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2011年10月28日 (金)

北海道④

22日に稚内から利尻島に渡る。1時間50分の船旅。夕方利尻の鴛泊(おしどまり)港に到着。船に乗るときに連絡した民宿のある沓形へ向かう。利尻島は利尻山そのもので、人は山裾の海岸線に散在するだけだ。人口約5500人、島の外周を一回りしても60Kmもない。ゆっくり回っても2~3時間で一回りしてしまうが、見所は何カ所かある。翌日は島内を散策し、余裕があれば礼文島へ渡ることにする。ただ天気が下り坂で心配だ。宿の主人に聞くと「もつんでないかい」というので安心していつものように島の肴で飲む。燗をつけてもらうのが面倒なので一升瓶ごともらう。地酒というのがないらしい。「多聞」を渡された。

眠りに就いていた夜中、ミシミシいう音で眼が覚める。民宿全体が地震みたいに揺れている。雨がたたきつける音がする。台風みたいな暴風雨だ。朝になってもそのまま降り続けている。風は昼頃には収まったが、雨は午後三時頃まで降り続けた。いかんともなしがたい。友人は古い10年前くらい前からのぶ厚い宿帳をめくって遊んでいる。外国人の宿泊客が結構いる。ただ、現在は宿泊客は我々二人だけだ。もう一泊せざるを得ない。もちろんフェリーは欠航。まだ何も見ていないので船が出るとしても乗るつもりはない。礼文島はあきらめてとにかく利尻だけは見ていくことにする。腹が減ったなあ、昼飯をどうしようか、と思っていたら宿の女将さんがジャガイモのお焼きのようなのをコーヒーと一緒に持ってきてくれた。

早めに夕食を出してくれたのでまた飲む。「多聞」も二本目だ。親父さん夫婦と今晩は一緒に盛り上がる。親父さんは隣にある床屋の主人でもあることを知った。同じくらいの年代だと思ったら69歳だという。髪が黒々しているので若く見えるのだ。宿泊客の話になり、スイスからたびたび来る客からスイスに遊びに来るよう誘われている、とうれしそうに話していた。そのスイス人は写真もプロ級で(プロかもしれない)写真集があった。宿の夫婦も写っている。

Photo_20 宿のご主人夫婦。「多聞」とともに。とても楽しかった。左側の浴衣の腕先が友人。

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