和田秀樹著「『思考の老化』をどう防ぐか」(PHP新書)
筆者は精神科の医師で、特に老年精神医学を専門にしている。啓蒙書の著作も多く、そのユニークな言説には啓発されることも多い。
この本では前頭葉の働きについての最近の知見も交えた説明があり、前頭葉と老化との関係から、思考の老化を防ぐための生活の仕方を提唱している。
若いときと違い、老齢になったら知識をさらに蓄える、ということに努力しても限度がある。それよりも蓄積された知識を駆使して表現することが薦められている。インプットではなく、アウトプットにこそ前頭葉は使われる。さらに友人や地域の人との積極的な関わりを推奨する。コミュニケーションは前頭葉を活性化させるのだ。
好奇心を絶やさず、前向きに、そして人に積極的に会い、ブログで自己表現をする。これこそ思想の老化防止の方法そのものではないか。これでいいのだ。
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