中国ウオッチ・農業従事者
正月の中国の経済誌によると、主要な食糧生産地である東北地方の三省、遼寧、吉林、黒龍江省は中国最大のトウモロコシや大豆の生産地だが、青年層や壮年層の農業離れがはなはだしく、現場は高齢者や女性が農業従事者の主力になっているという。
中国は農業生産能力の増強を目指しており、その30%が東北三省に割り当てられている。しかし同地方では出稼ぎによる労働力の流出が続いている。今のところ機械化が進むことで、高齢者や女性でも何とか生産力を維持してきたが、長期的には増産どころか安定的な生産量の維持すら困難になることが予想されている。
統計によると農村からの出稼ぎ労働者の平均年齢は男性が34.7歳、女性が32.1歳。農村部に残っている農業従事者の平均年齢は45歳である。農業従事者が今後若返る見込みは全くなく、さらに急速に高齢化が予想される。
日本の農業従事者の平均年齢はもうすぐ65歳だ。それよりマシだとは言え中国も深刻な事態が目の前に迫っているらしい。
もちろんこれは農村部と都市部の収入に大きな差があり、それが解消されるどころか拡大していることが大きな理由であることは間違いない。これを改善しようとすれば農家の収入を増やすために農産物の価格を上げざるを得ないが、それは中国人の生活費の増大につながるわけで、国民の不満を招くことになるだろうし、そのために賃金を上げれば国際競争力を失う。世の中はどこかの国だけが急成長を続けることは出来ない。日本然り、ヨーロッパ然り、アメリカ然り。
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