土屋賢二著「ツチヤの貧格」(文藝春秋)
久しぶりに大笑いした。譜面の読めない自称ジャズピアニストにしてお茶の水女子大学哲学科教授、ツチヤ先生は自虐的なまでの恐妻家である。いや、女性全般に対して全く歯が立たないのだから恐女家とでもいおうか。女子大の教授で恐女家ではその人生は惨憺たるものがある。
ほとんどスラプスティックで、シュールですらある。
ツチヤ先生の本は購入して読み始めるとたちまち読み終わってしまう。費用対効果が時間的に見るときわめて低いのだが、本屋で手にすると魔女に魅入られたように購入してしまう。
ツチヤ教授の本には哲学はない(専門書もあるので例外的にそこには哲学が論じられている)(本当はあるのかもしれないが、見つける前に読み終わってしまう)ので、ツチヤ教授の本が本屋の思想・哲学のコーナーにあるからと云って、読んでも思想や哲学を学ぶことは出来ない。
しかし、実は読んでいる本人が知らないうちに哲学を学べているのかもしれないが、何冊も読み散らした私にはその実感は今のところない。
だから本を読んで大いに楽しみたいとおもう人以外はこの本は買わない方が良い。いったん買い出すと癖になります。
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コメント
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私も土屋先生大好きです。http://bullerbyn.cocolog-nifty.com/blog/2010/07/post-99e1.html
河合隼雄先生の「ウソつきクラブ」に通じるものがあるように思います。
投稿: Lisa | 2011年9月 2日 (金) 08時05分