中国ウオッチ・大気汚染深刻化
北京のアメリカ大使館は独自に大気汚染度を測定し、その数値を公表している。それによると昨年秋からの大気汚染がいっそう深刻になっていることが明らかになった。
北京当局はそれほど大気汚染はひどくなっていないという発表を先月しているが、基準にしている測定値が国際的なものと違うため、ほとんど意味をなさない。アメリカ大使館の発表するものは北京市民の実感とほぼ合致しているようだ。
PM2.5という世界で標準とされる微粒子物質の値がこの10日には1立方メートル当たり、534マイクログラムを記録した。これは最も深刻とされる「危険」指標に該当する300~500マイクログラムを超えており、健康被害のおそれが極めて大きい。ちなみに日本の環境省が設定している基準は年平均値15マイクログラムである。
自動車の急増による排気ガスの汚染と、冬場の各家庭の暖房のための石炭消費による汚染が重なっていると見られるが、普通北京は冬になると比較的に強い北風が吹くので汚染大気は滞留しない。ところがこの冬は北風があまり吹いていないために拡散していないようだ。
スモッグ警報が連日出されており、見通しの悪さから交通事故も増加している。飛行機の離発着の遅れやキャンセルも頻発しており、北京は今深刻な事態を迎えている。この10年で肺がんの死者が6割増えているともいう。外出の際のマスク着用や、家庭用の空気清浄機が必需品で、高性能の高価なものほど飛ぶように売れていて品薄となっているという。
北京に行く予定の人は是非日本からその準備をして出かけるようにすることをおすすめする。
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