江國滋著「遊び本位」(旺文社文庫)
江國滋は熱狂的な阪神ファンである。江夏とも交友があった。阪神の内紛についてこころから悲しむ。誰も悪い人はいないのになぜそうなのか。そうして巨人はなぜ内紛が表に出ないのか。新聞社がオーナーであることを理由に挙げている。(そうしたら巨人も清武問題から内紛が露呈した。ただこれはチームの問題ではないが)
江國滋は麻雀が大好きである。名人・阿佐田哲也直伝の腕前である。その交友録が語られる。
江國滋の旅と出会いが語られる。そして自分の青春時代、最も得意とする書評が語られる。内田百閒、山口瞳、江藤淳、等々。その辛口の面々の厳しさの内側にあるやさしさまで読み取る。この人は甘さが嫌いなのだ。男は仕事はもちろん遊びにも甘えがあってはならない。それがこの人の生き方なのだ。
江國滋・1997年、満64才を目前にして食道癌で死去。カードマジックはプロをうならせるほどの腕前。また俳句もする。
辞世「おい癌め、酌みかはさうぜ秋の酒」。
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