中国ウオッチ・農薬の副産物で食塩
安徽省で、農薬の生産時に出る不純物を含む塩化ナトリウムの一部が食塩として食品用に流通していることが明らかになった。
摘発されたグループは、江蘇省の除草剤を製造している企業から副産物を買い取る会社を設立。この会社は無資格でこの副産物を「工業塩」として販売していた。この工業塩は不法卸売業者に販売され、さらに不法小売業者に転売されていたという。小売業者は食品加工の業者に売っているものもあったらしい。転売が繰り返されていたため、どの会社がどこにどれだけ食品用に販売されたか現状ではつかみ切れていない。
この工業塩には農薬成分が、日本や欧米の基準である20mgを越えて55mgが含まれていた。現在のところ健康被害の報告はないが、専門家は潜在的に危害が及ぶ恐れがあると述べている。
このような食塩の流通ルートはかなり複雑なネットワークのもとに管理されているようで、今回のことは氷山の一角に過ぎない可能性がある。 もともと中国は塩の専売が税収入の基幹であった。そのため、塩の闇ルートによる販売が反体制組織の資金源となり、そのネットワークがいわゆる幇(パン)という地下組織を作った。これは中国マフィアのようなものである。香港などには今も多数存在し、中国全土にその組織が今もあるともいわれている。
幇は本来的にはそのような反体制組織であり、義侠的連携でつながっていたはずであるが、すでにそんなきれい事とは無縁の単なる社会悪に成り下がっているのだろうか。
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