勝見洋一著「中国料理の迷宮」(講談社現代文庫)
すごい本だ。中身が濃いので読むのに時間がかかった。料理という窓から中国の歴史と文化を語っていく。中国人でもここまで詳細に書ける人はいないのではないか。今まで中国の料理に関する本を何冊か読んだが、桁違いに優れている。
ある時代の、ある繁華街の料亭の様子が眼前にあるがごとく描写され、そこで出された料理の材料と料理のポイントが説明される。湯気の出たその料理が見える。
文化大革命時代のリアルタイムの経験は貴重だ。
そこで失われたものは何だったのか。改革開放後、料理は復活したが、本来のものと似て非なるものになりはてている。しかし何人かの天才料理人が、新しい料理の潮流を生み出している。
中国に今すぐ行って中華料理を食べたくなった。
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