柴山哲也「日本はなぜ世界で認められないのか」
海外が日本や日本人をどう見ているのか、それは日本人が思うものとはずいぶん違うものである。この本はその違いを詳細に述べながら、なぜその違いが生ずるのか、誰かが見方をゆがめているのか、それとも日本人自身が間違っているのか、自ら考えさせてくれる本である。
たとえば今回の東日本大震災に関連しての原発の事故に対する日本の対応、日本の第二次世界大戦に対する戦争責任、北朝鮮による拉致問題、捕鯨問題などについて世界が日本をどう見ているか知ると日本人にとっては心外な思いが多いものと思うが、ではその考えを前提にしたら日本人は何を語れるのか。それが問いとして突きつけられている。
日本は再び鎖国して日本だけで生きていくことが出来ないとしたら、自分を見つめ直して世界の中で共通認識に立ちながら生きていくことが必要だろう。どうも日本の常識は世界の非常識、というところがあるようだ。
日本はそれを乗り越えて、日本の常識こそなるほど世界の進むべき道である、と納得させられるようになりたいものである。
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