欧陽脩の書簡発見
九州大学の東英寿教授が、北宋時代の学者で政治家の欧陽脩の未確認書簡96通を発見した。この書簡は天理大学が所蔵する「欧陽文忠公集」の一部だが、東教授は中国と日本の資料を比較してこの96通が未確認であることを明らかにした。
早速中国のインターネットでは「日本が戦時中に中国から盗んだものだ」というコメントが出された。同時に「韓国で発見されなくて良かった。欧陽脩が『韓国人』だった証拠にされるところだった」という書き込みもあった。
この文書は、日本が古い時代に中国で購入したものを鎌倉幕府が設立した金沢文庫に保管して置いたもので、日本では国宝に指定されている。
書簡は欧陽脩が王安石に宛てたものなどで『科挙』にまつわる裏話なども書かれているという。当時北宋の政治改革を目指した王安石の「新法」について、欧陽脩は当初賛同していたが、後に反対派に回っている。
欧陽脩は唐宋八大家の一人として知られる文人でもあり、詩人、書家としても有名。また「新五代史」や「新唐書」を編纂したことで知られる。
北宋は後に王安石の新法が挫折、国力が衰えて北方民族の「金」に追われて瓦解し、南宋として再興するが、戦乱で多くの文書が失われている。この書簡も日本にもたらされたから残ったのだ。中国の文物で日本にしか残されていないものは数多くある。何でも盗んだ、と言いがかりをつけるのはいい加減にしてもらいたい。つぎには盗んだものだから返せ、というのだろう。北京の故宮博物院の文物が粗雑な扱いによって破壊され、また密かに横流しされている。その数は恐るべきものといわれる。元々どれくらいあるのか未だに整理もされていないのだ。そんな国に世界にひとつしかないものを返したらどうなるのか。恐ろしい。
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