佐伯泰英著「旧主再開・酔いどれ小藤次留書」(幻冬舎文庫)
酔いどれ小藤次のスピンオフ、若き日の小藤次を描いた「品川の騒ぎ」の縁で小藤次は信州へ行く。信州松野藩藩主・松平保雅が、小藤次の旧主豊後藩藩主・久留島通嘉を介して小藤次に松野藩のお家騒動解決を依頼してきたのだ。反藩主派の支配している地で小藤次は身動きがとれず苦戦するが、あえて強硬な陽動作戦をとることで、突破口が開ける。
後は敵をばっばったと痛快に片付けるだけである。
最後に藩主自らお礼をかねて旧交を温めに訪ねてくるというのをおりょう様の望外川荘で迎えて歓談する。懐旧談の中に人生の転変の不思議さを考えさせ、おりょう様に魅入られたように「出来れば小藤次と替わりたい」という松平保雅の言葉に共感する。
カバーに感涙必至とあるが、年のせいかそのとおりじんときてしまった。
このシリーズを読んだことのない人には何のことやら分からないだろう。申し訳ない。
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