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2012年1月25日 (水)

中国ウオッチ・ジニ係数

 その国の貧富の差を表す「ジニ係数」というのがある。これは社会の所得の配分の不平等状況を見る数値で、この数値が小さいほど格差が少ないとされ、0.4より大きいと社会不安が起こりうるほど格差が大きいと見られる。
 主要国はその数値を公表しているところがほとんどであるが、中国は2000年まで公表していたのにそれ以後は公表をやめている。なぜ公表しなくなったのか尋ねられた国家統計局の担当者は「高所得者の実態が掴めなかったためである」と答えた。
 ちなみに2000年に発表された中国のジニ係数は0.41だった。ある大学の研究者は2007年に0.48という推定統計値を発表している。また世界銀行は2009年に0.47とする推計値を発表している。
 ジニ係数を公表しなくなったという事実こそ中国の格差が報道されている以上に深刻になっていることを表しているのではないだろうか。高所得者の実態が把握できないなら、把握できている範囲での数値を発表すれば良いだけのことなので、公表しない理由にはならないからだ。
 そして同時に明らかになったことは(いくらそうだとしても)、中国の高所得者というのは所得を正しく申告しないことを国の機関が公然と認めているということである。
 一部の推計では現在の中国のジニ係数は0.5を超えているという。もし本当ならかなり社会不安の危険性が高いと云うことだ。それがオーバーだというのなら、統計局は数値を公表してみて欲しい。

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