小脳
医師は両手を顔の前に出してひらひらさせた。
「こうやってみてください。」といわれて母は同じような仕草をした。最初はゆっくり、次第に早くそれをやるようにいわれる。最初はいいが、せかされると旨くできない。つぎに医師は顔の前に人差し指を出して「自分の人差し指でこの指先に触ってください」という。E.T.みたいな仕草だ。「そして次に自分の鼻を指で触ってください」。「私の指と自分の鼻を交互に触ってください」。早くなるとこれがなかなかできない。
たぶん2年前の母なら「馬鹿にするな」と怒り出すところだ。起こらないところが悲しい。
「小脳が少し萎縮していますが年齢相応の範囲です。食事の際に食べ物をこぼしたり、ものを飲み込むのが旨くできなかったりしますか?」「少しこぼしますが、食事に不都合はなく、どちらかといえば食欲旺盛です」と答える。
「今のところ特に問題があるとはいえませんね」との医師の結論であった。
年をとると脳が萎縮するのだ。特に小脳が萎縮すると歩行に支障が出てくる。そして摂食障害が出るのだそうだ。
今群馬県の四万温泉の7部屋しかない小さな宿に母と二人で投宿している。部屋の前が渓流で終日瀬音が聞こえる。
昨日と今日はほかに客がないので借り切り。なんとここはイーモバイルのモバイルルーターがつながる。本を読んだり温泉に入ったり、ネットをしたり温泉に入ったり、ビデオを見たり温泉に入ったりしている。本日は終日雨。
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