中国ウオッチ・宿題
中国・江西省の小学生三人が、宿題が終わらず学校で罰されるのを苦にして飛び降り自殺を図った。幸い命は助かったが重傷だという。
「死ねば宿題をしなくて済む」「死ぬのは怖いが先生に叱られるのはもっと怖い」と子どもたちは言っているという。
「受験地獄」などとマスコミが騒いでいた時代が日本にもあった。団塊の世代が、数が多いことから必然的に競争にさらされざるを得なかった時代を反映したものだ。しかしその時代に受験校に在籍していたまさに当事者として思い返してもそんなに身を削って受験勉強をしている人間は見なかった。ただ受験というストレスから逃れたいという逃避のこころは皆持っていた。それをマスコミが受験地獄という幻想の言葉で迎合していただけだと今なら分かる。これがゆとり教育というおかしなものを産み出した。
しかし中国の教育加熱は日本の「受験地獄」どころではないようだ。何せ日本の団塊の世代の時代よりはるかに数が多いから競争も尋常ではないのだ。都市部では家計を傾けて子どもの教育費を捻出する家庭が多いと聞く。当然学校に対しても厳しい教育が求められ、それはそのまま子どもへのプレッシャーとなっているのだろう。
今回も、学校側は通常一日1時間で終わる宿題を出している、週末なので3時間分を出しただけだと説明している。しかしこの宿題を30分で片付ける子どももあれば倍の時間でも終わらない子どももいるだろう。親は自分の能力を振り返って過度に子どもに期待をかけてはいけない。我が娘のドン姫は「ムリ!」とのたまってほとんど宿題をしなかった。学校から再三親子で注意を受け、親としても放置していたわけではないが、ついに高校卒業までこれで通してしまった。親以上に自分を知っている娘である。サボった付けは一生払い続けなければいけないけれど、覚悟はあるのだろう(と思いたい)。
やはり中国の話だが、しばらく前に、洪水が我が家に迫り避難しなければならない状況なのに机の前にしがみついて「宿題をしないと学校で叱られる」と頑張っていた小学生の話が伝えられていた。もちろん親が無理矢理抱きかかえて逃げたそうだが、子どもは半狂乱で泣きわめいていたそうだ。
日本の子どもより中国の子どものほうが純粋なのだろうか。
このニュースの子どもは全て女の子である。
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