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2012年3月24日 (土)

中国ウオッチ・収蔵品が紛失しないことに驚愕!

 中国の広州日報が、台湾の故宮博物館をリポートして、大陸からの見学者が急増していること、建物の大増築計画が進んでいることを伝えると共に「過去五十年で紛失したのはわずかに紙一枚と塩一包みであった」と報告した。
 中国国民党の指導者だった蒋介石が、北京の故宮の重要な収蔵物を中国奥地に疎開させ、戦後、それを南京に移したが、共産党に大陸を追われた際にその中から特に逸品を選んで台湾に持ち出した。それが台北の故宮博物館の収蔵物である。その数約70万点。そして北京に残っている収蔵品は21万点に過ぎないと云われる。
 北京の収蔵品については何が何点あるのか未だに目録もなく、その収蔵品の多くが密かに持ち去られているのではないかと云われ、今まで何度もそのずさんな管理状況が告発されている。収蔵品の破損、毀損はたびたび報道されている。それを中国では皆知っているので、台湾の厳格な管理状況が驚愕と共に伝えられたのだ。
 
 北京の故宮には敦煌文書を始めとして、宝物としての収蔵品以外の収蔵物が何万何十万点あるとも云われるが、未だに収蔵されたままで地下に朽ちているのではないかと心配されている。敦煌文書は十万点以上のものがフランス、イギリス、ドイツ、日本、ロシアに散逸したが、それでもかなりのものが中国に残された。そのうち残念ながらドイツのものは空襲で焼失して失われたが、それ以外の国のものはきちんと管理され、研究されている。ところが中国に残されたものは先に述べたとおりの状況である。これでは散逸した方が良かったと言っても過言ではない。
 世界中の中国研究者は、もし中国政府が故宮の収蔵品を公開して分類整理を認めてくれたら皆大喜びで飛んで行くであろう。ましてや中国国内の研究者ならなおのことだろう。しかし中国政府はそのまま放置している。疑えば文化大革命やその後長期にわたってのずさんな管理のためにすでに故宮にはめぼしいものはほとんど失われているか、または湿気や虫食いによって損なわれてしまっているために公開をすることができなくなっているのかもしれない。そうでなければ未だに手がつけられていないことに説明が付かない。
 真に文化喪失のための文化大革命であった。そして文化と共に中国の良心も失われたのである。その再生はいつ叶うのであろうか。その必要を国民が自覚しないかぎり困難だろう。まあそれは世界中がそうだけれど。失われた貴重な文物のことを思うと心が痛む。それ以上に毛沢東の大躍進政策と文化大革命で失われた3000万人とも4000万人ともいわれる生命に心が痛む。南京大虐殺についての狂気のような日本非難は実は裏にこのトラウマがあることは中国人の大半が承知していることなのではないか。知らないのは江沢民により洗脳された中国の若者と、中国のお先棒担ぎの日本のマスコミの一部とそれに振り回されている愚かな人たちだけだろう。哀れなのは中島知子だけではないのだ。

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