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2012年3月 3日 (土)

原発事故

 3日の夜、NHKのスペシャル番組で原発事故発生前後100時間の状況を詳しく検証していた。原発が電源を喪失して危険であるという通知が、近隣の自治体に数時間のうちに東京電力からFAXで流された。しかし、混乱状態であるし、停電や機器の不具合で浪江町には連絡が届いていなかった。ほかにも届いていなかったところがあったかもしれない。その後の政府からの避難指示も連絡がなく、町長たちはテレビの報道で知ったという。
 なんなのだこれは。普通、大事な連絡は受け取った方からの返信を確認して初めて伝わったとするのは常識であろう。普通の会社でもFAXの注文では注文漏れがないよう確認の返信を返すのが常識だし、返信がなければ念を押す。
 ましてや尋常ではない事態なら、念には念を入れて確認するするのが当たり前だろう。FAXを流したから役目が終わった、責任を果たした、というような、想像力のない人間ばかりだから想定外で全て済ませてしまうのだ。
 言い訳の言葉は想像がつくから聞くまでもない。本来は自治体と政府、自治体と東京電力の原発現場との情報仲介役をする役目を担うはずの、何とかセンターに詰めるはずの人間たちが、いち早く逃げ出したので、中央と自治体のパイプが機能しなくなったのだ。住民を放置して真っ先に逃げ出す姿は、敗戦の時の関東軍を思い出させる。もっとも無責任で醜い行為だと思う。
 百歩譲って何とかセンターが機能せず、しかも放射能汚染されてしまったことから仕方がないとしても、自分たちの役割があっただろう。そのために報酬をもらって生活の糧にしていたのだろう。自治体と中央とのパイプ役として必死の行動を行った様子はみじんも伝わってこない。安全な福島県庁でぼんやりと机を並べて右往左往していた姿を見た記憶だけがある。自分の役割を全うするためにこれだけのことをしていた、という釈明を是非聞きたいものだと思った。役割には責任が伴い、責任を果たすことで報酬が支払われるのだ。そうでなければ給料泥棒だ。
 自治体に何も伝わっていない、ということすら中央には伝わっていなかったことがこの番組で分かった。伝わったかどうか、誰も確認する人がいなかったのだ。馬鹿じゃないか。外部電源の大きさなんか聞いている場合じゃないぞ。

情けなくなった。

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