内田康夫著「黄泉から来た女」(新潮社)
ご存じ浅見光彦シリーズ。テレビの浅見光彦シリーズだけを見て、「浅見光彦」のイメージをこんなもの、と思っているひとはいちど本を読んでもらいたい。
映像化した「浅見光彦」で原作のイメージと合致するのは映画「天河伝説殺人事件」で榎木孝明が演じた浅見光彦だけだと私は思っている。育ちの良さから来るやさしさと知性の輝きがないと浅見光彦にならない。テレビで浅見光彦を演じている役者には申し訳ないがそれが感じられない。母親の雪江役も救いがたい。野際陽子?論外だ。
この物語の発端は天橋立だが、舞台は主に出羽三山(山形)。出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)は日本の霊場である。このシリーズは社会問題がテーマのものも多いが、歴史的な怨念の絡んだ、土俗的なものにも傑作がある。重ねて言う。テレビでしか浅見光彦を知らないのならいちど本を読んでほしい。
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