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2012年3月 8日 (木)

中国ウオッチ・名古屋市長

 南京と友好都市である名古屋の河村市長が南京事件について言及した言葉を盾にとって、いろいろな友好行事が皆ストップさせられている。南京事件があったかなかったかかという話にされているが、河村市長は南京事件はなかったなどと言っていない。そもそも市街戦が行われて市民に死者が出ないなどと言うことがあるわけがない。大方の市民は戦闘の前に逃亡しているが、逃げ遅れたか、または何らかの目的のある市民は残っていただろう。そしてその市民の中に紛れ込んだ兵士も数多くいたとも言われる。戦闘で興奮した日本兵が、そのような市民を通常以上に殺したことはたぶん間違いないことだろうと思う。だから南京で市民が殺されたことを否定する日本人などいるわけがない。ただし、当時の南京市民は30万人もいないし、おおかたは逃亡していただろうし。最初から市民を殺戮するつもりで計画的に虐殺して廻って、その死者が30万人に上る、と断定的にプロパガンダとして主張されると待ってくれ、それは少し違うのではないか、というのはひどくまともなことであろう。
 それを、言い分を全面的に認めないのは事件そのものの全否定であり、歴史認識が間違っている、言い分を全部認めないなら報復する、と言い張るのはいくら何でも変ではないか。
 あの戦争が、というより戦争そのものが間違ったものであることは日本人なら身にしみて分かっている。そして中国大陸で行った戦争が、犯罪的な侵略行為であったことを否定する日本人はほとんどいないだろう。その点は承知していても南京事件をプロパガンダに利用してあたかもユダヤ人虐殺と同列に論じるなどと言うことは日本人として認めることのできないことなのにその違いがなぜ分からないのだろう。
 では東京を初めとした市民を虐殺することだけが目的の大空襲や原爆はどうなのか。兵士だけが戦う戦争などは空想の世界だけの物語だ。戦争では市民も必ず死ぬ。だから戦争を非難する文言は、決して戦争へ導くような互いの国が感情的に対立するようなものになってはいけないのだ。
 中国の領海や領土についての言動はどちらかと言えば世界に対して摩擦を生むようなものばかりだ。世界一ともいえる大国から19世紀にその地位を追われ不遇の百数十年をへて再度台頭してきた中国は、それこそ歴史にもう少し学ぶべきではないか。世界の戦争はいつも遅れてきた国が引き起こしているのだ。中国もそうなのか。

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