浜矩子著「中国経済 あやうい本質」(集英社新書)
まことに読みやすい本であった。目配りが単眼的ではなく、しかも論理的なのだ。それに著者の豊かな教養がうかがえるたくまざるユーモアが伴って、快適にしかもわかりやすく読み進むことができる。一般的な中国経済についての知識ベースはこの本を読めばほぼ十分ではないだろうか。もちろん著者も云っているように彼女は中国経済の専門家ではない。しかし必要なことは網羅されていると感じた。
著者の見方や将来の予想に全て同感はできないが、物事を判断するたたき台としては私のレベルでは必要十分であった。全て我々が普通に手に入れることのできる情報を基にこれだけ明快に整理して分析したものを読ませてもらったことを多としたい。
著者をテレビでたびたび拝見して、その外観とものの言い方(失礼)からある距離を置いて意見を拝聴していたが、こんごはもうすこし丁寧に謹聴することにしよう。
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