「清末見聞録(清国文明記より)」・百果粥
上海のデパートで見たお菓子のコーナー。だいたい日本も同じようなものだが、中国の場合一つ一つの量が多い。
臘月(ろうげつ・旧暦の12月)初八つまり師走の八日にこの粥を作ることから、俗に臘八粥(ラパチョー)ともいう。そして、この粥には種々の具を入れることから百果粥(パイクオチョー)ともいう。上は王公大人から下は百姓に到るまで、師走八日には必ずこの粥を作って祖先の霊を祭り、また普段行き来している友達や親戚に送るのを礼儀とする。
百果粥はその名の示すとおり、白米、老米、黄米、小米、高粱などを主とし、これに緑豆、小豆、隠元、および蓮の実、栗、胡桃、西瓜、南瓜の種、榛子(しんし・ハシバミの実)、杏仁、棗、龍眼、などを加えたものである。これらの具は生のまま米、粟などと同時に煮て、後に龍眼と蜜漬けの棗とを加えるというが、日本の正月の十一日に食べる小豆粥のようである。白砂糖を加えて食べるとはなはだ美味である。この風俗が何に由来するのか、いつ頃から始まったのか聞き漏らしたが、ともかくも歳末に際しての行事のひとつである。
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