい。
ただ裏付けのある話と、論理のみで断定している部分があり、若干の違和感はあった。

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