中国ウオッチ・逃亡
温家宝首相が人民銀行総裁と財務大臣を引き連れて温州を訪問し、現地の中小企業家や地元政府と会議を行った。
温州市は浙江省の南部の都市で福建省と接する位置にある。温州商人といえば、中国のユダヤ人と称されるほど商才に長けていることで有名。
温州市には中小企業も数多く、活気のある街だが、最近は他の都市と同様、賃金高、元高で経営に苦しむ企業も多い。
そのさなかに、あるオーナー社長が経営難から逃亡、この会社の債権焦げ付きなどから負のスパイラルが発生。竜巻のように他の会社でも閉鎖、倒産が続発。2011年4月以降だけでなんと90人もの社長が逃亡した。当然賃金未払い、債権回収不能が起きている。
中国が国際金融サミットに参加するときのような顔ぶれでわざわざ温州市を訪れたのは事態がそれだけ深刻であることを物語っており、中国全土で注目されている。
訪問団は可能な限りの方策を持って経済・金融の安定に努めるよう地元政府に指示して引き上げたという。
これが一地方の特定の状況なのか、他の地域に飛び火するような中国経済の本質的な問題なのか、しばらく注視してみたい。
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