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2011年11月19日 (土)

映画「I SHOT ANDY WARHOL」

1996年アメリカ映画。監督・メアリー・ハロン、出演・リリ・テイラー他。アンディ・ウォーホールはアメリカ現代アートの巨匠。彼を銃撃した超過激なフェミニスト・ヴァレリー・ソラナスの行動を描いた映画である。
ポップアートの生みの親の一人でもあるウォーホールについてはプレスリーやマリリン・モンローのアート写真などでよく知られている。
フェミニズムはポップアートがもてはやされた時代と無関係ではない。この映画でもホモやレスビアンなどの同性愛があたりまえのアメリカの社会が描かれている。社会の常識をいちど解体しようと芸術家やいろいろな社会運動家が試行錯誤していた時代だったのだ。
アメリカは「新世界」ともてはやされ、移民による開拓で開かれた国だ。それは極端に男性の数が多い、当然女性が希少な世界だった。それならば女性は尊重されていたのか。新世界では力のあるものが正義だった。女性は開拓時代の暴力の世界では弱者であり、守るべき、貴重な存在であっても男性と同等の権利を持つなどとは考えられてはいなかった。
戦争の時代が終われば、暴力の時代が終わる。力の論理ではない時代の到来がフェミニズムを台頭させたのだと思う。
時代の風潮は振り子のようなものだ。ちょうど良いところでは止まらないで必ず反対側に振れていく。主人公のヴァレリー・ソラナスはもっとも極端なフェミニストだった。彼女がこの事件の後、精神病院に収容されるのは社会が許容する限界を超えたその思想の故である。
彼女は「全男性抹殺団」運動を唱えていた。この社会が自分の理想と考える社会と違う、と思うひとは多いが、今現在自分が生きている世界の根底部分だけは否定できない。そこまで否定すると自分自身も否定することになってしまう。人類、いや世界そのものを否定してしまうからだ。彼女はそこを乗り越えてしまった。だがフェミニズムをエスカレートさせると、もしかすると行き着く先は彼女の行き着いた世界かもしれない。今あるこの世界をまず実際にあるものとして認識し、そこから何を変えるかを考えないと、世界そのものの否定になってしまう(フェミニズムについて半端な知識しかないのに言い過ぎになっているようで申し訳ない、この辺でやめておく)。
とにかくしんどい映画であった。主演の女性はブァレリーの狂気を完璧に演じてすばらしい。振り子は振れ戻っていのだろうか。

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