中国ウオッチ・無賃乗車
上海市の発表によると、市内の地下鉄やライトレール(上海軌道交通)の無賃乗車数が一日のべ2万人(一人で何回も無賃乗車する輩がいるのだろう)に達していることが分かったという。
上海軌道交通は「駅の環境整備および乗車券発行業務の査察」と称する調査を行った。駅構内の路上生活者の実態や違法な広告活動、販売活動の把握の調査に併せて無賃乗車の実態の調査も行った結果である。
無賃乗車の手口として、改札で前の人にぴったりと付いて一緒にゲートを通過する、改札機を飛び越える、かがんでくぐり抜けるなどの目に見えるものと、高齢者用の割引カードを乱用、偽造して使用するなどのケースも多かったようだ。2010年の下半期で、偽造カード利用の疑いで1770人が摘発されているという。
以前バスのプリペイドカードの偽造が蔓延して使用が一時停止されたニュースを取り上げたばかりだ。
上海軌道交通では違法行為が発覚した場合、運賃の5倍の追加料金を徴収することになっていると言うが、ほとんど効果がない。
こののべ2万人という数字が利用者の何%に当たるのか分からないが、驚くべき数字であることは間違いない。違法行為をする輩は中国全体としてはわずかだろうが(そう信じたいが)「うまいことやった」とか「賢いやり方だ」と思う人間はそれ以上にいるはずで、それを通用させている事態こそが憂うべきことだと思う。
都市部の道路の混雑は限界を超えかけており、都市部への車の乗り入れを制限するなどの措置が取られている。その代わり、インフラ確保の一環としてバスや地下鉄などの公共交通機関の整備を進めているときにこのような違法行為を見逃すのは経済的損失以上のものがある。
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