佐伯泰英著「祝言日和」(幻冬舎時代小説文庫)
ご存じ酔いどれ小籐次留書シリーズ第十七弾。どうもこのシリーズはこのところ余りにも幸せな状態が続きすぎている。小躯でモクズ蟹のような顔をしたアラフィフの小籐次が、絶世の美女のおりょう様に慕われて、望外川荘に夫婦同然のひとときを過ごす。今回は乱心して人質を取って立てこもった旗本たちを相手の大立ち回りと、久慈屋の一人娘の祝言、そしてうづの危難の解決の物語である。これだけでは何のことか分からないだろうが、読めば分かります。
文字がどんどん大きくなってきた。読みやすいのはありがたいが、あっという間に読み終わってしまう。全ての文庫の中で一番大きいのではないか。
ところであまりに幸せだとそれをぶちこわしたくなるのが作家の性である。親しんだ人に突然大きな不幸が訪れないことを願う。佐伯先生お願いしますよ。
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