中国ウオッチ・鉄鋼業界の冬
中国の粗鋼生産量は現在ダントツの世界一である。しかし鉄鋼生産企業の乱立は過当競争をもたらし、その平均利益率は3%を切るところまで落ちている。これは世界的な資源高の中で鉄鉱石も値上がりしているが、それが過当競争で鉄鋼の価格に反映できていないからだ。そのため銀行からの借り入れが困難になりそうな企業が出始めており、2012年は鉄鋼業界に冬が来る、と業界トップが年頭に当たりメディアの取材に答えている。
この状況は造船業界も同様である。日本や韓国を抜いて世界最大の造船量を誇っていたが、今や造船の受注が一段落し、淘汰が始まることが間違いない状況だという。
中国は国土が広く、各省が一つの国のようになっており、国全体での適正な生産をコントロールすることが困難で、生産過剰を産みやすい体質を持っている。自動車会社も各省にある、という状況だ。しかし、それだからこそ激烈な戦いに生き残るのは、したたかで足腰の強い企業であり、国際競争力のある優秀な会社がこれから日本や韓国の企業に対して立ち向かってくるだろう。
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