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2011年9月 9日 (金)

平岩弓枝著「諏訪の妖孤」(講談社)

「はやぶさ新八御用旅」シリーズの最新刊。平岩弓枝の「御宿かわせみ」のシリーズとこのシリーズは出たら必ず買う。
今回は甲州から諏訪への旅である。
築地で上がった女の水死体と、内藤新宿で発見された甲府勤番侍の死体の謎を追って、隼新八郎は藤助を供に連れて甲府へ旅立つ。
旅立ちを命じた江戸南町奉行・根岸肥前守はすでにある程度の情報を承知しているらしいのに新八郎には詳細を語らない。先入観を持つことを恐れたのだ。新八郎はわずかな手がかりと持ち前の勘の良さで事件の核心に迫っていく。
しかし事件は想像以上に大きな背景を持つものだった。甲府から引き寄せられるようにさらに諏訪に向かう新八郎と藤助。そこではさすがの新八郎も絶体絶命の危機に陥るが・・・。
今回もお鯉さんの出番が少ない。新八郎もすでに妻帯してしばらく経ったのであまりそちらへの発展は控えているのだろうが、読者としてはもっとお鯉さんに登場してほしい。これは私だけの思いではないだろう。長谷川伸門下で池波正太郎の妹弟子の平岩弓枝は今更云うこともないが、外れのない作家だ。この本も大変おもしろく読めました。

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