中国ウオッチ・武器売却
アメリカが台湾にF-16戦闘機を含めて総額58億5200万ドルの武器売却を決めたことはすでに報道されている。
中国はせっかくバイデン副大統領の訪中で良好な関係を築きかけたのにそれを壊しかねない、と強く警告した。中国の軍事専門家の中には「中国人民を愚弄するものである。ロシアなどの方法を見習い、中国は報復としてミサイル配備の増強などの行動に出るべきである」などというものまで現れた。両国の軍部にとっては喜ばしい言説である。
1979年に米中が国交回復を果たして以来、中国は、台湾は中国領であり、武器の輸出は漸減すべしと主張、アメリカは武力による台湾接収でない限りは成り行きを認めること、武器売却も減らしていくことで了解していた。
だから人民日報は「アメリカは信義に背き、国際的な義務を果たしていない」と非難した。
中国にとって台湾との統一は建国以来の悲願である。多分いつかは実際に達成される悲願だろう。
しかし中国は東シナ海で、そして南シナ海で、さらに尖閣で露骨に覇権主義的行動をとり周辺国と摩擦を繰り返している。さらに空母を作り、海軍を増強しようとしている。
だから日本も韓国も台湾もフィリピンもベトナムも、中国に対抗しようとそれぞれに対策に動いているのだ。
中国にとっては心外だろうが、中国の行動が台湾や韓国の軍備の増強を生んでいる。そしてそれは中国軍部にとってはさらに軍備増強の理由となっていくという悪循環につながりそうである。
しかし軍備には金がかかる。とてつもなくかかる。アメリカが衰潮に入ったのはこの膨大な軍事費が最大の原因である。ソ連もそれで分解した。
中国はアメリカやソ連の轍を踏みつつある。
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