中国ウオッチ・都市化
中国の都市人口が昨年ついに50%を超えた。2020年には55%を超えるとみられ、そうすると今後農民から都市市民へ変わる人は約1億5千万人に達する。
中国社会科学院は各地の大都市が渋滞や環境汚染などの「都市病」の爆発期に入りつつあると分析している。国連の統計によると2010年の中国の都市のスラム街の人口比率は28.2%である。スラムといえばインドを思うが、そのインドのスラム人口比率よりもわずかだが高くなってしまったという。
爆発的都市病の症状は、人口急増により都市のインフラの不足が定常化し、交通渋滞、環境汚染、秩序の混乱などが慢性化する。まさに中国の大都市で今起こっていることである。
中国の各大都市では住民の自動車の保有台数が増加の一途で、各都市の受け入れ可能な車両台数は限界状態で、渋滞はいっそう深刻になっている。その対策として、「渋滞費制度」の導入が検討されているという。
これは交通渋滞が多発する地区の道路の使用者から一定の料金を徴収することで、経済面から交通管理をおこなおうというものである。急ピッチで進められている、地下鉄の整備をはじめとする公共交通機関の拡充はかえって都市圏の拡大を促進している面もある。直接的に料金徴収で車両の流入制限を行おうというのだ。
症状として気になるのは交通渋滞以上に環境汚染、そして秩序の混乱である。中国のトップが今年替わる。彼らはどのような処方箋を選ぶのだろう。その処方箋にまたぞろ「反日」を選ばないことを心から望む。
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